技術コンサルと経営コンサルとの違い(まとめ)
技術コンサルと経営コンサルとの違いについて、9名のメンバーの議論をまとめます。
===(もりぞー)===
技術コンサルと経営コンサルとは、「お客様の抱える課題を抽出できる」という点で共通していると思います。
一方、両者は、抽出すべき課題が、技術なのか、それとも経営なのか、という点で異なると思います。
つまり、技術コンサルは技術的課題を抽出するのに対して、経営コンサルは経営的課題を抽出するという点で、両者は異なるのです。少なくとも形式上は、このように両者は区別されることでしょう。
では、本質的に、「技術」的課題と「経営」的課題は異なる。
したがって、お客様に信頼される、技術的課題を抽出するプロを目指すのであれば、技術的課題が確実に抽出できるプロである必要があります。
そして、私は、技術的課題の抽出が確実にでき、かつ経営要素が強い課題について協働してくれる資源を持つ、技術コンサルになりたいと思います。
===(チャックのエージ)===
技術コンサルと経営コンサルの違いを一言で表すと、解決すべき問題が技術的要素であるか、経営的要素であるかということだといえます。
経営戦略は会社全体の舵取りを決めるわけですから、技術戦略は当然ここに含まれることになります。
MBAとMOTは重なる部分があるものの、本質的には異なっていると考えられますし、経営戦略と技術戦略とでは、技術戦略は経営戦略の一部であるといえます。
そもそも顧客が抱える技術的課題と経営的課題を完全に分けることはできないかと思います。
経営コンサルと技術コンサルがチームでコンサルテーションを行うという例があまりないような気がします。お互い垣根を引きすぎてしまったのでしょうか。
さて、私は、経営コンサルと技術コンサルは重なる部分が多いと考えております。それは、やはり手法です。すなわち、問題の抽出→解決→評価のプロセスであるといえます。
優れた経営者は優れた技術者にはなれませんが、優れた技術者が敏腕経営者になるということはよくあることですし、自分の理想としては、自己研鑽を重ね「経営コンサル+α」を目指したいですね。
===(なんちゃってSE)===
技術コンサルタントとは、「技術を軸にしたコンサルタント」。
経営コンサルタントとは、「経営を軸にしたコンサルタント」。
両者に要求されるコンサルタントのスキルは同じではないでしょうか。技術を軸にすることと経営を軸にすることの違いは、視点の違いだと思います。
Ⅰ.技術を軸にすること
クライアントの社内の重要な技術の問題にフォーカスすることになりますので、途中で経営の視点に立つことはあっても、最終的に社内においてミクロな視点に収束すると思います。
会社を森に例えると、技術コンサルタントは木の一本一本を良くしていくことで森を良くしていく人でしょうか。
Ⅱ.経営を軸にすること
クライアントの社内全体、あるいは市場まで見た上で、自社の経営の問題にフォーカスすることになりますので、途中で細かな視点に立つことはあっても、最終的に社内においてマクロな視点に収束すると思います。
会社を森に例えると、経営コンサルタントは上から森全体を見て、そこから森を良くしていく人でしょうか。
クライアントの全社的な課題を解決するには、技術コンサルタントと経営コンサルタントの協働が必要でしょう。
ただ、IT業界を見る限りでは、各工程での棲み分けがすでにできあがっているパターンが多いので、技術コンサルタントと経営コンサルタントの両方がいるチームというのは、組みにくいのが現状ですね。
まとめると、クライアントの社内において、ミクロな視点に重点を置くか、マクロな視点に重点を置くかが違うと思います。
===(ミランダ編集長)===
世の中には「技術」を特に「売り」にしていない企業もあるので(非製造業など)、「経営」コンサルの参考となる企業サンプル数は圧倒的に多いと思います。問題の解決方法の定石などもある程度存在していると考えます。
「技術」コンサルは、まれに多岐に渡る技術分野に詳しい方もいらっしゃいますが、私は基本的に生物系の専門家が、物理が主に関与する技術的な問題をたやすく解決することができるとは思いません。
解決しなくてはならない問題は同分野においてもかなり細分化されており、共通点を抽出して、他企業のケースに当てはめる、というのが難しいのではないでしょうか。
「経営コンサル」は汎化可能で、「技術コンサル」は個別対応が必要でありマニュアル化しにくいと考えております。それでもなお、上級の「技術コンサル」とは会社の経営状態もマインドに入れた解決方法を提示できることでしょう。
すべてを自分一人で解決出来なければいけないわけではなく、他のコンサルタントとよいコンビネーションで問題を解決できれば、それでよいかと思います。顧客の懐具合次第でしょうか…。
===(よっすぃー)===
技術コンサルは技術的側面からのアプローチを試みるでしょう。一方で、経営コンサルは依頼者の経営状況の分析から入るのではないかと推測します。
ベクトルは一緒でも根本の手法は異なっています。
しかし、技術者視点から入っても場面によって、経営コンサルに近傍することがあるかと思います。特に、依頼者の企業規模が小さい場合に生じるのではないでしょうか。
プロジェクトの成果だけでなく、進行経過すらも依頼者の経営状況に影響を及ぼすのではないでしょうか。
したがって、コンサルタントの進め方や依頼者の要求、性質によって、この境界線にどれくらい踏み込んで行くかは変わる気がします。
全く交わらないこともあっても良いでしょうし。
この境界線はある程度のファジイな面を持つように思えます。
それぞれの専門性の違いで切り込む手法は異なるけれど、究極的には全分野に渡って提案できれば一番良いのでしょう。
===(ズッキー)===
経営コンサル:組織の改善、業務プロセスの改善、...
技術コンサル:技術の有効活用のアドバイス、...
経営コンサルは、会社全体の改善を目指し、技術コンサルは、お客様の持つ技術を資産に変えることを目指しているのではないでしょうか。
日本企業の技術・知識を大切な資産に変え、組織(経済力)を強くすることが経営コンサル、技術コンサルの使命なのかもしれませんね。
===(がーすー)===
1.技術と経営の差について
技術については、前回考えた通り「誰がやっても、ある程度の確率で、同じ結果が得られるもの」としておきます。
経営とは、これまた広辞苑によればいくつか意味ありますが、コンサルが扱う経営に近いのは、「継続的・計画的に事業を遂行すること」ですかね。
経営が技術と違うのは、他人と同じことをやっても同じ結果を得ることは難しい点にあるかなと考えられます。外部環境の影響が大きいという感じでしょうか。
「アイデアを抽象的に扱う必要があるか」が技術コンサルと経営コンサルの1つの違いと言えます(これは弁理士が担当する分野かも知れませんが)。
2.課題抽出について
(1)共通点:
技術コンサルであっても、経営コンサルであっても、お客様の将来の望ましい姿を決定し、現在の姿との差を見つけること、となります。
(2)相違点:
上記の差の埋め方に対し、主として技術的側面からアプローチするか、経営的側面からアプローチするかが異なる点と考えられます。
課題抽出プロセスでは、「将来の望ましい姿にどうのように近づくかのアプローチ方法」が技術コンサルと経営コンサルの違いといえます。
ただし、両方のアプローチ方法を持っていた方がお客様の最大の利益にはなると思います、難しいことですが。
3.分析について
分析プロセスについては、ほとんど同じと思われます。論理的な分析をするのが共通点であり、「表の分析や共通事項の探索を行う際に必要な素養」が技術コンサルと経営コンサルの相違点と言えます。
4.課題解決手段
(1)共通点:
究極的には同じになると思われます。「組織、資金、工程の無駄を省く」、「再発防止策を作る」、「新しい事業(新製品)を実施する」などです。
(2)相違点:
課題解決手段では、技術コンサルは「経営コンサルよりも具体的かつ実効的な提案を期待されている」のが違いと言えます。
まとめると、
「アイデアを抽象的に扱う必要があるか」
「将来の望ましい姿にどうのように近づくかのアプローチ方法」
「表の分析や共通事項の探索を行う際にに必要な素養」
「経営コンサルよりも具体的かつ実効的な提案を期待されている」
が違いと考えています。
===(10の12乗)===
経営コンサルと技術コンサルの違いは、アプローチの仕方だと思います。
組織を系統樹と見立てると経営コンサルはtop down、技術コンサルはbottom upで問題を解決していくのだと思います。
しかし、技術を定量化する事は非常に困難だと思われます。そこが技術コンサルの腕の見せ所という事になるんじゃないかと思います。
経営コンサルの方ですと、想像ですが、会社にある技術を見るのではなく、業績だけを見て、下降してれば事業をなくそうと考えると思います。しかし、技術コンサルは、現場を見て、直に感じて判断し、どうにも活かせそうにない場合にやむなく事業をなくすというように、時間はかかるかもしれませんが、そのような手法が必要なんじゃないかと思います。
自分のエキスパート分野はあるとしても、浅い知識でも、広く「知っている」必要はあると思います。
人脈として、色々なエキスパートの方々と知り合っていると、業として成り立つのではないかと思います。
===(いまち~)===
技術と経営の二点について分けて考えるのも一つの方法かと思いますが、私はこれら二点は離す事ができないものだと考えています。
技術的には可能なことでもその状況や経営環境次第では困難なこともあるでしょう。よって技術コンサルをやる上である程度は経営のことも分かっていないと思うわけです。
つまり一部分にはこれらが重なる点があるわけですね。
何でも出来るように見えますが、確固たる自分の技術的背景・知識がないといけません。
この点に技術のコンサルティングの難しさがあります。
求められているものはあくまで専門性であるという点でしょう。
今の私が、技術のコンサルに企業内技術者として求めるものは専門的な助言・アドバイスがメインです。
技術コンサル
「マネジメントも理解しながら、自分の専門性をもち助言する」
経営コンサル
「広い視点からマネジメントの指針を示す」
===
以上です。
9月1日(月)から新しいテーマで9名が論じていきます。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(9)
私はこれら二点は離す事ができないものだと考えています。
技術のコンサルタントにも同じことが言えると思います。
技術的には可能なことでもその状況や経営環境次第では困難なこともあるでしょう。
よって技術コンサルをやる上である程度は経営のことも分かっていないと思うわけです。
つまり一部分にはこれらが重なる点があるわけですね。
しかし、もりぞーさんの「なんでもできる」は「なにもできない」のと同じという主張も
うなずけるものがあります。
何でも出来るように見えますが、確固たる自分の技術的背景・知識がないといけません。
この点に技術のコンサルティングの難しさがあります。
求められているものはあくまで専門性であるという点でしょう。
今の私が、技術のコンサルに企業内技術者として求めるものは専門的な助言・アドバイスがメインです。
これがひとつ私が考えた答えです。
技術コンサル
「マネジメントも理解しながら、自分の専門性をもち助言する」
経営コンサル
「広い視点からマネジメントの指針を示す」
いまち~がお送りしました。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(8)
おはようございます。10の12乗です。
経営コンサルと技術コンサルの違いですが、皆様のおっしゃる通り、アプローチの仕方だと思います。
組織を系統樹と見立てると
経営コンサルはtop down、技術コンサルはbottom upで
問題を解決していくのだと思います。
もちろん、コンサルの依頼は相応の立場の人からであるとは思いますが。
また、勉強会に参加してて思う事ですが、結果を示すには、定量的に示さないといけないと感じています。
しかし、技術を定量化する事は非常に困難だと思われます。
そこが技術コンサルの腕の見せ所という事になるんじゃないかと思います。
経営コンサルの方ですと、想像ですが、会社にある技術を見るのではなく、業績だけを見て、
下降してれば事業をなくそうと考えると思います。
しかし、技術コンサルは、現場を見て、直に感じて判断し、どうにも活かせそうにない場合に
やむなく事業をなくすというように、時間はかかるかもしれませんが、そのような手法が必要なんじゃないかと
思います。そのためには、自分のエキスパート分野はあるとしても、浅い知識でも、広く「知っている」必要は
あると思います。また、人脈として、色々なエキスパートの方々と知り合っていると、業として成り立つのでは
ないかと思います。
やはり、コンサルティングは「協働」だなぁと書いていて強く思いました。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(7)
こんにちは。がーすーです。
技術コンサルと経営コンサルの違いについて考えるに当たって、まず技術と経営の差について考えてます。
次に、課題抽出・分析・課題解決手段の各プロセスに焦点を当てて考えていうこととします。
1.技術と経営の差について
技術については、前回考えた通り「誰がやっても、ある程度の確率で、同じ結果が得られるもの」としておきます。
経営とは、これまた広辞苑によればいくつか意味ありますが、コンサルが扱う経営に近いのは、「継続的・計画的に事業を遂行すること」ですかね。
経営が技術と違うのは、他人と同じことをやっても同じ結果を得ることは難しい点にあるかなと考えられます。外部環境の影響が大きいという感じでしょうか。
また、経営のアイデアは資金さえあれば直ちに実行できることが多いですが、逆に技術のアイデアは良いものを見つけたが何に使えるかわからないことが多いと思われます。
ただし、経営のアイデアを特許で守るのは難しいですが(IT以外)、技術のアイデアは特許で守れるどころか他社を排除できたりします。
ノウハウ化するにしても、経営のアイデアはよくよく見れば他社がわかってしまいますが、技術のアイデアは最終製品みてもわからない場合が多々あります。
以上から、「アイデアを抽象的に扱う必要があるか」が技術コンサルと経営コンサルの1つの違いと言えます(これは弁理士が担当する分野かも知れませんが)。
2.課題抽出について
(1)共通点:
技術コンサルであっても、経営コンサルであっても究極的な目標同じになると思います。
すなわち、そのお客様の将来の望ましい姿を決定し、現在の姿との差を見つけること、となります。
(2)相違点:
上記の差の埋め方に対し、主として技術的側面からアプローチするか、経営的側面からアプローチするかが異なる点と考えられます。
あくまで、「主として」なので、お客様の最大の利益を考えるならば技術コンサルも経営を含め森全体を見る必要がありますし、
経営コンサルも個々の技術を含め森全体を見る必要があります。
一方、最初にどちらのコンサルに頼むかについては、お客様の判断次第、細かくみればお客様のどの部署がコンサルに依頼するかが大きなウエイトを占めると思われます。
以上より、課題抽出プロセスでは、「将来の望ましい姿にどうのように近づくかのアプローチ方法」が技術コンサルと経営コンサルの違いといえます。
ただし、両方のアプローチ方法を持っていた方がお客様の最大の利益にはなると思います、難しいことですが。
3.分析について
分析プロセスについては、ほとんど同じと思われます。
実際の作業としては、表に書かれた数値の荒探しをし、なぜ悪いかの原因究明をする演繹法パターン。
ヒアリング調査結果や組織の構造から、共通事項を探して原因究明を考える帰納法パターン。
あえて言うならば論理的な分析をするのが共通点であり、「表の分析や共通事項の探索を行う際に必要な素養」が技術コンサルと経営コンサルの相違点と言えます。
4.課題解決手段
(1)共通点:
究極的には同じになると思われます。「組織、資金、工程の無駄を省く」、「再発防止策を作る」、「新しい事業(新製品)を実施する」などです。
(2)相違点:
特に工業立国日本の場合ですが、「工程の無駄を省く」ことを厳しくお客様が求める傾向にあると思います。
すなわち、技術コンサルは、経営コンサルよりもより厳しく成果をあげることを期待される点が大きな違いと思います。
経営コンサルなら総論的なレポート出して終わりということが多い気もしますし。
また、革新的な課題解決手段が見つかるか否かですが、経営系よりも技術系の方が見つかりやすいと思われます。
以上より、課題解決手段では、技術コンサルは「経営コンサルよりも具体的かつ実効的な提案を期待されている」のが違いと言えます。
ということで、簡単にまとめると、
「アイデアを抽象的に扱う必要があるか」
「将来の望ましい姿にどうのように近づくかのアプローチ方法」
「表の分析や共通事項の探索を行う際にに必要な素養」
「経営コンサルよりも具体的かつ実効的な提案を期待されている」
が違いと考えています。
技術コンサルと経営コンサルとの違い(6)
こんばんわ、ズッキーです。
「技術コンサルと経営コンサルとの違い」ということですが、
私は次のように考えます。
経営コンサル:組織の改善、業務プロセスの改善、...
技術コンサル:技術の有効活用のアドバイス、...
経営コンサルは、会社全体の改善を目指し、技術コンサルは、お客様の持つ技術を資産に変えることを
目指しているのではないでしょうか。
日本は、技術大国と言われています。
(今は違うのかもしれませんが)
そして、それらを支えているのは町工場や中小企業だったりします。
かれらの技術・知識を大切な資産に変え、組織(経済力)を強くすることが
経営コンサル、技術コンサルの使命なのかもしれませんね。
今回は、あまり突っ込んだ話はできかったですが、
次回は、自分なりに研究して語ってみようと思います(-^□^-)