大人の別れとシティ・ポップ。STARDUST REVUE「今夜だけきっと」 | よねともが気ままに思うブログ

よねともが気ままに思うブログ

よねともが思うことを綴るブログです。
好きな音楽をただ紹介しています。

本日はSTARDUST REVUE「今夜だけきっと」(1986年リリース、アルバム『VOICE』収録。同年シングルカット) です。




STARDUST REVUE(スターダスト・レビュー) は、1981年にアルバム『STARDUST REVUE』、シングル「シュガーはお年頃」でデビューした5人組バンドで、その洗練されたメロディーと、ボーカル・根本要さんのハイトーンボイスと歌唱力で、人気を博しているバンドです。ヒット曲も多数あり、現在も精力的にリリースするなど、曲制作を活発にしながら、ほぼ毎年のようにライブツアーを行うなど、ライブ活動も盛んなバンドとなっています。特に根本さんのMCは音楽業界でも話術の長けたミュージシャンの1人として数えられるなど、MCも人気の1つとなっています。

根本さんのみならず、メンバー全員が演奏技術、ミュージシャンセンスの長けたバンドで、ベース・柿沼清史さんは根本さんと共に数多くのスターダスト・レビュー作品を作曲し、メロディーメーカーとしても高い評価を得たり、爆風スランプの代打ベーシストとして「Runner」を演奏するなどしています。ドラム・寺田正美さんはバンド外活動こそあまり無いですが、そのパワフルでタイトなドラミングは、ミュージシャン内でも高い評価を受けています。パーカッション・林 "VOH" 紀勝さんはスターダスト・レビュー作品のポップスに彩りを加えるなど、潤滑油としての役割を果たす他、作詞やコーラスでも活躍し、小田和正さんの曲にもコーラスで起用されたことがあります。そして、当時メンバーだったキーボード・三谷泰弘さんはスターダスト・レビューのアレンジを数多く担当し、上質なシティ・ポップとして評価される一翼を担いました。1994年には脱退し、ソロ活動や山下達郎さんのコーラスに起用されていますが、現在でもスターダスト・レビューとの繋がりはあり、脱退後もレコーディングでコーラスやピアノなどで参加したり、スターダスト・レビューの周年コンサートではゲストで参加したこともあります。

そんなスターダスト・レビューの代表作とも言える作品がこの「今夜だけきっと」。シングルカット曲にするなど、制作時からメンバー内では「好きな曲」「いつまでも愛される曲」と評価が高かったですが、残念なことにヒットには至りませんでした。しかし、テレビ出演での演奏やライブで多く演奏されることから次第にリスナーにも受け始め、さらにイベント参加時や周年コンサートなどでもたくさんのミュージシャンと共に歌うなど、現在ではスターダスト・レビューの代表作となっています。

作詞は根本さんと、アマチュア時代に参加していたメンバーの1人の手島昭さんによる共作で、作曲は根本さんが手掛けました。特徴はやはり根本さんの真骨頂、ハイトーンボイスが生かされたメロディー。そして厚みのあるコーラス。シティ・ポップの真髄を味わうことが出来ます。

歌詞は恋人が徐々にすれ違い始め、別れていく様子を描いたもの。別れる前夜に逢って色々と話していくうちに「今まではなんとも無かったのに、今夜だけきっと悲しい」と思う、というような、別れる現実を受け止められない状態を淡々と受け入れつつあるような詞に仕上がっています。

リリースから35年経っていますが、未だに色褪せない1曲になっています。繊細なシティ・ポップだと思います。



また、1998年9月12日に小田和正さんと福岡・海の中道でジョイント・コンサート「under the Moonlight」が行われました。小田さんはこの2ヶ月前に、東北自動車道で自動車事故が起き、全治4週間の重傷を負いました。そこから完治とまではいかないものの、驚異的な回復を果たし、このジョイント・コンサートで復活を果たしました。その時の「今夜だけきっと」も探したらあったので載せておきます。