技術コンサルティング研究会 BLOG -33ページ目

専門とする技術の守備範囲(5)

どうも、よっすぃーです。

これを書いてるのは水曜日の夜。
明日は悪夢の健康診断です。
おかげで、ただいま断食中。
しかし、メタボ検診って何であんなギリギリの数値なんでしょうねえ。
引っかかる人が1/4だったかな?
将来の医療費削減の前に今の医療費がかさんで、破綻してしまうんじゃないでしょうか?

では、本題です。
専門とする技術の守備範囲についてですが、一本太い幹があって、そこに枝葉がどれくらい生い茂っているかということだと思います。
微生物的に言えば、一本の長い鞭毛と複数の繊毛がある感じでしょうか。
自分自身で言うならば、さほど太くはないですが、応用微生物学の幹があってそこに化学工学やら衛生工学やら資源利用学やら食品化学やらやらの枝葉がのびる。

自分の根幹となる幹の部分は十分な経験も知識も必要になります。
ですが、枝葉の部分はそこまで必要とせず、場合によってはどちらか一方あれば事足りるかと思います。
ただ、この枝葉が他の方の幹まで届いているかも重要な気がします。
人脈を得る能力も重要な技術要因ではないでしょうか。
依頼者が我々の専門分野をピンポイントに求めてくるばかりではないでしょうから、横のつながりを持つことも重要な要素かと思います。

結局、核となる専門分野を中心として、依頼者の要求に応じて必要となる範囲がその都度変わるのではないでしょうか?
枝葉にどれくらいのレベルを追求するかは、程度の問題で実質的な終わりはないと考えます。
各個々人がどこまでに設定するかですね。

本題とずれますが、今月の技術士会機関誌に寄稿された大島先生の「コンサルタント企業における技術者の倫理」で、プロフェッショナルに必要な資質について述べられていました。
それは、専門能力であり、その中身は汎用性(広く通用すること)、完結性(専門性の範囲が明確であること)、自律性(自分の判断と裁量によって仕事が遂行されること)、倫理、自己管理能力などだそうです。
ご参考までに。

専門とする技術の守備範囲(4)

ミランダ編集長です。夏休みは北海道に行ってきました。もうトンボが飛んでおり、すっかり秋の気配が漂っておりました。一足先に涼しさ満喫。


私は商社でライフサイエンス研究機器の学術を担当しておりますが、日々、ユーザーから装置やソフトウェアの使用方法、研究上の問題、データの解釈などについて相談を受けております。お客さんにしてみれば、現在抱えている問題を一刻も早く解決できるように協力して!という切実さがあり、いろいろと状況をお聞きしている時間にも緊張感が漂います。私の専門分野は「再生医療」を中心とした生命科学ですが、製品を販売している以上、機械やコンピュータについての知識も当然必要ですし、多岐に渡るお客様の実験系をしっかり理解した上でのきめ細かなコンサルティングが求められています。なんちゃってSEさんが書かれている通り、期待する守備範囲を決めているのは顧客のほうかな、と思います。しかし、実際に自分がその場で(調べ物をすることなく)即答できる守備範囲と言えば、(研究)経験のある狭い専門分野になります。お客様の要望に応えるべく、いろいろと勉強していくうちに、段々と守備範囲が広がっていくのです。そういう意味ではお客さんが我々を鍛えてくれているのですよね。生命科学の研究上の大まかな内容についていくためには、この分野のバイブル「細胞の分子生物学」を理解していれば十分かと思います。


今の私は、製品学術担当なので、お客様には選択権がなく、相談をしてきてくれるわけです。独立したコンサルティングファームで働いており、激しい競争にさらされていると仮定した場合には、自分の得意分野をきっちりアピールする、また需要の多そうな分野の知識を見に付ける必要がありますね。いずれにしろ、「日々是勉強」であり、止まっているヒマはありません。勉強会の皆様、共に頑張りましょう!

専門とする技術の守備範囲(3)

なんちゃってSEです。


9月に入ってから、また暑さが戻ってきましたね。
今年の9月は暑いそうです。
8月下旬の涼しさはどこへいったのでしょうか。
夏は好きですが、無駄に暑いのは勘弁して欲しいです。



さて、今回のお題は「専門とする技術の守備範囲」です。
確かに広い方がよさそうですが、どこまで求められているのでしょうか。
私はIT業界の人間なので、IT技術について考えてみます。


IT技術というのは非常に広範囲です。
「ハードウェア、OS、データベース、ネットワーク、プログラミング、セキュリティ…」
ざっと挙げましたが、これら全ての範囲で技術コンサルができる人はまずいないでしょう。
ではどこまで対応すればいいのでしょうか。
コンサルタント視点からみても、中々答えはでないと思います。


それでは、視点を変えてみましょう。
クライアント視点からみて、どの程度の範囲について対応を期待するか。
これを考えた方がよさそうです。


簡単な例を挙げてみます。
甲さんはIT系技術コンサルタントです。
A社のデータベースソフトKについて豊富な経験・実績をもちます。
この場合、甲さんに対してどの程度の範囲について対応を期待するでしょうか。


○対応を期待する範囲
Kのバージョンアップ、他のデータベースソフトからKへの乗り換えなど、Kが関わる範囲については当然対応を期待するでしょう。
また、Kはデータベースソフトですから、データベース全般についても対応を期待するでしょう。

つまり、Kについての経験・実績から連想できる範囲は対象となると思います。


×対応を期待しない範囲
経験・実績には全く出てこなかったB社のサーバーLについて、技術コンサルとして対応を期待するでしょうか。
さすがにそれは考えにくいです。
それなら、B社のサーバーに詳しい別の人に対応を期待するでしょう。
つまり、Kについての経験・実績から連想できる範囲以外は、対象外になるのではないでしょうか。


もちろんIT系技術コンサルタントとしては、ITについての全般的な基礎知識、スキルは必要です。
しかし、それとIT系技術コンサルタントとして対応すべき範囲は違うと思います。


まとめると、「クライアントが技術コンサルタントの経歴・実績をみて期待するであろう範囲」となります。

専門とする技術の守備範囲(2)

こんばんは。チャックのエージです。 本日は遅くなってしましました。

社内勉強会立ち上げの資料を作成していたためです。もりぞーさんのように勉強会をうまくマネジメントできればよいのですが。。。

今回のテーマは技術の守備範囲です。
「技術」といってもかなり漠然としています。技術コンサルタントたるもの、自分の専門を軸としてどれくらいの範囲をカバーするべきなのでしょうか。

どんな技術にも対応できると謳うと知識が浅いと疑われるかもしれませんし、自分の専門以外は対応できないとすると、クライアントが限られてしまいます。

自分のケースに当てはめてみます。私は、臨床検査を生業とする民間企業におりますので、専門は「診断サービス、診断薬」ということになろうかと思います。しかしながら、感覚的ではありますが、専門以外に製薬、診断機器等、医療一般には対応すべきであるという気がします。

友人の医療コンサルタントは、医療という範囲の中で未知の領域に案件を抱えることがあり、短期間のうちに業界の基礎から徹底的に頭にたたき込むらしいです。本人曰く、ドーピング。すなわち、コンサルティングを行うためのツールさえ身に付いていれば、後は随時勉強すれば、コンサルティングはできるということです。

友人の医療コンサルタントは診断薬が専門ですが、診断機器について勉強することすら大変だったようです。

コンサルティング業務は激務だということでしょうね。

しかしながら、こんな裏話もあります。
多くの場合、コンサルティング業務では、同じ業界内の複数の企業をクライアントとするプロジェクトを行っています(同時にということはないと思いますが)。そして、そこから仕入れた業界の知識や同業者の秘密情報を持っているため、問題解決の最適解を知っている。。。

つまり、一回新たな領域について学習すれば、次に生かせると。

さて、本題に戻りますが、技術コンサルティングの資格としては、「技術士」が挙げられます。「技術士」の資格は21の技術部門に分かれており、これが技術コンサルタントの守備範囲の答えなのではないかと思います。

すなわち、私が属している「生物工学部門」では、バイオテクノロジー技術が応用される医療、農業(農業部門もありますが)、食品などを扱っているようです。したがって、私の場合は、医療だけでなく農芸化学、食品化学などにも対応しなくてはいけなさそうです。

まとめますと、私の考えでは、

技術コンサルタントが対応すべき技術の範囲は、自分の専門を含む「技術士」の部門の範囲である。しかしながら、自分の専門外の領域であっても、身につけた技術コンサルティングツールを生かしながら、業界研究を行い、対応していくだけの意欲が必要である。

ということになります。

専門とする技術の守備範囲(1)

もりぞーです。


先日、子供に「Drop in the box」という知育玩具を買ってあげました。

いろんな積み木を同じ形の穴から箱に入れる、というものです。

ウチの子は、丸や三角などの簡単な形のものはすぐにはめられるのですが、見慣れない難しい形のものはうまくはめられずにイライライライラしています。

見ている方としては「頭を使ってるんだなー」と微笑ましいんですけどね。


・・・先日の勉強会で、ミランダ編集長から「始まりと終わりはフランクに行こうよ」と提案があったので、私もちょこっと書いてみました。


* * *


さて、技術コンサルになるためには、専門的な技術の知識や経験が必要です。

今週から2週間にわたって、チャックのエージさんから挙がった「専門とする技術の守備範囲」について書いていきたいと思います。


* * *


技術者は、深くて狭い技術的な知識や経験を身につける傾向にあります。

しかし、技術コンサルを目指す者は、そうであっていいのであろうか、というのがそもそもの問いだと理解しています。

まず、私の意見は、技術コンサルは浅くて広い技術的な知識や経験を持っていることがベターだけれども、必要条件ではない、です。

例えば、世にプログラミング言語が無数存在します。

プログラマーの中にはC言語に長けているものもいれば、Perlが得意な人もいるでしょう。

もちろん、両方を習得している人もいると思います。

しかし、10以上の言語をマスターしている人は稀なのではないでしょうか。

肝心なのは、どの言語であれ、プログラミングのスキルがある、ということだと思います。

プログラミングをするためには、まずブロックチャートを使って処理の概要を決めることでしょう。

そういった基本的なスキルが身についていれば、あとは「知っているか知らないか」のレベルの問題だと思います。

知らなければ知るように、つまり勉強すればいいだけですから。

以上のことをまとめると、技術コンサルは、技術の守備範囲が広いことよりも、技術に共通するスキルを習熟しており、かつ自分の知らないことを知ろうとする意欲がある、ことが重要なのではないでしょうか。


ちなみに、私が担当する特許出願はバイオ発明に関するものですが、私がかつて見聞きしたものはその中のごく一部です。

でも、私には基本的なバイオ技術が身についていますので、そのすべてを理解できています。

もちろん、たくさん勉強しますけどね。