問題は貧困だけではない
格差の拡大という議論が非常に盛んで、参議院選でも大きな論点になっています。和光市としても格差の問題には積極的に取り組んでいるところです。
しかし、格差もさることながら、日本全体が貧しくなり始めていることをあらためて一緒に考えていただきたい、ということでブログ記事にしました。
図は、2010年にIMFが作成した購買力平価ベース(購買力平価はあくまで計算上の値であり、批判もあるのですが、大きなトレンドは読み取れると思うんです)の一人当たりのGDPのグラフです(2010年の日経記事より)。
確認ですが、この2010年の購買力平価ベースの一人当たりGDPでは、すでに台湾に抜かれています。この統計を信ずると、最短では来年に韓国にも抜かれます。近い将来ではないですが、今後の動向によっては、マレーシアあたりにも抜かれる世界になってきます。
日本全体が貧しくなりつつあり、しかもそれが加速している現状があるのではないかと懸念します。もちろん、精緻な議論には統計をしっかりと確認する必要がありますが、先進国のなかで考えると、日本の中流のゾーンがもはや、貧困ゾーンに差し掛かっているのかもしれません。
となると、もちろん格差の解消も大切なのですが、やはり日本全体を豊かにするにはどうしたらいいのか、という視点が欠かせないことが分かります。
日本はアジア内でも安くなりつつあり、この地盤沈下を日本の指導層が見て見ぬふりをしているようにすら見えるのが心配です。
そして、ある意味、円安誘導がそれをさらに後押ししているわけですが、なんとも悩ましいですね。
* 追記
イギリスのEUからの離脱という国民投票結果を受けて、しばらくの間は強い円高傾向が想定されます。和光市内の国際企業の税収の復活についても、最近は期待が高まっていましたが、お預けになりそうです。
何より、企業においては円高の中でいかに利益を出すか、という知恵比べになりそうですし、巨額のインバウンドによる利益も激減する可能性がありますね。
我が国経済は、ここしばらくの基調とは全く違った姿になりそうです。(6/26)
越戸川の鴨夫婦
越戸川の鴨夫婦。川の中の細長い葉の草は稀少種のミクリです。この辺りは湧き水がたくさん流れ込んでいるところであり、水がきれいなんですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QJfWai460yY
今日はマグナカルタの日
今日はマグナカルタの日。これで801年。
ちなみに、マグナカルタというと日本国憲法のようなものを思い浮かべるかもしれませんが、雑多な王と貴族やその他有力者との契約なので、意外な条文がたくさんあります。
たとえば、最初に成立した1215年版の8条には、寡婦が再婚を強制されないことが、30条には勝手な馬や荷馬車の徴発の禁止が、35条には升目の統一が書かれています。
大切なのは、まず、王と対立した貴族や有力者たちが王と契約書を交わしたこと。権力に明文化された鎖をつけたことなのですね。
さらには「イギリス憲法史全体はマグナカルタへの注釈である」と言われるように、マグナカルタは時代を下るとともにその内容の如何を超越して、神話として影響力を持つに至ったわけです(プラクネット『イギリス法制史 上巻』)。
今、自民党政権の憲法に関する一連の仕事に文句がある政党政治家や学者が論陣を張っていますが、このぶつかり合いのプロセスこそが、私たち日本人に憲法と言うものの豊かな実りをもたらしてくれることと思います。
国民的な議論をすることで、これまでうやうやしく神棚に上がっていた「きれいな置物」としての日本国憲法にようやく血が通い、命が吹き込まれます。
そして、両者のつばぜり合いを超越した頭上にマグナカルタは燦然と君臨するわけです。
(最後はマイケル・ムーアコックをパクりました。)
和光市の水道料金は全国有数の安さ
水道料金、何気なく引き落とされているという方が多いと思います。
和光市の水道水は7割ぐらいが県から仕入れた水。残りは市内の井戸からくみ上げた水です。
では県から仕入れた水はどこから来るのか。
実は、さいたま市桜区の大久保浄水場から来ています。
そこから、まず送水管で荒川を渡り、志木市、朝霞市をぐるっと回ってやってくるのです。
浄水場を出発した水は4時間~6時間かけて朝霞地区4市(朝霞、志木、和光、新座)に到達し、最後に和光市に到達するのです。
①から図の下側にある和光市までですから、その遠さがおわかりいただけると思います。
水道料金ですが、和光市は「とても安い」水準です。
具体的には20ミリ20流米で、埼玉県内で東松山市に次いで2番目に安く、全国でも1228事業体中堂々の86位となっています。そして、和光市より上の事業体のほとんどが簡易水道(給水人口101~5000人を対象とする小規模な上水道)。や自治体の一部地域の料金であり、そういう事例を除くと和光市は安いほうから30番目ぐらいに位置しています。
一方で、石綿管や鉛管などの有害な管の取り換えが終わり、主要な管路の耐震化を推進するなど、和光市の水道に手抜きはありません。
もっとも、大久保浄水場は都内のように高度処理ではないため、夏場には味が少し落ちます。高度処理化を上田知事は目指しておられますが、高度処理には大量の電気を使うなど、環境面やコスト面で不利であり、必ずしも高度処理が一方的に優れているわけではありません。むしろ、高度処理が全県で進むと県からの水道水の仕入代金が上がる可能性があります。
当然、市内の水道料金にも影響が及びかねない、微妙な問題なのです。
なお、料金比較は下記サイトでご確認ください。
「ハイゼンベルクの谷」とニホニウムブーム
理化学研究所が三回にわたって生成し、命名権を得た新元素「ニホニウム」。
先日、その研究チームリーダーである森田浩介先生のインタビューをテレビ等でご覧になった方も多いと思います。
そこに黄色等のレゴでできた模型が写っていたのをご覧になった方も多いと思います。
これは核図表というものです。元素を、縦軸を陽子数、横軸を中性子数、高さの軸を原子核の結合エネルギーとして、表したものが核図表であり、安定的な原子核が存在する位置をプロットすると谷底のよう見えます。
これはドイツの物理学者にちなんで「ハイゼンベルクの谷」と呼ばれています。
さて、この様子を理研では3万個のLEGOを使って表現しています。
谷底の黒いところが安定している物質であり、発見されている範囲は赤と緑の範囲内であるということ。また、緑は理研で発見されたとのことです。
ウラニウムやプルトニウムは放射性崩壊をしながら最終的には鉛になりますが、鉛は黒で表現される安定的な物質です。また、ウラニウムやプルトニウムは黒い谷の底ではなく赤いところにあり(つまり安定しておらず)、半減期ごとに放射性崩壊を繰り返して谷底の鉛になるわけです(その際に放射線が出る)。
そして、崩壊するにつれて別の物質になりながら、崩壊のたびに放射線を放出します。
ちなみに、ニホニウムの生成時にもこの崩壊というキーワードが大きな意味を持ったのです(この場合はアルファ崩壊)。
http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120927/
(このリンクはやや難しいです。)
この模型を見れば、放射性崩壊の様子のイメージがある程度は把握できるのではないでしょうか。
さて、私のブログでここのところ異常事態が起こっています。
それは「ハイゼンベルグの谷」というキーワードで私のブログの記事
http://ameblo.jp/takeyan/entry-10955927150.html
に来る方がびっくりするほど増えているということ。ハイゼンベルグの谷ですよ!
もちろん、先月までのこのキーワード経由のアクセスはゼロです。
つまり、「ニホニウムブーム」が来ているのではないか、ということです。勝手な想像ですが(笑)
実は、大学受験の世界ではアベノミクスを踏まえて好況モードに受験生が切り替わっています。すなわち、文高理低です。これは科学振興、科学立国という観点からは残念なことだし、私自身、バブル時代の波に乗って法学部に進学したことを今でも残念に思っていますが、このニホニウムブームで理系を志す高校生が増えることを祈っています。



