【概要】
子の連れ去りが起きてしまう連れ去り親の気持ちを纏める。次に現代におけるその連れ去りを促進してしまう社会の仕組みを述べる。そしてまた連れ去ったことによる当事者の心理的影響を書く。最後にあるべき姿の一案を述べる。
【連れ去り親の心情(例)】
※ボリュームが多くなったので移動しました。
【連れ去りを促進してしまう形を作り上げている社会の仕組み(例)】
まえおき
(目次)
1.単独親権制度である
2.連れ去り親は、離婚条件を要求しやすい
3.司法・立法・行政の三権分立が機能していない
4.司法の処理能力に限界がある
5.行政の仕組みに不備がある
6.立法の仕組みが疑義があり、スピード感もない
7.子どもに会わせない方法が助長(アシスト)されている
8.弁護士業界として不況の傾向にある
9.弁護士業界において倫理的な監査が弱い
10.司法手続きしても親子分断の傾向にある
11.司法関係者向けのテキストが別居親の問題に着目している
12.司法は調整が遅い
13.警察(行政)はほとんど対応しない
14.離婚の統計が十分に周知されていない
15.共同養育に対する一部の見方が過剰である
16.子ども救済の名の下の利権
17.配偶者追い出しモデルがある
18.法務省では、子どもの利益優先と表向きはされている
19.ひとり親家庭は安定的とはいえない
20.DV支援措置のシステムは雑
21.弁護士書面の闇
22.確証バイアスと誤った情報拡散
23.男女共同参画ではない生活実態
24.審理機関が長いことによる引き渡し不履行の実態
(本文)
1.単独親権制度である
諸外国に比べて、日本が古くから片方の親の生活でも成り立つという古い考え方が見直されていない。離婚後、深刻な虐待などがなければ、連れ去り親に親権と監護権が認められるケースが殆どである。親権というのは、保護者としての定義があり、様々な権利が法律で定められている。そこを単独親権によって法的により除外されている。後述するように本来は、子の利益になるように運用されなければならないとも法務省が見解を示しているが、実態とかけ離れている。先進国の中でも整備が遅れている。これについて国際的な批判や勧告を浴びてきたが、改善がなされる動きは相当鈍い。
※インド、サウジアラビアでは条件付きや、地域差もあるので、一概にこの枠に該当するとは限らないが、ここでは4国とした。
※最近では、国によっては地域差はあるが、基本的にはこの考えとなっている図もある
2.連れ去り親は、離婚条件を要求しやすい
連れ去り親からは、婚姻費用請求を司法へ申立てることができる。これが住宅ローンや車ローンなどの支払いがあったとしても、何もほぼ考慮されることなく算定表にもとづいて支払いを別居親に要求されることが妥当とされ、義務も生じている。生活苦になることにより、連れ去られた親については経済的な苦痛を伴う。ほとんど貯金すらできない状況に追い込まれる。算定表は見直されたにも関わらず、面会交流の見直しがされていないので、算定表改定後に連れ去りが増えた可能性がある。この算定表は裁判官が作ったものであるため、生活実態の調査が正しくなされているかどうか疑問が残っている。年齢的な算出方法もかなりアバウトで、0歳~14歳、15歳~の2区分しかない。保育の無償化などの制度が拡充されていることは含まれていない。税控除や支援サービスなども算定には含まれておらず、一般的な家庭として表を作成している。したがって居住地が、都会・地方も考慮されていない。また居住形態が賃貸・実家であろうが全く考慮がなされていない。有責配偶者は、婚姻費用を先に請求することによって有責事項の訴えがないうちから親子関係の単独確保にむけて動くという仕組みが出来上がっている。これは日本司法の欠陥である。
(引用元:国税庁)
(引用元:裁判所)
算定表は、以下のような単純計算で成り立っている。
平均値を使って考えると、だいたい子ども二人いると10万円を婚姻費用として払う。ここで567万円の平均的な手取りは28万円と言われている。住宅費用は地域によって差が異なる。10万円と仮定する。そうすると残り8万円で、生活費など割り当てる。食費(5万円)、通信費(1万円)、日用品(1万円)、保険料(5千円)、光熱費(5千円)、医療費(5千円)、美容費(5千円)、車(2万円)とすると、1年間で36万円の貯金を切り崩して生活する。連れ去りを示唆する弁護士は、財産をほとんど連れ去り親に対して持ち逃げするように言われる。これはなぜか罪には問えない。そして別居親は、生活できなくなるから、経済的に離婚しなければいけはいという状況に陥る。
以下のとおり、養育費・婚姻費用算定表は裁判官が決めたものであり、経済産業省などが生活水準を調査したものではない。
(引用:裁判所)
3.司法・立法・行政の三権分立が機能していない
困窮する実態があるにも関わらず、それぞれの機関が見直しを相互に見直しをかける機会が少ない。また改善を話し合われることがあるが、それぞれの機関の身内の中での意見交換にとどまることが多く、三権分立の観点から事実に基づいて見直すことが殆どない。また事実調査を行われるべきであるが、そのような動きは主体的に行われていないため、生活の実態が見えない。
(引用元:衆議院)
司法を支える弁護士が、国会議員になっている人数も多く、そもそもが独立した観点になっていない。
↑弁護士白書より引用
4.司法の処理能力に限界がある
人生を左右する一大事であるにもかかわらず、個別のケースに対応するという観点で働きかけができていない。家庭裁判所は、家族の修復を目指してお互いの信頼関係を取り戻すための調整機能として位置付けられていたが、その役割が薄れた。地方裁判所の業務が圧迫し、これまで3人の裁判官だったものが、家庭裁判所における1人の裁判官判断という形になってきている。そのため、これまでの一般的な判例を遡るケースが多くなり、個別のケースについて追及するという機会が減った。また家庭裁判所は非公開なので、司法判断が公平であるかどうか第三者である一般市民は知ることができない。
5.行政の仕組みに不備がある
連れ去りかどうかということを確認しないまま、行政手続きを進めることができる。子の福祉かどうかということについて考慮されるべきところであるが、一方的な片親のみの申請であっても手続きがが実施できてしまう。これを未然に確認すべき方法が手順化されていない。他方、本当のDV被害者に対する避難については、片親のみの申請で実施できるので迅速に保護されるべきであろう。ただし保護理由と保護対象者を明確に考慮すべきであり、そこに子どもが巻き込まれるかあるいは適正に保護を受けることができるかという疑念がある。虚偽DV被害者については、誤認定をしたことにより愛知県半田市のように裁判となり、最終的には●和解した事例(外部サイト)もある。虚偽DV被害者は、本当の支援すべきDV被害者にも影響を及ぼすので、悪用を避けていただくように願う。またそもそも法務省の民事局幹部は殆ど裁判官からの出向であり、行政側で働くトップの組織が三権分立となっていない。
↑引用元
6.立法の仕組みが疑義があり、スピード感もない
司法として事件が多いにも関わらず、実態の調査があまりなされていない。そして実態に合わせた調査状況から、法の在り方を見直す機会が非常に少ない。これは連れ去りだけではなく、医療、教育、産業、暮らしなど多くの分野においてスピード感を持った調整になっていない。諸外国の動きや国内の世論をきちんと吸い上げるべきである。それだけではなく法務省は他事案と同様に法制審議会に出席する人が、ビジネス的な利権を得る人、もともと司法に携わった人が多いことから、家族の在り方を見直す機会が正当に議論されないまま審議の議事録が曖昧になっていることが挙げられる。法制審議会家族法制部会の構成メンバーのうち、6人に1人の割合で裁判官であるという判検交流があり、三権分立になっていない。その点、民間法制審議会家族法制部会からの指摘で、ようやく資料が補足されたことから、民意として様々な主張があることが議会に反映されてきていない経緯がある。議論にはメリット・デメリットの両方からしっかりと着目すべきであるが、そもそも一般的な家庭の暮らしと比べて評価すべき観点が抜けている。出てきた案の中での相対評価でしかないことが多い。おかしな点は、国民の声を聞いてどれだけの実態があるのか客観的に数字を把握することができていないのにも関わらず、立場や利権によって話が一方的に進んでいる。選択制の共同親権ならば、選択的に親にならなかったとすると、子どもにとって親に意図的に見捨てられたという印象を持ってしまう可能性が高い。それにも関わらず、親同士の対立させることで、利権を得ようとする力が働きすぎている。また子を視点に考えると、親だけではなく本来であれば祖父母などを含めて平等にサポートできるように自然な形に目を向けるべきところであるが、共同親権の議論には、親と子のみしか登場人物がいない。家族としては脈々と受け継がれてきた命であることから、そこは共同ファミリーとしての目線があっても良いのではないか。
以下は、法務省の法制審議会よりも、当事者が集まった民間法制審議会(代表:北村晴男弁護士 ※行列のできる法律相談所の出演者、自らの親が離婚)が作成している中間試案である。こちらのほうが自然的な考え方だと思う。
以下は、法制審議会家族法制部会委員会名簿である
法制審議会については、法務大臣の諮問に応じて調査審議する場所(法務省組織令第55条1項)としての位置づけであり、その真審議結果がそのまま立法になるというわけではない。明確に賛成しているのは、武田委員。一方で明確に反対しているのは、赤石委員、戒能委員、原田委員、水野委員である。よってパブリックコメントにて実態として望まれている声を救い上げることが重要である。
一方で、立法府側では以下のような流れもある。
7.子どもに会わせない方法が助長(アシスト)されている
典型的な例として「有責事項の発覚 or 性格の不一致」⇒「子の連れ去り」⇒「虚偽ドメスティック・バイオレンス(虚偽DV)」⇒「婚姻費用請求」⇒「離婚調停」にしておくと親権がほぼ確実に確保できるとして、離婚弁護士から指南される。本当は家庭問題を相談したとしても、弁護士ビジネスとして多くの契約を結ばせるように、そして大きな金額が払えるように流れを指南される。そこには報奨金が絡んでくることもある。家庭裁判所の仕事量が増えて、裁判所での調整が長期化する傾向にあるため、その分引き延ばし分がベネフィット(利益)として還元されるときがある。例えば、婚姻費用(もしくは養育費)のうち回収金額の一部が割合として報酬となる。
8.弁護士業界として不況の傾向にある
事件件数に対して弁護士数が飽和状態にあるので平均年収が下がってきていることは有名な話である。倫理的におかしいと思っても、様々な事件を弁護士が引き受けてしまう現象が起きていると思う。同一事件にないとしても、不当な連れ去りによる弁護ができてしまうこと自体が、マクロな視点としてみたときに利益相反による関係性を作り出し、親子引き離しの助長になっているのではないかということを考える。つまりは弁護士数が飽和するに従い、あまり手をつける分野の少ない離婚弁護士が増えて、逆に自力救済(自然的な話し合い)ではなく法に基づく対立構造を生み出す傾向にあるのではないかということが予見される。世の中にとってより良い社会にするために弁護する立場になったのではないかと感じるが、本当に将来にとって生産性のある世の中にあるのだろうか。本来は弱い立場になった方を法的に救済できるような"弁護”のはずだと思う。
弁護士の収入は、かなり高額であるが低迷してきている。どんな案件でも事件として取り扱う心理が強くなる。個人事務所ほど作業共通化や分担制による低コスト化が難しいので、人道的ではない受任の傾向が強くなっていく。
(引用:プレジデント)
弁護士試験も受験回数が増えた。事件数に対して弁護士数の増加が著しい。
(引用:日弁連の弁護士白書)
人権侵害を平気で推奨している弁護士もいる。虚偽DVでも問題ないとして親子の切り離しをしている。小魚さかなこと称しているのは、岡村晴美弁護士であり、虚偽DVを利用することを公言している。残念ながら不当な運用があることにより、本当に被害を受けている方が、更なる不利益をもたらしていることになりかねない。
また養育費を以下のように相場観として本当に適正なのかという金額を設定している法律事務所もあるようだ。
ここで、ようやく「当事者」や「未来の弁護士」のためにも改善していこうとする信念が、日弁連の会長によって●生活困窮の解消や利権解消などに向けての方針が示された。
だが懸念事項もあり、婚姻費用(養育費)の申立の養育をわざと受け取らず、ひとり親家庭の支援制度適用になってから、請求する人もいる。また支援団体としては、双方の協力のもと養育されることにより、なぜかひとり親にさせることのほうが利益が出るので、多数派の世論の声とは逆に、寄付金などが得られるように、あたかも支援が必要なように述べている。養育費は義務があり、仮押さえもあるほどの強制力があるのにも関わらず、これまでの法制審議会では、独自のアンケートを示してきた。この団体の正味の決算は以下の通りである。
9.弁護士業界において倫理的な監査が弱い
弁護士職務基本規程があるが、第75条「弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない」とあるのにも関わらず、調停では依頼者が発する言葉よりも、さらに一方的な主張となることが多い。ただしそれらの書面を作成しても、本規定を遵守するような作用には働きにくい。以下は、受任(契約)することの早期実現を促す弁護士向けセミナーの告知である。
上記のように、双方の話し合いを円滑に進めるのが本来の家庭裁判所に求められる機能であるが、離婚準備段階にまで広げた早期介入で離婚案件を増やすことに着眼点がおかれている。これが社会の福祉に叶うといえるのだろうか。本来は家庭問題の仲裁に入り、話し合いを円滑に進める方法という社会理念が最良ではないのだろうか。
木下貴子弁護士については、離婚と面会制限を含めて交渉させる●ガイドラインを広げている。親子関係と夫婦の紛争は、別問題としなければならないが、ここでは特に記載なく、面会制限するための目的としか読み取れない。
10.司法手続きしても親子分断の傾向にある
面会交流(親子交流)として、別居親と子が会えるように機会を与えることがあるが、その傾向としては、月に1回が最も多い。たったの1回でしかも2~3時間程度であることが多く、とても養育できるような時間にはならないと思う。
面会交流の頻度については、●司法統計の検索において「面会交流の回数等別」と文言を入れて検索すると最新の統計を参照することができる。
(1) 実子による未成年者略取誘拐罪に関して、警察と検察において親告罪に対する認識のずれがあり、警察にとっては刑事訴訟法の解釈によっては、未成年者略取誘拐罪は、現に不当な支配下にあることを持って継続犯として、犯人を知った日から6か月経過後でも事件として処理することが妥当性があるはずだが、検察は告訴状受理から6カ月前までの事件しか起訴しないとするような一方的な個人解釈を示したり、ほとんど嫌疑不十分(または証拠不十分)として捜査をしない。親子問題としてきちんと起訴されて身柄が戻ったのは数件程度とも言われている。本来の刑法に照らし合わせず、不起訴前提の事件受理というケースが起きている。
この支援団体の方針については別居親の祖父母の交流は認められていない。つまり孫に会えず、死期を迎える人もいる。
この当該する公益社団法人については、売り上げが21年度の決算にて2億円を超えており、利益率は13%である。理事には、労働派遣業や弁護士界隈の方も含まれる。公益社団法人の定義として、利害関係者の人数は1/3以下であれば公益社団法人としては成立する。ただし従業員が5名程度であるのに対して理事人数はそれを上回ることから、利害関係者の割合を小さくするような働きに思える。そうだとすると、もう少し適切な面会交流費用になるように見直されてよいのではないか。
国から補助金も得ている。支出明細書は開示されている。人件費は3700万円程度。一人当たりの給与はどれくらい支給されるかは大まかな予想ができる。
以下の事業報告書では、面会交流支援がコロナで減ったことが記載されているが、支援数が増えることを回復としている。本来は当事者解決するための面会交流であるので、第三者支援の数が増えることを回復と表現するのは適切ではないのではないか。
また面会交流支援機関は、地方の弁護士と同じ住所になっていることもあり、弁護士の利権としても存在する可能性を否定できない。そうなると、親子問題を減らすことで利権が失われるもなると、保護の意味だけを主張し、あたかも親子が一緒にいることが危険でリスクのあるものだといったところを誇張し、情報として伝えることも予見できなくは無い。しかもFPICとしては偏った同居親が絶対的に養育ができる方針を策定していた。支援者の許可がない限り、別居親の親族は会えないのである。内緒話というのができないというのもおかしい。子どもの権利第16条では、子どもの秘密を守る権利があることから、自由に話をしてよいはずである。公共場所である学校行事にも参加できない。支援が止まる仕組みになっている。同居親と別居親の差別になっている。
なお実際の利用者における連絡については、心理的バイアスのかかるようなやりとりがなされている。
↑Twitterより(個人特定回避のためリンクせず)
東京面会交流支援センターは、18年度の決算で約5割の利益で出ている。21年度の決算も黒字であったが、22年3月に料金改定もあった。ハッピーシェアリングでは、ボランティア募集になっている。融資を募っている。無償での社会貢献は素晴らしいが、一方で親が子に会うというだけで収入を得ている。一般論としてボランティアは、何らかの事態が起きても責任を負わない見方もあるので、このような形態が多く存在するのも見直されなければいけない。
以下はハッピーシェアリングの利用料金である。ただ他の交流支援団体と比べると相場としては低めになっているかもしれない。できれば、もう少し利用しやすいように別居親からの意向も含めてシステムを改良していくことを願う。
面会交流支援センター・モモであるが、こちらもボランティアによって支えられている部分がある。問題なのは、法律事務所内に面会交流支援があり、裁判所の取り決めで決まったことによって、法律事務所が利権に絡んでいる。
面会交流支援機関としては安いほうだが、本団体は新規受け入れを停止している。利権かもしれないと疑われるからだろうか。
追い出し別居の一例としては、以下のように簡略的に示すこともできる。
そもそも父母の紛争(対立)があったとしても、親子関係としてどのような関わりが必要かということが正しく司法判断されていないことの実態を無視していることが問題になっている。「父母の対立があったとしても、片親の現状の監護状況が良ければよい」ということであれば先に連れ去ってしまったほうがよいという理屈が曲がり通ってしまうため、連れ去りが減らない。これでは、共同養育にすることもできないし、過去の監護状況にもとづく親子の関係性が蔑ろになってしまう。実態がきちんと明確になっていくことを望む。
24.審理機関が長いことによる引き渡し不履行の実態
この纏まりを少し分解してみると、このような関係性もある。この事実をシンプルに切り分けて明白にするべきである。実態にもとづき双方の被害者を守られるように実態調査がなされたり、両方のケースをピックアップされることが建設的な取り組みになるといえる。利権が絡んでいるとどちらが有利かということで白黒の判断になってしまう危険性がある。
【心理的影響(一例)】
※ボリュームが多くなったので移動しました。
【将来の立法における共同親権や単独親権のモデル】
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