「ワンダーランド駅で」
私は、結婚するのなら晩婚がいいと思っていた。(実際は、早くに結婚してしまったのだが。)自分はともかく、この映画を観て、なおさらそう思った。まずは、自分探しをして、それから自分にぴったり合う男性を見つけるのが望ましい。見かけとかではなく、その男性から醸し出される雰囲気や、生活全般の趣味、日頃の生活様式、それらが、やはり自分に合っている方がいい。ストーリー主人公エリン(ホープ・デイヴィス)は恋人と別れたばかり。母親がおせっかいで恋人募集の広告を出す。一方、配管工をしながら水族館でボランティアの仕事や大学に通っている35歳のアラン(アラン・ゲルファルト)。アランの友人たちは、この広告に目をとめ、誰が一番早く彼女のディープキスを射止めるか賭けを。アランは、そんな広告に嘘、偽りを乗せる女性は趣味じゃないと、気にも留めない。クラスメイトの派手でかわいい女性にアタックされながらもなかなか「落ちない」男なのだ。エリンは、頭が良くハーバード中退、医者を目指していたが、看護師。恋人に振られたせいか、いろんな男性と会ってみようと。この堅い、エリン。やはりなかなか、ぴったりくるような男性にはお目にかかれない。エリンとアラン。二人はすぐそばまで、来ているのに、逢えそうで逢えない。とまぁ、すれ違いでなかなか出会えない二人のそれぞれのストーリーが、ボサノヴァの軽快なリズムに乗せて展開していくのだ。広い世の中で、ぴったりくる相手を見つけ出すのは、砂の中に埋もれている宝探しのようなもの。でも、きっとすぐ隣に住んでいるのかもしれない。あとは、見つけ出す自分の感性を信じるだけ。私が思うには、それはある程度、人生経験を積んだ方が探しやすい気がする。もちろん、恋愛経験も。あまり、展開的に盛り上がりもなく淡々と進む映画だが、ラストのシーンは目に焼きつく。観終わって、良かったな。としみじみ味わえる映画だ。題名の「ワンダーランド駅」の響きがこの映画のトーンにぴったしだ。ボサノヴァの音楽が心地よい。監督/脚本/編集:ブラッド・アンダースン出演:ホープ・デイヴィス/アラン・ゲルファント/ヴィクター・アーゴ/フィリップ・シーモア・ホフマン1998年アメリカ