品川区@酒井税務会計事務所のブログ

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品川区の戸越「江戸を越えた街」にある会計事務所です。
代表は釣り好き税理士の酒井邦浩です。
税務や経営に関する役立つ情報の提供の他に、私やスタッフの日常についても書いていきたいと思います。
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今月のテーマ 年末調整について

 

 早いもので今年も残すところ一か月となり、年末調整の季節となってしまいました。

 今月はわかっているようでわかっていない年末調整の仕組みをお伝えしたいと思います。

 

1.年末調整とは

 

年末調整とは、給与所得者が毎月給与から天引きされている源泉所得税の1年分の合計額と、本来その人が納めるべき給与所得に係る税額との差額部分を調整することをいいます。

日本では、個人事業主の方は3月15日までに確定申告することにより、1年分の税額を確定させ納付することとなっていますが、会社などに勤めていて毎月給与を支給される個人については、毎月の給与からその給与額に応じて、会社が給与から天引きし、代わりに税金を納める形式をとっています。

なぜこのような形式をとっているかといいますと、個人事業主に比べサラリーマンの数の方が圧倒的に多く、サラリーマン全員が確定申告すると税務署がパンクしてしまいますし、中には確定申告しない人も出てくるかもしれません。

このような事態が起こらないように、個人に給与を支給する側はあらかじめ給与から所得税を天引きし、毎月(もしくは半年に1回)個人に代わって税金を納めることとなっているのです。

このように、会社が給与を支給する際、所得税を徴収するわけですが、その徴収税額は給与を支給した段階で個人の1年間の所得税がいくらになるのかはわからないので、あくまで概算で徴収します。概算で徴収することしかできないため、1年間を通した正しい税額との差額を調整するのが年末調整です。

 

 

2.正しい税額

 

上記でお伝えしたように、年末調整は1年間の正しい税額と概算で徴収した税額との差額の調整ですが、ここでいう正しい税額とはどのようにして計算されるのでしょうか。

 

(1) 1年間の給与(額面)-給与所得控除額

(2) 各自の所得控除の合計額(扶養控除・配偶者控除等の他に生命保険料控除や地震保険料控除等)

(3) {(1)-(2)}×税率=正しい税額

 

このような算式で計算することができます。

 

このようにして1年間の正しい税額は計算されます。この金額と、毎月給与から徴収されている所得税額の合計額の差額を調整し、払いすぎていた場合は還付され、逆に少なかった場合は次回給与から徴収される所得税に上乗せされて徴収されることとなります。

 

毎月天引きされる所得税には、各個人が個別に支払っている生命保険や地震保険などは考慮していないため、年間税額と月額で天引きした税期の累計と比べて差額が出ます。(通常は還付金が発生します。)

また、年の途中で扶養家族が増えたり、減ったりした場合には、扶養控除はその年の12月末時点での有無により計算しますので、この場合も差が出ます。(年の途中で、就職などによって扶養親族から外れた場合には通常は不足額が発生します。)

 

3.還付金をもらうための確認事項

 

年末調整をすると、多くの場合は還付となりますが、これは毎月徴収する際に、生命保険料や、国民年金保険料などが、加味されていないため、1年間分の所得税を再計算した正しい税額と比較すると多めに徴収されているため還付となります。

 

税金を多く払いすぎないためにも、下記の項目はしっかりと見直す必要があります。

 

(1)保険料控除の確認

給与所得者で生命保険に加入されている方は、生命保険の種類にもよりますが、支払った金額のうち最大で12万円所得から控除することができるため、最高税率の方の場合最大で4.8万円税金が多く還付されます。

また、生命保険の他に地震保険料も控除対象となり、こちらは最大で5万円までの所得控除がうけられ、税額だと最大2万円の税額が還付されることとなります。

自分が加入している生命保険がどの種類で、所得控除がどれくらい受けられるかは、保険会社から10月ごろに「生命保険料控除証明書」が送られてきていると思われますので、それを参照していただけると1年間に支払うことになる金額などが記載されています。

この証明書は年末調整の際に必要となってきますので、手元にない場合は保険会社に再請求をする必要があります。+

 

生命保険料控除は旧契約によるものですと、旧生命保険料控除と旧個人年金保険料控除があり、新契約によるものですと、新生命保険料控除、介護保険料控除、新個人年金保険料控除の3つがありますので、どれに該当するのかを証明書の記載を良く確認する必要があります。

 

(2)扶養控除や配偶者控除の確認

サラリーマンの方でお子さんがいらっしゃる場合は、年末時点で16歳以上からが対象となりますので、お子さんがアルバイトなどで年収103万円を超えていない場合は年末調整の際に控除できます。

また、女性が配偶者控除を受ける機会はもしかしたら少ないかもしれませんが、夫が休職中などで、年収103万円以下の場合だと配偶者控除が、103141万円までなら配偶者特別控除が受けられます。

独身者の場合でも、親の生活の援助をしている場合などで、親の収入が年金のみの場合だと、年金収入が158万円(65歳以上の場合)以下だと扶養控除が受けられる可能性があります。

(3)社会保険料控除

お子様が学生でも20歳になると国民年金保険料を支払う義務が生じます。アルバイトをしてご自分で支払う人もいるかもしれませんが、学業がおろそかにならない様に、親が支払ってあげることも多いと思います。

こういうケースですと、支払ってあげたお子さんの分の国民年金保険料も社会保険料控除の対象となりますので、忘れないようにしましょう。

 

4.年末調整で考慮できないもの

 

以下に掲げるものは年末調整では考慮してもらえないので、税金の還付を受けたい場合は確定申告が必要です。

(1)寄付金控除

寄付金控除というのは、国や地方公共団体などに寄付した場合、その寄付金の一部が所得控除の対象となります。

(2)医療費控除

医療費のうち一定額を超える部分の金額は所得控除の対象となります。ただし、インフルエンザの予防接種や健康診断費用などは対象となりません。

(3)雑損控除

災害などで家が壊れた場合、その修理費用のうち一定額は所得から控除できます。

(4)住宅ローン控除(初年度)

銀行からの借入で家を建てた場合、その借入残高のうち一定額は所得税額から控除できます。

なお、初年度は確定申告が必要ですが、次年度以降一定の手続きをすることにより、年末調整の際に控除を受けることが出来ます。

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 

12月は、師走(しわす)または極月(ごくげつ、ごくづき)と呼び、その由来は僧侶(師は、僧侶の意)が仏事で走り回る忙しさという説と、言語学的な推測として「年果てる」や「し果つ」等から「しわす」に変化したなどという説もあるそうです。

極月はあまり耳慣れない言葉ですが、一年の最後の月で、年の総決算ともいえる月です。極まる月ではなく、極める月になるよう、大急ぎで一年の締めくくりをしたいと思います。

急に冷え込む日も多くなりましたので、どうぞ風邪など引かぬようお過ごしください。

 

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今月のテーマ 贈与税の非課税措置

 

 先月は贈与税の基礎的な事項をお伝えしましたが、今月は相続税と贈与税の関係をより詳しくお伝えしたうえで、知っておけば得をする贈与税の非課税措置についてお伝えしていこうと思います。

 

1.生前贈与加算

 

 贈与税の計算期間は基本的には暦年単位、つまり今年だと平成26年1月1日~12月31日までに行った贈与に対して、贈与税が課税されることになります。

 

贈与税の非課税枠は受贈者(贈与を受ける人)一人当たりにつき、年間110万円ですので、今年に入ってまだ贈与されていない方で、亡くなった時に相続税がかかりそうだという場合は非課税枠を使った贈与をした方が有利となります。

 

ただし、生前に贈与をしたからといって、その贈与された財産に相続税がかからないかというと必ずしもそうというわけではありません。

 

生前贈与加算と呼ばれる規定があり、相続開始時(被相続人死亡の日)からさかのぼって3年前の日からその死亡の日までの間に贈与を受けた財産があるときには、相続税の計算上、相続税の課税価格(税額計算の基礎となる金額のこと)に贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算して、相続税の計算をすることとなっています。

(もちろん、加算された贈与財産について支払った贈与税の額は相続税から控除されることとなります。)

 

(例)平成26年11月1日に被相続人甲が死亡したが、平成24年12月31日と平成25年1月1日に相続人である子供達3人にそれぞれ200万円の贈与を行っていた場合

 

この場合だと、1人あたり、平成24年と平成25年分の贈与税が(200万-110万)×10%=9万円課税されて贈与税を納付しています。

 

この場合、贈与した日が死亡した日前3年内ですので、生前贈与加算の規定により、3人に贈与した金額は全て相続税の課税価格に加算されますので、実際に甲の相続税の計算では1200万円を加算された金額を基に計算されることとなります。(それぞれ200万円×2年分で400万円の3人分)

 

もちろん、実際に計算した相続税額から、それぞれの子供達の支払うべき相続税から既に支払った24年分と25年分の贈与税額9万円×2年分で18万円がそれぞれ控除されることとなりますが、相続税は累進課税ですので、生前贈与加算を行って、再計算をした方が財産が多い人にとっては税金が多くなってしまいます。

 

つまり、生前贈与加算とは相続税の計算上、相続などで遺産を取得した者が被相続人からその亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産は、相続財産の前渡し的な要素が強いと考えられるため、3年以内の贈与財産は遺産ではないですが、相続税の計算をする上ではその課税対象とするという規定です。

 

つまり相続が起きそうだという事で駆け込んで贈与を行って税率を下げようと思っても間に合わないという事になります。

 

2.生前贈与加算の適用を受けない贈与

 

上記でお伝えしたように、基本的には相続開始前3年内の贈与につきましては、結局相続税の課税対象にされてしまいますので、相続ギリギリでの対策は無意味なものになってしまいますので、長い期間で行う必要がありますが、相続開始前3年内の贈与であっても、相続税の生前贈与加算の対象とならないものがいくつかあり、また節税効果も高いため、ご紹介いたします。

 

(1) 贈与税の配偶者控除の特例を受けている財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額

 

贈与税の配偶者控除とは婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。なお、この規定を受けるためには以下の要件を満たしている必要があります。

 

   夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。

   配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること。

   贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

 

() 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一度しか適用を受けることができません。また、この規定により贈与税は2000万円+基礎控除110万円=2,110万円まで課税されませんが、不動産登記にかかる登録免許税などは課税され、相続による登記の場合に比べ贈与による登記の方が税率は高くなるという点は注意しなければなりません。

登録免許税(土地)

売買 ~ 不動産価格×1,000分の20

(平成27331日までの間に登記を受ける場合1,000分の15

相続 ~ 不動産価格×1,000分の4

贈与 ~ 不動産価格×1,000分の20

 

配偶者控除は、居住用の土地と建物がある場合には、相続税の計算だけを考えた場合には、減価償却による価値の減少が無い土地だけを贈与した方が有利になりますが、後日売却する可能性がある場合には、建物の一部分だけでも贈与をしておくと、居住用財産の3000万円控除の特例が使えるため、少しの持分でもいいので、贈与をしておいた方が良いでしょう。

 

 

その他に生前贈与加算の対象にならない贈与として、「教育資金の贈与」「住宅取得等資金の贈与」というものがあります。また、日を改めとご紹介したいと思います。

 

 

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

11月は霜月と呼ばれるくらいですので、一段と寒い日になるのでしょうけれども、最近は季節が良く分からなくなる事も多いですね。先月も24度を超す夏の様な日があったり、寒くてストーブをつける日があったりしました。また、11月だというのに台風20号が今週末あたりに接近してくるなど、まさに異常気象ですね。ただし、こういうのが続いてくと異常がいつの間にか普通となっていくのでしょう。

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5.非課税措置

 

ここまで贈与税の基礎をお伝えしてきましたが、贈与税の税率は非常に高いものとなっています

が、贈与税には非課税措置がいくつかありますので、それらをうまく使うことによって税金がかからずに贈与が出来る場合があります。

         

   居住用不動産の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦の間での贈与で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合は、2,000万円までは贈与税が非課税となります。

   住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税

平成2411日から平成261231日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年315日までにその住宅取得等資金を自己の居住の用に供する家屋の新築若しくは取得のために充てる場合には、500万円(一定の省エネ家屋などは1,000万円)までは贈与税が非課税となります。

   教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

祖父母が、金融機関に子・孫名義の口座等を開設し、教育資金を一括して拠出した場合、この資金について、1,500万円まで贈与税を非課税とする。なお、この教育資金は文部科学大臣告示等で規定されたもの以外には使用できないので注意が必要です。

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

本日10/1は各地で内定式が行われていた事と思います。私が大学 を卒業して一企業に内定が決まったときはバブル真っ只中でした。当時は内定者を他社にとられない無い様にするため企業側は必死で、私は 10/1は軽井沢のホテルで豪華食事を振舞われながら内定先の企業に拘束されていました。今では想像できないような時代はとうの昔に終わ り、就職氷河期といわれていた時代が長く続きましたが、今年は少し様子が違うようです。昨日と今日の日経新聞にも掲載されていましたが、 「新卒が足りない」「内定式後に翻意する学生が出ないか気が気でない」など就職氷河期が「採用氷河期」へと変わりつつ有るようです。多く の企業で人手不足との声も聞こえていますので、採用担当者は益々頭が痛い事でしょう。-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

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4.贈与税率の改正

 

贈与税の算出表(平成2711日以降)

一般税率

特例税率

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10

200万円以下

10

300万円以下

15

10万円

400万円以下

15

10万円

400万円以下

20

25万円

600万円以下

20

30万円

600万円以下

30

65万円

1,000万円以下

30

90万円

1,000万円以下

40

125万円

1,500万円以下

40

190万円

1,500万円以下

45

175万円

3,000万円以下

45

265万円

3,000万円以下

50

250万円

4,500万円以下

50

415万円

3,000万円超

55

400万円

4,500万円超

55

640万円

 

改正後の特徴としては、一般税率と特別税率の2つの区分に分かれる点です。

特例税率とは、直系尊属(父母や祖父母など)から、20歳以上の者に対する贈与の場合に適用される税率のことをいい、一般税率よりも低い税率となっております。

一般税率の改正前と改正後を比較すると3,000万円までの贈与であれば改正後の方が低い税率となっており、特例税率だとさらに4,500万円までの贈与であれば改正前より低い税率となっております。

今月のテーマ 贈与税について

 平成2711日から相続税の基礎控除が引き下げられるので、今後相続税の納税義務者が増加するというニュースは耳にしたことがあると思いますが、その陰に隠れて相続税と密接に関わっている贈与税の税率の改正が同日から適用されるというのはご存知でしょうか。

 今回は贈与税率の改正を含め、贈与税の基礎をお伝えしていきたいと思います。

 1.贈与とは

 民法では「当事者の一方が自己の財産を、無償で相手方に与える意思表示をして、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる契約である」と定めています。

簡単にいうと、Aさんが自分の財産である土地や現金を、Bさんにあげますよといい、Bさんが、それを了解したときに贈与の契約が結ばれたことになります。

このように贈与が成り立つには、お互いが相手に意思表示をして、お互いの了解が必要となります。一方だけの意思表示だけで、お互いの合意がなければ贈与としては成り立ちません。

つまり、例えば相続税対策として子供名義の預金通帳に、子供の意志とは無関係に毎年贈与税の非課税の範囲内で贈与していたとしても、それは贈与としてはみなされないという事です。

そうならないためにも、贈与税の非課税枠を少し超えるくらいの贈与をして、贈与税の申告したり、贈与した資金などは本人に直接管理させたりする事が必要です。

2.贈与税とは

  贈与とは、自己の財産を無償で相手方に与える行為のことをいいますが、なぜ無償で財産を与える行為に税金がかかるのか疑問がある方も多いと思います。

 贈与になぜ税金がかかるのかといいますと、例えば相続税がかかるような人が、亡くなる寸前に妻や息子に資産をすべて贈与したりすると、相続時点での資産がゼロになってしまい、相続税が課税できなくなってしまうようなことがおきてしまいます。贈与税は、このような相続税の課税逃れを防止し、相続税を補完する税として位置づけられています。

 3.贈与税の計算方法

 贈与税には暦年課税と相続時精算課税という2つの計算方法があり、それぞれ計算方法が異なりますが、今回は一般的な計算方法である暦年課税について詳しく解説していきたいと思います。  

暦年課税とは、1月1日~12月31日までの1年間に行った贈与に対して課税するもので、計算方法は次の通りです。

(1年間に贈与された資産の合計-基礎控除110万円)×税率=贈与税額

なお、年間110万円の贈与は非課税だとよく耳にすることと思いますが、その110万円という数字はこの基礎控除の額のことです。

ここで注意しなければならないのは、贈与税は受贈者(財産を貰った人)が課税され、1年間で基礎控除額が110万円という事です。例えば両親からそれぞれ110万円ずつ贈与された場合には、それぞれ基礎控除があるのではなく、受贈者が貰った財産の合計は220万円となりますので、基礎控除を超えてた110万円について贈与税がかかりますので注意が必要です。

 贈与税の算出表(平成261231日まで)

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10

300万円以下

15

10万円

400万円以下

20

25万円

600万円以下

30

65万円

1,000万円以下

40

125万円

1,000万円超

50

225万円

  具体的に当てはめてみると、一年間で贈与を受けた金額が400万円だとすると、

400万円-110万円)×15%-10万円=335, 000円の贈与税が課税されることとなります。


今月のテーマ 交際費について

 

 「交際費を使うことで税金が高くなる?」、「交際費は経費にならない?」など、交際費の税務上の取り扱いは、知られているようであまり知られていません。

 近年、交際費の取り扱いについては改正が続いており、支出する年度によって取り扱いが異なる場合もありますので、今月は交際費の概要や、領収書の保存方法などをわかりやすく解説していきます。

 

1.交際費とは

 

交際費とは、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」で、寄付金、福利厚生費、給与等一定のものに該当しないものと定義されています。

例えば、得意先との飲食費用や、お中元・お歳暮、香典や祝い金などが交際費に該当します。

また、一般に考えられているより交際費の範囲は広く、例えば得意先との接待のための飲食会に向かう会場までのタクシー代や、帰りのタクシー代なども旅費交通費ではなく、交際費に該当します。

 

2.交際費の損金不算入

 

 交際費に該当するかどうかは上記で述べた通りですが、そもそも、交際費に該当するとどうなるのか?交際費に該当すると経費にならないのか?といった、税務上の取り扱いについてご説明いたします。

 

(1)       以前までの取り扱い(資本金一億円以下の中小企業の場合)

 

 以前までは、交際費に該当した場合、中小企業(資本金1億円以下)では「交際費が600万円に達するまでは、90%は費用計上を認めるけど、それを超えた部分については全額費用としては認めないよ」という取り扱いでした。

 (例)

 会計上の利益が1000万円、そのうち交際費として費用に計上した金額が700万円の場合。

 法人税を課税する上での利益は、交際費として計上した700万円のうち、600万円を超える部分は全額、それ以下の部分は90%しか費用として認められませんので、法人税法上認められる交際費の額は、600万円×90%540万円なので、それを超える部分(700-540万=160万円)は費用の額にならないので、法人税法上の所得は、1000万+160万=1160万円となり、法人税が多く課税されることとなります。

 

(2)       平成2541日以後開始の事業年度に係る取り扱い

 

 中小企業の場合、交際費の額が800万円まで全額費用として認められることとなりました。

つまり先ほどの例の場合は、交際費の額が全額費用として認められるので、会計上と法人税法上の所得の額は変わらず、法人税が多く課税されるということはなくなりました。

 ただし、800万円を超える部分は全額費用として認められませんので、例えば年間に交際費900万円を使った場合には、900万円-800万円=100万円が法人税法上認められない金額となります。

 

(3)       平成26年4月1日以後開始の事業年度に係る取り扱い

 

 基本的には中小企業の場合、800万円まで費用として認められるのは変わりませんが、選択肢がもう一つ増え、「飲食のために支出する費用の50%を、法人税法上も費用として認める」ことが出来るようになりました。

 つまり、飲食代のみで1600万円を超える場合は、こちらのほうが有利となります。

 

 

3.交際費に該当しないもの

 

上記で述べたように、交際費に該当すると法人税法上有利になるとは言えませんので、経営者としてはなるべく交際費としてではなく、会議費や福利厚生費として費用計上できないものかと考えられると思います。

それでは、具体的にどういったものが交際費に該当しないのでしょうか。

 

(1)       人当たり5,000円以下の飲食代(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)

 

 得意先との飲食代のうち、一人当たり5,000円以下のものについては、交際費には該当しません。

例えば、得意先を含む5人で食事会を開いた場合、5人合計25,000円以下であれば、交際費には該当しないこととなります。

また、得意先との食事会が二次会、三次会と続いた場合は、二次会、三次会の度にお店を変更するなどすれば、その都度一人当たり5,000円以下の判定が使えますが、逆に、同じお店で二次会などを開いた場合は、一次会の延長とみなされるので、一次会と二次会の合計で一人当たり5,000円の判定をすることとなります。

 

【領収書の保存義務】

 

 上記の一人当たり5,000円以下の飲食費に該当するかどうかの判定に係る領収書には、次の事項を記載しなければなりません。

 

           飲食等のあった年月日

           参加した得意先の氏名等

           飲食等の参加者の数

           費用の金額、飲食店の名称、所在地

           その他参考となるべき事項

 

 飲食店で領収書をもらうと、①と④はあらかじめ印字されている場合がほとんどですが、②と③についてはこちらで記載する必要がありますのでご注意ください。

 

(2)       専ら従業員又はその家族に対する香典や祝い金など

 

 得意先に対する香典、祝い金などが交際費に該当するに対し、従業員又はその家族に対する香典、祝い金などは交際費に該当せず福利厚生費に該当します。

 基本的に受け取った側では税金はかかりませんが、社会通念上あまりにも高額な場合は従業員に対する給与として課税される可能性があります。

 

(3)       事業との関連性が希薄な者に対する贈与

 

得意先に対して贈り物をしたりする費用は交際費に該当するのに対し、事業関連性が希薄な者、例えば社会事業団体や政治団体、神社の祭礼にかかる贈与については交際費とはならず、寄付金として取り扱われることとなります。

 

なお、寄付金については、会社の資本金や所得金額により別途経費にできる限度額が定められています。

 

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 

早いものでもう9月となりました。短かった夏も終わりを告げ、朝晩などは肌寒い日もあり、すっかり秋めいて来たようです。今年は例年よりも梅雨明けが遅れ、天候不順の影響なのか、消費税増税の影響なのか、消費動向も良くないみたいです。この先消費税10%なんてビクともしない好景気になればいいのですが...。実りの秋の実りが待ち遠しいですね。 

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今月のテーマ ふるさと納税について

 

以前に住民税の仕組みについてお伝えしましたが、今月はふるさと納税についてお伝えしたいと思います。

ふるさと納税といえば、地方自治体による特典合戦がよくニュースになったりしますが、なぜ地方自治体は寄付を募るためにこぞって豪華特典を付けるのでしょうか。

 

1.ふるさと納税の仕組み

 

ふるさと納税と聞くと、「現在自分が住んでいる場所ではなく、生まれ故郷に納税をする制度」というイメージがあるかもしれませんが、本当は「ふるさと」でも「納税」でもありません。

ふるさと納税は、「任意の地方自治体」に「寄付」をすることで、「現在自分が住んでいる地方自治体に納める住民税が控除される制度です。

任意の自治体なので、自分の出身地である必要はなく、好きな自治体を自由に選び寄付することが出来ます

自治体によって、ふるさと納税をした際の特典が違っており、各地方自治体の特産品を貰えたりする場合があります。

具体的にはこちらのサイト「http://www.furusato-tax.jp/」で、どこの地方自治体に寄付をすると何が貰えるのかが詳しく掲載されておりますので、寄付をお考えの方は参考にされてみてはいかがでしょうか。

また、ふるさと納税という制度は、その寄付をしたほとんどの自治体で、寄付をする「使い道」が選べるようになっています。

例えば、「A町の震災復興に向けた建物の建築費用」や、同じ市町村でも「B市の美しい自然守るための費用」や、「B市の教育環境を整えるための費用」など、様々な「使い道」を指定することが出来ます。

 

2.計算方法

 

  次に具体的な計算方法についてですが、実際にいくら寄付したらどれだけ税金が控除されるのかは、寄付した人の所得によって控除額が変動するため、1万円寄付したら税金がいくら控除されるなんてことは一概にはいえません。

  計算式は以下のようになっています。

   所得税

(寄付金の額-2,000円)×所得税率

 

   住民税

イ.(寄付金の額-2,000円)×10

ロ.(寄付金の額-2,000円)×(90%-所得税率)

ただし、ロの金額については住民税所得割の10%が限度となります。

また、①と②の寄付金の額についてですが、①については所得の40%、②については所得の30%を限度とし、それ以上の金額を寄付しても控除の対象とはならないこととなります。

つまり、この計算式に当てはめると、最低でも2,000円は自己負担の金額が生じることとなります。

ただし、例えば、50,000円寄付し、自己負担額の2,000円以外の48,000円が所得税と住民税で控除され、寄付した地方自治体から特産物を貰った場合、2,000円寄付したことによりその特産物を貰った(買ったのと変わらないような気もしますが・・・)ことになるため、自己の負担感はほぼゼロになります。

こちらのサイト「http://www.citydo.com/furusato/what/07.html」で、詳しい控除額を計算できますので、控除額がどれくらいになるか参考にされてはいかがでしょうか。

 

3.豪華特典の理由

 

ふるさと納税の仕組みと計算方法について説明しましたが、なぜ各地方自治体は豪華特典を付けてまでこぞって寄付金を集めたがるのでしょうか。

例えば、AB市に住んでいる年収800万円のサラリーマンの甲さんは、国に所得税を、A県とB市にそれぞれ住民税を支払わなくてはなりません。

その甲さんがC市に3万円寄付した場合、自己負担の2千円を除き、所得税と住民税を合わせて28千円控除できます。

そうすると、国とAB市は本来甲さんから納付されるはずだった所得税と住民税を合わせて28千円とりっぱぐれることとなり、寄付を受けたC市にはまるまる3万円が入ることとなります。

つまり、寄付先の自治体はいくら寄付を受けても自分の腹を痛めることがないため、寄付を受ければ受けるほど資金的に潤うこととなるため、寄付を受けるためのアピールとして地元の特産物などの豪華特典を付けて、寄付を募っているのです。

 

4.確定申告が必要

 

ふるさと納税をし、実際に控除を受ける場合には、年末調整などでは控除できないため、確定申告をする必要があります。

ふるさと納税をする手順は、

 

   ふるさと納税をしたい地方公共団体にFAXや電話などで、寄付をしたい旨の申し出をする。

 

   地方自治体からふるさと納税に必要な情報の連絡があります。

 

   振込や現金書留など様々な方法で支払うことが出来ますので、各々の方法で支払(寄付)する。

   支払後、領収書が届く(特産品などがある場合は指定した特産品が届きます。

 

   確定申告をする

 

   税金が控除される。

   ※なお、平成26年に寄付した場合、所得税は平成26年分の所得税から控除され、住民税は平成27年度に課税されるものから控除されます。

 

 

 

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 夏真っ盛りですが、夏バテなどしていないでしょうか?部屋の中でも熱中症になる、などという話も聞きますが、私の週末は趣味の釣りで炎天下の海上にいたりします。

 私は水を頭からをかぶって、体温を下げ、小まめな水分と塩分補給によって、熱中症対策をしています。

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Ⅲ 今年の路線価の状況について

 

全国平均では前年より0・7%下落していますが、下げ幅は縮小傾向になっています。なお、リーマン・ショック前の2008年以来6年ぶりに東京、大阪、愛知がそろって上昇しています。

また、福島でも住宅需要が高まっているために、22年ぶりに上昇に転じているとの事です。

 

平成26年分都道府県庁所在都市の最高路線価(抜粋)

局名

都市名

最高路線価の所在地

最高路線価

最高路線価の対前年変動率

平成26年分

平成25年分

平成26年分

平成25年分

東京

千葉

中央区富士見2丁目 千葉駅側通り

1,110

1,130

1.8

4.2

東京

中央区銀座5丁目 銀座中央通り

23,600

21,520

9.7

0.0

横浜

西区南幸1丁目
  横浜駅西口バスターミナル前通り

6,660

6,180

7.8

5.1

甲府

丸の内1丁目 甲府駅前通り

245

250

2.0

3.8

()1 路線価は、毎年11日を評価時点として、地価公示価格等を基として算定した価格の80%により評価しています。

 なお、上段のかっこ書きは、変更前の所在地における平成26年分の路線価です。

各地域の路線価は下記より調べることができます。

 

■下記の国税庁ホームページには、平成20年分から26年分までの路線価図等を掲載しています

http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

 

【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-  あっという間に1年の上半期が過ぎてしまいました。源泉所得税の納期の特例を選択している人は、1月から6月までの源泉所得税を710日までに納付する必要があるため、ああ、もう半年が過ぎたんだなぁという実感が湧いていることと思います。

 

もう半年というより、まだ半年も残っている!というような気で、今年を過していきたいと思います。

 

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今月のテーマ 土地の時価について

 

Ⅰ 4つの価格

 

一つの土地には異なる4つの価格があるとされています。

いわゆる1物4価というものです。

 

1.地価公示価格

2.相続税路線価

3.固定資産税評価額

4.取引価格

 

1.地価公示価格・基準値標準価格

 

地価公示価格とは地価公示法にもとづき、都市計画区域において選定された全国3万地点の標準値について、毎年1月1日現在の単位面積(1㎡)あたりの価格が公示されるものです。

 

住宅地、商業地、工業地等の用途により、それぞれの地域の価格水準を示すのに適当な代表的・平均的な土地について、更地としての正常価格を全国の不動産鑑定士が鑑定評価の方法で評価します。

 

この公示価格は、3月下旬に国土交通省から発表され、価格のほか標準地の所在、地積、形状、標準地およびその周辺の土地利用状況の現況、標準地の前面道路の状況などが官報に登載されます。公示価格は、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、また公共事業用地取得価格の基準などともなります。

 

なお、この公示価格と全く性質の同じものに「基準値標準価格」(毎年7月1日現在のものを9月下旬に発表、都道府県が主催者)があります。

 

2.相続税路線価

 

路線価格は、一般的には路線価(ろせんか)と呼ばれており、市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が通行する道路)に面する標準的な宅地1㎡当たりの土地評価額のことをいいます。毎年7月の初旬に公表され、本年は本日71日に全国の路線価が公表されました。

 

なお、この路線価は課税価格を計算する基準となるものとなり、相続税や贈与税の基となります。

 

路線価格は「地価公示価格の8割程度」の価格となっています。

 

3.固定資産税評価額

 

市町村役場に備え付けの固定資産税課税台帳の登録価格で、固定資産税をはじめ不動産取得税(県税)や登録免許税(国税)など、不動産の各種税金を課税する場合の基準となる評価額です。

固定資産税は、市町村が毎年11(賦課期日)現在の土地、家屋等(固定資産)の所有者に対し、その固定資産税評価額をもとに課税する税金です。

 

土地基本法第16条により、国は適正な地価形成及び課税の適正化に資するため、土地の正常な価格を公示するとともに、公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるよう努めることと規定されました。

 

固定資産税評価額は「地価公示価格の7割程度」の価格となっています。

 

 

4.取引価格

 

不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に、通常成立すると認められる価額であり、この場合には時価となります。

ただし、特殊な事情がある場合には、この取引価格は大きく変動し、例えば隣地をどうしても、欲しいというような場合には、大きく取引価格が上がる場合もあるでしょうし、逆に直ぐに換金しなくてはいけない時などは、取引価格が下がることになりますので、あくまでも、時価を考える上では、このような特殊事情ではない場合で考えなくてはいけません。

 

 

Ⅱ 何故路線価が定められているのか?

 

相続税や贈与税において土地等の価額は、時価により評価することとされていますが、納税者が相続税等の申告に当たり、土地等についてご自分で時価を把握することは必ずしも容易ではないため、相続税等の申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、国税局が毎年、全国の民有地について、土地等の評価額の基準となる路線価及び評価倍率を定めて公開しています。

 

なお、公示地価の8割程度となっているのは、土地の時価は変動があるため、評価の安全性を考慮した結果です。

 

もともと年1回しか土地の時価を算定しないため、1年間の間の相続等の評価に使うには、ある程度幅を見て評価額を決めておかないと、急激に値下がりした場合などは、相続税を納めることができなくなってしまうからです。

 



 酒井税務会計事務所通信 2014.6月号 

その2

2.所得税との関係
  冒頭で述べた通り、個人住民税は所得税と深い関わりがありますが、その関係性について触れていきたいと思います。
 ①  各種所得の計算はほとんど同じ
 基本的に個人住民税の計算は、所得税の確定申告書等を基に住所所在の市区町村が計算をしてくれますので、所得税の確定申告書とは別に住民税の申告書の提出などは必要ありません。
計算方法についても基本的には所得税法に規定された計算方法に準じて計算されます。
そういう意味で個人住民税は所得税と密接な関わりがあるといえます。
②  個人住民税と所得税の違い
個人住民税と所得税はほとんど同じと述べましたが、全く同じではなく、下記のような違いがあります。

(ア)所得控除の種類

 所得税には14種類の所得控除がありますが、住民税には寄付金控除という概念がありません。

 ただし、住民税にはふるさと納税を含む寄付金税額控除という制度があり、一定の市町村などに寄付した場合に税額控除が受けられる制度があります。
 ふるさと納税についての詳細については次回以降の事務所通信で取り上げたいと思います。
 (イ)所得控除の金額
 所得税と住民税の所得控除は種類だけでなく金額についても違いがあります。
 具体的には以下の所得控除の金額に違いがあります。

 

所得税

住民税

 

生命保険料控除

 10万円(最高)

 7万円(最高)

 

 地震保険料控除

 5万円(最高)

 25千円(最高)

 

 障害者控除

 27万円(40万円)

※同居特別障害者は75万円

 26万円(30万円)

※同居特別障害者は53万円

 ( )は特別障害者の場合

 

 寡夫控除

 27万円

 26万円

 

 寡婦控除

 27万円(35万円)

 26万円(30万円)

 ( )は特別の寡婦の場合

 勤労学生控除

 27万円

 26万円

 

 扶養控除(一般)

 38万円

 33万円

 

 扶養控除(特定)

 63万円

 45万円

 

 扶養控除

(同居老親以外の老人)

 48万円

 38万円

 

 扶養控除(同居老親)

 58万円

 45万円

 

 配偶者控除(一般)

 38万円

 33万円

 

 配偶者控除(老人)

 48万円

 38万円

 

 配偶者特別控除

 38万円(最高)

 33万円(最高)

 

 基礎控除

 38万円

 33万円

 

【参考】 所得税は非課税なのに住民税だけ課税された

 

このような経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

アルバイトやパートの場合、103万円のラインが旦那さんの配偶者控除や、父親の扶養控除の適用があるラインであるというのは、一度は耳にしたことがあると思います。

なぜ103万円という金額であるかといいますと、給与所得の計算をする際、給与所得控除額というものが最低65万円差し引かれ、さらに所得税には誰でも控除できる基礎控除が38万円ありますので、その合計額103万円以下であれば所得税がかからないことになります。

しかし、住民税の場合、上記で述べた通り、基礎控除が33万円であり、所得税より5万円低いため、ギリギリ103万円稼いでいる方は住民税のみ課税される可能性があります。

 【編集後記】-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

6月は水無月と呼びますがその由来は諸説あり、梅雨が明けて水が涸れてなくなる月であると解釈されたり、逆に田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月「水張月(みづはりづき)」「水月(みなづき)」であるとする説も有力だそうです。他にも「梅雨で天の水がなくなる月」「といった解釈も行われるようになったそうです。東京ではこれからが梅雨のシーズンですが、鬱陶しがらずに恵の雨と思う様にしたいと思います。

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