適当に作った言葉を使って、文章を作ってみました。
(きっと子ども達には新しい分野はこのように見えている事でしょう)
「パグトはズロアニグと同様にジョンウアの仲間であるが、これらはラハミネとは違って、ヴォイセルという特徴は持たない。」
これをいくらきれいに、何回もノートに書き写しても覚えられる気がしませんよね?
これに対してこんな問題が出ます。
「ラハミネはジョンウアの仲間ではない。○か×か」
ちんぷんかんぷんなのではないかと思います。
もしこれがこうならどうでしょうか?
「ネコはトラと同様にネコ科の仲間であるが、これらはライオンと違って、群れを作るという特徴は持たない」
これに対してこんな問題が出ます。
「ライオンはネコ科の仲間ではない。○か×か」
これなら理解はできるかと思います。
この二つの違いは、「知っている言葉かどうか」だけです。
人は知らない言葉があると、途端に内容が入ってこなくなる、という特徴があります。
2018年に発売されてベストセラーになった『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(2018新井紀子)にはこのように具体的な問題とともに説明されています。(本書 P.200より引用)
【問題】
次の文を読みなさい。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称でもあるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
Alexandraの愛称は( )である。
① Alex
② Alexander
③ 男性
④ 女性
こちらの問題の正答率は、中学生38%、高校生65%だったそうです。
この問題の場合は四択ですから、問題を読まずに適当に選択肢を選んでも、25%は正解してもおかしくありません。それに対して、中学1年生の正答率は23%。ランダム並み、サイコロを振って答える程度だったのです。
(中略)
どうしてでしょう。
おそらく「愛称」という言葉を知らないからです。
そして、知らない単語が出てくると、それを飛ばして読むという読みの習性があるためです。
P201
知らない言葉を飛ばすのではなく、しっかり立ち止まって理解していく事が実は意味を理解する近道なのです。
マップラーニングでは、分からない言葉に逐一「?」マークをつけることを大事にしています。そして?マークをつけられたことを肯定的に認めていきます。
一回読んで分かった気になっていても、いざキーワードをつなげる段階になると、分かっていなかったことに気付くのです。
「分からないこと」は決して恥ずかしい、悪いことではない。「分かっていなかったこと」に気付けること、それこそが大切な宝物である。
と意識を変えていく事が、マップラーニングのコースを通して始めのうちに伝えたい大切なテーマです。