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経過報告 I さんのCS製ストラト

1126  ヨコハマ 雨

冷たい雨が降り続いています。 早く晴れの日が来て欲しいです。

今日はタンジェリンオレンジにリフィニッシュしたストラトのセットアップです。
燻煙処理は勿論の事、CF化してのリフレット、ピックアップを t.m.p 製P-90W に変更しての全面的なリメイク作業です。サドルもブロックサドルに変更しております。

ネック本体もCS製とは言え、ネックの端末はフラットの設定の筈が傾斜形状になっており、その結果このストラトはネックに仕込み角が付いている状態でした。トレモロのサドルが目一杯 背伸び状態だったのはそのせいです。これではまともに鳴る筈が有りません。

CS製でもそんな事があるんですか?とよく聞かれたりしますが、そりゃ月に百本以上も作っていればそんな個体が出て来てもおかしくはないですよ。組み込みは出来るけど、正しい設定を理解している技術者はほんの一握りですからね。楽器製作はそんない甘くないですよ。

このギターでホントに鳴るギターってものをお見せしましょう。
このギターは明日には完成させます、I さんお楽しみに。

心臓にワルイ日

1125  ヨコハマ 雨

肌寒い日です。塗装を行ないたかったですが、雨降りです。

今日は出来ればやりたくない作業の日。そう、カスタム品の塗装表面を水研磨する日です。
写真の3枚全てがその作業。研磨終了後のマッドな状態です。

t.m.p では下地から全てがラッカーですし薄膜仕上げですから、この水研ぎ研磨はほーんと心臓にワルイったらありゃしない。なんとか無事に3枚とも仕上げましたからホッとしてます。

他社メーカーさんのラッカーフィニッシュの場合、その多くは下地がウレタンでトップだけラッカーってのが多いですね。ぜんぜん掛かる手間隙が違います。勿論、出て来る音もね。

今日の水研ぎで塗膜下から新たな表面が出て来てますので、新しい最上面を今日1日ヒーターに当てて塗膜硬化させ、明日からの艶だし研磨に備えます。

ネックは I さんのCS製ストラトのネックで本日フレットファイリンングを済ませております。今回はCF化してのリフレットのみで、スロープヘッド化は次回に行なうそうです。

5弦ベースネックも本日フレットファイリングを済ませてセットアップに備えています。



物理のお勉強

1123  ヨコハマ 晴れ

今日は日曜日なので音の出ない様にしずかーに作業してました。
I さんのCS製ストラトの仕上げ研磨行程と合わせてシールド塗料の塗布です。

その他はチューン中のレスポールと CCR の下地研磨も済ませています。

今日は2時まで作業して、その後外出して先日知人に紹介された物理学の教授先生に質問をしに出掛けたのですが、お忙しい様子だったので今日は遠慮してそのまま帰宅。

まだまだ確認したい事があるんですね。自分の構想が物理的に可能なのか、とか、新しいデジタル理論について意見を求めたかったりと、まあ、色々とです。
やはりその筋の専門家に聞くのが早いですから。

自分自身に浮かんだアイディアとか構想とか、きっとそこには何かしらの意味はあるのだろうと考えるのです。サークルフレッティングも 55Hz 理論も燻煙処理なんかも、最初はイメージからスタートしたものですしね。
すべて発想からスタートして後で具体化し意味あるモノとなったワケですから。

そんなの机上論に過ぎないでしょ~って、知人からですら冷やかされたりしますが、ぜんぜん気にしません。
どんな偉大な発見や理論も、最初は脳みその中の机上からスタート、なんてことは普通ですからね。その人のアタマの中で芽吹いた事は他人に理解されなくても仕方無いですしね。
そんな中傷や冷やかしなんかよりも大事なのは自分の中に芽吹いた発想の芽を自ら育てるって事。その芽に水を与え光を与える事が出来るのも最初は自分にしか出来ない事ですから。

もしかして、将来多くの人にとって大切な意味あるモノに成長するかも知れない、そう考えてワタシは自分の中に芽吹いた芽に少しずつ栄養を与えてあげるのです。

健さん、さようなら。

1121  ヨコハマ 晴れ

晴れてくれて感謝。 そして 健さん、ありがとう。アナタのファンでした。安らかに。

今日は色合いで正解が見えなくなってしまったYさんの CCR に吹き付けでした。
ご本人が気に入っているというカラーリングが3種ある中で、サンプルの3種とも明らかに色合いが異なるのでどうしても迷いが出ます。どれが正解なんだろう?と。
これでダメでしたら、キャンセルさせて頂こうと決めてこのカラーリングにしました。
写真では赤みが強く出ています。Yさん、いかがですか?

ギブソンのCSエディションのレスポールはトップをゴールドにすることにしました。
O さんのご希望でもありますしね。経年変化で黄ばんだ感じの深いゴールドをイメージしています。深いゴールドを作り出す為には下地に緑青グリーンを吹いてからゴールドを重ねて行きます。
油絵と同じですね。

量産品のゴールドトップは単にゴールドをカラーリングしているだけなので深みがぜんぜん出てません。何十万していても量産品はあくまで量産品の作り方ですからそれも仕方無いでしょうね。

今回は下地色とゴールドの色合いを確認する為の仮吹きですから、この後一旦剥がしてしまいます。仮吹きしながら決定した下地色とゴールドの色合いは調合出来たので、明日あらためて吹き直しです。 この手間隙が言い得ぬ味を生み出します。

何でもそうですが、本当にいい仕事をしたければ、基本に立ち返る事です。


個別報告 I さんの CS製ストラト

1121  ヨコハマ 晴れ

晴れてくれて助かります。もしこれ以上気温が下がったままになると、そこで塗装が行なえなくなり3月頃の気温が上がるまで塗装が完了出来なくなります。そーなったらエライ事です。

何本もの作業が停滞して完了出来ない為にワタシの収入も途絶えてしまいます。(ノ_-。) あいた~
そこまで気温が下がる前に塗装行程を終了させておかなくてはいけないので、t.m.p では年末以上にこの時期が忙しいのです。

そうした塗装処理を進めつつ、本日は I さんの CS製ストラトのボディ加工&ピックガード製作を進めておりました。ボディは座グリ加工を終了して最後のコーティングに移行。

その他、Hさんのカスタム製作中のストラトを目痩せを研磨して最後のクリアーコーティングを済ませております。

ギルドのアコギもロケーション変更を終了して現在はヘッドの塗装処理です。
今回も結構な設定変更となりペグ位置の移動距離も明らかな違いが出ています。元の設定ではミッドレンジが膨らみ過ぎてボケたトーン気味でしたので、それを解消しつつ全体の張力バランスを整えながらもギルドらしさを失わない様に再設定して新たなペグ穴位置で加工済みです。
このモデルはボディ・マスもトリプルO に近いので新たな設定では張力バランスをトリプルO 的なまとめ方をしています。かといってブリッジ設定が異なるのでペグロケーションを全く同じにしたら逆に異なるバランスになってしまうのです。

でも新たなペグ穴位置からすると、これで同じ様な鳴りに出来るの?ってお思いでしょうねえ。
トリプル0とは似つかないペグロケーションに見えるでしょうから。
ところがこれが同じ様なバランスに出来るんですよ~ 
実際の狙いはトリプル0よりも少しミッドレンジが厚い鳴りにまとめる事なんです。
そうなるように計算済みなんです。物理って面白いです。 
このギターは非売品にするかもしれません。





全体状況報告

1120  ヨコハマ 雨降り

今日は午前中は塗装を行なえる状況でしたので各塗装処理は進んでいます。

写真のネックは I さんご依頼のCS製ストラトのチューンでCF化してのリフレット作業で、指板上面R変更&リフレット、そしてグリップ修正も行なってあります。尚、ボディの方は明日からP-90W 化の木部加工及びピックガード作成を予定しております。

全体的な作業状況として、もうすぐ気温低下の関係で塗装自体が行なえなくなる可能性が出て来る為にカスタム製作品で既に塗装が完了しているHさんのストラトやロングスケールCCRなどはセットアップに移行出来る状態にまで仕上がっておりますが、ここはその他の作業品で塗装作業が含まれる個体を優先的に進めております事をご了承下さい。

塗装さえ終わっていれば、寒さで塗装が行なえなくてもセットアップは行なえるからです。
出来る限りの作業をセットアップ出来るところまで進める、と言うのが目下の t.m.p 作業の 目標となっております。 ご理解とご協力をお願い致します。m(_ _ )m

作業依頼下さってる皆様へ

1119  ヨコハマ 晴れ

朝晩は冷え込みますね~

今朝は朝一で Y さんの CCR の剥がしからスタートでした。
やはりあの色合いではご満足頂けない様子でしたので、そこはもう気に入って頂く為に手間隙をここまで掛けて参りましたので、色合いで満足頂けないのも不本意ですから「じゃ、最初からやり直そう」と。
最初の写真が今回吹き上げたカラーリングで、2枚目が半日掛かりで塗装を剥がして、もう一度下地を白っぽく着色した後のショット。
受けた以上は必ず満足させる、これがマツシタの仕事の基本ですからね。Yさんお気になさらず。

とは言え、この1回の塗装のやり直しで今回の受注利益は殆ど消えてしまいます。ここが受注製作の恐ろしいところ。全て一発で成功させないと、やり直す度に利益が消えて行きます。

通常の塗装剥離~カラーリング変更作業だけでも8万以上は費用が掛かりますので、それを無料でやり直すわけですから本体の利益自体がぶっ飛んでしまうのです。

まあ、この仕事にはそんなリスクだらけですからね。奉仕精神でやるしか無いです。
それにもうすぐ、このリスキーな t.m.p の受注製作も終わりですしね。
ここはひとつ、最後にマツシタの心意気と根性をお見せしましょう。o(^ ^)o

とまあ、過去の事は気にせずに前だけ向いて奉仕精神で再チャレンジします。

その他の作業は
マーティンとギルドのアコギそれぞれにペグ/ロケーション変更作業で埋木からヘッド塗装まで進めています。そして遅れまくっていた5弦ベースのネックにフレット打ち込み作業。

こんな調子でかなりの遅れが出ております事を依頼者の皆さんには深くお詫び申し上げます。
m(u_u)m



経過報告 その他

1118  ヨコハマ 晴れ

今日は LP-Spl が完成し、Hさんの t.m.p ストラトのブロックのアームネジ山が舐めてしまったとの事なので、ブロック交換を済ませ、それぞれを梱包出荷しつつ、YさんのCCR のカラーリングの続きを行なっておりました。

Yさんの CCR へのカラーリング要望はトップがアイスティーバーストに近い薄い色合いのサンバーストで、バックがダークチェリー系でしたが、ヒガツラ材の生地色が茶色なので下地をベージュに着色してから薄い色合いのサンバースト塗装を行なったわけですが、結果少し安っぽい感じがした上にトップとサイドバックの色合いが合わないんですね。違和感が出てしまうのです。

そこで全体の色合いを強めに吹き直してサイドバックの色合いとのマッチングを計りつつ、濃いアイスティーバースト系に仕上げ直しました。これなら全体に高級感もあり安っぽさは消えました。
とは言え、YさんがこれでOK下さればの話し。

これでダメなら最初から作り直しですね。
やり直すならヒガツラ材の上に薄くメイプル材を張って、トップのみ最初から白っぽい素材にして作り直すしか手は無いです。
こうした化粧貼りは正直やりたくないので、最初から行なわなかったのですが、仮にもっと厚めにメイプルを張った場合、音質自体が変わってしまうので、メイプル薄板の化粧張りを行なうしか無いのです。それも塗装の為だけに行なうわけです。

とは言え、ここは依頼者ご本人に判断して頂きます。Yさん ご連絡お待ちしております。
尚、掲載した CCR の写真は庭木からの木漏れ日が写り込んでいます。実物は写真よりは薄い色合いです。


予定変更

1117  ヨコハマ 晴れ

今日は LP-Spl の最終セットアップ予定でしたが、カスタム製作中のYさんのCCR のカラーリングに手間取って時間が無くなってしまいました。 LP-Spl は明日完成させます。

と言うのも、Y さんのCCR は材がヒガツラ材ですからマホに近いブラウンが素色なんですが、Yさんの指定カラーが素地が白いメイプル系に着色しないと出ない色合いのサンバーストなので、一旦トップ面だけをベージュ色に着色して乾いたらそこからサンバーストに吹いて行く作業でした。

トップをメイプルっぽい色合いにするのが非常に難しかったのと木目もハッキリ出ていながら色合いが部分部分で異なっているヒガツラ材でしたから、均一にサンバーストに吹いても着色ムラが出ている様に見えてしまうのです。これには苦労させられましたね~
均一に吹いても下地の色合いの関係でムラに見えるんですから。

@1枚目の写真がトップだけ着色した後のショット。サイドが元々のヒガツラ材の生地色です。
比べるとトップ面がいかに白っぽいカラーに着色されたかがお分かり頂けると思います。
通常の塗装代金じゃ割が合わないな~ (^ε^)

まあ、何とかバックも濃いブラックチェリーに吹いて分厚いセルバインディングも細く見える様にマスキング処理してコートしております。今回の写真には写っていませんが。

その他、STELLAやロングスケール/チューンO-BG&TP仕様も目痩せを落として最後のコーティングも済ませております。結果的に1L 近いシンナーを仕様してアタマがフラフラするので、LP-Spl のセットアップは失敗を避ける為にパスをしたと言う流れです。

これから気温が下がると塗装自体が行なえなくなりますので塗装処理は今のうちに出来る限り進めておかなくてはいけません。

今日も平行して燻煙処理を行なっていますし、明日はHさんのトレモロブロック交換作業もありますし、5弦ベースのネックにフレットを打ち込まなくてはいけません。
まだまだ夜業は山積みです。 明日もいい仕事をしたいです。



個別報告 もうすぐ完成します。

1116  ヨコハマ 晴れ

昨日からぶっ通しの燻煙処理中なので少し身体はダルいですが、気分は上々。

リスクの大きい製作から独自のチューンナップ作業をメイン化すると決めてから本当に気持ちが軽くなりました。板材を仕入れてから燻煙を行ないつつ材のシーズニングを重ねて楽器を完成させるまで3~5年と言う長いスパンでのワタシの楽器製作は思ったより自らに負担だったんですね。

いいじゃないか、チューンナップ主体で行けば、と気持ちを切り替えてから何だかスッと軽くなったんですね。製作に限らずチューンナップした楽器で多くの方が喜んで下さっているのだから、と。

そんな中、ギタリストの I さん、まあハルちゃんの事ですが、彼のLP-Splのチューンがほぼ終わりつつあります。明日には弦を張っての最終調整です。

これから燻煙処理がもうすぐ終わり、ちょいと外出予定がある為に本日の完成は明日に持ち越しです。ハルちゃんお楽しみに。