この記事は3140文字です。(読破予想時間:約7分28秒)
よくされる質問で答えに困る質問がいくつかある。
「どんなジャンルやってるの?」って質問がその一つである。
特にジャンルを意識して曲を作る事は、そんなにはないし、いろんなジャンルが融合されている事がほとんどだからだ。
その質問に対して、自分の影響を受けたジャンルやミュージシャンを長々と語ったところで、そこまで詳しく知りたいと思って質問する人なんて、まず、いないだろうし、面倒がられるだけだ。
「どんな音楽が好きなの?」って質問も、自分にとってはこれとほぼ同じ意味を持つ。
一言でまとめるなら、「いろいろ」としか言いようがないが、質問した側からすればそれは全く答えになっていない。
でも、「どんな音楽(ジャンル)をやってるのか?」より「どんな音楽(ジャンル)が好きか?」の問いの方がまだマシで比較的答え易く、「いろんなジャンルが好きだけど、今までで一番たくさん聴いたジャンルはブルースかな」と答えた事が幾度かある。
この答えだと、説明不足ではあるけど、自分もある程度は納得がいくし、相手にも不快感を与えない。
前置きが長くなったが、15日にブルースの神様、B.B.KINGが亡くなられた
事もあるし、時代のキリとして、自分とブルースの最初の出会いについて話そうと思う。
◇ありがとう!ブルースの神、B.B.KING!
音楽との出会いではなく、ブルースとの出会いだ。
ブルースとはどんなものかも分かってなかった小学生時代、そのバンドは昼間の明るい時間帯にTVの画面で、TVの視聴者に画面越しにどえらい挑発的な目線で、ドギツイ内容のドロドロの曲を歌っていた。
それが本格的なブルースとのファースト・コンタクトだ。
小学生の頃としか記憶してなかったが、その曲がリリースされた時期から計算するとどうやら小6の頃らしい。
その歌声は『東京ブギウギ 』や『買物ブギ 』など多数のヒット曲で有名な笠置シヅ子 さんに似ていて、それを更にドギツく怪しげにした感じで、声量ももの凄く歌も抜群にうまい。
◇東京ブギウギ/笠置シズ子
◇買物ブギ/笠置シズ子
でも、そんな事より何より信じられないくらい格好がいいのだ!
そして、小学生の僕から見ても、もの凄い怪しい色気を画面からも分かるくらい発していた。
でも、子供心に「これは売れない」と一瞬で察した。
実際、そのバンドがTVに出ているのをその後、二度と観る事はなかった。
当時のモラルの枠を飛び越えすぎてたのだ。
ちょっぴり怖そうで抜群にカッコいいお姉さんが、痴漢に身体を触られると言うドギツイ内容の曲を、チョー色っぽく画面に睨みを効かせて歌っている。
これを受け入れる大人はごく少数だと言う事は、子供の自分にも一瞬にして判断出来た。
あれは、おそらくTVジョッキー と言う番組だったと思う。
当時TVジョッキーは若者からは絶大な指示を受けていた高視聴率の人気番組だったが、大人からの評判は悪く、苦情が絶えなかったらしい。
そんな番組だからこその出演だったのだろう。
今なら、別にどうって言う事はない話かもしれないが、若者は皆ミニスカートをはいて、それを大人達が批判すると言う世の中だったので、当時にしては刺激が強すぎたのだ。
彼女が生まれるのは、少し早すぎたのかも知れない。
そのバンドの衝撃は自分でも相当だったらしく、日増しに「あれは何と言うバンドだったのだろう?」と言う想いが強くなっていく。
バンド名も分からないまま、何年も月日が過ぎて、既に20代後半になっていたある時、とある年上のDJマンと知り合う事になる。
彼の専門はレゲエで、彼程詳しくはないが、僕もルーツレゲエが好きで、彼もブルースに少し興味を抱きかけてた時期だった事もあって、すぐに仲良くなった。
そんな彼の口から「ヨーコぶるーすばんどって知ってる?」と言う言葉が飛び出した。
何故か分からないが、たったその一言で、ピン!と来たのだ。
「あの時のバンドに違いない!」と不思議だが、たったそれだけで分かったのだ。
思わず彼に「それって痴漢の曲歌ってるバンド?」と興奮気味に聞いた。
彼は「そうそう!よく知ってるな。知ってる人間に初めて会ったよ。」と同じく興奮気味に話し始めた。
よくよく話をすると、当時、中2だった彼は、どうやら僕と同じ番組を観て、そのバンドを知ってそれ以来、気になっていたらしく今の動向を知りたがっていた。
でも、今初めてバンド名を知ったくらいで、何も知らないと正直に話した。
まだ、ネットで検索するのが当たり前なんて時代ではなかったので、それもそのままにまた月日が流れた。
パソコンやネットが普及し始めて、当然ながら、何度かそのバンドを検索した事はあるのだが、一切何もヒットしないまま、またまた月日は流れて行く。
しかし、つい数ヶ月前、とうとうパソコンでネット検索にヒットしたのだ!
当時のLPがCD化されていると言う情報が。
速攻、買った。
ボーカルのお姉さんが野毛洋子 さんって名前の方だと言う事も分かった。
◇野毛 洋子 NOGE YOKO
ただ、当時の記憶が美化され過ぎてるだけだったらどうしようとか思いながらも、かなりワクワクしながら、そのCDを聴いた。
そして、そのCDからは、当時の記憶そのままと言っても過言じゃない野毛洋子さんの最高にカッコいいボーカルが聴こえて来たのだ!
うわ!昔、生き別れた姉にでも、再会した気分だ!!
これは自分にとって最高の一枚になった。
それからいろいろ検索してみると、昔、検索をかけた時代よりたくさんの情報がいとも簡単に手に入る。
YouTubeにもいくつも動画がアップされている。(文末に動画埋め込みアリ)
今はシカゴに住んで、相変わらず、格好良く歌ってらっしゃる様だ。
当時と印象が違ってあれ?って思った所は、当時の野毛洋子さんのジャケット写真が、今見ると可愛らしい雰囲気だった事。
ヨーコ/ヨーコ・ぶるーすばんど・ジャケット
子供の頃に見た記憶の中の印象では、格好いいけど、妖艶でちょっと怖い雰囲気って言う印象だったのが、今見ると、可愛い娘さんと言う印象が強い。
当時、年上のお姉さんだった洋子さんのそのジャケ写も、今の僕から見れば、かなり年下の女の子だと言う事なのだろうか。
でも、洋子さんは、今現在も凄く、穏やかな笑顔なのだ。
そう言えば、子供の頃に僕が見た野毛洋子さんは、歌っている姿だけで、素の顔は一度も見ていない。
きっと、素の顔は昔から、穏やかな優しい笑顔の方だったのだろう。
ライブでは口も悪く、面白いトークを披露してるが、優しく可愛らしい笑顔をされている。
このCDは、僕のおすすめの一枚なんだが、今現在、Amazonでも在庫切れで、iTunesでも扱っていない。
残念だ。
既に上の画像で出ているが、一応、アルバム名とバンド名を記しておく事にしよう。
アルバム名は、『ヨーコ』(ヨーコぶるーすばんど)
そしてその出会いの曲は、『ヨーコ』に収録されている一曲で、
その曲名は、『おっさん何するんや』(ヨーコぶるーすばんど)と言う曲だったのが分かった。
本当に、不思議で変に縁を感じる方だ。
いつか是非、お会いしてみたい。
以上で、ブルースとのファースト・コンタクトの話はおしまい。
◇おっさん何するんや/Chiturhythm(アンプラグド)
◇おっさん何するんや/ホルモンキング(フルバンド)
もし、こんな僕に興味を持ったと言う方がいらっしゃったら、是非、この下のリンクをクリックしてみて下さい。
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