1976年のアルバム(その56 A Kind Of Hush / Carpenters)
1976年のアルバム・シリーズ・・・
今年の幕開けは、昨年同様、Carpenters
ちょうど年末にRichard Carpenterがプロモーション来日
自分としてもイベントに参加でき、Richardさんとも少し話ができ、サインも頂いたのでした。
(2018年12月の日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12425675905.html
いつも記しているように、1976年高校受験が終わり、洋楽が解禁になった頃・・・
ちょうど日本でCarpentersの新曲が登場
それが・・・
There's A Kind Of Hush (All Over The World)
「見つめあう恋」
Herman's Hermitsの1967年のヒット曲としてもお馴染みですが・・・
やはり唯一無二のCarpentersのナンバーに
春に向けて爽やかな明るく楽しい・・・そんなナンバー
やはり洋楽の王者はCarpenters
尚、ちょうどこの頃(1976年3~4月)にKarenの病気によって、延期になっていた来日公演も行われていました。
(自分は行くことはできませんでした。・・・)
このThere's A Kind Of Hushが先行シングルとなったCarpentersとして7枚目のアルバムは初夏にリリースされました。
タイトルはA Kind Of Hush
邦題はそのまま「見つめあう恋」となりました。・・・
1975年12月から1976年4月にかけて、ハリウッドのA&M Studiosでレコーディング
ちょうどその間に日本公演もあったことになります。・・・
Karen Carpenterがヴォーカル、ヴィブラフォン
Richard Carpenterがヴォーカル、キーボード、ヴィブラフォン
参加ミュージシャンはお馴染みTony Pelusoがギター
Joe Osbornがベース、Bob Messengerがサックス、Gayle Levantがハープ、Earl Dumlerがオーボエ
ドラムスはA1、A2、A5、B1、B2、B3、 B4、B5がJim Gordon
A3、A4がCubby O'Brein
このアルバムではKarenは1曲も叩いていません。・・・
プロデュース、アレンジ、オーケストラ指揮はRichard Carpenter
Associate ProducerとしてKaren Carpenterもクレジットされています。・・・
A面、ドラムスから軽快なTony Pelusoのギター、There's A Kind Of Hush、「見つめあう恋」でスタート
Geoff StephensとLes ReedによるHerman's Hermitsのヒット曲ですが、Karenの歌ですっかりCarpentersナンバーに
アルバムからの先行シングルでした。・・・
ピアノのイントロから、続いてはYou
Randy Edelmanの作品で、ストリングス、コーラスがKarenの歌をバックアップした重厚なバラードになっています。
3曲目はエレクトリックピアノのイントロから、Sandy
John BettisとRichardによるオリジナル作品
ゲストのTom Scottのフルートとクラリネットが効果的に出てきて、途中の転調もスムーズに・・・ヒット性のあるナンバーです。
一転して、Cubby O'Breinの軽快なドラムスから、ノスタルジックなムードの、Goofus
Gus Kahn、Wayne King、William Haroldによる1930年代のナンバー、多くの人もカバーしています。
ここでは(恐らく)Karenの多重録音によるコーラス
チューバとしてWes Jacobsも参加、Richardのピアノもラグタイム風で、このアルバムの中で聴きものといえるでしょう。
このLPレコードを購入した時にそう思いました。
尚、アメリカでは3枚目のシングルとしてカットされました。・・・
このエンディングから、一転、エレクトリックピアノをブリッジに続いて始まるのは、Can't Smile Without You
Chris Arnold、David Martin、Geoff Morrowの作品で邦題は、「微笑の泉」
この2年後にBarry Manilowがカバー・ヒットさせ(邦題は「涙色の微笑」)一般的にはそれで有名になりましたが、ここでのKarenの歌は説得力があります。
Doug Strawnのホイッスルも効果的に入ってきます。・・・
B面、ピアノのイントロからハープ、そしてDavid Shostacによるフルート等が入ってきて、Karenの歌
I Need To Be In Love
Albert Hammond、John Bettis、Richard Carpenterの共作
邦題「青春の輝き」
Carpenters屈指の名曲
アルバムからは第2弾シングルとなりました。・・・
続いてもピアノで始まるOne More Time
Lewis Andersonの作品でこちらはKarenが静かにじっくり聴かせます。・・・
今度はKarenの歌から始まるBoat To Sail
Jackie Deshannonの作品で邦題は「夢の小舟」
ヴァイブラフォンの音も効果的に文字通り心地よく舟に乗っている気分になります。・・・
次は美しいストリングスから、I Have You
John Bettis、Richard Carpenterによるミディアム・テンポのナンバー
邦題は「愛のキャンドル・ライト」
コーラスもキマって、これもヒット性のあるナンバーです。
そして・・・
C'mon C'mon Down Du Bi Du Down Down~
そう、Breaking Up Is Hard To Do
Neil Sedakaの「悲しき慕情」
作者は勿論、Howard GreenfieldとNeil Sedaka
ほとんどオリジナルに忠実
ゲストのJim Hornのバリトンサックスもキマって、誰もが知っているこの曲で、楽しくエンディング
尚、日本ではシングル・カットされました。・・・
前作Horizonから、重厚のイメージのSolitaireがシングルカットされましたが、本作では同じNeil Sedakaの楽しい曲調のBreaking Up Is Hard To Do
やはりCarpentersはこういったイメージがいいな・・・そう思ったものです。
でも実際は・・・
このアルバム制作時、病気だったのはKarenだけでなく、Richardも最悪のコンディションだったようです。
オリジナル作品が3曲しか、入っていないのも、そんなことを示しているのかもしれませんが、その3曲とも、Carpentersの中では傑出した楽曲では
そう思っています。
そしてやはり・・・
I Need To Be In Love
共作者であるAlbert Hammondも少し前の日本公演で思いをこめて歌っていました。・・・
もうKarenの声で聴けないのが残念でなりません。・・・
’80年代前半、このI Need To Be In Loveは日本でもCMに使われていました。
そして、ちょうどKarenが亡くなった報を受けたその日の夜、そのCMを見ました。
勿論、CFにCarpentersは出ておらず、歌が使われているだけなのですが、ただただ悲しく、そして虚しい思いを味わったのでした。・・・
またその少し後くらいですが、ある友人から「Carpentersの「青春の輝き」という曲、名曲だよ。・・・」そんなことを言われて、このLPレコードを(いけないことですが(笑))カセット・テープに録音してあげました。
また90年代に日本のテレビドラマに使われ、Carpentersのリバイバル・ブームにつながったこともありました。・・・
最後はI Need To Be In Love(青春の輝き)についてばかり記しましたが、この1976年当時、すなわちリリースされていた当時はCarpentersを代表する曲のようにはあまり言われていなかったように思います。・・・
と、同時にKarenがこの後、10年もしないうちにいなくなってしまうとは・・・
誰も思ってもいませんでした。・・・
1976年、全米チャート上は少しダウンでしたが、Carpentersは洋楽の王者としてまだまだ健在
誰もがそう思っていたのでした。・・・
(1975年のアルバム その40 Horizonに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12345770271.html
(1975年のアルバム その29 Live In Japanに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12328302553.html