J.S. Bach: Fluitsonate BWV 1030 - Musica ad Rhenum
J. S. Bach: Triosonate (Musikalisches Opfer BWV 1079) ∙ Wittiber ∙ Junghanns ∙ Steppan ∙ Fábri
バッハはその当時にあった殆どすべての楽器の音楽作品を書いています。その中で、バッハの純粋のフルート作品は、下の1030~1039に挙げたこの作品だけではないかと思われますが、私の研究不足かも知れません。その他、「音楽の捧げ物」のトリオソナタでフルートの楽器指定のあるもの、管弦楽組曲1番や2番などで指定されているものなどがありますがごく限られています。
その他には、独奏ヴァイオリンや独奏チェロの曲をフルート用に編曲したものがありますが、これは逆に言えば他の様々な楽器にも転用されていますので、純粋のフルート曲ではありません。居直って言えば、ヴァイオリンやチェロの奴らだけに(失礼)この演奏の楽しみを味わせてなるものかという精神は中々見上げた根性です。数字は、すべてBWV作品整理番号です。
1030 | フルートとチェンバロのためのソナタ第1番 ロ短調 | 1735頃 | fl,cemb | |
1031 | フルートとチェンバロのためのソナタ第2番 変ホ長調 | 1734以前 | fl,cemb | |
1032 | フルートとチェンバロのためのソナタ第3番 イ長調 | 1717-23 | fl,cemb | |
1033 | フルートと通奏低音のためのソナタ第1番 ハ長調 | 1720頃 | fl,BC | |
1034 | フルートと通奏低音のためのソナタ第2番 ホ短調 | 1717-20頃 | fl,BC | |
1035 | フルートと通奏低音のためのソナタ第3番 ホ長調 | 1717-20? | fl,BC |
1039 | 2本のフルートと通奏低音のためのソナタ ト長調 | 1720頃 | 2fl,BC |
いずれにしても、体位的な手法で書かれていますし、殆ど休みなしに演奏しなければならない上に、強弱記号やフレージングが記されていないことが多く(編曲者によって書き足されたものもある)、よく研究しないと一休さんのとんち話の解釈のような演奏になってしまいます。簡単に言えば、ブレスの位置がそれによって決まりますが、テンポもよく研究しないとすべての音を豊かに演奏できなくなりますので、実際の演奏を聴いたり、基礎的な対位法の知識を身に付ける事は必要です。
先日「クープラン」の項でタブラチュアの話を書きましたが、バッハ 「音楽の捧げ物Musikalisches Opfer 」BWV 1079 について書いたものがありますので、一部重なりますが興味のある方はご覧ください。残りの6作品も今後紹介していきますが、おそらく記述する内容はそれほど大差がないように思います。バッハの、宗教的な曲は別ですが、器楽曲は曲の作りや、演奏上の克服も含めた音楽的な楽しみに重点を置いた方が良いように思います。つまり、楽しんで演奏することです。
<演奏者>
ジェド・ウェンツ(Jed Wentz、1960年7月1日 - )は、アメリカ合衆国のフルート奏者、指揮者。
ジェド・ウェンツはオバーリン音楽院でフルート(現代・歴史楽器)をロバート・ウィロビー、マイケル・リン(1981年音楽学士号)に師事し、その後コニンクリク音楽院デン・ハーグでバートホルト・カイケン(1985年音楽修士)に師事。1980年代からアメリカとヨーロッパでソリストとして演奏し、ムジカ・アンティクア・ケルン、ルーヴル美術館、パリのカプリッチョ・ストラヴァガンテ、ガブリエリ・コンソートなどのアンサンブルと共演した。1990年代以降、指揮が前面に出てきた。1992年、オランダを拠点とするアンサンブル「ムジカ・アド・レヌム」を設立し、ソリストとその指揮者として世界中で演奏している。
Jed Wentzは17世紀と18世紀の音楽に身を捧げており、歴史的に情報に基づいた演奏の実践という意味でさまざまな専門記事を扱っています(「古楽」、「協奏曲」、「Tijdschrijft voor Oude Muziek」に掲載)。2010年、ライデン大学で博士号を取得(リュリーからラモーまでのフランス悲劇オペラ公演におけるジェスチャー、影響、リズミカルな自由の関係[1])。ウェンツは1994年からアムステルダム音楽院の教員を務めているが、王立音楽アカデミーやデン・ハーグ音楽院など他の大学で教師やコース講師としても働いている。2012年、ユトレヒト古楽祭の芸術顧問に就任。
ソリストおよび指揮者として、ジェド・ウェンツは1990年代以降、ヴァンガード・クラシックス、ブリリアント・クラシックス、チャレンジ・クラシックスなど、さまざまなレーベルのCD録音を30枚以上手がけてきました。1995年、チニ・ヴェネツィア財団は、ピエトロ・アントニオ・ロカテッリのソナタCDでイタリア音楽の最優秀録音賞を受賞した。2006年、ブリリアント・クラシックスはミシェル・ブラヴェのソナタ全集をリリースした。
※ 一年前の記事 花の歌① 茉莉花
バッハ, J. S.: フルート・ソナタ集 第1巻: BWV 1034, 1035, 1030, 1032/ヘンレ社原典版/ピアノ伴奏付ソロ Sheet music – June 1, 2010
Format: Audio CD