皆様、ご機嫌YOです!
さて、前回水木しげる先生の戦争体験のお話をしましたが今回も水木しげる繋がりのお話です。
ゲゲゲの鬼太郎のエピソードの中に「幽霊電車」と言う話があります。このお話は何度かアニメでも出てきたお話でシリーズごとに内容は異なっているのですが、その中で第6期のお話が非常に怖いと言う事で当時話題になりました。
しかしこのお話、個人的には学校や会社、全ての組織において教育素材として使用して欲しいとも思っています。
では、まずはさわりの部分だけ紹介しましょう。
冒頭、駅のホームでLINEをしている女子高生。
しかしその内容はクラスメイト(?)へのいじめで盛り上がっていました。そこへふらついてきた男がぶつかり、危うく線路に落ちそうになります。怒った彼女が写真を撮ってネットに晒そうとした瞬間、その男が線路に飛び出して…
そこから舞台は夜の屋台。
屋台で飲んでいる社長とその部下。社長が妖怪なんて信じてる奴は、バカだ、クズだとぶち上げている所へ鬼太郎とねずみ男が通りかかり、彼に言葉をかけます。
「お言葉ですがね…見えないものでもいるものはいますよ」
反論された社長は鬼太郎に罵詈雑言を浴びせます。
「あんたはホントに哀れなやつだ」
鬼太郎に言われた社長は怒り心頭、おもいきり鬼太郎を蹴飛ばしました。ゴミ箱に蹴飛ばされた鬼太郎は冷たい表情でこう言います。
「因果応報と言う言葉を知ってるか?覚えておくといい、自分が今までしたことはやがて自分自身に帰る…」
鬼太郎の冷たく恐ろしい表情と言葉に気おされた社長はそそくさとその場を去る。一連の騒ぎのせいで終電を逃した社長と部下、そこへ臨時列車がやってきたのだが…
…と導入部はここまで。
ここで興味が出たがまずは結末を自身の目で確かめたいと言う来訪者様はブラウザバックし、本編視聴後に改めてお越しください。ネタバレになるけどそれでいいよ、と言うお方はそのまま下へグーっとスクロールしてください。
さて、もういいでしょう。
ここからはネタバレになります。
この社長、とある中小企業の社長なのですが救いようのないパワハラ、ブラック社長で多くの社員がこいつのせいで心を病んだり、自殺に追い込まれるほどのクソ野郎なのです。しかも本人は自分は会社のためにやってるのだと自身の罪深さを全く認識していない、「自分が悪と気づかない悪」です。
電車に乗った社長(+部下)でしたが、電車内で恐ろしい怪奇現象が次々と起き始めます。酷くやせ細った不気味な老婆や自殺した部下たち、そして自身が馬鹿にしていた妖怪たちにも襲われます。ちなみに社長と一緒にいた「部下」、実はこの人も社長によって自殺に追い込まれた犠牲者の一人だと言う事が判明します。
想像も絶する恐怖に耐えかね、精神的に追い詰められてた挙句、電車の窓から飛び降り脱出しようとするが何故か飛び降りた先も電車の中。驚愕する社長の前に現れたのは
「……この電車は、降りられませんよ…?」
「これは、『地獄』行きの電車です……。」
その人物は…鬼太郎でした。そして、彼は怯え切った社長にある事実を告げます。それは…社長は既にこの世の人物ではない事、その死因は己が自殺に追い込んだ部下たちの怨念によりホームに突き落とされ電車に轢かれた事(そう、冒頭ので電車にはねられたのはコイツって事)。
ようやく自分の死、そして自分の行き先が地獄である事を理解した社長は鬼太郎に助けを求めますが、鬼太郎の答えは冷たいものでした。
「あなたはそう言った人達を助けた事は有りましたか?」
そのまま去ろうとする鬼太郎に「それでも人間か!?」と自分を棚に上げてなじる社長、それに対する鬼太郎の答えが極めて秀逸です。
冷たい表情で返された言葉に絶望の表情を浮かべる社長。
かくして自分の立場を鼻にかけ、歪んだ価値観で社員たちを苛め抜き、不幸に追い込んだこの下衆は絶望しながら地獄へと連れていかれました。鬼太郎が冒頭で言った「自分が今までしたことはやがて自分自身に帰る」、この男がたどった末路はまさにそれだったのです。
このクライマックス部分、動画にもなっていますので
沢城ヴォイスの鬼太郎ともども雰囲気を感じてください。