東京ステーションギャラリーで「エッシャーが命懸けで守った男。メスキータ」を観た! | とんとん・にっき

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「メスキータ」チラシ3種

 

「東京ステーションギャラリー」

 

東京ステーションギャラリーで「エッシャーが命懸けで守った男。メスキータ」を観てきました。観に行ったのは7月26日でした。

 

正直に言って、僕はメスキータなる人物のことはまったく知りませんでした。したがって、当初は観に行く予定はありませんでしたが、図録が好調な売れ行きで、販売中止にもなり、観に行かれる人の評判も上々、これでは少し遅れましたが観に行かざるを得ません。なにしろ「エッシャーが命懸けで守った男」というフレーズには、ガツンときて、いっぺんに参りました。

 

2019年7月18日付でホームページには、以下のようにありました。

「メスキータ」展の図録通信販売を一時停止とさせていただきます。

会場のミュージアムショップでも、僕が行った時には買いたくても買えませんでした。(その後どうなったかはわかりませんが…)

 

ということで、ホームページからの引用を、以下に載せておきます。

 

知られざる画家の全貌

――メスキータ、4つの疑問
1.メスキータって誰?
サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)。この聞き慣れない名前の人物は、19世紀後半から20世紀前半を生きた、オランダのアーティストです。ポルトガル系ユダヤ人の家庭に生まれ、ハールレムやアムステルダムで、画家、版画家として、また、装飾美術の分野でデザイナーとしても活躍しました。その一方で、美術学校の教師として多くの学生を指導しています。中でもM. C. エッシャーは、メスキータから最も大きな影響を受けた画家で、特にその初期作品は、メスキータの作品と著しく類似しています。
2.メスキータは何を描いた?
メスキータの仕事は、デザインとアートの双方にまたがっています。デザインの分野では、幾何学的な構成を生かし、雑誌の表紙や挿絵、染織デザインなどを手がけました。一方アートの分野では、まず版画家として、主に木版画で人物や動物、植物を題材に白黒のコントラストを強調した作品を数多く残しました。また、想像力のおもむくままに筆を走らせた、膨大な数のドローイングを制作しています。
3.メスキータのどこが見どころ?
メスキータの最大の魅力は、木版画の力強い表現にあります。鋭い切れ味の線描による大胆な構成、明暗の強烈なコントラストを生かした装飾的な画面は、見る者に強い印象を与えます。アムステルダムの動物園や植物園に招来された、異国の動植物がメスキータの格好のモチーフでした。単純化された構図と明快な表現、装飾性と平面性が溶け合った画面には、しばしば日本の浮世絵版画の影響が指摘されます。一転して、ほとんど無意識の状態で浮かんでくる映像を作為なく描いたと言われるドローイングは、表現主義との親近性を感じさせるとともに、シュルレアリスムにおけるオートマティスム(自動筆記)の先駆けと言えるかもしれません。
4.なぜ今、メスキータ?
ユダヤ人であったメスキータは、1944年に強制収容所に送られ、そこで家族もろとも殺されました。アトリエに残された作品は、エッシャーや友人たちが持ち帰って命懸けで保管し、戦後すぐに展覧会を開催します。メスキータの名前が忘却されずに残ったのは、エッシャーらの尽力によるところが少なくありません。近年のヨーロッパでは、カタログ・レゾネ(全作品目録)が発行され、相次いで展覧会が開かれるなど、メスキータの作品の包括的な紹介と評価の気運が高まっています。折しも昨2018年はメスキータの生誕150年にあたり、今年2019年は没後75年を迎えます。本展は、これを機に、知られざる画家メスキータの画業を、版画約180点、その他(油彩、水彩など)約60点、総数約240点の作品を5つの章分けで、本格的に紹介する日本での初回顧展です。

 

展覧会の構成は、以下の通りです。

 

第1章 メスキータ紹介

第2章 人々

第3章 自然

第4章 空想

第5章 ウェンディンゲン

 

撮影可能な垂れ幕

 

第1章 メスキータ紹介

 

「髭に手をやる自画像」1917年、木版 

 

「ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像」
1922年、木版

 

「ハールレムの市庁舎」
1911年、エッチング、手彩色

 

第2章 人々

 

「うつむく女」1913年、木版

 

「トーガを着た男」1923年、木版

 

「少年(ヤンチェ・スケルペンゼール」
1927年、木版

 

第3章 自然

 

「オニアオサギ」1915年、木版

 

「シマウマ」1918年頃、木版

 

「鹿」1925年、木版

 

「シロフクロウ」1927年、木版

 

「パイナップル」1928年、木版、加筆

 

第4章 空想

 

「ファンタジー:月を見上げる人」
1914年、鉛筆、水彩、紙

 

「ファンタジー:さまざまな人びと(黒い背景)」
1921年、ペン、水彩、紙

 

「幻想的なイマジネーション:さまざまな人々」
1925年頃、木版

 

第5章 ウェンディンゲン

 

「ウェンディンゲン」第1巻10号
[特集:建築]1918年、雑誌

 

「ウェンディンゲン」第5巻11・12号
[特集:建築家プロジェクト
(ルトマン、ブラーウ、クロウェル)]
1923年(1924年刊)、雑誌

 

「ウェンディンゲン」第12巻1号
[特集:S.イェスルン・デ・メスキータ]
1931年、雑誌]

 

「エッシャーが命懸けで守った男。メスキータ」

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)は、オランダでデザインや版画の指導者として教鞭をとるかたわら、さまざまな技法を用いて個性的な版画を数多く制作しました。ナチスによって家族もろとも連れ去られ全員強制収容所で亡くなりますが、自宅に残されていた作品は、だまし絵で知られるM.C.エッシャーら教え子たちが必死に守りました。本展はメスキータの全貌を紹介する日本初の展覧会となります。

 

東京ステーションギャラリー」ホームページ

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

 

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