続・何故、日本でPOP PUNK-ポップパンクが売れないのか?をフェスやライブから考えてみる。 | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

 
どうも、トトです。
 
今回の記事は、前回からの続きというか
 
前回のネタを元にして、今回の記事を書いています。
 
 
 
という記事を、昨年の夏に書きました。
 
しかも、Twitterに流したらそこそこに拡散もされました。
 
ポップパンク好きの思うところは皆同じ
 
ってのがわかったような気がしました。
 
気がしただけで、ツイッター民の内情なんて知りませんが。
 
しかし、↑の記事で書いたこと、自分の思ったことに
 
嘘偽りはないけども、更に思うところはあります。
 
それを、前回の
 
 
の中で書いていたんですが、
 
文字数制限の関係でカットしていたのです。
 
あの記事はホントに文字数ギリギリまで攻めてますんでw
 
その部分にもう少し肉付けをして、一記事書いてみよう
 
ってのが、今回のネタになります。
 
 
何故、日本で
POP PUNK-ポップパンクが
売れない、流行らないのか?
フェスやライブの
ラインナップから考えてみる。
 
 
↑これが、本来の記事タイトルにしたかったものです。
 
タイトルにしろ、本文にしろ、
 
いい加減アメブロの字数制限よ(# -皿-)イライラ…
 
 
前回のPOP PUNK記事で出した結論としては
 
・バンドも客も入れ替えが出来てない
・あくまで音楽性の特徴としてアニソンと似てる
・日本語詞に変えたとてアニソンには勝てない
 
ざっと記事を読み返しましたが、こんな感じ。
 
今こうして改めて読んでも
 
そうだよねぇ…(。-ω-)-3
 
と思ってしまうので、やはり変わらないなと。
 
今回はそれに加えて
 
もう少し掘り下げていこうかと思います。
 
もっと現実的なことに突っ込んでいきましょうか。
 
 
 
ひとつだけ断っておきますが
 
自分はPOP PUNKが大好きです。
 
音楽ジャンルの中でもいちばん好きなジャンル。
 
しかし、だからこそ思うところがある。
 
ってのを理解していただければと思います。
 
 
 
 

 


まずはですね、


バンドの意識


昨今のレビューやレポを読んでいる方はわかるかもしれませんが


最近、国内のメタルコアシーンを見ていると


けっこう実感するというかなんというか。


メタルコアシーンなんかは、国内アングラシーンも


バンドのクオリティ的には非常に粒揃いだと思う。


国内メタルコアシーンのトップは


今、間違いなくCrystal Lakeでしょう。



楽曲クオリティ、活動実績を考えれば


国内では敵なしだと思いますね。


そして昨年、今年あたりから


海外での活動はピークってレベルで頻繁。


規模の大小含め、海外フェスへの出演や


海外バンドのツアーゲスト抜擢。


昨年末には新進気鋭のレーベルSharpTone Records と契約。


同じシーンの海外バンドすら食ってしまいそうな勢いを感じる。


 

先日、初出演を果たした本国のDOWNLOAD FES でも

 

ベストアクトに挙げる人がいたくらい、好評だったことが伺えます。

 

 

 

そうして、日本の中ではCLが抜きん出てますが


アングラシーンでのバンドの質も悪くはないんです。


それに比べるとポップパンクシーンは本当に貧弱。


こちらも良いバンドがいなワケでは決してなくて。

 

視野が日本向き…というか


メタルコアシーンと比べると、海外への意識やハングリーさ、


絶対に出来る!やってやる!


みたいな部分は確実に劣ってると思うんですよね。


それを明確に感じたのは


4月のSink The Ship 公演のPOP DAY

 

 

HEAVY DAYとPOP DAYに分けた東京2公演


STSの音楽性からして


HEAVY DAYは当然、ポスコア、メタルコアバンドがメイン。


POP DAYはポップパンクイージコアをメインに


するつもりだったんでしょう。


しかし、主催であるRNR TOURSがSNS等で呼び掛けても

 

ギリギリで追加されたSunset Wednes Day以外、


全く集まりませんでしたよね。


もちろん、理由はいくつか考えられる。


既に同日に他のライブが決まっていた、とか。


このシーンでバンド一本でやっている人なんていないでしょう。


学校があった、試験があった、仕事があった、とか。


コレに関しては、そうであっては欲しくないけど


STS公演に魅力を感じなかったとか。


などなど、色々と事情や状況はあったんだと思います。


募集期間も、そこまで長期間あったワケじゃないですしね。


でも、やっぱりこういうところで


我先にと名前を挙げる、自薦する


っていうバンドがいなかったのは、非常に残念でした。


確かにSink The Ship 自体、向こうですら駆け出しのバンドだし


下手すりゃ知らなかったって人がいてもおかしくない。


でも知らなかったなら、YouTubeで検索かけりゃ知れるし


自分だって音源のレビュー書きました。

 

その記事すら、ググれば上位に出てくる。


知らないバンド、キャリアの浅いバンドだったとしても


やはり海外のシーンと絡める、繋がりを持てるって


それだけで貴重だと思うんですよね。


オーディエンスであるこちら側よりも、バンドとしての方が

 

よっっっぽど。

 

音源に対するところもそうでさ。


GIVEN BY THE FLAMESのレビュー記事に書いたけど、


最近、こっちのシーンは


GraupelGBTFA Ghost Of FlareSable Hills


キャリアの長い短いに限らず


フルアルバムを出すバンドも増えてきてるじゃないですか。


対して、ポップパンクシーンはいないんですよねぇ…


フルアルバムを出すようなバンドが。

 

ここ数年の話だとAfter Tonight以降、出したバンドっていないんじゃね?


そのATも解散しちゃったしさ…


休止や解散が蔓延る昨今、


活動を続けてくれるだけで本当にありがたいけど


やっぱリスナーとしてはさ、


シングルやEP、ミニアルバムを小出しにするより、


フルアルバムを出して欲しいって思っちゃうんですよね。

 

 

 

そういったバンド自身の意識の他にも


やっぱりライブに対する意識というか……


それよりももっと根本的な部分。


ライブをする場所


そもそもね、そうした海外バンドとの繋がりである


ライブってもの自体が、あまりにも少ない。


メタルコアシーンって、今は国内でも勢いがあると感じるし、


海外のバンドも来日するし、呼んでくれる人たちがいる。


ひと月に一組は来てるんじゃないかね? > 海外メタルコア/ポスコア


そうすると、そこに国内バンドもサポートで入るワケで。


必然的に海外との絡み、繋がりが増えますからね。


そういった機会が、コアシーンに比べて


POP PUNKシーンはあまりにも少ない


年に2~3回来日があれば御の字じゃないかとも思う。


今、そういった現行POP PUNKバンド招聘に動いてくれてるのは


KICK ROCK INVATIONICE GRILL$くらいじゃないですかね。

 

その2つでも、IGの招聘はPOP PUNKだけではなくなってきてる。

 

じゃあ、メタルコアとかポスコアは?ってなると


RNR TOURSBLOODAXEあたり。


最近まではここにMHz FESTもいたワケで。


ブッキング団体となるとこれくらいだけど、頻度が段違い。


特にRNR系はマジで月イチレベルで呼んでますしね。


更に言えば、コアシーンはここに


Crystal Lake
Crossfaith
coldrain
Earthists.

 

あたりの、バンド自身が招聘するものも入ってくる。


そうなってくると、POP PUNKの招聘元は


たったの2つしかない上に、頻度もそこまでではない。


対してコアシーンは、頻度は月イチ


招聘元は5~6つにもなる。


これだけで機会が2~3倍も違うことになる。


だからこそ、貴重な1回である


あのSTS公演の有様が残念なことこの上ないんですよね。


滅多にない機会を棒に振ったんですよ?

 

 


しかし、そういった機会に関しては


日本だけでなく、世界的にも少ないと感じます。


まず国内の話からするなら


冒頭ではサマソニの話をしましたが、


今やサマソニなんてPOP PUNKが出ることの方が珍しい。

 

バンドのキャリアに関係なく、ね。


しかし、そんな大型フェスとはそもそも無縁な


国内コアシーンは、今では

 

 

Crystal LakeのTRUE NORTH FESがあるし、


出演バンドに関しても、CLが毎年募集をかけています。


そしてもうひとつ


 

SiMのDEAD POP FES


こっちの方がジャンル的にはごちゃ混ぜ感が酷いし、

 

何なら国内勢しか出ていませんが


数少ないメジャーシーンのラウドバンドです。


彼らも審査を通じて、キャリアが浅いバンドに対して


出演への募集をかけています。


国内有数の大型フェスに出なくても、


バンド自身が手掛けるフェスによって、シーンの若いバンドに対し


大きなステージへの間口を設けられてるところがあるんです。


海外バンドの来日だけでなく、こういったものがあるからこそ

 

このシーンのバンドはどんどん出てきてるイメージがある。

 

だけど、POP PUNKシーンに於いては


まずCLやSiMに替わるポジションのバンドがいない


単独で、新木場や野外のステージを埋められるバンドがいない


そこがひとつ、大きな問題でもありますよね。

 

 

"夏"フェスってことや、


数々のPOP PUNKバンドを出演させてきたサマソニ


フェスの色的にも、POP PUNKはかなり合ってると思うけど


国内のバンドに限っては、ハードルは高い。


出れんの!?サマソニ」っていう救済策もあるけど


審査をするのはスタッフ、そして会場のオーディエンスでしょ?

 

昨今のサマソニ全体を見たラインナップからして、

 

それだけでも不利な状況のようにも思えるのに、


もし仮に最終選考まで残ったとして、


スタッフ、オーディエンスを黙らせられるようなポップパンクバンドが


今の日本にいるだろうか……って考えると、やっぱり難しいですしね。

 

そういったライブ面を見てても、

 

ポップパンクの方が海外との壁はまだまだ高いと思います。

 

 

 

変わって、海外。


日本は単純に世界の縮図だと思います。


そういったヘヴィアクトが名を連ねるような


世界的に著名なフェスと言えば?

 

 

DOWNLOAD FESTIVAL

 

 

ROCK AM RING

 

 

GRASPOP METAL MEETING

 

 

HELLFEST

 

 

WACKEN OPEN AIR

 


IMG_20161101_105238880.jpg
OZZFEST / KNOTFEST

 


この辺は、バンドミュージックが好きなら


興味はなくても名前は知ってるフェスばかりじゃないでしょうか。


他にも挙げれば数限りないですよね。

 

 

UK TECH-FEST

 

 

NOVA ROCK

 

 

JERA on AIR

 

 

RESURRECTION FEST

 

 

ROCKVILLE

 

 

AFTERSHOCK

 

 

IMPERICON FESTIVALS

 

 

などなど。


フェスの象徴となる『ヘッドライナー』を務めるのが


ヘヴィ、ラウドなバンドのフェスは世界中にあります。


バンドが主催のものも含めてね。

 

となると、全体のラインナップもそっち寄りになるのは明白。

 

では、対してPOP PUNK系は?というと…


ないんですよね。

 

ないというか、そもそも大規模フェスで

 

ヘッドライナーを務められるようなポップパンクバンドがいない


Green Day Blink-182 くらいしかいないんじゃないですかね。


とはいえ、GDはパンクロック寄り、


ブリンクも今やポップパンク一辺倒ではないでしょう。


しかし、彼ら以外に大型フェスでヘッドを務められるバンドが


マジでいないんですよね。

 

↑にはAFTERSHOCKでブリンクがヘッドになっていますが、

 

 


ROCK AM RING 2013

 



READING LEEDS FESTIVAL 2013

 



NOVA ROCK 2017

 

 

DOWNLOAD PARIS 2017

 
 

RIOT FEST 2019

 

 

など。


GDくらいですよ、どこに出てもヘッド務めらるのって。

 

そうなると多少、ラインナップにも反映はされるけど…

 

GDに比べると、ブリンクはまだ少し弱いような気もする。


しかもコレ、


ヘッドライナー


としての話です。


ポップパンク系が多く出るフェス自体も非常に少ない。

 

 

WARPED TOUR

 



SLAM DUNK FESTIVAL


くらいしか、パッと浮かばない。


あと、今年で言えば

 

 

SAD SUMMER FESTIVAL


とか?

 

DOWNLOADREADING 、他にも上記に挙げたフェスの中で


ヘッドライナーや名前の大きなメインどころのラインナップこそ


ラウドなバンドが多いものの、


ロゴ表記なしでPOP PUNKバンドが名を連ねているフェスはあります。


でも、メインステージはおろか、


ロゴ表記にすらならないんですよね。


現行バンドだと、A Day To Remember くらいじゃないですかね。


こういうフェスでもロゴ表記されるくらいのバンドって。


とはいえ、彼らもどっちかっていうと


シーン的にはメタルコア寄りに見られてると思いますが。

 

 

 

こういった世界のフェスのラインナップを見ても


やはりPOP PUNKはあまり出てこないんです。


決して日本だけではないと思うんですよね。

 

New Found GlorySimple Plan といった


キャリアの長いPOP PUNKバンドでも


フェスによってはメインステージに立てても、


今やトリを務めることはそうそうないと思います。


第2、第3ステージの、タイムテーブル的にも真ん中くらい


ってことの方が多い気さえします。


なんかこういう状況を見ていると、

 

音楽性的にはPOP PUNKの方がポピュラー音楽なのに

 

メタルコアよりもPOP PUNKの方が

 

よっぽどコア音楽ですよね。笑

 

こっちとしたら羨ましくてしょうがないですよ。

 

下手すりゃハードコアよりコアなんじゃねw


それ故に、世界的にはもちろん、日本なんて尚の事、


小さなところでまとまってしまっている


って印象が強くなっていることも感じます。


そのせいか、世に出るバンド、目にするバンドも


世界的に見てもコア系より少ない気がします。


自分はけっこう無理やり…は少し盛ったけど、


SNSから探してきたり、見つけてきたりして


発掘バンドとかで書くようにはなったけど、


レビューの数はポップパンク系のが少ないと思うもの。


自分の体感としてもね。

 

アクセス数を見てても、それは実感しています。

 

レビュー、ライブレポ、発掘、推薦……

 

どのカテゴリに於いても、

 

やっぱポップパンク系記事の方がPV少ないですもん。

 

 

オマケで少し、レーベルにも目を向けましょう。

 

実際に海外のレーベルを見ても、

 

POP PUNKをメインに契約してるところは多くない。

 

バンドの数が多いと思うレーベルを上から

 

Hopeless Records

Pure Noise Records

Victory Records

Rise Records

Fearless Records

Equal Vision

SharpTone Records

 

正直、下4つはどっこいだと思う。

 

POP PUNKバンドが最も多く所属しているであろう

 

Hopeless Records すら、エモ・ポップパンク系だけでなく

 

近年はSylarLotus EaterAfterlife 等の

 

へヴィなバンドとの契約が増えています。

 

そればかりか、先月

 

レーベルがTwitterで行ったアンケート

 

私たちは次にどんなバンドと契約するべき?

 

の問いに、

 

 

と、Hopeless フォロワーのリスナーまでもが

 

HEAVYなバンドを求めている。

 

この選択肢の中だと、POP PUNKに該当するのは

 

いちばん上のPOPPYが近いのかな?

 

それすら下から数えた方が早い、という結果が出た。

 

世界に目を向けても、こんなもんです。

 

 

 


結論としては、国内外問わず


POP PUNKシーン自体が小さい


ってとこに収まるような気がします。


今のままでも、音源聴いても、ライブ行っても楽しいし、


そもそも自分が好きなシーンだし、


それだけで笑顔になれるのは間違いない。


でも、こう……


やっぱ好きだからこそ、大きくなって欲しいじゃないですか。


海外はもちろん、国内にだって


良いポップパンクバンドは出てきています。


だからこそ、現状が少しもったいないというか何と言うか…


欲を言うなら、


Warped Japanにも、Download Japanにも


国内外問わずPOP PUNKバンドが出て欲しかったし


キャパを幕張から新木場、何なら川崎チッタ級に落としてでも


本国と同じようなラインナップで


Warped とかSLAM DUNK みたいなフェスをやって欲しいですしね。

 

むしろフェスの名前、規模を考えればチッタくらいが適正だと思うし、

 

開催は十分に可能だとも思う。

 

しかし、


そこまでのレベルにすら達していない


ってのが、残念なことに


今の日本のポップパンクシーンの現状なんだと思います。


国内外問わず、良いPOP PUNKバンドはたくさんいます。

 

 

 

 

 

 

 


シーンが小さい故に、


オーディエンスも洋邦両方楽しめる人たちが多いシーンです。


だからこそ、残念ではあるんですよね。


それを解決するには、いちばん最初に挙げた


(特に日本の)バンドの意識そのものが変わるとか、


シーンを取り巻く環境を変えていかないとダメなのかなって。

 

何年も使い続けた言葉ですが、少し意味合いが違う


"難しい"なぁ… とは思いますけどね。

 

 

ここまで書いてきたことすべてが

 

メタルコア、ポップパンク

 

どちらのバンドにも当てはまるとは思いませんけども。

 

 

ただ、それで何もしないんじゃ意味がないので。


って言っても、自分がやることは変わりませんけどね。


良いバンドがいたら、発掘記事を書く。


好きなバンドが音源出したら聴く、良かったらレビューする。


好きなバンドが来日したら、ライブに行く。


それをマイペースに続けていくのみです。

 

 

 

 

 

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