写真は、今年最後の秋明菊となるでしょうか。
「花はそのままで風情がある」と、茶花好きな義母が良く言っていたことを
ふと、思い出します。
本当にその通りで、私の無駄な抵抗など全く必要としない。
そのままで、何て愛らしい。
先日、福井新聞にのっていた華道家 前野博紀氏のコラムに
ひきつけられ、何度も、何度も眼を通しています。
「花無心にして蝶を招く。
願わなければ叶わないのも、真実ですが、機会を大事に、物事に
打ち込んでいれば、緑の風が吹く。」
「人が生きていくうえで大切なものは、すべて目に映らないものばかり。」
華道家の方の紡ぐ言葉は、何て、豊かで、深くて、心に沁みます。
◆ご質問をいただきました。
先日、京都の方より、ご質問をいただきました。
佐々木のホームページを新しく、作ったばかりのところで、
早速、ご質問をいただき、とても、うれしく拝読させて頂きました。
「着物は、初心者で、これから、着物を着てお仕事をしたいと考えているが、
初心者でも、着物は、量より質で良いのでしょうか。」という
主旨だったかと思います。
プロのご意見をお聞きしたいとのことで、
私ではなく(笑)、店主が、夜中、お返事を書いておりました。
その内容が、なかなか、深いと思い、こちらにも抜粋して
店主の考えをお伝えしたいと思います。
◆「着物は、量より質」の意味
店主のお返事より、一部抜粋
「質の考え方についてですが、質=高価・最高級品だとは思っていなく、職人の手の中にあると思っています。作家やブランド紬のように、特別高価ではなくても、職人個々の技術と個性で作り出される物も、良いものです。」
店主が良く言っているのは、本当に、良いものを作ろうとすると、誠実な仕事になる。
「分かりにくいところだから、生地質を落とそう」とか、そういう考えはなくなるもの。
利益にこだわると、中途半端なものが出来てくる。
だけど、今は逆転現象が起きていて、例えば、上質な手描き友禅より、
インクジェットの着物に、それ以上の値段がついていたりする。
逆に、有名な作家ものでも、値段に見合わないと思えるものがあるのも事実。
ようは、「 値段と名前が判断には、決してならない。」
なにも、高額な超一流品でなくても、名もなくとも、誠実で、上質なものは、意外とあるもので。
佐々木が考える上質とは、
誠実に作ってあり、誠実なお値段がついているものと
言えるかもしれません。
着物は、たくさん買う必要はありませんが、
高価なものを数点だけというよりは、
誠実に作った良いものは、
着心地も、着姿も良いもので、高額でないものも
たくさんあります。
そのあたりから、少しずつ始めるといいのではないでしょうか。
◆着物で、目指すところ。
時折、初めましてのお客様から、「私は、コピー品で良いのよ~」と
言われることもあるのですが、
コピー品は、結局は、誠実ではないのです。そこに魅力はないのです。
そう思います。
店主は、お返事の中で、
「お気に入りの着物を見つけて、その着物の雰囲気に添うような着方が出来れば、
最高です」と結んでおりました。
きものの世界は、共に育てていく世界。
着物の手入れや、扱い方、合わせ方、
そして見る眼、着方。
最初からゴールを目指さずと、苦しくなるので(笑)、
でも、きちっと根っこを見ながら、
一歩ずつ、深い世界を楽しんでいただけたらと願います。
私達でお手伝いできることがあれば、お気軽になんでも
お話し頂けたらと存じます。
I様が、着物を着ることで、ますますご活躍されますように
心からお祈り申し上げます。m(__)m。
☝ホームページのGalleryにて、佐々木の考える上質なものを
少しずつご紹介しています。そちらもご覧下さいませ。
若女将。
℡0776-22-4124