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個別報告 立川市のSさん

$tmpブログ-01261/26 本日も晴天。空気は冷たいですけどね。

本日は写真の立川市のSさんのTELESAのセットアップをほぼ完了させるつもりでしたが、朝から来客が相次ぎ、その対応で集中出来る状態でありませんでした。
このTELESAは最も作業が難しいソリッド・スプルース仕様ですので、例えばハードウェアやピックガードなどをボディに固定する際にもビスを少しでも締め付け過ぎると下の材が弾力に富んだ素材の為に塗膜面も変形し易く、圧迫するとすぐに塗膜が剥がれ飛んでしまうのです。その為に通常のセットアップ以上に神経を遣います。
でもその柔らかな春目が豊かな倍音と音の深みを生み出してくれるので、その難しさは避けて通れないのです。

既に木部の弦ブッッシングの周囲やキャビティ周辺は生地に穴加工が施されている為に一段と燻煙効果が現れて一段と目痩せが進行し、細かなナチュラル・クラックが入って来ている部分さえあります。ヴィンテージ楽器の塗膜表面に入っている様なモノが既に現れ始めています。
これまでにたぶん何百本とセットアップ作業を行って来ましたが、その中でも最も難しい部類に入る作業ですね。塗装がウレタンだったらもっとずっと楽なんですけどね。
そんなワケですから周囲に人が居ない状態で集中して作業を行わないといけませんので本日の様に来客が連続でありますと作業はちょっと無理ですね。そんなワケで本日はこの個体に合わせた接面積設定のブリッジプレートをマウントして一旦終了です。 

幸い明日は来客予定が1名ですから何とか完成出来る見込みです。

個別報告 Mさん

$tmpブログ-01251/25 今日も快晴。
相変わらず様々な作業を進めています。
先日、木目は地味ですが霜降りの様な木目の材密度が素晴らしいメイプル材が届きましたので早速燻煙処理を行っています。

皆さんは派手なトラ目やら玉木に気をそそられるかもしれませんが、それらはソフトメイプルの表皮材に出易いので要注意材。本来楽器には使えない材です。
本当に音質的に素晴らしい素材は小さなリップルマークの集合体の様な、丁度極上の牛肉に出る霜降りの様な木目材が一番。ワタクシの一番のお気に入り。
ポンッ!と素早くナチュラルなトーンで全域が同時に立ち上がり、深い木の響き方をする為に感情移入に応えてくれる素晴らしい材です。通常のメイプル材ではなかなかお目にかかれませんがイタヤカエデ材には割とよく見かけます。時に木自体に光沢があるのでウロコの様に輝いて見えたりもします。今回燻煙庫に入ってるメイプル材も見た目は地味ですがとてもいい素材です。

写真はMさん所有の00年製のJB-スタンダードです。サークル・フレッティングを広める為に企画的にフジゲンさんのファクトリー加工で製作したボディ&ネックを元にtmp設立当初に限定製作したモデルです。*現在製作は行っていないスタンダード仕様品

今回はオーバーホールを兼ねて現在のtmpのベース仕様にペグ以外のパーツをグレードアップ。フロント・PUが低音弦側が延長して見えるのはPUカバー横のピックガードに段差加工を施して親指をキープし易い様にしたものです。親指を安定させたいと言う依頼者さんの要望にこんな形で応えました。黒く見えるのは3Pのピックガードの一番下のブラック層の部分迄トップから掘り下げてあるからです。

Mさんにはいつでもお渡し可能です。

思案中

$tmpブログ-01231/23 ヨコハマ快晴。でも空気が冷たいですね。

写真のネックは4本全てスロープヘッド・ネックです。3本は作り替えですが夜通しヒーターを掛けては一旦オフにしてクールダウン、そしてまたヒーティングと、それを繰り返して塗膜硬化させているものです。どれもいい出来に仕上がって来ています。

実は最近あることで思案中なんです。tmpは今年の春で10周年を迎えますが、設立から当分の間はそれまでメーカーさん絡みで拘って来たミュージシャン諸氏の仕事依頼は基本的に全てお断りをするべきとして、実際そうし続けて来たんです。
tmp設立前まではメーカーさんの楽器開発やモニター・プレイヤーさんの楽器の開発担当をさせて頂いた身分ですから、独立したからといってそれらのミュージシャンと関わりをそのまま継続して行くわけにはいかないと考えての事です。
メーカーさんの広告塔みたいな立場がモニター・プレイヤーさん達ですから、彼らの楽器に手を加えたりtmpの楽器を弾かせる、なんて事は基本的に御法度ですからね。でも彼らと顔を合わせたら様々な要望が出て来てしまいますから現場にも出来る限り顔を出さない様にこれまでしてきました。
勿論tmp設立後に親しくなったプレイヤーの方々は今回のお話とは別枠ですが、それでもメーカーさんからモニター楽器を供与されてる方にはなるべく距離を置く様に心がけて来ました。まあ、それが業界で食わせて頂いて来た人間のある種通すべき「筋」ってもんだろうと。

ちなみに、ワタクシの様な個人製作家がアーティスト達に楽器のモニター供与なんてことは到底出来る事ではありません。沢山作って沢山売らなくては行けないメーカーさんしかモニター供与するメリットも無いですからね。更に、モニターで楽器をサポート供与する場合、その影響でそのモデルが4、50本程売れない事にはメーカーサイドもモニター製作したメリットが出無いのも事実です。
まあ、そんな諸事情含め設立から今日迄は上記の様なワケアリ期間でしたが、そうは言ってもさすがに10年も時が経てば、そろそろそれも時効かな、と。

そんな折にある著名プレイヤーさんのマネージャーさんがここまで訪ねて来られ「作業の依頼を受けてもらえないだろうか?」とのお願いでした。以前にもこうした依頼を幾度となく受けましたが、殆どお断りをして参りました。とは言えこちらもお世話になった方々ですから今後はスタンスを少し変えるべき次期かな、と思案中なのです。

意識的にライブやレコーディング現場からも遠ざかっていたのですが、必要とあらば、今後はぼちぼち現場にも足を運んでみようかなと思っています。取りあえずは28日かな。

貸し出し用ストラト

$tmpブログ-01221/22 今日は晴れましたが結構な寒さでもありました。

カスタム品のセットアップ作業とスロープヘッドへの作り替え作業に終止しましたが、中には写真の貸し出し用に製作中のストラトも含まれています。
このボディは以前にサークルフレッティングのチェック用にフジゲンさんのファクトリーで作製したアルダー2P/ノーマル・ストラトボディなんです。
今回は元がウレタン塗装でしたから薄く塗膜研磨して燻煙処理して仕上げ直しました。そこにイタヤカエデ材から製作したスロープヘッド・ネックをマウントして仕上げているのです。
PUアッセンブリーやその他パーツ類もtmpのカスタム製と同じ内容ですね。ピックガードも以前にベージュ・ホワイト樹脂板からtmp設定に作り出したものです。
今回はスロープヘッドのチェック用に作製していますが、仮にこのスペック・コンビネーション(F社ボディ加工&薄めウレタン塗装/tmpネック&パーツ仕様でのセットアップ)であれば、ある程度の本数であれば30万弱で製作販売も可能ですので、その点も考査するつもりです。

まあ、とにかく完成させて10本以上製作するつもりになれば実現は可能かと思われますので一度考えてみるつもりです。 @あくまでその仕様で作る気になったらの話。

このストラトは折角SHネック仕様ですからトレモロのセッティングもBECKの様なアーミングが可能なフローティング設定で、フロート/大・中・小の中設定でまとめます。本人のストラトはトレモロも異なりますしナットもローラーナット仕様ですがtmpではノーマルナット/シンクロ・トレモロでも同じ様なアーミング可能に調整出来ますので、その様にセッティングします。弦は様々な方がチェックすることを考慮して010-046ゲージで調整するつもりでいます。

ちなみにもうすぐ渋谷のクロコダイルで加納秀人氏のバンド・ライブ(1/28だったかな?)が、ありますが、その現場でプレイされるtmpの試奏用ストラトにも同じアーミング設定を施してありますので、気になる方は当日の秀人氏のプレイが参考になるでしょう。

個別報告 立川市Sさん

$tmpブログ-01211/21 今日のヨコハマは曇り空少し湿度も高めです。
とは言え、依頼者さんがライブで使用予定の楽器のスロープヘッド化作業などもある為に昼間は加工と塗装、それを夜通しで塗装乾燥させて間に合う様にコーティングを進めています。
その為に連日夜通しでヒーターを掛けっぱなしにして塗膜乾燥させてます。
今となってはスロープヘッド加工は大得意な加工作業になってますねえ。

写真は立川市・SさんのTELESA-SS/WHです。本日やっと磨き上げ行程に入りました。

塗膜厚を抑えて仕上げてありますからファクトリー製の様にバフ・マシーンでガンガン磨く事は出来ませんし、tmpにはマシンはありませんので最終的には手磨きで仕上げます。マシーン研磨の様なツルピカ仕上げとはいきませんが手磨きならではの暖かみのある艶が出ます。
その代わり冬でも汗が吹き出ますね。もう腕がパンパン。明日からセットアップ行程です。

Sさん、もう暫くお待ちを。

心地よし

$tmpブログ-01201/20 今日のヨコハマは暖かかったですねえ。
作業するのも楽に感じます。やはり厳しい冬の良さも有りますが暖かな気候はホッとしますね。
人間性もこれと同じでしょうから是非そう有りたいですね。生涯心がけたいです。

今日の作業は塗装仕上げの磨き上げやスロープヘッド化の作業など目白押し状態でしたが手際良く進めることが出来ました。
その合間に仮セットアップしたのが写真のTB-5Jです。NY系サウンドのイレギュラー仕様です。
このゼブラトップ+バスウッド・バックのラミネート材も既に完成済みのTB-4Pと同素材で共材関係に有ります。
ローエンドはカット方向でのまとめ方で仕上げてありますがtmp製は元々充分過ぎる程のパワーとダイナミクスを備えていますので低域が軽過ぎたりすることはありません。
このラミネート素材の特色から非常にレスポンスに優れブライトでフットワークの良いサウンドがメインカラーです。

プレイヤーで挙げるならウィル・リーのベースサウンドにジャスト・フィットでしょうね。
そのうち仕上げますので試奏希望の方はメールにて予約して下さいませ。

個別報告 立川市Sさん、池袋のNさん

$tmpブログ-0119 1/19 ヨコハマ快晴。

写真はたいへんお待たせをしてしまっている2本です。
共にS・スプルース材での塗装で時間をむさぼり食っていました。SさんのブラックのTELESAは本日水研ぎ研磨終了し、その結果あらたに露出した塗膜面の乾燥処理を行っています。
ブラックオリーブのSTELAはやっとトップ・コーティングが本日からスタート。

まあ、軽量なのに他の軽量材ではちょっと有り得ない程の音圧やレンジバランス、そしてレスポンスで生々しい木の響きを生み出してくれますから完成させれば苦労も忘れさせてくれます。SさんのTELESAは明日から艶出し研磨、STELAの方は数日おきにコーティング作業です。

本日もまたスロープヘッド仕様への作り替え依頼が入って来ました。工房駐在の試奏ギター・TELESA-P90W/SHのサウンドチェックをされた方の殆どがSH化を決められますね。完全に各弦のバランス、トータルのまとまり感、ベンド・フィールなど全ての面でフラットヘッド仕様を上回っていますから当然と言えば当然の結果でしょう。面倒な作業ですがやりがいが有りますね。

じっとガマン

$tmpブログ-01181/18 ヨコハマ快晴 ですが、寒い。

写真は工房常駐予定のTELESA-WH/GTです。
イタヤカエデ・トップ/WA・マホのラミネート・ボディにイタヤカエデのスロープヘッド・ネックです。
このTELESAが完成すれば、既に工房に在る、S・スプルースのP-90Wの常駐モデルと共に素材構成/PUシステムの違いなどのサウンド・チェックが可能となります。
こうした仮セットアップなどの作業が行えるのも段取り上、まだセットアップに移行出来ずに居るブラックのTELESAとブラックオリーブのSTELAの作業が明日にならないと出来ない為です。
黒系統のソリッドスプルース・モデルは色合い上、他のカラーリングの場合よりも少しの目痩せでもすごく目立つんです。
楽器的にはとっくに仕上げられる状態なのですが目痩せの見え具合の問題で時間が掛かっています。明日からやっとブラックのTELESAの再仕上げに移行するつもりです。

今後、ソリッド・スプルースはオーダー以前に生地加工を全て完了し、下地だけ完了させた状態で進行して、オーダー待ちにしようと考えています。
そうすれば、カラーリング以降の塗装作業はオーダーが来てからでもすぐに進行出来て納期が早まるからです。出音は素晴らしいけど、製作する側としては針葉樹材の単板仕様/オールラッカー仕上げは泣かされますねえ。

個別報告 確認願い

$tmpブログ-0116
1/16 写真は滋賀県のHさんのチューンド・ストラトで今回スロープヘッド化作業に加えてP-90W/ギブソントーン仕様への作り替えも同時に行っています。

Hさんへの確認ですが、スイッチに関してCRL-3WayかトグルSWでの切り替えの双方の設定が可能ですが、どちらで完成させましょうか?と言う確認です。

またP-90Wのカバーもアイボリーかブラックにするかの指定もお願い致します。SWノブも指定カラー品を採用します。

既にボディのピックアップ座グリ加工もピックガードの作製もSW加工以外終了していますしネックのSH化も順調に進んでいますのでSW部分の仕様に関してご指示をお待ちしておりますね。

お知らせ

$tmpブログ-01151/15 今日も晴れていましたが冷えましたねえ。

ひとつお知らせがあります。
現在、予想以上の本数のスロープヘッドへの作り替え作業依頼を頂いておりまして、接ぎ材として使用していたヴァイオリン製作用材が終了してしまいましたので、別ストックのカーリーメイプル材の挽き割り後に燻煙処理を行う作業を進めているところです。
この処理を終えたところで次の依頼分の加工を行いますので一旦、準備が終了する迄の数日間が作業が止まります。準備が整い次第、依頼順に作業を再開致しますのでお待ち下さいませ。

ちなみに現在進行中のSHへの作り替えは滋賀県のHさんのチューンド・ストラト/2TS、その次が滋賀県のKさんのCCRの予定です。

以上、スロープヘッド作り替えを依頼中の皆さんへお知らせでした。

写真はお知らせとは全く関係のないTELESAーWH・CUSTOM仕様の仮セットアップ途中でのショットです。
このTELESAはtmpマホ+B・アッシュ材のラミネート仕様でして、ホンジュラス・マホのサウンドを重くした音質が特色です。かといってサペリ・マホの様な倍音の少ない硬質な音ではなく、腰が強く密度の高い音質ですが表現力に優れています。ネックはSHネックのレスポールの50’sの様な太めのグリップ仕様です。
ちなみに、このTELESAはイレギュラーなカスタム単品製作品です。