外国にもぺットショップはある。しかし、売っているのはフードやグッズなど。生体をショーウインドウに並べるのは「法律違反」になるそうだ。生きている「いのち」をガラスケースにいれて照明を当て、いつ売れるかも分からないのに並べる…明らかに「虐待」だという。生体を置いているのは日本だけ、という。

 生体市場の存在も同様である。仔犬を競りにかけ業者に売りさばく…。

 某国営ラジオ放送で「ペットをめぐる5つの気がかり」という特集をやったことがあり、「人間が同じようにペットショップに並べられたら、3日で発狂します」ゲストのドイツ人が言う。私もブリーダーの立場でこんな仕組みに反対、の投稿をして採用された(割愛された大事な部分もあったが)。

 生後35日、45日という状態で仔犬は買い取られ、ペットショップに並ぶ。小さくて可愛い時期の方が「高く売れるから」だ。母犬から免疫はもらっているから病気の心配はないものの、環境の激変でストレスにならない筈がない。昨日までは母犬や兄弟たちと一緒にいたのだ。感傷的になって言っている訳ではない。動物を扱う者としての、ごく普通の感情である。

 多くのブリーダーは「バカなこと言ってんじゃねーよ。生活のためにやってんだ。何が悪い」…もっともである。私もそうだから 

 しかし、ここで「命」を扱う者として、考えたいのだ。

 ペットが欲しい人はブリーダーの所へ行って、その人自身が選んで、ブリーダーは適切なアドバイスをした上で、その人は犬を買う。仔犬の状態で売られることはない。ある程度大きくなって、基本的な躾、社会性を学んでから、新しい飼主の元へ行く。新しい飼主にとっても、その方が楽である。

ペットショップは優良なブリーダーを紹介する、という仲介の立場に徹する。…外国では当たり前のことだという。

 外国では(また外国の話で恐縮だが)ブリーダーという職業は尊敬されているという。「いのち」を産み出す仕事として社会的にも認められた職業だと。

 この国では違う。一生懸命育てた仔犬は、安くペットショップに流れ、結構な値段で売られる。新しい飼主の元で仔犬に何かあれば、獣医は「ブリーダーのところから悪いもの(病気や遺伝性疾患)を持ってきた」と、ブリーダーの責任にする場合がとても多い。

 これまでの悪循環、悪習慣を断ち切って、新しい仕組みを再構築できないのだろうか?このまま、この国のペット事情は変わらないのだろうか?

 ブリーダー、ペットショップ、獣医、飼主…の「いい関係」ができて初めて、ペットは幸せになれると確信する。