撃たれる前に撃て!
まあ、田宮二郎最後のアクション映画であり、主演映画というのもこれが最後となっている。この少し後に公開された「不毛地帯」は主演ではないし。
というわけで、田宮扮する小村刑事とかつての恋人である山本陽子、その夫である検事・中丸忠雄は前作から引き続いての登場。
田宮に絡む女優陣は松坂慶子、「東京エマニエル夫人」の田口久美、そして前作の香港殺し屋の妹という田淵夫人のジャネット八田などが登場。
男優陣も中々濃い顔ぶれで、安部徹、金子信雄、岡田英次、渥美国泰、玉川伊佐男といったベテラン勢や、冒頭のライフル立てこもり犯・蟹江敬三や「仮面ライダーX」の速水亮なども顔を出している。
他にも小池朝雄、東八郎、内田良平といった、いずれも80年代に割合、若くして亡くなった面々も登場する。まあ、田宮は彼らよりも早く(78年)に自ら命を絶ってしまうのだけれども。
このシリーズ、田宮が健在なら続いていたのかといえば、おそらくどちらにしろ本作で完結だったのではと勝手に思う。
怒れ毒蛇 目撃者を消せ
「狙撃」、そして前項の「弾痕」に続く、加山雄三のアクションシリーズ第3作が「豹は走った」(70年)なのだが、本作は加山雄三対田宮二郎なのである。
「弾痕」ではスナイパーだった加山と「追いつめる」では刑事だった田宮だが、この二人が合わさると加山は警察役で田宮がスナイパーに逆転するのである。まあ、見てる方もそのほうがしっくりくるだろう。
しかし、田宮が主役のアクションとなるとやはり刑事の役が多かったりするのである(大映をやめた後)。
実は「豹は走った」は昨年、ここでも取り上げているので、今回は「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」(74年)を。
毒蛇とかいて<コブラ>と読むようだ。ちなみに田宮の役名は小村刑事だ(シャレか?)。で、そのコブラ刑事が目撃者(奈良富士子)を守るため、香港の殺し屋と戦うんである。しかも最後は空手で。「Gメン75」よりも早く香港空手と刑事が戦っていたのである(他にもあるかもしれんが)。
他の出演者は、山本陽子、中丸忠雄、渡辺文雄、森次晃嗣など。
ヒロイン役の奈良富士子(当時20歳)はこれが映画初出演。といっても本作とあと1本くらいしか映画には出演していないようである。
ストー リーは東映っぽくて、出演者は東宝っぽいが、松竹の作品だったりする。
弾痕
今回も先日放映されたアクション映画の中から「弾痕」(69年)を。これは、加山雄三のアクションシリーズ第二弾といわれる作品で、加山が無機質なスナイパーを演じている。
加山は東宝では「若大将シリーズ」や黒澤映画だけでなく、結構いろんな作品をやっているのである。本作では終止、感情を押し殺しているので、似合わないことはない。
ラストの方では、佐藤慶との一騎打ちなんていうシーンもある。
加山の上司が岡田英次で、同僚を立花マリや声の方がはるかに有名な納谷悟郎が演じている。ちなみに、立花マリという人は映画はこれ一作のようである。
他にも、岸田森、田中浩、原知佐子、そしてヒロイン役となるのが太地喜和子である。
太地は当時26歳で、お色気度の高かった頃とでも言おうか。イイ女である。ところで、太地は東映時代の志村妙子が本名だとばかり思っていたら、太地喜和子の方が本名だったようだ。(ただし読み方はタイジらしい)。最近「ザ・コーヴ」で話題になった太地町の出身なので、そこから来た芸名だとばかり思っていたが、太地町の太地さんということだっ たようだ。他界してもう18年になろうとしている。
白昼の襲撃
というわけで、今回も見たばかりの作品の中から「白昼の襲撃」(70年)を。
この頃、アクションといえば日活という雰囲気だったが、本作は主演が黒沢年男、高橋紀子ということからも、わかるとおり東宝の作品である。
この映画、意外と評価の高い作品だったようであるが、個人的には、まあ普通かなという感じ。岸田森、緑魔子、殿山泰司という芸達者な役者も出演しているが、その分、黒沢の弟分を演じる出情児や、その友人ジョニーのレックス・ヒューストンは素人っぽい感じである。
彼らを追う刑事も、真面目な中年サラリーマンという感じの守田比呂也で、この人は銃よりも十手のほうが似合いそうなんである。
だからラストの撃ち合いを何か迫力に欠ける気がしてしまうのえある。ウェンツのような顔をしたジョニー君はその時点までは、何もしてないのに射殺されてしまうのである。
日本人っぽくない顔立ちな美人の高橋紀子だが、彼女としては、精一杯の露出で頑張っていた。
追いつめる
さて月も変わったので、何か新しいネタをとも思ったが、特にないので、最近見て印象に残ったやつの中から「追いつめる」(72年)を。
内容うんぬんよりも、やはり田宮二郎と渡哲也という珍しい組み合わせに目がいく。まあ、田宮は大映を追われて以降、誰と組んでも珍しいといえば珍しいのだが。で、本作は日活も大映も潰れた後なので、松竹の作品である。
田宮はスーツ姿だとエリートっぽく見えるのだが、本作では捜査4課の部長刑事という設定。同僚刑事が藤竜也だが、とにかく運が悪く廃人同様になってしまう。
渡は罪を一人でかぶってムショから七年ぶりに戻ってみれば、組は佐藤慶と睦五郎に牛耳られていたおり、結局は頭脳プレーでこの二人を渡が潰すのだが、渡もラストまでワルのままであった。渡対田宮の格闘シーンというのも当然ある。
女優陣は倍賞美津子、生田悦子、吉行和子のみ。
しかし、4年後の「大都会 闘いの日々」では佐藤慶は捜査4課長、渡は御なじみ黒岩刑事という潰す側の人間を演じることになる。
われら劣等生
主演は当時18歳の田村正和で、同級生役として太田博之、梶光夫、安達明、女生徒役でいしだあゆみ、香山ユリ、高石かつ枝らが顔を揃えていた。
梶光夫は当時人気の若手歌手だったが、70年ころあっさり引退し、家業の宝石商へと転身して、現在もジュエリーデザイナーとして活躍している。
安達明も青春歌謡の一人で、67年ごろまではレコードが出ていたようだが、消えてしまったようである。
いしだあゆみは、この前年に歌手デビューしたばかりで、香山ユリは以前触れたこともあるが、後の水の江じゅんだ。キカイダーで活躍する。
もちろん当時の若手ばかりではなく、林家三平や牧伸二なんかも登場する。
一つ気になるのが、学生役の一人である原裕介という名前。以前「特別機動捜査隊」を見てると、どうみても谷隼人だったが、原祐介の名義になっていた。65年の放送分で、谷が日活をやめてまもない頃だったと思われる。裕の字が違うが、谷である可能性もある。まあ、見れば一発でわかるのだが。
色んな意味で見どころの多い作品だと思うのだが、ソフト化などはされていないようだ。
また逢う日まで 恋人の泉
で、三田明の出演している映画から「また逢う日まで 恋人の泉」(67年)を。
これは、五人の若者がファイヴドリンカーズというバンドを組むのだが、中々濃いメンツである。竹脇無我と三田明はまだしも、残る三人が砂塚秀夫、和崎俊哉、藤岡弘という武闘派な顔ぶれである。
ヒロイン役は鮎川いづみで、他にも尾崎奈々、西尾三枝子、早瀬久美なども登場する。
あと、寺尾聰率いるザ・サベージが「渚に消えた恋」を演奏する。
ちなみに「また逢う日まで」は三田明のシングル曲だが、その4年後に尾崎紀世彦が同タイトルの歌を大ヒットさせ、「また逢う日まで」=尾崎紀世彦の印象になっている。
スコッチョ大旅行
で、今回は三田明から辿って目を引いたのが「スコッチョ大旅行」(71年)である。
実はこれ、「てなもんや三度笠」から「一本槍」「二刀流」と続いた「てなもんや」シリーズの後番組である。主演はそのまま藤田まことで、現代劇に衣替えした公開コメディだ。
他の出演者は花紀京、岡八郎、伴淳三郎、ザ・ドリフターズ、藤純子、そして三田明など。みんながレギュラーだったかどうかは不明だ。「てなもんや」シリーズでは、名コンビだった白木みのるは本作には出演していない。
個人的には、この「てなもんや」シリーズをリアルタイムで見た記憶が一切ない。「一本槍」や「二刀流」も、数年前までその存在を知らなかったくらいで、もちろんこの「スコッチョ大旅行」も、今回初耳の番組であった。
「三度笠」の頃の人気を回復することはできず、足掛け10年に及んだこのシリーズも本作をもって、ひっそりと幕を閉じている。ちなみに、最終回のゲストはディック・ミネ、小山ルミ、新藤恵美だったようである。
この翌週からは何故か「好き好き魔女先生」が始まっている。
美 しい十代/若い港
御三家と比べると、俳優イメージがほとんどない三田明だが、もちろん彼が出演した映画もある。
「美しい十代」(64年)は、三田の最も有名なヒット曲を元にした映画で、三田自身も出演しているが、主演は浜田光夫である。ヒロイン役は当時新人だった西尾三枝子で、三田はその同僚といった役柄で、クレジット上も3番手である。名子役といわれた市川好郎(当時16才)はチンピラの役だが、市川は実際成人するとチンピラっぽい役がほとんどになってしまう。
他の出演者は松尾嘉代、久里千春、下元勉、宇野重吉など。当時、日活にいた谷隼人(当時は岩谷肇)がエキストラ的な役で出演しているという(クレジットなし)。
同じ年の「若い港」も、三田のヒット曲を元にした映画だが、こちらも主演は山内賢と和泉雅子のコンビで、三田はここでもクレジット上は3番手である。今回は山内や和泉と同級生の音楽部員(高校三年)の役だが、三田は当時17歳なので、年齢どおりの役である。
前作同様の西尾三枝子、市川好郎、下元勉らに加えて高品格、郷鍈治、杉山俊夫らが出演。谷隼人(岩谷肇)も今回は同じ音楽部員役で、名前もクレジットされている。
本作には三田が所属するビクターから平尾昌章、トリオこいざんす、伊藤アイコも出演している。伊藤アイコは当時15歳で、後に伊藤愛子、いとう愛子と表記を変え、80年代前半くらいまでは活動していたようだ。本作ではB・Bと呼ばれる一年生の役である。
傷だらけの天使(66年)
その中で目を惹くのは、やはり「傷だらけの天使」であろう。このタイトルを見ると、ほとんどの人は萩原健一と水谷豊のドラマ(74年)を思い出すと思うが、その8年前に同タイトルの映画があったのである。
正確には映画の方は天使をエンジェルと読ませるようだ。しかも、、原作は西郷輝彦自身である。「明星」に自伝として連載されていたらしい(書いたのはライターかもしれんが)。ちゃんと原作者としてもクレジットされている。主題歌も同タイトルの曲だが、作詞の我修院達也ならぬ健吾というのも、西郷のペンネームだそうだ。後にも先にも西郷の原作はこれ1作となっている。
この年の4作すべてに共演しているのが松原智恵子であり、当然ヒロインである。この年の松原は渡哲也の相手役も務めている。松原以外はだいたい違う顔ぶれで、山本陽子が2作に出演しているくらいだろうか。
「涙になりたい」には、当時17歳の市村正親が不良学生の役で登場したりしている。公式プロフィ ールには、劇団四季入団(73年)以前のことは書かれていないし、映画出演もこれ1作だったようである。西村晃の付き人だったらしいが、その頃の出演だったのだろうか。