『女の子がいる場所は』やまじえびね
みなさん、こんにちは。とし総子です。今日はちょっと前に出た漫画なのですが、何故に今?といいますと、つい一昨日くらいに近所の絵本カフェで(絵本カフェで!!)『女だけのR18ビブリオバトル!!』というのに出場してきたからです。いろんな、女性だけ、18歳以上だけ、という空間で紹介できる本、漫画、色々考えて、これもひとつの候補にしていたのですが、今回はまた違う角度のものにしたので、じゃあ、こっちで紹介しよう!とおもったのでした。いや、正直そんなのどうでもいいくらい、中身がとっても胸に来たのでした。『女の子がいる場所は』やまじえびね先生の作品です。一回『かわいそうなミーナ』で紹介した先生です。そして、その作品とたしか同時に出ていた漫画です。この表紙から分かる通り、女性であるということが生活に不自由を強いる国の彼女たちの、自立をけして諦めない心を描いた作品です。直接虐げられる描写は少ないですが、彼女たちのまわりの強い視線が、張り巡らされた暴力や、本当はこんなふうにしばるはずではない(のかもしれない。詳しくは知らないので)戒律、心からの親切の言葉が、縛る一糸になってしまう。けれど、それでもしっかりと前を向く姿が描かれています。一話だけ、日本の家族が描かれますが、ここもまた、かの国々のように目に見える形ではないけれどやはり同じ方向から伸びる強い糸があると感じます。私は、女として生まれたことを後悔したことはありません。腹立たしいことはありましたが、その感情が向いたのは、私にそういう感情を沸き立たせた相手へでした。私は女であることを、ただただ愛しています。それを、大切にできる国がどうか多くなりますように。そうまたひとつ願う願いの形がこの作品だなと感じました。ノートと鉛筆を手にした瞬間の歓喜。サッカーの球を蹴る喜び。その美しい髪をゆったりとほどけますように。女の子がいる場所は (ビームコミックス)Amazon(アマゾン)