英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
ライブドアニュースにこんな記事がありました。
この記事を見て、日本の英語教育批判をしている人もいらっしゃいますが、それは的外れだと思います。
日本の英語教育が悪いから日本人は英語ができないという人は多いですが、では日本の英語教育が良くなれば日本人は英語ができるようになるのかというとそれはどうかなと思います。
○○を学校で教えてくれなかったと恨み言をいう人は多いですが、仮に教えたとしても学習者に学習意欲がなければ結果は同じです。(微分積分なんて覚えていないでしょう)
英語に限らず学習者に学ぶ気がなければ、何を習っても身につきません。
学校で6年間英語を学んでも英語を話せないと言いますが、そもそも6年間で学校での学習時間は週に6時間授業があったとしても6年間で1000時間強です。
しかも授業の中には説明を聞いたりする時間も含まれますから正味の学習時間はもっと少ないでしょう。
この学習時間で英語が話せるようになるのはかなり難しいと思います。
(基本的な会話ができるようになるのに大体1000時間はかかると言われています)。
語学の学習は理屈半分、慣れることが半分だと言われています。
学校では理屈の部分は学べますが慣れる部分については自分で練習するしかありません。
日本人が英語ができないことを学校教育のせいにするのはそろそろ止めた方が良いと思います。
そんなことを言ったところで何も問題は解決しません。
私自身も大学3年生の時にアメリカでホームステイして、思うように英語を話せませんでしたが、学校教育が悪いなんて1ミリも思いませんでした。
ただ自分の努力不足だと思っただけです。
でもこの悔しい経験があったから頑張って英語を学ぶことができたと思っています。
高い英語力を身につけたいのであれば学校で学んだことをベースに自分で学習するしかありません。
今はインターネットが発達していますから、その気になればいくらでも良い教材を無料で手に入れることができます。
私達は英語学習をする上で本当に恵まれた環境にいます。
私が尊敬する同時通訳者の故國弘正雄先生や松本道弘先生が若かった時は、英語を学ぼうにも教材が本当になかったそうです。
國弘先生は教科書をアメリカ人に頼んで読んでもらって正しい発音を覚えたそうです。
國弘先生が教科書を500回以上音読されたのも他に教材があまりなかったからだと言われていました。
松本先生は関西在住だったので、当時は大阪でFENを聴くことが出来ず、東京に行った時にはFENが聴くことができるので、嬉しくて1日中聴いていたとおっしゃっていました。
お二人共留学をすることなく同時通訳者になられました。
國弘先生や松本先生の時代のことを思えば今の私達の学習環境は本当に恵まれています。
これ程恵まれた環境にいて文句ばかり言うことは恥ずかしいです。
「便利は不便」
國弘先生がよくおっしゃっていた言葉です。
学生時代に英語を勉強していなくても何歳になってからでも学び直すことはできます。
私が英語を本気で学び直したのも30代後半です。
何歳からでも英語を学ぶことはできます。
頑張りましょう!
御意見、感想、大歓迎です。