昨日は、2日かかりでホームページ(HP)の引っ越しを行いました。
というのは、事務所のHPではなく、私が所属している福祉団体の話です。
営利企業と違って、福祉団体は、万年資金不足かつ人材不足ですので、HPの維持管理に多額の資金をつぎ込むわけにはいきません。
それで、業者のサーバーから私が契約しているインターネットサービスプロバイダ(さくらインターネット)のサーバーにプログラムからコンテンツまで全部移管することにしました。
この画像は、狭山湖近くの桜並木です。作業には関係ありません。
移転の前提条件は以下の通りです。
1.ドメインは、ムームードメインで取得済なので、そのままドメイン管理はムームーで行い、移転先のプロバイダに移管しない。
⇒ 移管すると管理料金を移転先のプロバイダに支払う必要あり!
移管しなければ、費用は掛からない。
2.プログラミング言語は、WordPressを使っているので、移転先でも同様に使用する。
3.サブドメインではなく、マルチドメインの設定を行い、かつHTTPS(SSL)の設定は必須。
たったこれだけの条件ですが、結構四苦八苦しました。
以下、どういうことをやったか、順番に説明します。
1.移管前のサーバーでのバックアップ作業
➊WPに管理者アカウントでログイン
❷バックアップソフトをインストールします。
私の場合は、「UpdraftPlus」dという無償のバックアップソフトを使いました。WPのメニューにプラグインというのがあるので、プラグインをクリックして、次にUpdraftPlusを検索して、インストールしました。
❸UpdraftPlusは、HPを丸ごとバックアップするソフトなので、バックアップに結構時間がかかります。私の場合、データが、3GB~4GBほどあったので、3時間くらいかかりました。
バックアッしたデータの保存先ですが、外部のクラウドをサポートしているので、DropBoxやGoogleDriveなどを指定可能です。私は、DropBoxを指定しました。
バックアップすると、UpdraftPlusというフォルダが勝手できて、その下
に ○○○.db.gzが1個、 ○○○.zipが複数できます。
どれくらい時間がかかるかわからないので、数時間はシャットダウンしないで、そのままにしておいてくださいね。
2.さくらインターネットでの作業
➊コントロールパネルにログインして、ドメイン設定のところで、「ドメイン/SSL設定」をクリックして、次に「新しいドメインの追加」をクリック
❷他社で取得・管理中のドメインを使用するので、「5.他社で取得したドメインを使う」の「>>ドメインの追加へ進む」をクリック
❸他社で取得したドメインを移管せずに使う」の「ドメイン名」に設定したいドメイン【xxxx.net】を入力し、「送信する」をクリックすると、初期ドメインと追加ドメイン名が表示されるので、送信ボタンんをクリックすると、ドメインが追加されます
❹「>>詳細設定に進む」をクリックして、「マルチドメイン」を選択し、次に移管するすべてのデータを保存するフォルダを指定します。
「4.SSLの利用をお選びください」は、「SNI SSLを利用する」をクリック
❺ドメイン一覧に戻って、追加したドメインのSSL証明書の登録をクリックし、SSLサーバー証明書の設定を行います。
❻「>>無料SSLの設定へ進む」をクリックし、「無料SSLを設定する」をクリックすると、数十分か数時間後に設定が完了します。
これで、https://xxxx.net になりましたが、アプリを使って同様の作業を行うこともかのうです。
さくらインターネットの場合、契約時の初期ドメインのフォルダーは、以下のようになっています。
/home/初期ドメインの前半部分/www
初期ドメインの前半部分というのは、例えば、私のHPのドメインは、「tajirilaw.com」ですので、「tajirilaw」となります。
つまり、フォルダ名は、/home/tajirilaw/www となります。
新規ドメインは、その下にフォルダを作成することになります。
つまり、/home/tajirilaw/www/xxxx となります。
これは、サブドメインと全く同じ構造なのですが、システムとしては、サブではなく、メインのドメインとして認識しているので、ご心配なく!
私は、この仕組みがわからなくて、チャットで長々とさくらインターネットのエンジニアとやりとりしました。1時間以上やりましたかね・・・わからずやで申し訳なかったと反省しています(笑)。
3.ドメイン管理サイトでの作業
➊ムームードメインにログインして、ネームサーバーの情報を以下のように書き換えます。
ネームサーバー1 ns1.dns.ne.jp
ネームサーバー2 ns2.dns.ne.jp
そうすると、これまでアクセスできていたHPにアクセスできなくなりますので、ご注意を!
当初、これには正直言って、焦りを感じました。うまく移転できなければ、もう以前のHPは、日の目を見ることはないですから。
4.移管先に戻っての作業
➊コントロールパネルにログインして、WordPressをインストールする必要があります。
❷「運用に便利なツール」の中から「クイックインストール」を選択し、次に「ブログ」、続けて「wordpress」を選択します。
❸任意のフォルダ名を入力して、インストールボタンを押します。ドメイン名が、xxxx.net であれば、xxxxの名前のフォルダを作成します。実は、何でもいいのですが、マルチドメインの設定をしたときに指定したフォルダ名と同じ名前のフォルダでなくてはいけません。
これで、WPが、所定のフォルダーにインストールされましたので、次にWPでの作業にはいります。
5.データの復元作業
➊WPにIDとPWを入れてログインします。
❷プラグインをクリックして、復元作業に使用するアプリケーション「UpdraftPlus」を移管先でも同じようにインストールします。
❸インストールが済みましたら、バックアップしたデータの一部を編集します。○○○.db.gz というデータベースに復元時のアルゴリズムが全て記載されておりますので、中身を見て、以前のサーバーにはあるけれど、復元先のサーバーにはないフォルダがないかどうか確認します。今回の場合、フォルダーの設定が以前とは違うので、復元先のフォルダの構成にdbを編集しました。以下、編集作業です。
(1)gzで圧縮されているので、7zipのアプリを使って解凍しました。標準では7zipアプリはないので、インストールします。
(2)7zipq使って、dbを解凍します。
(3)dbを編集するのですが、ワープロソフトは使えないので、プログラムの編集ソフトをインストールする必要があります。今回、「さくらエディタ」をインストールして、dbを編集しました。
❹編集が終わったら、再度7zipアプリを使って、gz形式に圧縮して、所定の位置に戻します。これで、いよいよ復元作業の開始です。
※有料のUpdraftPlusを使うとこんな手間はいらないのですが、無償なので、復元時の設定は、手動でやるしかありません。
❺WPに戻って、UpdarftPlusを開きます
❻「バックアップ済み」を選択し、「バックアップファイルをアップロード」を選択します。
❼DropBoxに保管してあるデータをここにアップロードします。このとき、アップロードすべきデータをすべて選択して、ドロップします。
❽データが大きいので、1時間くらいはアップロードにかかります。
❾終了すると、UpdraftPlusのバックアップ済みのところのリストに追加されます。バックアップした日付も追加れます。
❿追加したデータの右側にある「復元」ボタンをクリックします。
⓫次にどのデータを復元するか聞いてくるので、全てにチェックを入れて、再度「復元」ボタンを選択します。
⓬もう一度「復元」ボタンを選択すると、復元が開始されます。
終わったら、ちゃんと復元できたか確認してください。
うまく復元できていないようでしたら、不具合の個所をみつけて、debの関連する箇所を編集して、再度復元を行ってください。
以上で作業は終了です。
新規ドメインの追加から、データのバックアップ、復元まで、全てはじめてやったので、試行錯誤の連続でしたが、なんとか終えることができました。