ブリーダーが最も不得意とする分野…「新しい飼主探し」である。つまり犬を希望するお客に直接犬を売ること。
私が知る限りのブリーダーほぼ全員が「小売りは大変」と口を揃える。なぜだろうか?
○ 犬を迎える側、お客に予備知識がない。犬の(犬舎ごとの特徴、血統など)違いが分からない。そのくせ「いくら?」と値段から入る。犬も分からないのに「値切る」…でもこれは仕方のないこと。他に判断基準がないのだから。
ただ、確かに気分の悪い客はいる。『俺は客だ』『金を払うのは俺だ』…みたいな態度をとられると、売りたくもなくなる。
○ 一旦子犬を買って帰ったはいいものの、近所の獣医に「皮膚病が、寄生虫が…」挙句の果てに「遺伝的疾患が…」「ブリーダーのとこから持ってきた」などと言われ、すっかり獣医に丸め込まれ(獣医は新患畜を逃がさない)、ブリーダーにクレーム。「返品、交換しろ」「損害賠償だ」…。ウソのようなホントの話も結構ある。
ブリーダーはますます小売りがイヤになる。
ブリーダーはだんだんペットショップや畜犬業者に犬を出すようになる。相手は知識もあり話も早い。まとめて何頭も買い取る。
これで悪循環のスパイラルが出来上がる…。
犬を買おうという人は「新しいいのちを迎える」のだから、「モノを買う」のではないのだから、その覚悟と謙虚さでブリーダーと向き合って欲しいと思う。
犬だけでなくブリーダーの知識とノウハウも受け取って欲しい。
ブリーダーの側は(接客が苦手なのは分かるが)新しい飼主を受け入れ、「犬を買うということがどんなことなのか…から始まる「飼主教育」にぜひ取り組んで欲しい。「いのち」を産み育てるというブリーダーの仕事に、もっと誇りを持っていい。「売れればいい」「金になればいい」時代はもう終わりにしたい。