フルートの出番です165 ベートーヴェン「トリオ」Op.87より | 翡翠の千夜千曲

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      Ludwig van Beethoven, Trio nach op.87 - Trio AMI

Trio nach op. 87, arrg. Werner Richter I. Allegro II. Adagio cantabile III. Menuetto IV. Finale Aufgenommen am 24.02.2019 Kamera: Paul Schön, Jonas Scheler Ton: Daniel Przemus

 

    

 ベートーヴェン:2本のオーボエとイングリッシュホルンのための3重奏曲 ハ長調 作品87 

 

    

  Ludwig van Beethoven Trio for 2 Oboes and English Horn in C major, Op. 87

 

    

    BEETHOVEN TRIO OP. 87 | KEYED KONTRAPTIONS @ SF MUSIC DAYS

 

    

      L. Beethoven - Trio op. 87 (flute, oboe and basson)

 

 

 

 毎日凄い暑さなのに、ゲリラ豪雨に落雷火災、コロナ感染233094人、とんでもないニュースばかりでした。せめて台風5号の被害が出ないように祈りたいものです。…あと大谷君の二桁勝利も見たいなあ。

 さて今日聴く曲目は、解説にある通り、本来は「2本のオーボエとコーラングレのための三重奏曲ハ長調」として書かれた作品です。色々なアレンジ・バージョンが存在します。トロンボーンの3重奏などもありましたが割愛いたしました。ベートーヴェンの数少ない管楽合奏としても貴重品です。

 今日は動画を探していて気がついたのですが、演奏はとても上手なのに、意外に符割り(譜割り?)がきちんとできていない人が多くて気になりました。テンポで言えば、走ったり、間に合わなかったり、響きも均一ではなかったりするのです。その結果、アゴーギグが不自然で適切ではなかったり、フレージングがぎくしゃくしていたりします。

 もう一つは発音です。特に、日本人は意外にシラブルに関して無頓着だったりするのでしょうか。どう発音しているのだろうかと気になることもあります。特に、管楽器の初心者では、タンギングの時どう発音しているかまで確認してあげることが大切です。意外とバラバラだったりします。口の中を広くとは言いますが、日本人は顎が小さい人が多いと言われています。口径は特に大事ですが、この辺は専門家である演奏家の先生に具体的に学ぶ必要があります。

 合奏になれていない人は別の問題に陥ります。音大などではアンサンブル、室内楽、オーケストラ、吹奏楽など色々な形の合奏を勉強するようになっていますが、意外にこれを安易に考えている人がいます。ソロで入賞歴が沢山あるようなうまい人が、意外に心配です。気がつかないとある日微妙に孤立したりします。そういう時にアドヴァイスしてしてくれる友達は、実はものすごい宝なんです。感謝感謝!

 更に言えば、フルートの重奏で大切なのは低音部を受け持つ人の響きが重要です。他のアンサンブルと比較すればわかることですが、フルートの重奏は響きが薄いので音楽表現そのものが軽くなりがちです。ホルンでは、「下吹き」と言う表現がありますが、とても大切な役割を持っています。一度ベルリンのサラ・ウイリスの演奏をお聴きあれ。特に、フルートでは最低音付近の響きは心して鳴らすべし。(ソノリテで勉強しましたね)

 以上並べたてましたが、私は、管楽器の専門家ではありませんので、詳しくはプロの先生に見ていただくことが一番の近道かと思います。

 

ベートーヴェン、ルートヴィヒ・ヴァン/トリオ OP.87 より

Beethoven, Ludwig van TRIO NACH OP.87 D-DUR

<解説>
 同時代のA.ライヒャ、Fr.クーラウのトリオに肩を並べるこの 『三重奏曲』 はL. vanベートーヴェン (1770-1827) の管楽器室内楽曲でも特に有名であり、その原曲は彼が1794年に作曲した [Trio fur 2 Oboen und Englishhorn op.87] にあります。これは翌年に弦楽器用 (2 Vn. & Viola) としても編曲されました。更にこの曲は、1825年にはロンドンの出版社から編曲され 『フルート三重奏曲 ニ長調 作品87』 として生まれ変わりました。今回はそれを基に ZIMMERMANN 社で (W.Richter) の校訂により 「ロココからロマンのフルート」 作品シリーズの一つとして再版され甦り今日に至っています。一方、SMC社では新たな編曲 (A.J.Andraud) により総譜付きで 『大三重奏曲 ト長調 作品87』 として甦りました。いずれにしても同一曲であり、典型的な古典様式で書かれ、第1楽章は優美なソナタ形式第2楽章は美しい旋律のカンタービレ第3楽章は躍動的なメヌエット第4楽章は軽快なロンド形式です。何調でも、何度衣が変わろうとも、この名曲は 「大三重奏曲」 の名に相応しく、風格のある芸術作品には変わりありません。ふたつの調性 (D-dur, G-dur) に蘇った不滅の名曲です。(解説/佐野悦郎)

 

 

Trio in C Major Op 87 / Trio in F Major

Beethoven, L.V. (Artist)  Format: Audio CD