「ハイゼンベルクの谷」とニホニウムブーム | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

「ハイゼンベルクの谷」とニホニウムブーム

理化学研究所が三回にわたって生成し、命名権を得た新元素「ニホニウム」。

先日、その研究チームリーダーである森田浩介先生のインタビューをテレビ等でご覧になった方も多いと思います。

そこに黄色等のレゴでできた模型が写っていたのをご覧になった方も多いと思います。

963

これは核図表というものです。元素を、縦軸を陽子数、横軸を中性子数、高さの軸を原子核の結合エネルギーとして、表したものが核図表であり、安定的な原子核が存在する位置をプロットすると谷底のよう見えます。

これはドイツの物理学者にちなんで「ハイゼンベルクの谷」と呼ばれています。

さて、この様子を理研では3万個のLEGOを使って表現しています。

谷底の黒いところが安定している物質であり、発見されている範囲は赤と緑の範囲内であるということ。また、緑は理研で発見されたとのことです。

ウラニウムやプルトニウムは放射性崩壊をしながら最終的には鉛になりますが、鉛は黒で表現される安定的な物質です。また、ウラニウムやプルトニウムは黒い谷の底ではなく赤いところにあり(つまり安定しておらず)、半減期ごとに放射性崩壊を繰り返して谷底の鉛になるわけです(その際に放射線が出る)。

そして、崩壊するにつれて別の物質になりながら、崩壊のたびに放射線を放出します。
ちなみに、ニホニウムの生成時にもこの崩壊というキーワードが大きな意味を持ったのです(この場合はアルファ崩壊)。
http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120927/
(このリンクはやや難しいです。)

この模型を見れば、放射性崩壊の様子のイメージがある程度は把握できるのではないでしょうか。

さて、私のブログでここのところ異常事態が起こっています。
それは「ハイゼンベルグの谷」というキーワードで私のブログの記事
http://ameblo.jp/takeyan/entry-10955927150.html
に来る方がびっくりするほど増えているということ。ハイゼンベルグの谷ですよ!
もちろん、先月までのこのキーワード経由のアクセスはゼロです。

74


つまり、「ニホニウムブーム」が来ているのではないか、ということです。勝手な想像ですが(笑)


63

実は、大学受験の世界ではアベノミクスを踏まえて好況モードに受験生が切り替わっています。すなわち、文高理低です。これは科学振興、科学立国という観点からは残念なことだし、私自身、バブル時代の波に乗って法学部に進学したことを今でも残念に思っていますが、このニホニウムブームで理系を志す高校生が増えることを祈っています。