十七才のこの胸に/あの雲に歌おう | お宝映画・番組私的見聞録

十七才のこの胸に/あの雲に歌おう

西郷輝彦の初出演映画はデビューした64年の「十七才のこの胸に」である。実際に当時17歳での主演デビューだ。こういった歌謡映画は松竹、日活あたりが多いイメージだが本作は東映の作品だ。タイトルは西郷のシングル曲のタイトルでもある。
相手役は当時19歳、アイドル的人気のあった本間千代子。他には長沢純、園まり、新井茂子、宇佐美淳也、小笠原良智、西郷の母役は沢村貞子、本間の母役には笠置シヅ子、そして特捜隊の立石主任こと波島進が医師の役で出演している。
続く西郷の映画出演第二作「あの雲に歌おう」(65年)も同じく本間千代子とのコンビだが、こちらは本間の方が主役である。主題歌も西郷ではなく本間が歌っている。
西郷はそのクラスメートであり剣道部の主将という役、太田博之、岡崎二朗、島かおり、前作から引き続き長沢純、新井茂子らも登場している。岡崎二朗は違和感を感じてしまうが、当時22歳でまだまだ高校生役でも許される年齢であった。
そして、本間の相手役だが西郷ではなく、東映が生んだスター千葉真一なのであった。新任の教師の役で、結局は本間ではなく西郷の姉役である宮園純子と結ばれることになる。
上記の他にも吉田義夫、松村達雄、十朱久雄、そして元祖ジャニーズの四人(あおい輝彦、真家ひろみ、飯野おさみ、中谷良)も顔を見せている。
話は変わるが本作の美術担当は近藤照男で、後に大プロデューサーとなり「キイハンター」や「Gメン75」などを手がけることになる。「美術」としてクレジットされたのは本作が最後のようである。