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買い占め?

3/17 ヨコハマ晴れてはいますが寒いです。

写真はその他の作業と平行して行なっているTB-5のスロープヘッド設定の試作ネック。

まずは計算上で得られていた数値設定で作り変えた1発目の検証で実際に弦を張った時にどれだけ張力でヘッド起きするかの確認がテーマの中心。コンマ数度のヘッド起きが確認出来ましたので今回はその数値分だけ1回目の試作よりスロープヘッド角を強めて作り直しです。
写真は再度ペグ穴の埋木加工中のショット。元のフジゲン製5弦ネックをtmp設定(ペグロケーション+ヘッドデザイン+ペグ自体)も変更をしたフラットヘッド・ネックが最初の状態で、そこからスロープヘッドに新たに作り替え、今度は更に設定変更の為に作り替える事になります。

最終的には全てを1から作り替えての正規仕様となりますので、今回のネックは試作ネックのみの仕様となります。メイプル本体の材厚もフェンダー系フラットヘッド設定の1.5倍程の材厚から削り出す事になりますし、指板の材厚も指板上面RもCFS設定でのtmp特注指板(現在フジゲンさんで指板のみ製作中)を使用してのネック製作となります。

tmpの5弦ベースの設定上の使用弦ゲージですが、基本はダダリオの 045、065、085、105+125のゲージセットです。このゲージ設定が最も幅広いジャンルに対応出来る事とサウンド・バランスが良い事がその理由です。

実際には1回目の試奏でもかなりいい感じのバランス。このままでも充分OKを出すプレイヤーも多い事でしょう。でも世界中のどこの5弦ベースにも増して素晴らしいバランスやサウンドを備えたNo.1の楽器に仕上げたいですからね、そこだけを追求します。
ちなみに、既にTB-5のオーダーを頂いているベーシスト2名様分だけは特別にフラットヘッド仕様での見積もり価格のままでスロープヘッド仕様で製作させて頂きます。お楽しみに。

節電の為に作業時間を短縮していますが、実生活でもこの非常時用にランタンを持ち出して備えているのですが、乾電池が多くの人に買い占められていてどこに行っても電池の在庫が無いんですね。
たまたまワタクシの所有しているランタンはAC電源とバッテリーの双方で使用出来るタイプですから通常では何の問題も無く使用してますが肝心の乾電池が切れていますので停電時に役に立たないと言うお粗末な状況です。やれやれ。( ̄_ ̄ i)

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個別報告 SYさん

3/16 ヨコハマ薄曇り

写真はスロープヘッド化やブロックサドル交換を終了したギタリストのSYさん所有05年チューンナップ・ストラトです。SYさんのサウンド指向はよく理解出来ていますので、今回の変更作業でSYさんがこのストラトに一層惹かれるのは明確です。

Yさん、お待たせを致しました。
Yさんが弾きながらヨダレ垂らすのが確実のストラトになってます。(^O^)/ 
明日の夜にご自宅に到着しますのでお楽しみに。

原発の問題は確かに大変な問題ですが、誰も経験のした事の無いケースの場合、誰も正解が分からないのも事実なのでしょう。
本心は逃げ出したくて仕方ない東電の現場の作業員さん達は逃げ出す事も許されない中、対処に追われている筈です。
責任在る立場では命がけでもあるわけです。無事に放射能の拡散が最小限に留まる事を願うばかりです。
この国は特別な国です。きっと放射能を飛散させる神風が吹いてくれることでしょう。

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@引き続きtmpは節電のため、一日4~5時間のみの作業に限定致しております。
*tmpの通常消費電力は一般家庭の2倍以上に及びます。
その分の作業の遅れに関しましては非常事態中としてご容赦くださいますようお願い申し上げます。

個別報告 大田区Yさん

3/15 ヨコハマ曇り空。少し冷えますが節電中。

写真はスロープヘッド化作業全てが終了したYさん所有の04年製/CCR-M(ミディアム・スケール)です。
元々175のトーンを備えたセミホロウ・モデルでしたからSH化で一層リアルなトーンを備えるに至っております。

既に各地で計画停電が実施され始めているようです。ワタクシの様に木工機械を使用する者は少々気掛かりです。ルーター加工中などに突然電源が切られたり、反対にいきなり電源が入ったりした場合、非常に危険です。当分の間、木工加工中は何となく落ち着かない思いを余儀なくされそうです。

TVで連日映し出される悲惨な被災地の現状に気持ちが沈みがちになります。こんな時にギター作ってる場合じゃないよな、と思ったりもします。
ネットを通じて僅かばかりですが義援金を送らせて頂いたり、節電をしたりするくらいしか出来ないのも何とも歯がゆいですね。

こうした惨状を見ると地震国日本には大型ヘリポートと医療設備を備えたレスキュー空母が必要だと思います。荒れ果てた被災地にはヘリしか即応性が無い事は明らかですもんね。
そこで艦内に医療設備を備えた病院船でもあり、大型の重機を被災地に運べる大型ヘリと何機もの救助ヘリの離発着が可能な特殊空母を一隻でもいいですから国で建造所有したいですね。

いずれ東南海沖に巨大地震が来る可能性は明らかですから是非早急に国費で建造して頂きたいと思ったりしています。 日本人の悪い特質の一つとも言えますが、何か問題が起きてから慌てる これは是非とも改善したい点ですね。

ともかく被災者の皆さん、どうかお気持ちを強くお持ち下さい。


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停電

3/14 本日は晴れてはいますが湿度が高めです。

写真はスロープヘッド化のネック達です。ギタリストのSYさん、HYさん分は後は塗膜の水研ぎ仕上げとセットアップで終了となります。ここ数日中に完了出来ると思います。
試験用のTB-5のSH化も下地塗装だけの状態で試験が行える様になりましたので、その他の作業共々進行します。
また現在、煙が発生する燻煙処理は意識的に行なわない様にしております。こんな大災害時に煙をモクモクさせるわけにはいきませんからね。チューンナップ作業待ちの方にはご理解願いたいと思います。

また、本日午後からこの地域も計画停電に入りますので作業は早めに打ち切ります。


実は今回の大地震のほんの数日前に(ワタクシはよく空を見上げるのですが)空を一定方向に延びる何本もの長い帯状の雲を広範囲に目にしました。 
んっ!地震が来るな、と気にはしたのですが、まさかこんなに大きな地震になるとは思いませんでした。

皆さんも毎日一度くらいは空を見上げてみて下さい。勿論、どこにどんな規模で来るかは分かりませんが一定方向に延びる帯状の雲が何本も出ていたら大きめの地震が数日中にどこかに来る可能性が結構高いですからね。

この大きな地震災害でニッポン経済はますます停滞が予想されますが、ここはひとつ倒れても倒れても起き上がる日本人のど根性を発揮して頑張りましょう。負けるなニッポン!(^ ^)

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お知らせ

3/13 日を追う毎に被災規模の大きさに胸が痛む思いです。

今後1週間、大きな余震の可能性が高い期間として工房の在庫品収納状況を変更し、再度の大きな揺れに備えたいと思いますので、現在作業中の各個体の仕上がりに遅れが出ます事をご了承下さいませ。

緊急自体としてご理解を頂けます様に宜しくお願い申し上げます。 負けるなニッポン!

お見舞い申し上げます。

3/12  昨日の大きな地震に被災された方々にお見舞いを申し上げます。

横浜は5前後の揺れでしたから被害も少なめに済んでいる様子ですし、工房内も棚からの落下物で数本の楽器が傷つきましたが、その他の大規模な被災地の様子をTVで目にしますとその状況に言葉に出来ない思いです。

当分の間、様々な混乱が予想されますが、何とか皆さんで乗り切って行きましょう。

まとめ報告

3/10 ヨコハマ快晴。風も収まったので塗装作業日。

今日はカスタム品やチューン系の作業の塗装工程を進める事が出来ました。
カスタム製作中のTELESAやTB-4・FLはまだ下地段階です。

サンディング・シーラーって一度くらい耳にしたり雑誌で目にしたりした事があろうかと思いますが、それが下地塗装専用の塗料です。
ちなみに、塗装工程の中で全体作業を10としますと、塗装作業とは6~7割が下地作りなのです。
その上にカラ-リング層が吹き付けられ、それが最も薄い層ですが、更にその上の中塗り層、そして一番外側の仕上げコートで、それらで残りの3割の比率です。そう、塗装の基本は下地なんです。

塗装に於いて薄膜で仕上げる場合は主に下地コーティング層を薄めに仕上げる事になります。
現在進行中のTELESAもTB-4・FLの2本はもうすぐ下地コートが終了する段階です。この2本の素材には針葉樹材が用いられている関係で特に目痩せが大きく出ますのでいつもより下地作りに時間が掛かります。

もう一枚の写真はゼリコテと言う中南米原産の素材でして、響き方は縞黒檀によく似ています。国内の同種素材で言えば黒柿に該当します。但し、黒柿材の多くは高価な割に密度が粗く、音も粗野になる場合が多いので殆ど採用しないのですが、たまたま非常に高密度の中南米産の個体があります、という材木商さんから直接購入した物です。実際、ここまで密度の高い個体はかなり珍しいです。木目も非常に美しいですしね。

いずれTELESAのセミホロウ・モデルのトップ材にしようと考えています。

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試作の日

3/9 ヨコハマ快晴。でも春一番的な風の強い日でした。

これだけ風が強いと塗装は諦めるしかありませんから今日は5弦ベースのスロープヘッド化の試作関係のみに作業を特化して行ないました。依頼品作業の上がり待ちの皆さんごめんなさいね。この風じゃムリ。

5弦ベースのスロープヘッド化に先立って作らなくては行けないのが試作加工用製作治具です。(写真)
この治具はヘッド角が何度設定のスロープヘッドであろうと切削加工が可能な様に作り上げています。

朝一から治具作製を行ない6時間程ぶっ通しで実際の生地加工までの全ての作業をいっきに行ないました。
あ~腰が辛い。ずっと前屈みの姿勢で6時間ぶっ通しで作業しましたから終わった後、腰がなかなか真っすぐには延ばせません。いててて。でもこうした作業はいっきに最後までやり通した方がいいです。

5弦スロープヘッド・ネックの試作完成したのが2枚目の写真。取り敢えず下地塗装だけで仕上げてセットアップし、サウンドチェックで設定確認を行ないます。ダメだったらまた埋木して木を接いで設定変更作業を最初からやり作り直し。仮に何十回やり直そうとも結論が出るまで繰り返します。
この手の作業は1回につき、ベースの場合で工賃は7万円ほどの作業ですから何回で済むか、です。これらの経費が開発コストに該当することになります。

作業途中で何本かの電話やら依頼楽器の宅急便の到着で、その都度手を離さなくてはいけませんが、これが結構辛い。集中が途切れそうになりますからね。まあ、アシスタントさんは居ませんので仕方ないです。

明日から風さえ収まれば各作業の塗装処理を予定しています。

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ヘルパー

3/8 ヨコハマ晴れ。

今日は重たい材木の移動などがあったので息子にヘルパーとなって貰った。
二人掛かりであったにも拘らず、その重さに驚いていた様子。
ついでに初めて加工の手伝いもさせてみた。
写真はTELESAのセミホローで外周形状の粗挽きとセミホロー内部の肉抜き加工を手伝わせた。 
(写真ではその上にテンプレートを乗せて撮影しているため内部構造は見えません)

手伝わせてみて、う~ん、意外とのみ込みが早く筋もなかなか良かった。
10年も修行すれば、そこそこの技術屋にはなれる見通しが付くかもしれない、とは思った。
でも勧めないなあ父親としてこの道は。

なぜかって、それはここが日本だから。我々親子がアメリカ人であり、アメリカ在住だったらやらせたかもしれない。アメリカの音楽文化の厚さや腕さえ良ければすぐに認めてくれる土壌がアメリカにはありますからね。でも日本はまだまだ閉鎖的。典型的なブランド指向。

残念ながらこの国にカルチャーと呼べる程まで洋楽やギターがポピュラーに根付くにはまだ時間が掛かるでしょうね。それだけでなく、本来が日本独自の音楽性で根付いていくべきものですからアメリカと同じであるべきじゃないとも思いますね。
どこかと同じ、誰かと同じだったら価値や魅力は半減しますしね。それじゃファッションですから。

ともかく、現実的にアメリカにはギターを弾けるおじいちゃんが全土にゴロゴロ居ますが、日本にはそうそう居ない。皆さんのお爺ちゃん、ギター弾けます? たぶん滅多に居ないでしょ。
アメリカではギターの歴史が日本の倍ありますからね。それほどアメリカでのカントリー・ミュージックをベースとしたギター文化の土壌は分厚いものがあります。
日本でも親子3代でギター弾いてる家庭が出て来るとだいぶ違っては来るでしょうけどね。

現実的に日本に於けるギター文化はまだまだ浅いし本物じゃないって言うのが正直なワタクシの気持ちですね。
だから息子にはこの国でこの仕事をさせる気にはなれません。彼が進むべき仕事をやらせたいですし、それはもう初めてますからね。 今日はただ父親を心配して手伝いに駆けつけてくれたのです。感謝。

ほんの数時間とは言え、初めてオヤジの仕事を手伝ってみて、たぶん今日は結構疲れたんじゃないかな?って思います。それはご存じない方も多いかと思いますが、木を相手にするって実際かなり疲れるんです。

たぶんそれは木と言う生き物を削って楽器という物を作っているからに他ならないからでしょう。

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アウト!

3/7 ヨコハマ雪降ってます。塗装も燻煙も作業アウトです。

最近はまた新たな読者?って言うのか、このブログを読んで下さる若い技術屋さんも増えたみたいですから、メールで頂いた質問などの返答も交えてこのブログ上にアップしています。
皆さんに何かしらの参考になっているのであれば幸いに思います。

雪は少しずつ積もって来てる様子。それでも作業をしてないわけではございませぬ。
写真は5弦ベースのフラットヘッド・ネックにスロープヘッド化の為に接ぎ木中のショットです。

この1回の設定試作で一発オーケーだと楽チンでいいんですけどねえ。
こうした設計作業は計算で得られた数値設定と実際に弦を張っての実音チェックでは誤差を生じる事がまま有ります。ヘッドに張力負荷が架かることでヘッド角も設計値と変化するのが実際だからです。その上、素材の個体差も考慮しなくてはいけませんしね。机上論だけではダメなんです。

現代のネット社会ではどんなことでも調べればいろんなデータは得られますが、それを鵜呑みにしては
ダメなのといっしょですね。実際に自分で確かめてみなくちゃね。
単なる知識の上澄みなだけでは自らの知恵とはならないですから。もしネット上で得られる知識だけで自分が賢いと勘違いしてたら、そりゃ~人としてある種の悲劇みたいなもんです。お気の毒。

試作では計算上与えた設定に対して実音バランスが今ひとつの場合、次の設定ではプラス/マイナスいすれかのベクトル違いを判断し、次の試作では変化値(ワタクシが設定した変化の最少単位で角度の場合で言うと0.25度と言うヘッド角度差)で作り替えて再度検証しなくてはいけません。

もし、1ミリ差だとか0.5度の角度差だとかをバカにしてる技術屋さんが居たら、その人の仕事に期待しちゃいけません。絶妙なバランス!と言う設定と、まあまあだな、と言う設定によるグレードの差はそんな単位での設定差の世界での話です。2ミリ違いとか1度違いでは、もうそりゃ全く別モンになっちゃいますからね。
@バランスよく鳴る楽器を毎回作り上げれるかどうかは、こうした微妙な設定の差が生み出す諸々の変化をいかにコントロール出来るか否かです。

そんなの嘘だと思う方は是非ご自分でお試し下さいな。
そんな部分部分の設定差が最後には 素晴らしい!と言われるか、何だかなあ~コレ? と言う大きな評価差を生み出していますからね。

かっこさえ良けりゃいいんだよエレキなんて、とおっしゃてる技術屋さんはいずれ消え行くしか無いのが楽器製作家の世界ですから。演奏者だって同じでしょ? カッコだけのプレイヤーなんて音楽の前では存在価値が無いですもんね。

真剣勝負だからこそ、この世はおもしろい。そうでしょ? (^~^)


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