山種美術館で「川端龍子　超ド級の日本画　」を観た！

山種美術館で「川端龍子　超ド級の日本画　」を観てきました。

大田区にある龍子記念館を訪れたのは、2010年のことでした。JR大森駅から東海道線に沿って南下し、環状7号線を渡ってさらに住宅地を西に歩くと、見えてきました。左側に龍子記念館、右側には龍子の住居とアトリエでした。住居の門を入ると小さな池があり、これは第二次世界大戦の終わりごろ（解説には終戦3日前）落ちた爆弾による穴で、そのまま池として残してあると解説には書いてありました。それを得にしたのが、今回出されている「爆弾散華」（1945年）です。
太田区立龍子記念館で「龍子と建築～描いたものと建てたもの～」展を観た！

本展の見どころは、下記の通りです。

１．日本画家・川端龍子の初期から晩年にいたる代表作を一堂に！

《慈悲光礼賛(朝･夕)》◆、《鳴門》、《香炉峰》、《爆弾散華》をはじめ、院展や青龍展で発表された代表作を中心に約60点出品します。

２．「会場芸術」と称された龍子作品の「超ド級」なスケールを体感できる展覧会！
当初は龍子を批判する言葉だった「会場芸術」。龍子はそれを逆手にとって、展覧会場で沢山の人が身近に鑑賞でき
かつ、時代性の反映された大作を中心に「会場芸術」と称し、次々と発表します。ダイナミックな大作は圧巻です！
３．俳句と家庭をこよなく愛す、知られざる龍子像が伝わる作品を初公開！

1日1句の制作を晩年まで貫き、「ホトトギス」同人だった龍子。その俳句を絵入りで記した短冊、小さな子どもを慈しむような作品・資料も展示。真摯で柔和な龍子像を初公開の作品で振り返ります。

展覧会の構成は、以下の通りです。

第1章　龍子誕生　洋画、挿絵、そして日本画

第2章　青龍社とともに　「会場芸術」と大衆

第3章　龍子の素顔　もう一つの本質

「鶴鼎図」昭和10年、山種美術館

第1章　龍子誕生　洋画、挿絵、そして日本画

「慈悲光礼賛（朝・夕）」大賞7年、東京国立近代美術館左：「夕」、右：「朝」

左：「花と鉋屑」大賞9年、大田区立龍子記念館右：「火生」大賞10年、大田区立龍子記念館

第2章　青龍社とともに　「会場芸術」と大衆

左：「白堊と群青」昭和37年、東京美術倶楽部右：「牡丹」昭和36年、山種美術館

第3章　龍子の素顔　もう一つの本質

「鯉」昭和5年、山種美術館

「年賀状（十二支）」昭和26-37年

左：短冊「相撲放送」昭和時代中：短冊「胃弱なる」昭和時代右：短冊「銀座にも」昭和時代

「萩の宿」昭和27年、大田区立龍子記念館

大観・玉堂・龍子の合作「松竹梅」昭和30年、山種美術館左：川端龍子「梅（黄昏図）」右：川端龍子「竹（物語）」

「十一面観音」昭和33年

持仏堂の龍子

[特別展]歿後50年記念「川端龍子　超ド級の日本画　」

「健剛なる芸術」の創造を唱え、大衆に訴える作品を描き続けた日本画家・川端龍子(1885-1966)。洋画から日本画への転向や院展脱退、絵画団体「青龍社」の樹立、規格外の大画面制作など、従来の枠組みを破るため常に挑戦を続けました。迫力に満ち、スケールの大きな龍子作品は、発表当時「昭和の狩野永徳」とも評されています。このたび、山種美術館では、龍子の没後50年を経たことを記念し、初期から晩年にかけての名だたる代表作を取り揃え、その画業を振り返る特別展を開催いたします。

1885(明治18)年、和歌山で生まれた龍子は上京した後、当初は洋画家を目指し文展に入選を果たしました。20代で新聞や雑誌の挿絵画家として職を得たことにより、龍子芸術の特徴の一つでもある、同時代の世相を俯瞰的に見るジャーナリズム性を習得します。やがて洋画修業のため渡米するものの、帰国後間もなく日本画家へと転向しました。

その後、独学で日本画を学んだ龍子は、30歳で再興院展に初入選、2年後には同人へ推挙されます。しかしながら、当時、繊細巧緻な画風が主流であった院展において、大胆な発想と筆致で構成された大画面の龍子の作品は「会場芸術」と批判されたことや院展内の軋轢もあり、脱退にいたります。そして、1929(昭和4)年、自ら主宰する「青龍社」を創立､戦時中も展覧会を開催するなど精力的な活動のなか､一貫して大衆のための作品を発表し続けました。

本展では、画業の初期にあたる洋画や挿絵画家期の資料、院展時代の作品、また青龍展第1回展に出品され記念碑的な《鳴門》(山種美術館)と《請雨曼荼羅》(大田区立龍子記念館)、さらに平安時代の装飾経をヒントに龍子の機知と技術が結集した《草の実》(大田区立龍子記念館)、ジャーナリズム精神の発露といえる《爆弾散華》(大田区立龍子記念館)、《金閣炎上》(東京国立近代美術館)、そして会場芸術の象徴ともいえる横幅7.2メートル超の大作《香炉峰》など一堂に展示します。また、『ホトトギス』同人でもあった龍子が1日1句作り続けた俳句に関わる作品や、小さな子どもや家族を慈しむ姿がうかがえる作品もあわせ、真摯で柔和な龍子の内面性が表れた初公開の作品資料類をご紹介します。

大正から昭和の日本画壇において既存の概念を打ち破ろうと強靭な意志を抱き、在野の雄として生涯描き続けた川端龍子の全貌を、12年ぶりとなるこの回顧展でご覧いただきます。

「山種美術館」ホームページ

「大田区立龍子記念館」ホームページ」

[特別展]歿後50年記念