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■前書き
最近と言っていいのか、随分前から思っていた事があります。
それは、民主主義には寿命があって、そろそろ限界が近いのではないかと言う事です。
民主主義の力は信じたい所ですが、どうにもそう思えてなりません。
それでは、詳しく話していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
■社会主義への回帰
戦後、社会主義=悪であるかの様な教育をなされ、民主主義こそが正しいと言うアメリカの価値観を植え付けられた訳ではあるが、その部分を批判する気は全くない。
ただ、北朝鮮からの脱北者の話やソビエト連邦崩壊後のロシアやアラブの春を成功させた後の社会主義回帰の現象をみていると、全ての民族にとって民主主義が正義であり、社会主義が必ずしもダメだと言う訳でもなさそうだ。
これは何を指しているのか、取り敢えず簡単に説明してみよう。
まず、北朝鮮の脱北者の話とは、テレビニュースで追跡ドキュメンリーのコーナーでのインタビューの内容から来ている。
今まで、自由なく生きてきたある北朝鮮男性にとっては、脱北する事で韓国へ逃れ、自由に生きる権利を勝ち取った今、自由の意味が分からなくて、一体何をどうすればいいのか分からないと言うのだ。
今になってみると、国から言われた通りの労働をし、与えられた食事をし、ルールから逸脱せずに何も考えずに生きてこれた北朝鮮での暮らしの方が良かった様に思うと彼は語っていたのである。
そして、ロシアでの話もそれと類似していて、ある酪農家の男性の話なのだが、ソ連時代は、絞ったミルクは政府が定期的に取りにきて、仕事の流れは全て政府が決めた通りに動いていたのだが、ソ連が崩壊したその後、絞ったミルクは誰も回収に来ず、お金も食料も入って来なくなったと言うのだ。
つまり、彼らは、顧客や仕入れ先を自分の手で開拓すると言う術もなければ、その発想すらないままにいきなり民主主義の世の中だと言われて、その違いすらも分からない状態で放置されたのだ。
その男性も、結局は、ソ連時代の方が良かったと口にしている。
そして、アラブの春。
これは、あまりにも有名な話なのでご存知の方も多いと思うが、アラブ諸国で民主化を求めて、次々にクーデターが起きて、そのクーデターが成功し、各国の民衆達は自由と民主主義を手に入れた訳だが、それをアラブの春と言う。
しかし、先の二つの事例と同じく、その民衆達は自由と言う枠の中でどうやって自活していったらいいのか分からなくて、結局は、政府の指示通りしていれば何も考えずに生活が出来た頃が良かったと言う事で、民主主義を捨ててしまったと言う結末だ。
これらの事をみていると、全ての人や全ての民族が民主主義を喜ぶ訳ではなく、国の言いなりでもいいから、国に面倒を見て貰う方を選ぶ人達も案外多い事が分かる。
何にでも向き不向きがあるものだ。
民主主義や自由主義経済と言うものは、それぞれの国民が自立して暮らしていく事を意味している。
そこを考えると、人によってはやはり厳しいと言わざるを得ない場合が多いのも理解出来る。
しかし、社会主義に未来があるのかどうかと言うと、僕にはそれはなさそうに思えてならない。
ソ連崩壊による東西冷戦の集結と共に、社会主義の欠点・弱点も見え、今現在では、社会主義が一体どういう経路を辿るのか、ほぼ検証されたに等しい。
共産主義は元々、有り得ない理想でしかないと言うのは、世の中の定説通りだと思うし、特にここで共産主義を語る必要もないと思うので今回は端折らせて貰う。
■民主主義の陰り
そして今、民主主義にも陰りが見え始めていると僕はずっと感じている。
民主主義が今までは一番良かった主義だとは思うが、これにも寿命があるのではないかと随分前から実感し始めたのだ。
人が人と共存するために人が人を統治していく方法は、一定の方法がいつか必要なくなり、次の方法へとスイッチしていくのが、自然なサイクルなのかもしれない。
今までの世界の流れの一つにこういった流れがある。
無法地帯を独裁者が恐怖で統治。
↓
独裁者を民衆が倒して民衆による統治。
↓
(それが崩壊して、次はまた独裁者の誕生?)
↓
良い独裁者が誕生しても、それが何代か続くうち、腐敗してまた民衆に打倒される。
延々とこういった流れが繰り返し続くのか、あるいは、新しい統治機構が生まれるのか。
僕は、そろそろ社会主義や民主主義に変わる新しい統治機構が生まれなければならないと感じている。
■民主主義の弱点
民主主義の弱点・欠点として、独裁政権に比べて議会制民主主義は物事の決定に時間がかかると言う事がよく言われる。
確かに、他国からの領海・領空への侵略行為や恫喝行為が相次ぐ中、それに伴う法案の成立や法案成立の為に必要な憲法改正議論などもいつまで経っても前へ進まない事など、まさに、議会制民主主義の弊害と言えるだろう。
そして、僕が思う民主主義の弱点。
それは、人権とか平等とか差別とかそういった言葉を悪意を持って巧みに使われると弱いのが民主主義であると言う事だ。
人権とか平等とか差別とか、そういう言葉を使われると一般の善良は国民は確かにほとんどの人が何も言えなくなる。
少数派でありながら何かをねじ曲げたい連中は、そこを巧みに利用するのが常套手段なのだと言う事も徐々に分かってきた。
しかし、そう言った権利は正しい主張と正しい努力で勝ち取るのが本来の正しい姿と言えるだろう。
最近、よく野党やマスコミから、「数の論理で物事を決める」だとか「少数派の意見を黙殺」だのと、いかにも人権派と言わんばかりの一見耳心地のいい言葉が、政権批判に頻繁に使われていると言う印象がある。
しかし、数の論理が民主主義であり、簡単な話が物事は多数決で決めましょうと言うのが民主主義なのだ。
そして、その数と言うのは、国会であれ地方議会であれ、全ては国民、住民による投票で決まったもので、議席の数の比率そのものが民意そのものなのである。
つまりは、数の論理で物事を裁決してはならないと言うのであれば、それは民主主義の否定に他ならないのだ。
但し、民主主義=少数派の意見を無視すると言う意味ではないのは言うまでもない事である。
■正しい民主主義とは
最近、LGBTの問題で自民党の杉田水脈議員が発言した内容が炎上している。
◇「LGBTは生産性がない」自民・杉田水脈議員の寄稿文に、当事者団体が抗議(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
いつか消されてしまうであろう日の為にこのニュース記事を要約すると、杉田水脈議員がLGBTについて「生産性がない」と言った事について、性的マイノリティ支援団体が抗議をしていると言う事や朝日新聞の見解や杉田議員の寄稿文の内容と言った事が書かれた記事だ。
そしてこの記事内には、杉田議員に対して「議員としての資質を疑う」とある。
今現在も尚、自民党本部前で、杉田議員の辞職を求める抗議活動が続いているそうだ。
このYahoo!ニュースの記事には、コメント欄がついていていろんな意見を見る事が出来るが、その大半は杉田議員に対して批判的なもので、僕が読んだ感じではまさに大炎上といった所だ。
その中には、「LGBTと言う多様性」と言う言葉が頻繁に出て来る。
主に、その多様性を認めるべきと言う意味でその言葉は使われているのだが、それならば、杉田議員の意見も多様性の一つではないのか?と僕には思えてならないのだ。
多様性を認めると言う事が民主主義なのだからこそ、その内の一つの意見を気に入らないからと徹底的に叩き潰して、二度と同じ様な発言が他の人からも出てきにくい様にしてしまうと言う傾向が最近多く見られる所に違和感を感じるのだ。
確かに、「生産性がない」と言う言葉だけを取り上げると、子供を産みたくても産めない人をも傷付ける言葉になってしまう。
ただ、僕には杉田議員の言葉を全て読んで、よく咀嚼してみるとある一定の理解が出来るのだ。
杉田議員は、子供を産みたくても産めない女性の話はしていない。
彼女は、LGBTの話をしているのだ。
僕には、「子供を産みたくても産めない女性の気持ちを考えてみろ」と言う意見を見聞きして、論理のすり替えもしくは、ズレた返答、更には、部分的に切り取らず相手の意見を全て理解した上でコメントして欲しいと素直に思えてならないのだ。
かと言って、僕はLGBTを否定してる訳ではないし、その存在も認めている人間だ。
◇趣味・感性がいつもマイノリティー
切り取られた「生産的でない」と言う言葉に憤慨し、傷付くマイノリティーの人達がいる事も理解しているが、これは、子供を産めない女性に向けられた言葉ではないのは間違いない。
◇皆、マイノリティーが分からない。
僕は、それをいい事にマイノリティ擁護に乗っかる様に、気に入らない存在を叩き潰そうとしているかの様なこの流れを懸念しているのだ。
本来の民主主義とはこうではない筈なのだ。
ただ気に入らない意見を大炎上と言う形で叩き潰すのではなく、少数派の意見を持つ人達は、その意見に理解を示してくれる議員に投票をする。
そして、その少数派の議員は、多数決で負けない様に、他の議員の説得や質疑や答弁などを通して、一人でも多くの議員の賛同を得る努力をする。
そして、選挙では、自分の仲間を出来るだけ増やして候補者数を増やし、一人でも多くの国民に理解して貰えて支持される様に努力をする。
そうして、数をひっくり返すと言う手順が、地道だが正しい民主主義のあり方である筈だ。
民主主義とは、時間がかかるものなのだ。
更に言えば、気に入らなければ選挙で民衆が落とし、気に入った候補者に投票して議員を選ぶのが民主主義なのだ。
ただただ、ずる賢く叩き潰そうと言うのは、断じて民主主義ではない。
■弱者と強者の入れ替わり
数の論理で多数決で物事を決めていくのが民主主義なら、正しい手順で少数派が数を増やしていく事が出来るのも民主主義なのだ。
一見矛盾している様にも見えるが、実はそれすなわち、少数派を抹殺している訳ではないのが民主主義だと言う事でもある。
しかし、近年、徐々に民主主義の弱点を利用して、民主主義そのものが転覆しかねない様な、卑怯なやり口が増えている。
先程も少し触れたが、「差別だ」「平等じゃない!」「弱者だ」「人権だ」などと言われると、何も言えない空気が蔓延して、特に我が国純粋の国民は、それで何も言えなくなる人が多い様だ。
少数派で正式な民主主義の手続きを踏もうとせず、卑怯なやり口で法律までねじ曲げようとする連中は決まってこの手を使う。
少数派に対して、彼らの主張と少し違う主張をすると、差別じゃなくても「差別だ!」と、単なる一意見に対して噛み付くだけで、その瞬間に強者と弱者は入れ替わるのだ。
◇本人がそう思ったらハラスメントって、そんな乱暴なっ!
僕自身、立場が上だった時にそれを利用されて、弱者と強者の逆転現象を悪意を持って意図的に作られ、強者と言う名の弱者に追いやられ謝罪に追い込まれた経験がある。
◇火なんかなくても煙は立つ
勿論、全ての少数派がそんな卑怯な手を使うと言ってる訳ではないし、性的マイノリティーの事を言ってる訳でもない。
ただ、卑怯な少数派と言うのは決して少なくはないと言う意味だ。
そして、同じ少数派の中にもいろいろいると言う事だ。
今回の杉田議員の発言に対する意見も、議員の資質を疑うだの、時代と逆行してるだのと、卑怯な少数派の常套手段の様な攻撃を杉田議員に加えている。
主流もしくは徐々に強くなりつつある意見が弱者を盾に実は強者となり攻撃を加えるのが、最近の世の中の主流であり風潮だと僕は感じる。
つまり、こういった民主主義に逆らう様な動きが本当に活発化しているのだ。
これらの動きに抗う術が僕には何も思いつかない。
何となく耳心地のいい言葉を巧みに使った者が勝ちとなり、正しい人達よりも、悪意を持って行動する人間の方がそう言った言葉を利用しやすい立場にあるのがほとんどだ。
そういう行為が徐々に増えていくのを見ていると、民主主義の限界や寿命が近いのではと感じてしまうのだ。
結局、民主主義の弱点が露呈して、悪意ある連中がそこを利用し始めそれが広がると、それを止める術はなく、それすなわち民主主義の限界・寿命と言う事になるのではないかと言うのが僕の意見だ。
そして、音楽アーティストとして最後に一言言わせて貰うと、ミュージシャンはそう言う耳心地のいい言葉に酔って、話の本質や真意が分からずにバカな主張を展開する人が本当に多い。
◇JASRAC叩き・生活保護叩き・政権叩きは同じ構造
■あとがき
ある程度は具体的に書いたつもりではありますが、文章が長くなる事を懸念してちょっと抽象的になってしまった様な気もします。
こういった問題で、具体的にいろいろな事柄を書こうとすると誤解のない様に、いちいちその範囲はどこまでを指すのかだとか、いろんな注釈をいれなくてはならないので、どうしても長くなってしまうんですよね。
元が簡潔ならそれでもいいのですが、僕の場合、元が長いですから、出来ればそれ以上長くならない様にと言う意識が常に働いてしまっている様です。ヽ(;´ω`)ノ
今回も杉田水脈議員と言う具体名が出たので、念の為書いておきますが、この記事は特定の議員を応援している記事ではなく、たまたまこの記事を書くきっかけが杉田議員の発言だったと言う事なんですけどね。(・Θ・;)
ちなみに、僕は特定の政党を支持したりはしていません。
今日も最後までお付き合い下さった方には、感謝しております。(。-人-。)アリガタヤァ~
【追記】2018.8.1
杉田議員のLGBTの生産性発言について、当事者の声が聞ける(読める)記事を見つけたので掲載したいと思います。
◇LGBT当事者は「生産性」炎上についてどう考えるのか?(コメントまとめ):KAZUYAのKAZUYA CHANNEL GX 2 ブロマガ
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
もし、こんな僕に興味を持ったと言う方がいらっしゃったら、是非、この下のリンクをクリックしてみて下さい。
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