東京ステーションギャラリーで「くまのもの―隈研吾とささやく物質、かたる物質」を観た! | とんとん・にっき

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「くまのもの―隈研吾とささやく物質、かたる物質」
チラシ

東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーで「くまのもの―隈研吾とささやく物質、かたる物質」を観てきました。

東京ステーションギャラリーで"建築関連"の展覧会を開催するのは、初期の前川国男の展覧会(2006年)に次いで2回目だそうです。
「前川国男建築展」を見た!

隈研吾と聞いて思い浮かぶのは、世田谷の環状8号線にある隈研吾の初期の作品、「M2」(バブル期のマツダ関連の施設)です。古代オーダーを使った)建築とはいえ、これは醜悪、酷い。これが元で、隈が東京の仕事から撤退せざるを得なかったと言われています。そして地方の時代、となるわけです。さすがに今回の展覧会で取り上げてはいませんが…。

「M2」

隈研吾の作品で、僕が実際観て良かったと思われる作品は、比較的初期の作品ですが、「那珂川町馬頭広重美術館」と、その近くにある「石の美術館」を挙げておきます。前者は「木」を、後者は「石」を使った作品です。

「那珂川町馬頭広重美術館」

「石の美術館」(展覧会で展示されたパネルなど)

ギャラリー間で「隈研吾展」を開催したのは、2009年でした。あの時点で現在の「隈研吾」が、出始めていたように思います。
ギャラリー間で「隈研吾展」を観た!

「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」
会期:2018年3月3日(土)-5月6日(日)
国内外で膨大なプロジェクトを抱えつつ疾走する世界的建築家、隈研吾(1954~)。古今東西の思想に精通し、「負ける建築」「自然な建築」などの理念を実践してきた約30年に及ぶプロジェクトを集大成して展観します。本展では特に、隈が仕事を通じて対話を重ねてきた素材に着目し、主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、“もの”という観点から概観を試みます。“もの”の開放によって、人の感覚や意識、そして環境を媒介する建築の可能性に迫る機会にご期待ください。

「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」
物質への挑戦の系譜を樹形図に示したもの
素材は10種類
(竹、木、紙、土、石、金属、ガラス、瓦、樹脂、膜・繊維)
操作は5種類(粒子化、編む、支え合う、包む、積む)

以下、展示作品の一部
「くまのもの」展では、展示室はすべて撮影可能です。






「ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ」 2018 

「品川新駅(仮称)」


「くまのもの―隈研吾とささやく物質、かたる物質」
もう一度、様々な物質と、いきいきとした会話をはじめよう ――。
国内外で膨大なプロジェクトを抱えつつ疾走する世界的建築家、隈研吾(1954 ~)。
古今東西の思想に精通し、「負ける建築」「自然な建築」などの理念を実践してきた約30 年に及ぶプロジェクトを集大成して展観します。本展では特に、隈が仕事を通じて対話を重ねてきた素材に着目し、建築設計やプロダクトデザインなどの蓄積を、時系列ではなく主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、“もの” という観点から概観を試みます。“もの” の開放によって、人の感覚や意識、そして環境を媒介する建築の可能性に迫ります。
東京ステーションギャラリーにおける建築関連の展覧会は「東京駅 100 年の記憶」展以来およそ3 年ぶり、建築家の個展としては「前川國男建築展」以来じつに12年ぶりとなるこの機会にご期待ください。
建築とは、結局のところ物質である。物質と人間との会話である。世界という得体のしれない大きさなるものが、物質という具体的存在を通じて、人間と会話するのである。物質が違うと、会話の仕方も変わり、こちらの気分も大いに変わってくる。20 世紀は、コンクリートのせいで、会話は固くなり、人間の表情もずいぶん暗くなった。
もう一度、様々な物質と、いきいきとした会話をはじめよう。
――隈研吾

「東京ステーションギャラリー」ホームページ

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