技術コンサルと経営コンサルとの違い(5)
技術コンサルと経営コンサルとは何が違うのか?
経営コンサルのことが良く分からないので、イメージで書いてしまうと、それぞれの入り口が違うと思います。
そして、入り口をくぐった先の方では重なっている部分がある。
出口は当然ながら、両者とも依頼者の状況改善、進展で一緒になると。
で、その入り口はどうなのかというと、技術コンサルは技術的側面からのアプローチを試みるでしょう。
一方で、経営コンサルは依頼者の経営状況の分析から入るのではないかと推測します。
(ここは身近に例がないので、推測です)
ベクトルは一緒でも根本の手法は異なっています。
しかし、技術者視点から入っても場面によって、経営コンサルに近傍することがあるかと思います。
特に、依頼者の企業規模が小さい場合に生じるのではないでしょうか。
極端な例ですが、以前、所属していた研究室にベンチャー企業?の方が相談に見えたことがありました。
その方は、よく分からない素材を手にしているのですが、その素材をどうにかモノにできないか?と、言うのです。
ご自身は良いモノだと思ってるのですが、どうしていいのか分からない。
でも、それを使ったら、何かができると考えている。
このような案件の場合、そのプロジェクトの成果だけでなく、進行経過すらも依頼者の経営状況に影響を及ぼすのではないでしょうか。
したがって、コンサルタントの進め方や依頼者の要求、性質によって、この境界線にどれくらい踏み込んで行くかは変わる気がします。
全く交わらないこともあっても良いでしょうし。
この境界線はある程度のファジイな面を持つように思えます。
それぞれの専門性の違いで切り込む手法は異なるけれど、究極的には全分野に渡って提案できれば一番良いのでしょうが、私にはそこまでのスキルはありません・・・。
でも、全く何も知らないって訳にもいかないので、勉強会で財務諸表から学べるのは助かります。
他の方と比較して、イメージを具現化できてませんので、抽象的な意見で失礼しました。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(4)
皆様、こんにちは。北京オリンピックの男子体操銀メダリストの内村選手を見て、なんとなく研究会リーダーのもりぞーさんを思い出したところのミランダ編集長です。(共通点は色白ってところかな!)
技術コンサルと経営コンサルのフォーカスする領域の違いについては、これまで皆様が述べてきたことに同意します。世の中には「技術」を特に「売り」にしていない企業もあるので(非製造業など)、「経営」コンサルの参考となる企業サンプル数は圧倒的に多いと思います。それだけに事例研究も進んでおり、問題の解決方法の定石などもある程度存在していると考えます。そうでなくてはMBAのコースが設立されることもなかったでしょう。一方、「技術」コンサルはどうでしょうか?まれに多岐に渡る技術分野に詳しい方もいらっしゃいますが、私は基本的に生物系の専門家が、物理が主に関与する技術的な問題をたやすく解決することができるとは思いません。また、解決しなくてはならない問題は同分野においてもかなり細分化されており、共通点を抽出して、他企業のケースに当てはめる、というのが難しいのではないでしょうか。
もちろん各企業固有の「経営」問題もあるのでそれに即した対応が必要ですが、私としては、「経営コンサル」は汎化可能で、「技術コンサル」は個別対応が必要でありマニュアル化しにくいと考えております。それでもなお、上級の「技術コンサル」とは会社の経営状態もマインドに入れた解決方法を提示できることでしょう。(もりぞーさんが主張していらっしゃるように、すべてを自分一人で解決出来なければいけないわけではなく、他のコンサルタントとよいコンビネーションで問題を解決できれば、それでよいかと思います。顧客の懐具合次第でしょうか…。)
P.S. 遅筆のため心配させてしまったよっすぃーさん、お気遣いに感謝しております。好きよ♡
(突発的問題が生じたため、ここに書かせていただきました。)
技術コンサルと経営コンサルとの違い(3)
なんちゃってSEです。
技術コンサルタントと経営コンサルタントを一言で言い表すと、
以下のようになると思います。
技術コンサルタントとは、「技術を軸にしたコンサルタント」。
経営コンサルタントとは、「経営を軸にしたコンサルタント」。
両者に要求されるコンサルタントのスキルは同じではないでしょうか。
では、技術を軸にすることと経営を軸にすることの違いはなんでしょう。
私は、視点の違いだと思います。
Ⅰ.技術を軸にすること
クライアントの社内の重要な技術の問題にフォーカスすることになりますので、途中で経営の視点に立つことはあっても、最終的に社内においてミクロな視点に収束すると思います。
会社を森に例えると、技術コンサルタントは木の一本一本を良くしていくことで森を良くしていく人でしょうか。
Ⅱ.経営を軸にすること
クライアントの社内全体、あるいは市場まで見た上で、自社の経営の問題にフォーカスすることになりますので、途中で細かな視点に立つことはあっても、最終的に社内においてマクロな視点に収束すると思います。
会社を森に例えると、経営コンサルタントは上から森全体を見て、そこから森を良くしていく人でしょうか。
森の例えは、ミクロ経済学とマクロ経済学の違いの説明でよくでてきますね。
ところで、ミクロ経済学とマクロ経済学の両方を学ばないと、経済学を理解することはできません。
これと同様、クライアントの全社的な課題を解決するには、技術コンサルタントと経営コンサルタントの協働が必要でしょう。
ただ、IT業界を見る限りでは、各工程での棲み分けがすでにできあがっているパターンが多いので、技術コンサルタントと経営コンサルタントの両方がいるチームというのは、組みにくいのが現状ですね。
まとめると、クライアントの社内において、
ミクロな視点に重点を置くか、マクロな視点に重点を置くかが違うと思います。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(2)
技術コンサルと経営コンサルの違いを一言で表すと、解決すべき問題が技術的要素であるか、経営的要素であるかということだといえます。これは多くの皆さんの同意を得られるところであると思います。
同様の対比を挙げてみます。まず、MBA(Master of Business Administration)とMOT(Management of Technology)の相違を例に挙げます。MOTは技術系のMBAといわれ、ちょっと前に流行し、専門職大学院がいくつも新設されました。MOTの本*から引用すると、「MBAでは主に既存の事業をベースとして、勝ち抜き成長させるためのプロセスを受け持っているのに対して、MOTでは研究から事業化(技術から商品)まで移行させるプロセスを受け持っている」という違いがあるそうです。
それでは、経営戦略と技術戦略はどうでしょうか。経営戦略は会社全体の舵取りを決めるわけですから、技術戦略は当然ここに含まれることになります。
こうした対比を行ってみると、MBAとMOTは重なる部分があるものの、本質的には異なっていると考えられますし、経営戦略と技術戦略とでは、技術戦略は経営戦略の一部であるといえます。
コンサルティングの場合はどうなのでしょうか。私の考えでは、MBAとMOTの相違に近いと思いますが、もりぞーさんの図よりも少し重なる部分は多い気がします。
どれくらい重なっているかを定量的に表すのは難しいですが、実際に、技術的側面からコンサルテーションを行っていると(私の場合は事例研究にとどまりますが)、おやっ。これは経営コンサルティングの領域だなと思うことはないでしょうか。
このように、そもそも顧客が抱える技術的課題と経営的課題を完全に分けることはできないかと思います。しかしながら、技術コンサルがすべて抱え込む問題ではないですし、もりぞーさんがいう「協働」ということが必要ですが、経営コンサルと技術コンサルがチームでコンサルテーションを行うという例があまりないような気がします。お互い垣根を引きすぎてしまったのでしょうか。
さて、私は、経営コンサルと技術コンサルは重なる部分が多いと考えておりますので、最後に似ている部分を書きたいと思います。それは、やはり手法です。すなわち、問題の抽出→解決→評価のプロセスであるといえます。
ボスコンやマッキンゼーなどの大手戦略系コンサルティングファームでは、企業研究者、博士号取得者、医師などの技術者の登用を積極的に行っています。これは、技術者がこれまで培ってきた問題解決能力は、様々な経営課題を解決するのに役に立つと期待されているからです。
優れた経営者は優れた技術者にはなれませんが、優れた技術者が敏腕経営者になるということはよくあることですし、自分の理想としては、自己研鑽を重ね「経営コンサル+α」を目指したいですね。
* 出川 通 著 最新MOT(技術経営)がよーくわかる本 より引用
技術コンサルと経営コンサルとの違い(1)
もりぞーです。
今日からは、「技術コンサルと経営コンサルとの違い」について、9名のメンバーが思い思いに書いていきます。
それでは、まず私から。
* * *
前回、私は技術コンサルについて、
「お客様の抱える技術的な課題を抽出できる」=「技術コンサル」
と書きました。
この定義に沿えば、技術コンサルと経営コンサルとは、
「お客様の抱える課題を抽出できる」
という点で共通していると思います。
一方、両者は、抽出すべき課題が、技術なのか、それとも経営なのか、という点で異なると思います。
つまり、技術コンサルは技術的課題を抽出するのに対して、経営コンサルは経営的課題を抽出するという点で、両者は異なるのです。少なくとも形式上は、このように両者は区別されることでしょう。
では、本質的に、「技術」的課題と「経営」的課題は異なるものなのでしょうか?
私は、両者は異なる、と思います。
私の考えでは、技術的課題と経営的課題は下の図のようになります。
両者は重なる部分こそあれ、いずれか一方に包含されるべきものではないというのが私の意見です。
そして、それぞれの課題について、それぞれのコンサルが、自身の持つ経験やスキルを駆使して抽出すべきなのではないでしょうか。
この考えの根底には、
「なんでもできる」は、「なにもできない」と同じ
という私の主張があります。
これは、自分では何でもできると思っていても、客観的には「実際には何ができるの?」という疑問が生じ兼ねないということを意味しています。
あなたの周りには優秀な方が多くいることでしょう。
しかし、万能な人、というのは稀有なのではないでしょうか。
プロ野球でいえば、年間10勝以上する投手でありながら、3割以上の打率に達する打者でもある、というような選手です。
残念ながら、私の周りにはいません。
もちろん、ある能力に秀でた人はたくさんいますが。
話を戻すと、技術コンサルに依頼する経営者や事業者というのは、技術に問題があり、その欠点を埋めてくれる人を探すわけです。
技術に特化したピンポイントな人を要求しているのだと思います。
したがって、お客様に信頼される、技術的課題を抽出するプロを目指すのであれば、技術的課題が確実に抽出できるプロである必要があります。
もちろん、技術コンサルにとって、経営の知識や経営コンサルが使うツールを習得しておくことも重要です。
しかし、習得したからといって、それらに頼ることは非常に危険です。
「知っている」と、「使える」とは別物であり、さらに技術コンサルは経営コンサルではないからです。
それよりも、自分の限界を知って、自分のわからないところについては、素直に専門家の助けを求め、そして共に行動することが不可欠だと思います。これが私の言う「協働」ですね。
まとめると、技術コンサルと経営コンサルとは、抽出すべき課題の点で異なります。
そして、私は、技術的課題の抽出が確実にでき、かつ経営要素が強い課題について協働してくれる資源を持つ、技術コンサルになりたいと思います。