●ワンコとつきあう「基本のキ」

 ワンコは、あなたのことを『ボス』と認めていますか?。

 犬から見た『順位』は…

一番強い(強そうな)、怖い(怖そうな)ヒト…お父さんの場合が多い。時としてお母さんのことも。

ゴハンをくれるヒト…お母さんが多い。

ワンコ…犬自身のことです。彼は自分の地位をここ!と決めています。

それ以外のヒト…子供、おばあちゃんなど。不思議とおじいちゃんは『自分より上』と思う。

赤ん坊などがいると、ワンコは『この子を守ってあげよう』とします。

 あなたがワンコより下の地位なら、言うことを聞いてくれません。「ただのお友達」。

 服従訓練の基本は「ボスは私(あなたのこと)」だということを分からせること。

 犬は集団で行動し、群れのボスの言うことに従う…習性を利用します。だからといっていつも強権的、威圧的では、ワンコは萎縮し、怖がってしまいますから逆効果。一緒にいて安心…この安心感を与えることが大切です。

 ●叱り方

 ワンコの行動が、あなたにとってOKなのか、NGなのか。これをその都度ワンコに分からせていくことが大切。ワンコが勘違いしたり混乱したり…がないように注意しましょう。

 「叱るより誉めろ」が基本です。

① いけないことをしたらすぐにその場で、短いコマンドで叱ります「ダメ!」「いけない!」「NO!」…どれか一つに決めて、決めたら変えない。

② アイコンタクトをして、大きく、強く、低い声で。

③ あとは放っておきます。あなた自身も、怒りの感情をすぐに忘れること。いつまでも引きずってはいけません。叱った後はワンコに余計な言葉をかけないこと。暫くするとワンコの方から謝って来ます。それまであなたは我慢!

④ 「さっきはゴメンなさい」とワンコが来たら、さりげなく撫でてやるだけ。誉めてはいけません。誉めると勘違いしますから。

 

 ●誉め方

 「言うことを聞く」って、どういうことなのか…をワンコに分からせます。

 ワンコが言うことを聞いたら「できるだけオーバーに」「思いっきりの笑顔で」「高い声で」「撫でながら」

誉めます。周りの目を気にして恥ずかしがってはいけない。外国人になったつもりで。

ドライフード1粒(すぐ飲み込めるおやつでもOK)を使って。あなたがワンコを誉める練習にも

なります。

  ワンコと向かい合う。なるべく近く、小型犬ならあなたはしゃがんで。目の位置でフードを見せる、匂いを嗅がせる。 コマンドは「待て」「Wait」

② 飛びついたら届かない高い位置に。ワンコが戻って立ったら、目線の上にフードを持ち、その手をワンコ側に出します。ワンコは座りますね。 コマンドは「座れ」「Sit」

座ったら、一呼吸置いて、誉めてあげます。撫でながら。頬摺りOK。 コマンドは「よし」「Good」

 必ずコマンドを出してください。フードやおやつを使わなくても、コマンドだけで言うことを聞くようになるのが目標です。

 繰り返し、訓練しましょう。できないから次、というよりも、一つできると次からが楽です。

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「癒し」の効果を与えてくれる存在がペットだ。その表情、毛並みの手触り、など魅力はたくさんある。

私も地元の老人介護施設(デイケアセンター)にウチの犬を寄贈しようと思っている。

寄贈するにも、施設内に犬の面倒を見てくれる人がいれば、の話だが。必要なら私が通って犬連れで通ってもいいと思っている。

認知症の高齢者に動物を見せる、触れさせると、笑顔が戻る、という。アニマルセラピーにはとても興味がある。動物たちが持つ優しさのパワーには、まだ私たちの知らない可能性があるだろう。

 自閉症の子供、引きこもりの若者、自律神経失調症の大人、ストレスを抱える主婦、何かしらトラブルを抱える人に、動物は何かを与えてくれる。

 この国の現状では「ペット先進国」の名前をいただくには、まだまだ遠い。

 欧米のよい点を見習う、学ぶのは大切だが、犬と人との「関わり方」の歴史が違うから、そう簡単に改善されるものではないだろうが、「これは早急に改めなければ、国民性を疑われる」ような状態は、早急に改めなければ、と思う。

 犬を産ませる側、売る側の問題点は、何といってもペットショップで生体を売る、という状況。

 ブリーダーが声を上げるか、ペットショップが先に行動を起こすか。

 元々、競合相手でも対立する業種でもなく、共存共栄の関係の筈である。

 ペットたちのいのちと健康のために、われわれは「どういうあり方」を追求しなければならないか、求められているのか、考えるべきだろう。

 買う側、飼主の側の問題点は、回りに迷惑をかける、こと。

 ペットOKのマンション、アパート ドッグラン、ドッグカフェ、ホテルやペンションが増えてきたことは歓迎すべきだが、飼主の責任は今まで以上に問われる。犬の躾とともに飼主のマナー向上が求められる。「お客なんだから」「お金、払ってるんだから」ではもういけない。

 ペットの嫌いな人に、不愉快な思いをさせる、恐怖感を与えることは、極力避けなければならない。 




 読者の皆様へ


 このブログへおいでいただき、ありがとうございます。

 このシリーズはこの回で終了し、次回から

「あなたのワンコの『困った!』を直す」

 を始めます。

 ちょっとした体調の変化やトラブル、また、躾や、行動のコントロールのこと…などなど、考えていきたいと思います。皆さんからの質問などにも、お答えできればと思います。




飼主にとってペットはかけがえのない存在だ。人によっては「我が子以上」の存在にさえなっている。自分が守ってやらなければ、このいのちは危険にさらされる。人間の子供ならば泣いて、あるいは「ここが痛い」と教えてくれる。犬は何も言わず、黙って具合が悪くなる。黙って死んでしまう。

普段の健康管理に気をつけたい。一番の目安は便と尿の状態。そして食欲。普段から気をつけてみていると、「今日は変だ」というのが分かる。

食餌にほんの少し気を遣うだけでも違う。人参の皮を刻んだり、キャベツの外葉を茹でたり、ペットの草をやったり。ドライフードだけではミネラル分が不足するので、補ってやる。最近ペット用のミネラルサプリメントも使う。

時々のブラッシング。換毛期など、アンダーコートを漉き取ってやる。皮膚の状態もこれで分かる。コミュニケーションにも、服従訓練にもなる。

生き物だから病気やけがもある。

小型犬は特に骨折、脱臼などが多い。抱いている犬が急に飛び降りて…ということがよくある。

寄生虫や犬種特有の疾患もある。大体仔犬のうちに駆虫するが、寄生虫の種類によっては犬の腸壁を破ってしまうものがいる。

最近では薬物の急性中毒…公園などに毒物入りの餌を置いたり、悪質である。拾い食いをして、獣医に行く間もなく死んでしまった犬もいる。

遺伝的な疾患を持つ犬もいる。大型犬では股関節形成不全。ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーなどに見られる。歩き方がおかしい、歩けなくなる場合もある。滑りやすいフローリングの床、飛びつかせる、などに気をつけなければならない。滑らないようにパッド(足の裏)の毛を切ってやることも大切。

ダックスフントには脊椎の疾患。椎間板ヘルニアなど。犬種特有のトラブルを知っておくことも大切だ。

超小型犬は頭蓋骨接合不全の場合があり、頭頂部を触ると皮膚の下に骨がないものがいる。ここを強く叩かれたりぶつけたりすると「てんかん」症状を起こすことがある。

外科的な救急医療は獣医に任せるしかない。救急対応の24時間営業の獣医を調べておきたい。

が、なるべく獣医のお世話にならずにすむように心がけたい。ブリーダーは飼育頭数が多いから、何かあればすぐ獣医…という訳にはいかない。その分、日常の健康管理は必要になる。

 一般家庭でペットを飼う場合は、去勢・避妊手術をぜひ勧める。5ヶ月から10ヶ月くらいの間に手術すれば、性格も穏やかで「子供の」ままで飼うことができる。太りやすくなるが、子宮や卵巣の病気を避けられる。何よりも雑種を増やすのはやめて欲しい。

 ブリーダーが最も不得意とする分野…「新しい飼主探し」である。つまり犬を希望するお客に直接犬を売ること。

 私が知る限りのブリーダーほぼ全員が「小売りは大変」と口を揃える。なぜだろうか?

犬を迎える側、お客に予備知識がない。犬の(犬舎ごとの特徴、血統など)違いが分からない。そのくせ「いくら?」と値段から入る。犬も分からないのに「値切る」…でもこれは仕方のないこと。他に判断基準がないのだから。

ただ、確かに気分の悪い客はいる。『俺は客だ』『金を払うのは俺だ』…みたいな態度をとられると、売りたくもなくなる。

一旦子犬を買って帰ったはいいものの、近所の獣医に「皮膚病が、寄生虫が…」挙句の果てに「遺伝的疾患が…」「ブリーダーのとこから持ってきた」などと言われ、すっかり獣医に丸め込まれ(獣医は新患畜を逃がさない)、ブリーダーにクレーム。「返品、交換しろ」「損害賠償だ」…。ウソのようなホントの話も結構ある。

ブリーダーはますます小売りがイヤになる。

 ブリーダーはだんだんペットショップや畜犬業者に犬を出すようになる。相手は知識もあり話も早い。まとめて何頭も買い取る。

 これで悪循環のスパイラルが出来上がる…。

 

犬を買おうという人は「新しいいのちを迎える」のだから、「モノを買う」のではないのだから、その覚悟と謙虚さでブリーダーと向き合って欲しいと思う。

犬だけでなくブリーダーの知識とノウハウも受け取って欲しい。

 ブリーダーの側は(接客が苦手なのは分かるが)新しい飼主を受け入れ、「犬を買うということがどんなことなのか…から始まる「飼主教育」にぜひ取り組んで欲しい。「いのち」を産み育てるというブリーダーの仕事に、もっと誇りを持っていい。「売れればいい」「金になればいい」時代はもう終わりにしたい。

 簡単に「ブリーダーのお仕事」を書いてみました。興味のある方はどうぞ。

●交配 

 ♀にヒート(発情期)が来る。一年に2回が普通だ。最初の出血から10~12日ぐらいが交配の「適期」とされる。陰部が膨らみ、尻尾を寄せて♂を誘うようになる。

 ♀が♂を誘うのだ。♀が♂を選ぶ。人間もこれを忘れてはいけない。「♂が♀をモノにするのだ」…は♂の思い違いである。

 犬の場合、♂の精子は48時間生きるとされているので、交配は1日おき。♂が夢中になる時は(時期の見落とし)が考えられるので♂に任せる。

 交配が下手な♂もいるから、介助する場合もある。

 自然界では…イヌ族の野生種は、どうなのだろう、と教えてもらった。

 ヒートが来た♀は「妊娠適期」に自分が好む「強い♂」と交配する。「この遺伝子を残す」と決めるのはやはり♀。

 その後、群れの中の若い♂を相手にする。交配の「練習をさせる」のだそうだ。


●出産

交配から62日が妊娠期間。最初の2週間は静かに過ごさせる。飛びついたりすると流産の危険が大きいからだ。その後は普通に過ごす。大事にしすぎて運動不足になると難産になる心配が出てくる。

1ヶ月ぐらいで乳腺が張ってきて、妊娠したかどうかが分かる。

50日が過ぎる頃にはお腹も目立って大きくなってくる。

お産の場所を整える。保温用のヒーターを使う。動かないようにヒーターの大きさ、厚みの分を切り抜いて、床をフラットにした「低いベッド」である。ベッドの周りはパピーがこぼれないよう低い壁で囲う。この壁を更に内側に折り曲げて「ひさし」 を作っておくと、仔犬の上に母犬が誤って乗っても潰されずにすむ。

このベッド、見開きの新聞紙がぴったり入る大きさ。ヒーターを中央に、周りは床だから「ヒーターが熱い」時に逃げられる。

いよいよお産が始まる。月の満ち欠け、潮の満ち干きに合わせるかのように、お産は満潮に向かって始まる。人が死ぬ時は引き潮に向かって…というから、動物のいのちもまた宇宙の力に支配されている。神秘を感じる。

陣痛が始まる。母犬は痛そうに眉を寄せる。やがて間隔は短くなり、いきみ始める。順調なら放っておいても産んでくれるが、最初の仔が産まれるまでは付きっきりになる。中にはいきんでも仔犬が産道から降りてこない場合がある。いきみ始めて6時間かかった例もあった。さすがに心配になり、産道に指を入れて仔犬の位置を確かめる。これで羊膜が破れていたり、逆子で手足が引っ掛かっていたりすると大変な話になる。胎盤剥離を起こすと命に関わる場合も出てくる。幸い、この時は羊膜も破れていなかった。

2仔からは順調。1時間に1頭くらいの間隔で出てくる。羊膜を破り、身体を拭きながら刺激する。最初の呼吸ができなければ鼻を吸って羊水を出してやる。

小型犬には死産もある。出てきたときには力がない。いくら蘇生しても無理だ。

 「また産まれておいで」と、埋めてやる。



●哺乳 

 みんな必死に生まれてくる。元気に育ってくれればいいのだが。

 母犬の乳首が小さく、あるいは母乳の出が悪く・・・生後1、2日のうちに仔犬が続けて死んだことがある。ショックだった。せっかく産まれてきても、こんなことがある。

 ミルクと哺乳瓶で人工哺乳を試すが、あまり上手くいかない。

 仔犬は吸う力がないから、シリンジでミルクを入れてやる。どうしても肺に入ってしまい、肺炎を起こす。


●離乳

 無事にここまで来れば、もうそんなに心配はない。

 2週間もすると目が開いてくる。這い回るようになる。歩き始めたらそろそろ離乳の準備。

 私は「腸内細菌を増やそうね」と、ヨーグルトをやる。乳酸菌が生きているのがいい、とカスピ海ヨーグルトをやったこともある。最初はペチャペチャやっているが、そのうち舐めるようになる。ドライフードをお湯でふやかして「匂いつけ」に缶詰を少し。最初はほんの少ししか食べない。だんだんこの量が増えてくる。食べる量が増えると、出す量も増える…。ここから「人間の乳母」の仕事が増えてくる。

 朝に、夕に…私は犬のために「おさんどん」をやる…これがブリーダーのお仕事。

●病気

 母親のお腹にいる時から「虫」をもらってくる。胎内感染という。これは離乳の前に「虫下し」駆虫剤を投与。最近はフィラリアの予防薬で主な寄生虫も同時に駆虫する。

 皮膚病は「ダニ」が原因になるものが多い。マダニ、ツメダニなど。これも薬で駆除する。

 最近、天然物原料のサプリメントが出てきて、こちらを勧めている。免疫力が上がり、新薬のような副作用もないので安心。漢方+古代薬草学+最新の生化学…の産物で、有効な天然成分が体内で働く。

 「犬猫の毛やノミ・ダニが子供のアトピーの原因!」といわれるが、「濡れ衣」のことが多い。

 アトピーの原因は、ハウスダストや化学物質などの場合が多いのだ。天然のものは分子量が大きく、体内に入りにくい。化学物質は分子量が小さく、簡単に体内に入る。血流に乗り時速60kmで体内を駆け巡る。

 むしろ私は「動物にどんどん触って、自分の免疫力を上げて」と。勧めるほうだ。

 躾と芸を勘違いしている飼主が多い。「お手、お代わり、ちんちん」…これは芸である。

 芸を教えることには一生懸命になるのに、躾は全くしていない…。

 「座れ(sit)、伏せ(down)、止まれ(stop)、待て(wait)来い(come)」…こちらが躾である。

 飼主が犬をコントロールするためのものが躾である。

動物が嫌いな人、苦手な人に不快感を与えたり迷惑をかけたりしないために、どうしても必要だ。完全に室内飼いで、外には出さない、というのであれば躾は必要ないだろうが、それでも敷地の庭に出て外に向かって吠えっ放し、だけで近所迷惑である。来客に対しても「自分の縄張りに侵入した」と噛みつく犬もとても多い。無駄吠え、噛みつきを止めさせるのも躾である。

 散歩に出す。引っ張って、あるいは怯えてちゃんと歩かない。よその人や犬に対して吠える、威嚇する、仲良く遊べない…では困る。

 どうやら犬が飼主に対して「この人がワタシのボス」と認識していないようだ。

 なぜこういうことが起こるのだろう。

 日常の暮らしの中、犬と飼主のかかわりから躾のポイントを見る…。


 一番のポイント、餌をやる時。


 餌をくれる人が、最高の「ボス」だ。ここで「スワレ」「マテ」「ヨシ」が訓練できる。

食器を犬の目より高い位置に。犬が立ち止まって上を見る。最初はこれで誉めて餌をやる。

次はこの状態ができたら、食器を犬のほうへ近づける。犬は座るはず。後足立ちしたら食器は上へ。届かない高さへ上げる。

 犬とアイコンタクトを。これも大切なポイント。目を合わせながら。

 誉め方が意外に難しい。高い声で、笑顔で、オーバーに「あなたが言うとおりにしてくれて私はこんなに嬉しい!!」犬に分かるように。撫でてやる。外国人はこれが上手い。

 「よし」でも「よーし」「GOOD!!」「NICE!!」でもいい。

これで彼(彼女)は俄然やる気になる。

 静止できたら誉めて餌をやる。次の段階は静止したら「マテ」と言いながら(小さな声でいい)食器をゆっくり犬の目の高さから降ろしていく。犬が動いたら元へ戻す…これを繰り返す。

 できたら「ヨシ」と言いながら餌を床におき、誉めながら食べさせる。食べている時に、食器に手を入れたり、身体を触ったりする。唸り声を上げたら首根っこを掴み犬の動きを止め「ノウ!」叱る時は低い声で強く。餌を取り上げてやり直す。「この人に逆らったらゴハンもらえない」ことを分からせる。

 これは餌の時間以外でも、フード一粒でもできる。


 二番目のポイント、散歩で。


 散歩は躾のチャンス。ただの「運動のための散歩」で終わらないように。リードで犬をコントロールする方法を身につける。

 初めてリードを付けると嫌がって引っ張る犬も多い。リードだけを付けて室内や庭に放し、リードに慣らす。

 慣れたらリードを持って歩く。犬が行きたい方向へ引っ張ったら(位置関係では犬が前、飼主が後になったら)飼主はすかさず反対方向へ身体を向ける。これで飼主が「前」になる。犬はリードで引っ張られる上に、飼主の後ろを歩いている状態になる。これを繰り返す。「この人の後ろを歩く」ことを分からせる。

 飼主から常に犬の目が見える位置に、自分の足元を見たときに犬の顔が見える位置で犬を歩かせる。リードは弛んだ状態で歩けるようにする。

 引っ張らずに歩くようになったら「トマレ」の訓練を。

一緒に歩いて、飼主が止まる。この時リードを張って犬の動きを止める。

止まって静止したら誉める。 

 これができると、散歩中の「拾い食い」を防ぐことができる。最近は危険なものが落ちているから、これは重要。

 三番目のポイント、遊びながら。

 遊んでいる時も躾はできる。身体を撫でながら犬を寝かせる。お腹を触る。撫でる。犬が仰向けになりお腹を出すのは「服従」のポーズ。みぞおちの辺りを掻いてやる。足をヒクヒクさせながら「そこそこ、気持ちいい」ができればOK.

 犬は集団生活をする動物である。その意味で社会性を持っている。集団にはボスがいて、それに従う。この習性を利用する。


 

  してはいけないこと。

急に動いたり、犬の視線より上に手を出したり…

 自分に危害を加えられると思う。臆病な犬ほど反撃の時ブレーキがかからない。

「うちの子は小さいから人には危害を与えないわよ」…小型犬でも歯は鋭く、顎の力は強い。自分に危険が及べば「牙を向く」のだ。

 犬が混乱するような「変更」をしない。これはダメ、と決めたらずっとダメを通す。

例えば「畳の部屋には入らない」「おもちゃを犬に預けっ放しにしない。遊んだら飼主に返す」…など一度決めたルールは変えない。

 外国にもぺットショップはある。しかし、売っているのはフードやグッズなど。生体をショーウインドウに並べるのは「法律違反」になるそうだ。生きている「いのち」をガラスケースにいれて照明を当て、いつ売れるかも分からないのに並べる…明らかに「虐待」だという。生体を置いているのは日本だけ、という。

 生体市場の存在も同様である。仔犬を競りにかけ業者に売りさばく…。

 某国営ラジオ放送で「ペットをめぐる5つの気がかり」という特集をやったことがあり、「人間が同じようにペットショップに並べられたら、3日で発狂します」ゲストのドイツ人が言う。私もブリーダーの立場でこんな仕組みに反対、の投稿をして採用された(割愛された大事な部分もあったが)。

 生後35日、45日という状態で仔犬は買い取られ、ペットショップに並ぶ。小さくて可愛い時期の方が「高く売れるから」だ。母犬から免疫はもらっているから病気の心配はないものの、環境の激変でストレスにならない筈がない。昨日までは母犬や兄弟たちと一緒にいたのだ。感傷的になって言っている訳ではない。動物を扱う者としての、ごく普通の感情である。

 多くのブリーダーは「バカなこと言ってんじゃねーよ。生活のためにやってんだ。何が悪い」…もっともである。私もそうだから 

 しかし、ここで「命」を扱う者として、考えたいのだ。

 ペットが欲しい人はブリーダーの所へ行って、その人自身が選んで、ブリーダーは適切なアドバイスをした上で、その人は犬を買う。仔犬の状態で売られることはない。ある程度大きくなって、基本的な躾、社会性を学んでから、新しい飼主の元へ行く。新しい飼主にとっても、その方が楽である。

ペットショップは優良なブリーダーを紹介する、という仲介の立場に徹する。…外国では当たり前のことだという。

 外国では(また外国の話で恐縮だが)ブリーダーという職業は尊敬されているという。「いのち」を産み出す仕事として社会的にも認められた職業だと。

 この国では違う。一生懸命育てた仔犬は、安くペットショップに流れ、結構な値段で売られる。新しい飼主の元で仔犬に何かあれば、獣医は「ブリーダーのところから悪いもの(病気や遺伝性疾患)を持ってきた」と、ブリーダーの責任にする場合がとても多い。

 これまでの悪循環、悪習慣を断ち切って、新しい仕組みを再構築できないのだろうか?このまま、この国のペット事情は変わらないのだろうか?

 ブリーダー、ペットショップ、獣医、飼主…の「いい関係」ができて初めて、ペットは幸せになれると確信する。

 空前のペットブームとやらで、ペット産業の市場規模は70億円とも100億円とも言われる。ブラウン管に登場する犬種に群がり、ペットショップに駆けつける。かつてはハスキー、ゴールデン、ラブラドール、そしてダックス、チワワ、プードル…。

 ミーハー気分で手に入れたペットたちだから、「いのち」と向き合う、関わるという感覚はきわめて希薄。

 得意顔でお散歩、の場面を見る。日中、炎天下、小型犬がアスファルトの上を歩く…虐待以外の何ものでもない。地表の、しかもアスファルトの温度は人間が感知するより高いのだ。

 人間のジョギングや散歩のお供を共用されるペットも多い。1時間も2時間も…付き合わされる。小型犬なら参ってしまう。15分で充分なのに。

  

 ペットを動物として認め、受け入れるのではなく、「擬人化」して自分の思い通りにしたいだけなのだ。

 服を着せたり靴を履かせたり…言語道断である。必要なトリミングはできないくせに。

耳の内側は夏場は蒸れやすい、足の裏の毛が伸びると滑りやすくなる…犬の健康と安全をを保つためのケアを知らない。でも「犬くさいのはイヤ」とシャンプーは欠かさない。

「必要なこと」をせず「しなくてもいいこと」をしたがる飼主。

この人たちは人間の子供もこうして育ててきたのだろうか。

   

 ここ南房総はのどかな田園風景が広がる。

 海のものも山のものも新鮮で美味しく、気候は穏やか。昔のままの暮らしがここにある。

 昔のままの暮らし…は犬にも当てはまる。犬は「番犬」の地位を保ったまま。家の外で鎖やロープに繋がれたまま、である。

 「犬に金をかける」なんてとんでもない。近所で産まれた雑種の仔犬を貰ってきて飼う。

狂犬病の注射は仕方なくやる。が、ワクチン、フィラリアの薬…それ何?の世界。獣医の世話になるのは好まない。

去勢・避妊手術もしない。従って発情期が来たら仔犬は産まれる。大体が繋がれた家の縁の下で仔犬が産まれる。

仔犬は貰い手がつけば幸運な方である。貰い手を探すこともせず、山の中に捨てられる仔犬も多い。

 猫の場合はもっとひどい。「ネズミなどの害獣を獲って捨てるのと同じ」感覚に近い。目も開かないうちに埋める、川に流す…。山に捨てられた仔猫は、カラスの餌になる。

 この国の人たちは、そもそも犬との暮らしには縁がない。移住・狩猟民族ならば、犬は人のパートナーとしての地位を与えられ、存在を認められるのだが…。定住・農耕民族である。

 しかしその反面、全てのものに魂が宿り、八百万の神を祀り、動物を主人公にした民話・伝説の類は数限りない。

「いのち」に対する感覚は確かに東洋的なものである。「輪廻転生」は動物にも認めているのか、

 「ペット、コンパニオンアニマル」としての感覚はおそらく希薄なのだろう。

 「家畜」の感覚なのだろう。犬は番犬として吠えるのが仕事であり、猫はネズミを獲るのが仕事。ただそれだけの存在であり、それ以上の何者でもない。