■概要
フレンチ・ポップスの作品(使用例を参照)では、1960年代後半から1970年代前半にかけて流行した、いわゆる「イエイエ(フランス語版、英語版)」 (仏: yéyé) と称される音楽が中心となって構成されている。日本では、1960年代半ばからのシルヴィ・ヴァルタン[1]、フランス・ギャル、ミッシェル・ポルナレフ、フランソワーズ・アルディ[2]、マージョリー・ノエル、ピエール・バシュレ、アダモ[3]、アラン・シャンホー、ジェーン・バーキン[4]らの音楽がフレンチ・ポップスとして紹介されている。1970年代後半以後は、レコード会社のマーケッティングがアメリカに偏重する傾向が出てしまい、さらに洋楽的な国産音楽のニューミュージック、J-POPが台頭したため、ヨーロッパのポップスが日本に紹介されることは、すっかり減ってしまった。(【Wikipedia】より抜粋「フレンチ・ポップス」)
個人的にフランスに関しては先入観を持っていた。
「お上品」「気取っている」…それから…「暗い」
最後のところだけは「昔はそうだった」訳だ。アンニュイという表現は古臭いのかも知れないけど、気怠いというか冷血というか無感情というか、まあそんな感じの歌が多かったように思う。シルヴィ・バルタンを聴いても「馴染み深いけど、明るくはない」という感じ。
そう思えば、フランスって日本とは遠い国なんだなって思ったりする。
ところが、ネットがこれだけ普及してくるとなると、今までベールに包まれていたフランスのポップも明かされるようになってきた。結構激しいやつとか陽気なナンバーとかもあったりする訳よ。
…ということで、今回は【#惚れるバンド】のフランス版と行ってみよう!
ユニット4組と「本日の特選」として1組、計5組の登場だ。
■フランス×4
◆Mr President - The Best Is Yet to Come (Feat. Hawa & Mr Day)
ドイツに同名のグループ(1991~2008年まで活動)がいたようだけど、それとは全くの別物。今回のやつは【Patchworks】として名の知れたフランス人プロデューサー「ブルーノ・オバール」によって結成されたフランスのファンク・プロジェクトがミスター・プレジデントだ。現代風に洗練されたジャズ・ファンクってところか。ジャイルス・ピーターソンも真っ青な音だ。
(2015年)
◆Mikado - Naufrage en Hiver - Les Colliers de Varech
取り上げた5バンドの中では、最もフランスっぽい雰囲気があるミカド。ポップ・ミュージック、エレクトロニック、ニュー・ウェーヴ、アンビエント…そのどれもが当てはまりそうな音楽を展開されている。ボソボソとしたパスカル・ポレルのヴォーカルはいかにもフランス人っぽさがある。実は、このユニット…YMOが解散した後で、細野晴臣氏が立ち上げたレーベル「ノンスタンダード」からリリース。
(1986年)
◆Justice - D.A.N.C.E.
ジャスティスは、いかにもアングラの匂いを漂わせているエレクトロニック・デュオ。しかし、バンドの音は斬新だ。デビュー・シングル「D.A.N.C.E.」(ディー・エー・エヌ・シー・イー)は、故マイケル・ジャクソンへのトリビュート曲なんだけど、これが大ヒット。
(2007年)
◆L'Affaire Louis' Trio - Tout mais pas ça
ラフェール・ルイ・トリオは、リオンで結成されたラテン系ニュー・ウェーヴ・バンド。デビュー・アルバム「シック・プラネット」が好評だったようで、本国で知名度を上げる。まるで、アメリカの「キッド・クレオール&ココナッツ」に相通じるかのようなゴキゲンな曲を披露してくれる。クリート・ボリスのヴォーカルは個人的に好み。
(1987年)
■本日の特選(フランス×1)
◆Daft Punk - One More Time
ダフト・パンクは、1990年後半のフレンチ・ハウス・ムーヴメントの一部として人気を得た電子音楽デュオ。決して素顔を晒さないようにヘルメットを装着されているのだが、それが宇宙的で素敵。主に、フランスのクラブシーンで大活躍。国内では知らぬ者など居ないくらいの人気者に。
しかしながら、このユニットがもっと評価されて良いと思うのは、前日のスウェーデン特集で取り上げたラスマス・フェイバー同様に、日本のアニメとコラボさせたことだ。2003年に公開された映画「インターステラ555」は、故松本零士氏の作画。67分という短時間に凝縮された音楽アニメ作品でもある。
(2003年)
★関連文書