ちょっと長い文ですが「なるほどねぇ」と思ってもらえると思いますので、読みきって頂ければ嬉しいです。
【体験】
わたしは今の所病人でも老人でもありませんが、けっこう健康状態を気にする方です。体重計に毎週1回は乗りますし、スポーツも最低週1回はしています。病院に行くのがどちらかと言えば好きな方です。またサプリヲタクとまではいきませんが食べ物にも気を使っているつもりです。朝食も欠かしませんし、赤、黄、緑など色取りに工夫をすると自然に栄養的にもバランスが取れるとか、肉を食べる時は野菜も一緒に取るようにしたり、腹八分目で止めとくなどに注意しています。グルメではありません。どちらかと言えば粗食派でしょう。
わたしの職場は繁華街に近く、食事をする選択肢には困りません。ある日の昼時、いつもなら職場の仲間と昼食に行くのですが、皆忙しい様子で「お先に~」と一人で外に出ました。一人になると意外に行く場所に困るものです。あそこは一人用の席がないからなあとか、ここは週に最低1回は来てるから今日も行ったら「あらっ今日は一人?」って目をされるしなとか。迷い道に入り込んだわたしは、最近食べたものを思い浮かべ、それら以外の食事をしようと思います。
昨日は昼はコンビニの鮭弁当、夜は家で全部載せラーメン。で一昨日は・・はたと思考が止まる、何故か思い出せない。昼はいつもの常連店だったのかな、だとすれば多分わたしの定番である焼きor煮魚定食だったはず。などと想像をするも確信が無い。あれこれ考えるうちに面倒臭くなり、なんとなく準常連の中華店に入りチャンポン麺を頼む。これだと野菜も肉も魚系(蛸とか蛎だが)も満遍なく使われているので「セーフ!」という気になれる。でもお腹は満たされるものの、これが食べたいと思って入った訳ではないので心の満足感に欠けてしまいました。
食べ物に気を使っているはずなのにこんな有り様です。
1ヶ月も経つとそんな健忘症状があったことなど忘れ去っています。ある日また昼食お一人様の日が訪れます。そして同じ症状を繰り返します。そんな日は例えば準常連店である回転寿司屋に入り7皿程度食し昼食時間が終了します。その日の午後も1ヶ月前のその時同様、芯のないキャベツのように腑抜けた時間になったのでした。たった2日前のことなのに何故思い出せないのか?釈然としないまま、また中途半端な昼食を取り、中途半端な気持ちで職場に戻るわたしがいるのです。
顔は思い出せるのに名前が出て来ないピークの過ぎた芸能人や、サビは歌えるのに歌い出しの分からない曲などを思い出そうとする、あのモヤモヤした気分と似ています。
【検証】
職場が繁華街に近く食事の選択肢には困らないと書きましたが、常連店(週1回以上)、準常連店(2週に1回程度)が各々複数あるのが実態です。つまり週5回の昼食のうち、
最低3日は馴染みの飲食店に行っていることになります。食事の味と量、店と店員の雰囲気、そして値段という点で、馴染み店は仲間内では隠語で呼ばれるほど定番化しています。例えば鳥料理が売りである「鳥平」に行く時は「トリ?」で皆に通じます。これを昼食の
レギュラー化現象と呼びます。レギュラー化した店に入るのは店員との間の緊張感もなく、出てくる料理も常に合格点であるため、安心して昼休みを過ごすことができます。
一方残りの2日ほどはたまに思い出して行く店、あるいは新規開拓店です。思い出し店は行くのは場所が少し遠い、または出遅れると混雑ですぐに入れない店であるか、味、量、雰囲気はいいのだが値段が高めである場合になります。こういう場合、出かける前の仲間との事前了解が必要となります。了解なしに路上で行く場所の会話をすると余程強い主張を誰かがしない限り、手近の常連店になります。
歩いていく時間、待つ時間、また財布の中身についてある覚悟を決める必要があるからです。
新規開拓店は、余程天候が良いとか、給料が入った直後であるか、また新規オープンされた店のチラシを街頭で受け取った場合などになります。
気晴らしに行く感じです。ちなみに新規でも、店、店員の雰囲気が気に入らない店には2度と行きません。僅かな時間の昼休み中ですが、くつろげない店は困りものです。
【結論】
こう見てくると、わたしの場合昼食時に入る店の最も大事な基準は、その店で
くつろげる時間を過ごせるかどうかだということになります。くつろげるということはつまり、空腹を満たすという目的以上に、仕事から解放される、仲間との会話を楽しむということに昼休みの価値を見出しているというわけです。気分良く昼食が取れたという満足感が先で、食事の内容そのものはあまり記憶に残っていないということです。
またレギュラー店が多いとは言え、料理の傾向がそれぞれ違う所であることから、
自然と健康志向の食の取り方をしているということで、食事内容をいちいち記憶に残さなくてもいいということになっているのだと思います。
健忘症状であることは確かですが、それだけくつろぎ時間も得られていると、前向きに考えるべきことでしょう。
「食とは、これ人を作ることなり」という格言があるそうです。おそらくただ食欲を満たし栄養分を取るということだけでなく、人と会話をするなどして
リラックスし、ストレス、不満などを解消させる時を過ごすということにも食事の目的があるよ、ということなのでしょう。
一人で昼食に出掛ける時に行き場所に困るのは、その食のもう1つの目的が達成されにくいという理由によるのだとも言えるでしょう。
【追記】
昼食時間というものは、男性の場合もそうですが、女性の場合は特に「誰と行くか」ということが非常に大切なことなんですよね。職場では話せないことが話せる場所、時間て、仕事してると結構限られますから。