技術コンサルと経営コンサルとの違い(1)
もりぞーです。
今日からは、「技術コンサルと経営コンサルとの違い」について、9名のメンバーが思い思いに書いていきます。
それでは、まず私から。
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前回、私は技術コンサルについて、
「お客様の抱える技術的な課題を抽出できる」=「技術コンサル」
と書きました。
この定義に沿えば、技術コンサルと経営コンサルとは、
「お客様の抱える課題を抽出できる」
という点で共通していると思います。
一方、両者は、抽出すべき課題が、技術なのか、それとも経営なのか、という点で異なると思います。
つまり、技術コンサルは技術的課題を抽出するのに対して、経営コンサルは経営的課題を抽出するという点で、両者は異なるのです。少なくとも形式上は、このように両者は区別されることでしょう。
では、本質的に、「技術」的課題と「経営」的課題は異なるものなのでしょうか?
私は、両者は異なる、と思います。
私の考えでは、技術的課題と経営的課題は下の図のようになります。
両者は重なる部分こそあれ、いずれか一方に包含されるべきものではないというのが私の意見です。
そして、それぞれの課題について、それぞれのコンサルが、自身の持つ経験やスキルを駆使して抽出すべきなのではないでしょうか。
この考えの根底には、
「なんでもできる」は、「なにもできない」と同じ
という私の主張があります。
これは、自分では何でもできると思っていても、客観的には「実際には何ができるの?」という疑問が生じ兼ねないということを意味しています。
あなたの周りには優秀な方が多くいることでしょう。
しかし、万能な人、というのは稀有なのではないでしょうか。
プロ野球でいえば、年間10勝以上する投手でありながら、3割以上の打率に達する打者でもある、というような選手です。
残念ながら、私の周りにはいません。
もちろん、ある能力に秀でた人はたくさんいますが。
話を戻すと、技術コンサルに依頼する経営者や事業者というのは、技術に問題があり、その欠点を埋めてくれる人を探すわけです。
技術に特化したピンポイントな人を要求しているのだと思います。
したがって、お客様に信頼される、技術的課題を抽出するプロを目指すのであれば、技術的課題が確実に抽出できるプロである必要があります。
もちろん、技術コンサルにとって、経営の知識や経営コンサルが使うツールを習得しておくことも重要です。
しかし、習得したからといって、それらに頼ることは非常に危険です。
「知っている」と、「使える」とは別物であり、さらに技術コンサルは経営コンサルではないからです。
それよりも、自分の限界を知って、自分のわからないところについては、素直に専門家の助けを求め、そして共に行動することが不可欠だと思います。これが私の言う「協働」ですね。
まとめると、技術コンサルと経営コンサルとは、抽出すべき課題の点で異なります。
そして、私は、技術的課題の抽出が確実にでき、かつ経営要素が強い課題について協働してくれる資源を持つ、技術コンサルになりたいと思います。