「東京タワー」、あるいは江國香織について・1 | 三太・ケンチク・日記

「東京タワー」、あるいは江國香織について・1

最近、特に映画が公開されたこともあって、ブログで映画「東京タワー 」についての記事が、目立って多くなっています。僕がこの本「東京タワー 」を読んだのはこのブログ「三太・ケンチク・日記」を始める前だから、たぶん、10月初めには読み終わっていたんじゃないかと思います。この本の奥付を見ると、2001年12月7日第1刷発行となっています。昨年は、僕は「ヴァイブレータ 」や「赤目四十八瀧心中未遂 」という映画で、寺島しのぶという性格俳優に大いに注目していました。もちろん、赤坂真理の「ヴァイブレータ 」も車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂 」も、映画の原作になった本は映画を見る前に読んでいます。そんなことがあって寺島しのぶの次回作をネットで調べたら、映画「東京タワー 」に出るということがありました。そして、たまたま江國香織の「東京タワー 」がブックオフにあったのでので、買って読んだという経緯でした。

辻仁成との同時進行で話題を呼んだ、
冷静と情熱のあいだ 」1999年9月30日初版発行
結婚&恋愛生活小説とうたった、
薔薇の木枇杷の木檸檬の木 」2000年4月30日初版発行
恋はするものじゃなく、おちるものだ、という、
東京タワー 」2001年12月7日第1刷発行
初の書き下ろし短編小説、
泳ぐのに、安全でも適切でもありません 」2002年3月10日第1刷発行
第130回直木賞を受賞した、受賞は遅きに失した感がありますが、
号泣する準備はできていた 」2003年11月20日第1刷発行

こうやって手元にある本を並べてみると、僕もけっこう読んでるんですね、江國香織を。もちろん、江國香織はどちらかというと多作なので、読んだのは確かにほんの一部という言い方もできますが、この5冊で江國香織のおおよその傾向は捉えることが出来るのではないかとも思います。「冷静と情熱のあいだ 」と「東京タワー 」は、ブックオフで105円で買ったもの、その他の3冊は、発売と同時に本屋で買ったものです。江國香織は、僕の中ではエッセイスト、あるいは、短編作家、という印象があります。上にあげた5冊の中では「薔薇の木枇杷の木檸檬の木 」が一番小説らしい作品です。逆に「東京タワー 」は最下位、三文小説、としか言いようがないですね。再読した結果、感想は変わらないですね。僕は「東京タワー 」という映画も、たぶん見ないでしょう。