お宝映画・番組私的見聞録 -168ページ目

高原のお嬢さん/花咲く乙女たち

特にネタもないので、そのまま舟木一夫関連で。
65年、日活では4本の舟木主演映画が撮られている。この頃、すでに石原裕次郎や小林旭の主演作はあまり振るわなくなってきていたらしく、興行収入が一番よかったのが舟木主演の「高原のお嬢さん」だったそうである。ちなみに渡哲也がデビューしたのはこの年だ。
だいたい同じような顔ぶれが共演者になるパターンが多いのだが、舟木の場合は本作でもヒロインの和泉雅子や山内賢、西尾美枝子、葉山良二、そして堺正章といったところか。堺正章は日活だけでなく、東映の「夢のハワイで盆踊り」でも共演していたのはここでも触れたとおり。
本作には堺だけでなく、田辺昭知とザ・スパイダースも登場しており、その一員でもあった堺はある意味、二重にクレジットされたことになる。山内賢の友人役で杉山元、木下雅弘が出演しており、和田浩治がいればヤングアンドフレッシュのメンバーが揃っていたが、和田の代わり?に実姉の和田悦子が出演していた。
ちなみに、舟木の前作になる「東京は恋する」には和田浩治が出演していた。
順番が逆になるが、65年の舟木映画の1作目となる「花咲く乙女たち」には山内、西尾、堺などに加え、岩谷肇こと谷隼人や、岡田可愛が顔をだしている。

岡田可愛は東宝のイメージが強いが、映画デビューは日活の「キューポラのある街」(62年)で、本作はそれ以来の日活出演だったようだ。ただ、この頃四本ほど集中的に日活に出演した後は、青春ドラマを初めとした東宝ほぼ一本槍で活躍することになる。

剣豪

もう一つ、舟木一夫が主演のドラマを見つけたので、取り上げてみよう。やはり、前項同様オムニバス形式のシリーズ「剣豪」(70年)である。
全13回だが、1話完結ではなく3~4話完結のエピソードが4つあり、舟木はその4番目となる「若くて強くてイカス奴」の主人公、宮本武蔵の養子・御酒之助を演じている。
武蔵の養子は伊織じゃないのかと思ったら、彼は二番目で最初の養子が御酒之助(三木之助とも書く)だったそうである。ドラマや映画の「宮本武蔵」に登場したことはあるのだろうか。まあ、自分が知らないだけかもしれんが。で、武蔵役は中村翫右衛門で、荒木又右衛門を杣英二郎が演じている。ちなみに杣は「そま」と読む。
ついでに、残りの3エピソードにも触れておくが、1番目も武蔵がらみで「武蔵に勝った強い奴」。主演は天知茂で桜井荘四郎というキャラを演じているが、これはオリジナルだろうか。こちらの武蔵役は瑳川哲郎、ちなみに「大江戸捜査網」はこの年のスタートだ。他に京春上、高松英郎、伊沢一郎、宮城まり子など。
2番目は「新撰組のイイ男」。主演は中山仁で、有名な斎藤一を演じている。仲谷昇が近藤勇で、勝部演之が土方歳三。他に馬渕晴子、北島マヤ、寺田農など。どうでもいいが、馬渕晴子と鰐淵晴子ってややこしいな。
そして3番目が「竜馬を斬った凄い奴」。主演は倉島襄、といっても知らない人が多いと思うが、自分も名前を見かけたことがある程度で顔がよくわからない。ちょくちょくドラマに出ていたようだが、主役はおそらくこれだけではないだろうか。祖父江というキャラだが、これはオリジナルだろう。で、竜馬役が若林豪で、他に辰巳柳太郎、北上弥太朗、二本柳俊恵、弓恵子など。
しかし、この構成で1クールというのは中途半端な気がする。予定どおりか打ち切りかよくわからんが。

恋愛術入門

もう一つ、舟木一夫関連から「恋愛術入門」(70年)を。
といっても、舟木が主演なのは全24回のうち1回だけ。わかりやすく言うと毎回出演者が変わるオムニバス形式のドラマ枠である。
昔はこのタイプのドラマ枠は非常に多かったように思う。警察関連物でいえば「ダイヤル110番」とか「指名手配」、ミステリー物では「ミステリーベスト21」とか「恐怖劇場アンバランス」、時代劇では「剣」とか「剣豪」とかがこういった形式である。
最近でいえば「火曜サスペンス劇場」とか「土曜ワイド劇場」とかも、そういう部類に入るかもしれないが、こちらは2時間で、「恋愛術入門」は30分である。しかも「劇場」とか入ってないので、オムニバスだとわかりづらい。
で「恋愛術入門」だが、松山英太郎と十朱幸代に始まり、石立鉄男と島かおりとか、川口恒と丘みつ子、中尾彬と松尾嘉代、渡辺篤史と沢田雅美などの組み合わせがある。
こういったドラマに縁のなさそうな若林豪(相手は浜木綿子)や千葉治郎(相手は二木てるみ)が主演の回もある。
当時の人気デュオじゅんとネネ(相手は勝呂誉)や当時18歳のピーター(相手は大原麗子)が主演の回とか、美輪明宏(当時は丸山明宏)が出演している回などもあり気になるところである。
で、舟木一夫が主演となるのは「イチ・タス・イチは?」というエピソード。相手役は大原麗子で、他に花澤徳衛や浜かおるが出演していた。
「ラブコーチ」というエピソードは、「サインはV」の中山麻里と「美しきチャレンジャー」の森次晃嗣(当時は浩司)というスポコンコンビの主演であった。やはり、森次がコーチなのだろうか。もっとも、この時点では「美しきチャレンジャー」は始まっていないのだが(本作最終回の前日にスタート)。

泥棒育ちドロボーイ

どちらかといえば暗いイメージのあった舟木一夫に、コメディタッチの主演ドラマが存在する。舟木も、そういうイメージを払拭したいという意図があったという。その名も「泥棒育ちドロボーイ」(68年)である。
設定は、骨董品屋の息子である舟木が、死に際の父(柳永二郎)に、自分が生前に売りつけた13の偽物を本物と摺りかえるよう遺言された。こうして舟木は五人の仲間と共に本物との摺り替えを決行していくというもの。大ざっぱなイメージで言えば、「ルパン三世」あるいは「キャッツアイ」的なことをやっていたドラマなのである(違うか)。
その仲間たちに扮するのが、大坂志郎、大辻伺郎、横山道代、小坂一也、田中淳一といった面々。他にも「スペクトルマン」に出演していた親桜子もレギュラーだったようだ。この中では田中淳一は知らないという人も多いかもしれない。簡単にいえば、スキンヘッドで大柄で、愛嬌のある大前均といった感じであろうか。
かなりマイナーな番組だと思うのだが、意外に情報が転がっていた。全13回であるが、大原麗子、佐野周二はセミレギュラー的に5回登場している。他のゲストでは、左卜全、藤原釜足、上田吉二郎、石橋エータロー、太田雅子(梶芽衣子)、梓英子などが出演したようだ。
舟木一夫の「ワンダフル・ボーイ」というLPレコードは、この番組のサントラ的なものであり、ドラマのスチール写真がふんだんに掲載されている貴重といえるものである。ここに収録されている「青春ドロボーイ」が主題歌だったらしい(違う説もある)。
非常に面白そうだと思うのだが、個人的には正直初耳のドラマであった。カラーだったようだし、映像が残っていても不思議はないと思うのだが…。

夢のハワイで盆踊り

本間千代子が西郷輝彦の直前にコンビ(映画で共演という意味)を組んでいたのが、舟木一夫である。一作目の「君たちがいて僕がいた」は東映青春歌謡映画の第1弾となった作品なのだが、これは以前このブログでも取り上げたので2作目の「夢のハワイで盆踊り」(64年)をピックアップする。
舞台はタイトルどおり、当時は憧れの地であったハワイである。舟木と本間を含めた若者七人組が映画では活躍するが、他のメンバーは当時はまだ歌手のイメージだった「うっかり八兵衛」高橋元太郎にくわえ、コロンビア・ローズ、浜田たえ子、高見理紗、そして堺正章である。高橋と堺は三枚目コンビといった感じ。堺は当時18歳で、すでにスパイダースには参加していたが、本格的デビューはこの翌年の話で、まだ角刈りであった。
コロンビア・ローズって当時既におばちゃんじゃないのかって、思ってしまったが、本作に登場するのは二代目で、当時は舟木と同じ20歳であった。現在は三代目が活動しているようだ。
主題歌である「夢のハワイで盆踊り」は、舟木と本間、そして高橋元太郎、コロンビア・ローズの4人で歌っており、マチャアキは参加していない。
浜田たえ子は映画はこれ1作のようなので、よくわからない。そして高見理紗。知っている人もいるかと思うが、高見エミリー(鳩山邦夫婦人)の実姉である。随分大人びて見えるが、当時まだ15歳。話題にはなっていたようだが、映画出演は結局この64年に四本に出演しただけ。テレビの方も「マグマ大使」(66年)へのゲスト出演が記録上は最後になっており、あっという間に引退してしまったようである。マグマ大使では、チクルという宇宙少女の役だったと思っていたら、リーザというパル遊星人王妃の役であった。4回に渡って出演したようだが正直あまり印象に残っていなかった。
話しがそれたが、本作には笠智衆、加藤治子、大村文武なども顔を見せている。ところで、本作では本間の役名は風間千代子というが、高橋元太郎の本名は風間元太郎だ。本名の方が芸名っぽいと思うのは私だけではあるまい。

十七才のこの胸に/あの雲に歌おう

西郷輝彦の初出演映画はデビューした64年の「十七才のこの胸に」である。実際に当時17歳での主演デビューだ。こういった歌謡映画は松竹、日活あたりが多いイメージだが本作は東映の作品だ。タイトルは西郷のシングル曲のタイトルでもある。
相手役は当時19歳、アイドル的人気のあった本間千代子。他には長沢純、園まり、新井茂子、宇佐美淳也、小笠原良智、西郷の母役は沢村貞子、本間の母役には笠置シヅ子、そして特捜隊の立石主任こと波島進が医師の役で出演している。
続く西郷の映画出演第二作「あの雲に歌おう」(65年)も同じく本間千代子とのコンビだが、こちらは本間の方が主役である。主題歌も西郷ではなく本間が歌っている。
西郷はそのクラスメートであり剣道部の主将という役、太田博之、岡崎二朗、島かおり、前作から引き続き長沢純、新井茂子らも登場している。岡崎二朗は違和感を感じてしまうが、当時22歳でまだまだ高校生役でも許される年齢であった。
そして、本間の相手役だが西郷ではなく、東映が生んだスター千葉真一なのであった。新任の教師の役で、結局は本間ではなく西郷の姉役である宮園純子と結ばれることになる。
上記の他にも吉田義夫、松村達雄、十朱久雄、そして元祖ジャニーズの四人(あおい輝彦、真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良)も顔を見せている。
話は変わるが本作の美術担当は近藤照男で、後に大プロデューサーとなり「キイハンター」や「Gメン75」などを手がけることになる。「美術」としてクレジットされたのは本作が最後のようである。

ママとおふくろ/おにぎり

続いて西郷輝彦の出演ドラマである。今回は確実にレギュラーで出演していたと思われる「ママとおふくろ」(65~66年)である。
例よって詳細は不明だが、ホワイトカラー(ほとんど死語に近い)の一家と八百屋一家の交流を描いたお話ということらしい。
主演は淡島千景で彼女が「ママ」ということになるのだろうか。西郷輝彦、清川虹子、緑魔子、工藤堅太郎、中村メイコ、殿山泰司、横山道代と、結構知っている名前が並んでいる。顔ぶれを見ると清川虹子が「おふくろ」ということになるのだろうか。それにしても、緑魔子(当時20歳)や工藤堅太郎はこういったホームドラマには似合わないイメージがある。
西郷はデビュー2年目の18歳だが、既に売れっ子だったといえるだろう。番組主題歌の「ママとおふくろさん」は西郷が歌っている。デビュー2年足らずでこれが20枚目のシングルとなっている。当時は月1枚ペースでシングルを出すのは珍しくなかったようだ。ちなみに作詞は淡島千景が行っており、歌のタイトルには「さん」がつくことに注意。
本作には他にも「どてらい奴」で西郷と夫婦役を演じることになる梓英子や「怪奇大作戦」の小橋玲子(当時12歳)なども出演していたようだ。
本作は放送時間を水曜21:00から月曜21:30へ移動しており、本作終了の翌週から、その時間帯で「おにぎり」というドラマがスタートしている。文字通りおにぎり屋が舞台の話である。
主演は引き続き淡島で西郷や小橋玲子も、おそらく淡島の子供役で出演していたようだ。他に山田吾一、広瀬みさ、芳村真理、バーブ佐竹など。「ママとおふくろ」は丸一年続いたが、こちらの方は半年弱で終了している。最終回には池部良や山茶花究などが(おそらくゲストで)出演していたようだ。

おねえさんといっしょ

橋幸夫の次は西郷輝彦である。それもデビュー当時のドラマについて調べてみた。
まず、目についたのは「おねえさんといっしょ」(63年)である。「おかあさんといっしょ」ではない。「おねえさん」であり、幼児向けバラエティではない(子供向けではあるようだが)。
これはNHKで月~金帯の15分間ドラマで、放送時間は若干ずれているが(19時15分→18時35分)、あの有名な「バス通り裏」の後番組にあたる。
ヒロインも「バス通り裏」から引き続き十朱幸代が演じている。これに、まだレコードデビュー前の西郷輝彦が出演していたらしい。もっとも、公式情報やWikiなどには64年のレコードデビュー以降のことしか書かれていなかったりするし、明確な情報があるわけではなく、テレビドラマデータベースにその名があるにすぎない。
ストーリーは両親不在(死んではいない)の四人姉弟が肩を寄せ合いながら生活していくさまを描いている。
おねえさんはもちろん十朱で、お兄さんは坂本博士、四歳の末っ子に太田岳二、他に斉藤達雄、石坂博、田村寿子などに加えて、西郷や新克利、「バス通り裏」にも出演していた荒木一郎らが顔を見せていたらしい。
元々はラジオドラマで、中村メイコが一人四役だかをやっていたものを大幅に改変してテレビ化したものだという。
ところで、西郷は元々歌手だけでなく俳優も目指しており、ドラマでデビューしていてもおかしくはない。もう一つの可能性としては、レコードデビュー直後(64年2月)はまだ番組が続いており(4月4日まで)、そのわずかな期間にゲスト出演したというケースもありうる。真相はいかに。

東京⇔パリ 青春の条件

橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦といえば御三家。この三人が初共演した映画というのが「東京⇔パリ 青春の条件」(70年)である。他に共演した作品もないようなので、唯一の揃い踏み映画ということになるようだ。
未見なのであらすじから判断すると、主役は完全に一番年長でデビューの早い橋幸夫のようである。役名も舟木は船田、西郷は西条と名前をもじったものであるのに、橋だけは風間史郎という仮面ライダーV3のような(風見志郎だ)役名になっている。それも当然で本作は橋の芸能生活10周年記念作というものだったらしい。ちなみに橋はその風間史郎名義で作曲もしたようである。
橋の相手役となるのが小川ひろみ。個人的には「おれは男だ!」の剣道娘(丹下竜子)のイメージくらいしかない。ちなみに森田健作も登場、そのデビュー作の相手役だった黛ジュンも小川の妹役で出演している。他に山形勲、加藤嘉、左卜全、大森義夫といったベテラン勢も顔を揃えている。
そして、三田明、ピーター、アン真理子らは本人役、つまり歌手として登場している。ちなみにアン真理子は「悲しみは駆け足でやってくる」というヒット曲をもつ。元々はユキとヒデというコンビで歌っており、解散後にユキは藤ユキそしてアン真理子を名乗り、ヒデは新たにロザンナ・ザンボンとデュオを組みヒデとロザンナになったのである。
本作では橋のレコード大賞受賞曲である「霧氷」を舟木が歌うシーンがあるようだ。ところで、舟木はこの70年から3年連続で自殺未遂を起こしている。
この70年になって、急に歌謡映画が廃れたことも原因にはあるようだ。橋も舟木も本作以降は映画の仕事はほとんどなくなっている。

赤い鷹

今回は、橋幸夫の主演映画の中から「赤い鷹」(65年)という作品を。タイトルからはどんな映画か想像しにくいが、まあ青春映画でもありアクション映画でもあるといった感じだろうか。監督がアクション映画で知られる井上梅次で、脚本も松浦健郎と担当しているので、そういった要素が強くなっているようだ。
主役の橋は新聞記者。60年代の映画ではダントツに多い設定ではないだろうか。暴力団同士の抗争が絡んできたりするのだが、その二組が小競り合いを始めると、橋は「やめるんだ」といって間に割って入り、「残侠小唄」を歌っちゃうんである。待田京介をはじめヤクザ達も一緒に歌い始める。当然のごとく歌謡映画でもあるのだ。タイトルの「赤い鷹」も橋の曲であるが、曲が先か映画が先かはよくわからない。たいていは曲の方が先だけれども。
他の出演者だが、倍賞千恵子、菅原謙二、金子信雄、北条きく子、原良子、山東昭子などである。
話は変わるが菅原謙二は、この翌年くらいに謙次と名前を変える。これは佐田啓二と関係がある。戦後、佐田啓二、鶴田浩二、高橋貞二が松竹三羽烏と呼ばれた時期があった。みんな何故か二が付くのである。しかし、高橋貞二が59年にベンツで市電に激突して死亡、そして佐田啓二も前々項で触れたとおり事故死と。それぞれ30代で逝ってしまう。しれで、菅原は縁起が悪いと思ったのか謙次に表記を変更している。
佐田啓二は佐野周二(関口宏の父)に肖った芸名ということだが、佐原健二もそうらしい。もっとも佐原は本人の意思というわけではなかったようだが。