「第三の男」といえば、あの音楽ですね。
エビスビールでもおなじみの。
ラ・ララララーラ・ララ~ン♪
 
アントン・カラスのツィター(オーストリアの民族楽器)の音色 
軽快なリズム、楽しげなメロディ・・とは裏腹
内容は結構重かったりします。
 
簡単なストーリー
舞台は第二次世界大戦後のオーストリア、首都ウィーン
アメリカから友人に仕事をもらいに訪ねてやってきた小説家ホリー・マーチンス(ジョセフ・コットン)。
その日、友人ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)は交通事故で死んだと聞かされる。
ライムの葬儀で会ったイギリス軍のキャロウェイ少佐。
彼から、ハリーはとんだ悪人で、闇取引をしていたと聞かされ、
昔からの親友が悪党だったとは信じられないマーチンス。
真相を究明するべく、ハリーの恋人アンナ(アリダ・ヴァリ)に接触。
美しいアンナは、ハリーのことが忘れられない。いくら悪いことをしていたと聞かされても。
そんなアンナに心魅かれていくマーチンス。
 
交通事故を見ていた門衛が、現場には「第三の男」がいたとの話を聞く。
ところが、この門衛は何者かに殺され、
あらぬ疑いをかけられてしまったマーチンス。
そんなマーチンスの前に現れた「第三の男」とは!
 
感想

光と影の芸術美という言葉がぴったりきます。
濃い影と、浮かび上がる白い顔。
それは「第三の男」の正体。
 
静かな広場に、突如現れる大きな黒い影。
それは風船売りのおじさんの影だったり。
 
戦後の暗いウィーンの街角。
闇に光る街灯。
濡れる石畳。
 
モノクロ映画の美しさを味わうことができます

圧巻はクライマックスの下水道のシーンでした。
流れる水に、鳴り響く足音。飛び交うドイツ語。
「第三の男」が追い詰められていく
緊張感いっぱいのシーンです。

この下水道、ドナウ川に通じていて、ロシア地区に逃げ延びることも可能です。
そこが、この映画のスケールの大きさも感じるところかもしれません。
 
ホリー・マーチンスのとまどった表情も印象に残ってます。
 
親友とばかり思っていたハリーに別の顔があるということがわかってきて、
困り果てて、困惑した目をする彼の姿が何とも哀れな感じがしました。
 
 
以下ネタばれあり
 
 

 
 
 
 
 
 
キャロウエイ少佐から、どんなに悪人かと聞かされ、
だんだん、友との決別を決意するあたりの心の変化が、あの有名な大観覧車のシーン
こちらも痛いほど伝わってきました。
 
お金の為なら、人の命なんて何とも思わない彼。

ペニシリンをうすめて、大量の被害者を出しても
悪びれることもなく開き直る彼。
 
そんな彼をかばうアンナに、心優しいホリー・マーチンスは、
彼女のことをあきらめ切れません。
 
それが、並木道のこれまた有名?なあのラストへと。
 
全編にわたって鳴り響くツィターの音色と、サスペンスが絶妙に合う映画だなって思いました。
 
ハリーの不敵な笑み。
 
追い詰められた時のあの哀れな目。
 
子猫に慕われる彼の姿と、凶悪な別の一面を持つ彼のアンバランスさ。
 
背景には戦争の影があったのでしょうか。
 
オーソン・ウェルズ、顔はハンサムではないけど(失礼!)
 
やっぱり存在感ありましたね。