江國香織の「読んでばっか」を読んだ! | とんとん・にっき

江國香織の「読んでばっか」を読んだ!

 

江國香織の「読んでばっか」(筑摩書房:2024年6月10日第1刷発行)を読みました。

 

絵本、童話から小説、エッセイ、詩、

そして海外ミステリーまで――

そばに本があることの幸せと本を読む喜びにあふれた

心躍るエッセイ集。

 

例えば、奥泉光「東京自叙伝」(集英社文庫)

なんというか、もう、こてんぱんにやられました。ここで最初に言いたいことは、ともかくおもしろい!ということ。脳がしびれ、意識のどこかが冴え冴えし、自分の一部が物語に乗り移ったみたいになって、ぐんぐん、じゃんじゃか、読んでしまう。言葉がそうさせるのだ。もっともっと、先へ先へ。

ということで、つい買いたくなり、さっそくアマゾンに注文、届いたのがこれ。

 

目次

{アンケート}どうやって本を読んでいますか

Ⅰ なつかしい読書

壁のなか
街との親和性、そして方向音痴のこと
のむよむ
あかるい言葉
白いドレス
あの世に行く話
石井桃子(あるいはいしいももこ)さん
豊かで幸福な書物――石井桃子 この三冊
完全無欠な絵本――ビアトリクス・ポター『モペットちゃんのおはなし』
なつかしい一冊――アリスン・アトリー『時の旅人』
軽やかで健やかな精神――R・L・スティヴンスン『旅は驢馬をつれて』
庄野潤三さんの文章世界
雨の日を繙く
あの妹
すべての物語が地続きな場所
優雅ということのたくましさ――クレイグ・ライス この三冊
文豪の朗読
1 佐藤春夫「秋刀魚の歌」
2 大佛次郎「帰郷」
3 室生犀星「鐵集」
4 吉行淳之介「娼婦の部屋」
5 遠藤周作「おバカさん」
6 谷川俊太郎「理想的な詩の初歩的な説明」「かっぱ」など
7 高橋たか子「きれいな人」
マジカル――川上未映子
金原ひとみさんのこと
私は願う――アンドレ・ケルテス『ON READING』
信頼

Ⅱ 本を読む日々

ジョン・アーヴィング『あの川のほとりで』 / ジョン・アーヴィング『ひとりの体で』 / 池澤夏樹『砂浜に坐り込んだ船』 / 石井桃子『新しいおとな』 / 岩瀬成子『真昼のユウレイたち』 / ドン・ウィンズロウ『犬の力』 / リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』 / 奥泉光『東京自叙伝』 / 小山田浩子『庭』 / オラフ・オラフソン『ヴァレンタインズ』 / 金井美恵子『昔のミセス』 / 金原ひとみ『デクリネゾン』 / 川上弘美『わたしの好きな季語』 / 川上未映子『愛の夢とか』 / 川島誠『神様のみなしご』 / 北村薫『水 本の小説』 / アンジ―・キム『ミラクル・クリーク』 / ピーター・キャメロン『最終目的地』 / ルース・クラウス文 モーリス・センダック絵『ちょうちょのために ドアをあけよう』 / テジュ・コール『オープン・シティ』 / 佐野洋子『わたしが妹だったとき』 / 佐野洋子『役に立たない日々』 / 『佐野洋子 とっておき作品集』 / 柴田元幸編訳 バリー・ユアグローほか『昨日のように遠い日 少女少年小説選』 / ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』 / 庄野潤三『野鴨』 / エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』 / 瀬戸内寂聴『私(わたくし)解説 ――ペン一本で生きてきた』 / ジュノ・ディアス『こうしてお前は彼女にフラれる』 / アニカ・トール『私の中の遠い夏』 / ウィリアム・トレヴァー『恋と夏』 / ジョン・ニコルズ『卵を産めない郭公』 / 西村賢太『瘡瘢旅行』 / シーグリッド・ヌーネス『友だち』 / ジョゼフ・ノックス『スリープウォーカー』 / ポール・ハーディング『ティンカーズ』 / バーバラ・ピム『よくできた女(ひと)』 / ナンシー・ヒューストン『時のかさなり』 / 古川日出男『聖家族』 / メヒティルト・ボルマン『沈黙を破る者』 / ドナルド・レイ・ポロック『悪魔はいつもそこに』 / ジェレミー・マーサー『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』 / イアン・マキューアン『土曜日』 / アレクサンダー・マクラウド『煉瓦を運ぶ』 / エリック・マコーマック『雲』 / メアリー・マッカーシー『アメリカの鳥』 / トゥルース・マティ『ミスターオレンジ』 / アムリア・マラディ『デンマークに死す』 / マーガレット・ミラー『雪の墓標』 / 『山本容子のアーティスト図鑑』 / デニス・ルヘイン『ザ・ドロップ』

Ⅲ さらに本を読む日々

文学そのもの――庄野潤三『貝がらと海の音』
すこしの淋しさ――瀬戸内寂聴『死に支度』
詩は放たれる――谷川俊太郎『トロムソコラージュ』
蜂の巣――佐野洋子『そうはいかない』
食べ応えのある詩集――長田弘『食卓一期一会』
偶然性よりもむしろ必然性によって――小川洋子『アンジェリーナ』
健全ということ――川上弘美『水声』
肌で読む――朝吹真理子『TIMELESS』
あとがき

 

江國香織:

1964年東京生まれ。1992年「きらきらひかる」で紫式部文学賞、2002年「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で山本周五郎賞、04年「号泣する準備はできていた」で直木賞、07年「がらくた」で島清恋愛文学賞、10年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文学賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞など数々の文学賞を受賞。他の小説作品に「つめたいよるに」「神様のボート」「東京タワー」「抱擁、あるいはライスには塩を」「彼女たちの場合は」「去年の雪」「ひとりでカラカサさしてゆく」「シェニール織とか黄肉のメロンとか」「川のある街」など多数。「絵本を抱えて部屋のすみへ」「いくつもの週末」「雨はコーラをのめない」「旅ドロップ」などのエッセイ集や詩集・童話・翻訳など多彩なジャンルで活躍。

 

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江國香織の「きらきらひかる」読了。

「東京タワー」、あるいは江國香織について・1

「東京タワー」、あるいは江國香織について・2