1976年のアルバム（その57 Song Of Joy/Captain&Tennille）

2019年、明けたばかりの1月2日

Captain & TennilleのCaptainことDaryl Dragonさんが腎不全にてお亡くなりになりました。・・・

熟年離婚をされものですが、最後は元妻であるToni Tennilleさんも戻ってこられてみておられたとのことで・・・それは良かったと思います。・・・

Rest In Peace

・・・ということで、Daryl Dragonさんへの追悼の意もこめて・・・

1976年のアルバム・シリーズで次に取り上げるのは・・・

Song Of Joy

昨年に続いて、Carpenters、Captain & Tennilleと、ともにA&Mレコードの洋楽の王道が続けて登場ということになります。

さて断っていた洋楽が解禁となった1976年春・・・

Captain And Tennilleの新曲Lonely Night (Angel Face)という曲が、やたらとオンエアーされていました。・・・

ちょうど洋楽を断つ少し前に、彼らの2枚目のシングルThe Way I Want To Touch Youが「君こそすべて」という邦題で日本でもリリース

そんなこともあって、このLonely Night～もアルバムからの3枚目のシングル・カット

そう思いきや、新しいレコーディング

あのLove Will Keep Us Together「愛ある限り」同様、Neil Sedakaの作品

1975年に彼がアメリカ向けにリリースしたアルバムThe Hungry Yearsに収録されていたナンバー

続けて、割と新しいNeil Sedakaのナンバーを取り上げていることになります。

Lonely Night～とToniの歌で始まり、パワフルにアップ・テンポのポップなナンバー

邦題は、「ロンリー・ナイト （天使の横顔）」

ヒット間違いなし

そんな感じで、全米第3位に

尚、Cash Box誌ではNo.1となりました。

そして、この曲が先行シングルとなったセカンド・アルバム

それがこのSong Of Joy

間もなくリリースされました。

このアルバム

A&M StudiosとHollywood And Whitney Recording Studiosにてレコーディング
Toni Tennilleがピアノとヴォーカル

Daryl Dragonがあらゆるキーボードは勿論

ギター、ベース・ギター、ヴィブラフォン・・・とマルチ・プレイヤーぶりを発揮しています。

参加メンバーは・・・Buddy Childersトランペット、Bud Shankサックス

そしてHal Blaineがドラムス、パーカッション

Frankie Cappパーカション

James Getzoffコンサートマスター

それ以外では、Jim Hornがバリトンサックスとテナーサックス

Bobby Knightトロンボーン、Charles Loperトロンボーン

Jack Nimitzサックス、Tony Terranトランペット、Michael Wimberlyトロンボーン

またバックグラウンド・ヴォーカルとして、Clark Burroughs、Gary Sims、Jubilant Sykes、Pat Miller、Jane Tennille、Louisa Tennille、Melissa Tennille、Andy Boettnerがクレジットされています。

アレンジはCaptainことDaryl Dragon

プロデュースはCaptain & Tennilleです。

A面、ピアノをフィーチャーしたゴスペルっぽいタイトル曲Song Of Joyでスタート

Billy Prestonのナンバーで、前年リリースのアルバムIt's My Pleasureに収録されているナンバー

作者は」BillyとRasputin Boutte

Billy同じA&Mレコード

1曲目からパワフルに歌い上げるToni

Captainはパイプオルガンも弾いています。・・・

続いて効果音から歌へ・・・前述のLonely Nioght (Angel Face)

「ロンリー・ナイト （天使の横顔）」

女性コーラス陣のバックアップも強力

大ヒット間違いなしといったナンバーでしょう。

3曲目、Mind Your Love

ノスタルジックで軽快なナンバー

Jerry R. Hubbardの作品、こういったナンバーも得意とするところ

邦題は「愛を大切に」

続いてはSmile For Me One More Time

Toni Tennilleの作品で彼女自身でピアノを弾いて、これもゴスペル調に歌い上げます。

邦題は「微笑をもう一度」ほぼ直訳ですね。

そしてピアノのイントロから・・・Shop Around

言うまでもなく、Smokey Robinson & Miraclesの最初の大ヒット曲

作者は勿論、Berry GordyとSmokey Robinson

オリジナルよりロック色が強くなっているよう・・・Gary Simsの低音のコーラスも印象的

2枚目のシングルとしてカットされ、全米第４位の大ヒットとなりました。・・・

この面最後は、Captainのお遊びと言えるGoing Bananas

短いナンバーですが、パーカッションもバックコーラスも楽しそう

作者は勿論CaptainことDaryl Dragonです。

B面に行くと、ブラスもフィーチャーされたButterscotch Castleから・・・

ToniとDarylの共作、邦題はそのまま「バタースコッチのお城」

このような万人ウケするポップなナンバーが彼らの醍醐味

続いてToniが奏でるエレクトリック・ピアノで静かに始まるMuskrat Love

作者のWillis Alan Ramsey自身のリリースの後、先ずAmericaが1973年にアルバムHat Trickに収録、シングル・カットされましたが、彼らとしてはあまりヒットしませんでした。・・・

そしてその3年後に・・・Captain & Tennilleとして見事なナンバーに

ここから3枚目のシングルカットでこちらも全米第４位に

Toniの歌も勿論

Captainがシンセサイザーで作り出すねずみの声（）

これもヒットの要因と思っています。

尚、邦題（サブタイトル）として、「恋のデュエット」となっていました。

次はThank You, Baby

Bruce Johnstonの作品で、やはり前作で取り上げた彼のI Write The Songsを思わせるピアノをフィーチャーしたナンバー

ここでもToniが力量発揮

そして、Wedding Song (There Is Love)

Peter, Paul And MaryのPaul Stookeyも取り上げたトラディショナル・ナンバー

ここではすっかりCaptain & Tennilleの代表曲のようになっています。・・・

アルバム最後は1954 Boggie Blues「1954年のブギーブルース」

シャッフル調のブギーで、スタンダード・ナンバーに思えますが、ToniとDarylによるオリジナル・ナンバー

音楽番組でもこの曲を楽しそうにプレイしていたことがありました。・・・

他人の曲ではありましたが、このアルバムから3枚続けて大ヒット

同じA&MのCarpentersのお株を奪う・・・

まさにCaptain & Tennilleの時代到来

そのように思えたのでした。・・・

・・・残念ながらこの次のアルバム以降、1980年代への橋渡しと言えるDo That To Me One More Timeで再び全米No.1となるまで、彼らの勢いは弱くなっていましたが・・・

それでも1970年代のミュージック・シーンを語る上で欠かせないCaptain & Tennille

彼らの存在がなければ、日本のDreams Come Trueの存在もなかったのでは

そんなことも思っている次第です。・・・

CaptainことDaryl Dragonの訃報に際し、追悼の意も含めて、投稿させていただきました。

R.I.P.

（1975年のアルバム その41 Love Will Keep Us Togetherに関する日記です・・・）

https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12345774208.html