スペシャリストになるということ
本日の天気はくもり。へやのこたつを収納して、春への準備に取り掛かった。会社に入って1年が経過した。化学メーカーの設備屋として就職し、研修を1か月終えたのち、富山に配属された。正直、がむしゃらにこなしてやりたい技を身に着けたい自分の力を試したいなど向上心を強く持って入社し、社会人としてのスタートを切ったが1年を通して何が身についたのかよくわからない。大学院1年の頃を思い出した。4年の時に選んだ研究テーマに対して先輩に教わりながらこなし、リーダーとしてのぞんだ加速器に毎日のめりこんだ。ナノ領域の時間、爆発的なエネルギー、局所測定という分析力や忍耐力、想像力が必要とされていた研究テーマだっただけにそれに毎日毎日立ち向かい失敗し、ときに成功したときはとてもうれしく感じた。ほとんどの実験が失敗だったと振り返ると今の会社での毎日は平凡に感じる。トラブルが生じてもそれに卓越した人に頼り、対処してもらえばたいていのことは1日あれば解決してしまうからだ。綿密に計画を立て、ヒアリングし、議論し、計算し、実行する工事は段取り8分と言われ、工事までの過程が重要とされる。これが大事なわけであるが、逆をいえばこれをこなせばできないことはない。工程表と呼ばれる表に基づき、計画を実施していく。数が多く、私一人で年間20近くの案件をそれぞれ時間をかけて実行していく。一方、急なトラブル時は現場で対応し、図面を見てリスクアセスメントを行い解消する。その設備に携わったことがある人、その設備に関連する専門性がある人にとっては時間をかければできないことは少ない。設備の数だけで見ると、大学院時代より今のほうが圧倒的に管理する数が多くなったがそれに反比例して専門性が低くなり、またかけた時間も短い。私は何かのスペシャリストになりたい。大学院時代は、その加速器のスペシャリストになったんだと思う。しかし、今、わたしは何のスペシャリストなんだろうか。数多くの案件の工事をこなしたことで得られる専門性はなんだろうか。いろいろ学んだことは事実で、しらない設備にたくさん携わり、勉強する日々であったがどれも未完。2割から5割の理解度と言っても間違いない。これらから何をみにつけるか。何を得たいか。何になりたいか。何を実現したいか。スペシャリストになるための新しい2年目をスタートさせたい。まだ橋が立ってない状態で、ジャンプしようとしている中、あわてず自分に向き合い作り上げていきたい。