こんにちは、つくるまなぶ京都町家科学館ものづくりナビゲーターのかちゅーです。
今回は、夏休みの宿題の定番「自由研究」について
計算ドリルや漢字ドリルと違ってどうやって手を付けたらいいかわからない…と悩んでしまう方も多いのはないでしょうか?
自由研究ってこういう風に進めればいいんだ!そういう学びになるのか!という助けになれたらいいなと思います。
そもそも自由研究ってなに?
自由研究は1947年から5年間ほど小学校の「教科」として設置されていたこともありました。「何かの時間をおいて、児童の活動をのばし、学習を深く進める」ことを目的とした活動であるとされていました。
これは現代でいう「総合的な学習の時間」「総合的な探究の時間」の先駆けのようなものです。なので、宿題としての「自由研究」の進め方も、総合の時間の中でしっかりと説明されていればいいのですが、自由の名前に任せてなんの説明もないことも多いのではないでしょうか。
自由研究は、自分で課題を決めて、それについて調べたり実験したりという「知る(インプット)活動」と、わかったことから何かを作りだしたり、レポートとしてまとめるという「創る(アウトプット)活動」を繋げていくことです。
これは、いま子どもたちがこれからの時代を生き抜くための力をつけるために必要なことだ!と言われている「探究的な学習」「STEAM教育」といったものと同じ手法です。
教科での学習と、日常の生活、自分の興味のあることを結び付けて学ぶ。いまもっとも大切とされているこの学び方の実践の機会として、「自由研究」に楽しんで取り組んでほしいなと思います。
・自由研究ってなにを書けばいいの?
自由研究のレポートに書くべきことはだいたいこんな感じ
1.研究テーマ(タイトル)
2.研究のきっかけ(なぜそのテーマにしたか)
3.研究の方法
4.研究の結果・分かったこと
5.感想
6.参考にした本、webページ(参考文献)
7.お世話になった人や施設(謝辞)
ここに社会的背景や、研究が社会に与える影響まで書いてしまえば研究者の書く論文とまったく同じ構成です。
といっても難しく構える必要はありません。
小中学生が自由研究を楽しい学びの機会にするのに大切なのは、
なによりも「研究のきっかけ」の部分ではないかと思います。
なんとなく流行っているっぽいからSDGs!としてしまうよりは、自分が興味を持って主体的に取り組めるテーマを設定するほうが深い学びの機会になるでしょう。
(自由研究コンクールに出すからウケのよさそうなテーマを!という考え方もあるかもしれませんが、まともな評価委員が見ていればどれだけ本気でやったかは見抜かれるはずなので、ちゃんと興味のあるもののほうがいいと思います。)
研究テーマをどうやって決める?
主体的な研究のためには「研究のきっかけ」が大事といいましたが、
きっかけは「好きだから」「気になったから」「不思議に思ったから」という簡単なことでいいのです。
外的な要因ではなくて、”自分が気になったことだ”ということがなによりのモチベーションにつながります。
テーマの決め方の1例を示してみましょう。
1.まずは単語レベルで好きなものを考えてみる。
「ネコ」が好き。
2.なぜ好きかを考える。
かわいいから、すごい動きができるから
3.なぜ?に書き換えてみましょう。
「ネコはなぜかわいいのか?」
「ネコはどうして高いところから落ちても平気なのか?」
研究テーマっぽいものができました。
4.インターネットで検索してみましょう
「ネコ なぜかわいい」
「ねこ 高いところ けがしない」
きれいな検索ワードでなくても、Googleさんは優秀なのできっと望んでいる答えをみつけてくれます。
こんな情報が見つかりました。
めちゃくちゃかいつまんでまとめると、
「ネコがかわいいのは、顔のつくりが赤ちゃんみたいだから」
「ネコが高いところから落ちても平気なのは、手足を広げてスピードを落として、着地のときに筋肉と肉球で衝撃を減らせるから」
だそうです。
よっしゃあ
1.研究テーマ:ネコはなぜかわいいのか
2.きっかけ:ネコ好き
3.研究方法:インターネット検索
4.結果:顔のバランスが赤ちゃんみたいだから!
終わり!
……
ではありません。
なぜ?が検索しても解決しないときは、どうすればわかるか考えることで研究が始まりますが、多くの場合は答えが見つかってしまうでしょう。
答えが見つかってしまったときにでもできることが、「実験」することです。
実験というのは、フラスコや試験管で薬品を混ぜることではなくて「やってみる」「つくってみる」ことです。
「ネコはなぜかわいいのか」なら
顔のバランスの違うネコを絵で描いたり、羊毛フェルトでつくったりして
どれがかわいく見えるかいろんな人に聞いてみるのです。
調べた結果と同じになるのか、ならないのか。同じにならないならなぜなのか、それを考えれば世界に一つだけの研究です。
え、羊毛フェルトなんて使い方がわからない?そんなときはつくるまなぶの講座があります。(突然の宣伝)
「ネコはどうして高いところから落ちても平気なのか」なら
手足を広げたようなネコの模型と、手足を縮めたネコの模型を落としてみて落下速度を比べてみましょう。
なぜ?が調べて解決してしまったときは、自分なりの方法でその答えが正しいのか「実験」してみることが、おもしろい研究にするためのポイントです。
せっかくの自由研究。ぜひ深い学びのチャンスを楽しんでみてください!
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