国立西洋美術館で「ル・コルビュジエの芸術空間」を観てきました。副題には「国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡」とあります。ル・コルビュジエが国立西洋美術館の設計の過程で描いた習作図面をもとに彼の本館構想のプロセスを紹介するものです。
いただいた国立西洋美術館の、4つ折りの「案内書」には、以下のようにあります。
国立西洋美術館には絵画や彫刻と同じくらい重要なものがあります。それは美術館そのものです。1959年に完成した国立西洋美術館は、20世紀を代表する建築家の一人であるル・コルビュジエにより設計されました。「近代建築の5つの要点」を具体的に表現していることや「無限成長美術館」の思想を体現していること、また、日本における近代建築運動に大きく貢献したことが評価され世界遺産に登録されました。(「国立西洋美術館」の資料による)
「コルビュジエ全作品集 全8巻 日本語版」を持っています。展示されているスケッチなど図面類は、ほとんどこの本に載っています。今までも「作品集」からスケッチを抜き出して、ブログに使ったことがあります。
展覧会の構成は、以下の通りです。
1.芸術の綜合:広場(エスプラナード)
2.螺旋形に鑑賞する
3.卍形に施設を附属する
4.建物のファサードをなくす
5.太陽の光を採り入れる
6.芸術の綜合:19世紀大ホール
以下、展示詳細
手持ちのコルビュジェ本
「ル・コルビュジエの芸術空間 国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡」
本展は、2016年に世界文化遺産に登録された国立西洋美術館の本館をとりあげ、ル・コルビュジエがその設計の過程で描いた習作図面をもとに彼の本館構想のプロセスを紹介するものです。
ル・コルビュジエは建築を設計する際、研究を重ねたうえでプロトタイプ(基本型)を作成し、実際に建設される敷地や環境に応じてプロトタイプに変更を加えて完成させるという手法を用いました。所蔵品の増加とともに展示室を増築していくことを基本理念とするプロトタイプ「無限成長美術館」をもとに、彼は松方コレクションを収蔵・展示するための美術館を上野公園に設計しました。
本展は、1)芸術の総合:広場(エスプラナード)、2)螺旋型に鑑賞する、3)卍型に施設を附属する、4)建物のファサードをなくす、5)太陽の光を採り入れる、6)芸術の総合:19世紀大ホール、の6つのセクションで構成されます。現存する302点におよぶ本館設計に関わる資料の中から、厳選した34点の図面やスケッチの複製を用いて、ル・コルビュジエがプロトタイプをどのように日本側の希望と上野という敷地に適応させていったのかをたどります。
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