問題は貧困だけではない | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

問題は貧困だけではない

格差の拡大という議論が非常に盛んで、参議院選でも大きな論点になっています。和光市としても格差の問題には積極的に取り組んでいるところです。


しかし、格差もさることながら、日本全体が貧しくなり始めていることをあらためて一緒に考えていただきたい、ということでブログ記事にしました。

図は、2010年にIMFが作成した購買力平価ベース(購買力平価はあくまで計算上の値であり、批判もあるのですが、大きなトレンドは読み取れると思うんです)の一人当たりのGDPのグラフです(2010年の日経記事より)。

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確認ですが、この2010年の購買力平価ベースの一人当たりGDPでは、すでに台湾に抜かれています。この統計を信ずると、最短では来年に韓国にも抜かれます。近い将来ではないですが、今後の動向によっては、マレーシアあたりにも抜かれる世界になってきます。



日本全体が貧しくなりつつあり、しかもそれが加速している現状があるのではないかと懸念します。もちろん、精緻な議論には統計をしっかりと確認する必要がありますが、先進国のなかで考えると、日本の中流のゾーンがもはや、貧困ゾーンに差し掛かっているのかもしれません。
となると、もちろん格差の解消も大切なのですが、やはり日本全体を豊かにするにはどうしたらいいのか、という視点が欠かせないことが分かります。


日本はアジア内でも安くなりつつあり、この地盤沈下を日本の指導層が見て見ぬふりをしているようにすら見えるのが心配です。

そして、ある意味、円安誘導がそれをさらに後押ししているわけですが、なんとも悩ましいですね。


* 追記

イギリスのEUからの離脱という国民投票結果を受けて、しばらくの間は強い円高傾向が想定されます。和光市内の国際企業の税収の復活についても、最近は期待が高まっていましたが、お預けになりそうです。

何より、企業においては円高の中でいかに利益を出すか、という知恵比べになりそうですし、巨額のインバウンドによる利益も激減する可能性がありますね。

我が国経済は、ここしばらくの基調とは全く違った姿になりそうです。(6/26)