山種美術館で「松園と華麗なる女性画家たち」を観た! | とんとん・にっき

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山種美術館で「松園と華麗なる女性画家たち」を観てきました。観に行ったのは6月4日のことでした。副題には「特別展 上村松園生誕140年記念」とあります。


「山種美術館の上村松園」という図録(小冊子)が残っていました。 2009年07月に山種美術館で開催された「美人画の粋 上村松園」展のときのものです。山種美術館の松園の作品をほとんど網羅しています。

山種美術館で「美人画の粋 上村松園」展を観た!



上村松園のもっとも大きな展覧会は、2010年9月から10月に東京国立近代美術館で開催された「上村松園展」だと思われます。「序の舞」が展覧会の目玉でした。また「母子」が話題をさらいました。山種美術館の「砧」や「蛍」も出ていました。
東京国立近代美術館で「上村松園展」を観た!


今回の展覧会の「見どころ」は、以下の通りです。


山種コレクションの松園作品全18点を、一挙公開!
当館創立者・山﨑種二が親しく交流した松園。その代表作《新蛍》、《砧》、《牡丹雪》など見応えたっぷりです。

女性初の文化勲章受章者・上村松園、女性初の帝室技芸員・野口小蘋
社会における女性の活躍の場が少なかった時代、画壇の第一線で日本美術の発展に貢献した松園と小蘋。
人物画や風景画など、2人の個性あふれる作品をご紹介します。

華麗なる女性画家たちの競演
幕末から明治・大正・昭和、激動の時代を生きた女性画家たちの人物像と作品の魅力に迫ります。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 上村松園

第2章 野口小蘋と帝室技芸員

第3章 華麗なる女性画家たち―幕末から現代まで


第1章 上村松園





第2章 野口小蘋と帝室技芸員

小蘋と松園は帝室技芸員に任ぜられたただ二人の女性画家です。帝室技芸員とは、皇室の保護のもと、美術の奨励を目的として優れた美術家に与えられる栄誉職で、松園が命を受けたのは最終回にあたる1944年のこと。実はその40年前の1904(明治37)年に野口小蘋は帝室技芸員になっていました。今回の展覧会では、山種美術館のコレクションのなかから、橋本雅邦、今尾景年、洋画家の黒田清輝、竹内栖鳳、川合玉堂、横山大観、鏑木清方の7名の男性画家の作品も展示されていました。(ここでは省略)




第3章 華麗なる女性画家たち―幕末から現代まで








特別展 上村松園 生誕140年記念

「松園と華麗なる女性画家たち」

「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香(かおり)高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」*1と語った日本画家・上村松園 (1875-1949)。2015年は、女性で初めて文化勲章を受章した松園の生誕140年にあたります。これを記念し、松園を中心に、近代・現代日本画壇における女性画家たちに注目した展覧会を開催いたします。

「西の松園、東の清方*2」と並び称され、清らかで端正な女性像を手がけた松園は、近代日本画を代表する重要な存在として位置付けられています。1890(明治23)年、皇室による日本美術の保護と作家の制作奨励のため帝室技芸員制度が設けられ、1944(昭和19)年までに79名が任命されました。松園もその一人であり、男性作家が大半を占める中でその栄誉を受けたことは、女性の社会的な立場や活動の場が限られていた時代ながら、画家として高く評価されていたことを示しています。

本展では、《新蛍》、《砧》、《牡丹雪》など当館所蔵の松園作品全18点を一挙公開いたします。加えて、女性初の帝室技芸員でもあった南画家・野口小蘋晩年の代表作《箱根真景図》(山種美術館)をはじめ、小倉遊亀、片岡球子、北沢映月らの日本画をご紹介いたします。さらに、女性画家研究の蓄積がある実践女子学園香雪記念資料館のご協力により、同館所蔵の小蘋、および奥原晴湖、河鍋暁翠、伊藤小坡、池田蕉園、島成園らの作品を併せて展示いたします。

近年では、社会で華々しく活躍する女性が増えてきています。それでもなお、仕事、家庭、子育て、介護など公私に渡る人生の様々な局面において、どう生きるかという問題に直面している女性は少なくないでしょう。本展では、激動の時代を画家として歩んだ女性としての姿や生き方にも焦点をあてます。それぞれの画家の言葉や作品を通して、そのユニークな視点や多彩な表現をご覧いただきます。

*1 上村松園『青眉抄』「棲霞軒雑記」より 

*2 鏑木清方(1878-1972):日本画家。美人画や下町の生活風俗画などを描いた。


「山種美術館」ホームページ


syou1 特別展 上村松園 生誕140年記念

「松園と華麗なる女性画家たち」

2015(平成27)年4月18日発行

監修:山下裕二(公益財団法人山種美術館評議員

    山種美術館顧問/明治学院大学教授)

監修・執筆:仲町啓子(実践女子学園香雪記念資料館館長

    実践女子大学教授)

協力:実践女子学園香雪記念資料館

発行:山種美術館





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