太田忠の縦横無尽 -91ページ目

目標とは予測ではなく、意志である

大きなことを成し遂げていく人を見ていると、必ずやそこに大いなる「意志の力」を感じる。そういう人々が立てていた目標というのは「これぐらいになるだろう」と予測したものでは決してなく、「こうするのだ」という意志が反映されている。


今年に入ってから新たなことやこれまで継続してきたこと、いずれの面においても少し錆びついた感のあった「チャレンジ精神」をピカピカにすべく少し力を入れて研ぎながら毎日をすごす心がけを絶やさぬようにしている。なんだか自我に目覚め始めた中学2年生頃の感覚が戻ってきて新鮮やらなつかしいやら、いろいろと入り混じった感じである。


「目標」は平常の自分の力では達成できない、負荷のかかるものでなければ意味をなさない。まさに何か高みを達成するために立てるものである。簡単に予測できるような生ぬるいものであってはならないということである。


ところで、こんなことを書いていて、おかしくなってきた。それは、私の専門領域である中小型株の経営者たちの多くが、自社の業績予想をも全く同じスタイルでやってしまうことである。株式市場における業績予想はそもそも「これだけは確実に」「絶対成し遂げる」というコミットメントに近いものが求められている。業績目標とはまさに「予測」できるものではならないのだ。そのへんのところがよく分かっていない経営者たちが少なからず存在し、マーケットでは常に非難の的になるのだが、本来の人間の姿からすると困難に対峙するという真っ当なスタイルをそのまま表明しているだけなので、道義的に悪いとは言えない類の問題である。


ところで、皆さんは単なる「予測」ではない「意志」による「目標」をいくつ持っているだろうか? 目標を立てるのは簡単だが、それを継続しているだろうか? 


できるかできないか、何事かを成すか成さないか、はまさにこの1点にかかっている。



太田忠の縦横無尽 2009.8.23
「目標とは予測ではなく、意志である」

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奨学金がなぜ「給付型」なのか?

衆議院選挙の幕がいよいよ切って落とされた。


候補者たちの街頭演説はどうやら半分以上が他党の悪口であり、ネガティブキャンペーンばかりしているのは何とかならないものだろうか。聞いていて全くうんざりする。「悪口」の時間を今の1/4くらいにして、大半の時間を「政策」主張にあててほしいものだ。


さて、各党のマニュフェストを読んでみた。賛成できるもの、反対したいもの、いろいろとあるが、「あれ、これは明らかにおかしいのではないか?」と私が感じたのは自民党が掲げている「給付型奨学金」なるものである。


私も大学生のときは日本育英会(現在の日本学生支援機構)の奨学金にお世話になった。毎月3万円ずつ4年間貸与してもらい、社会人になってから無利子で返済するというものだった。これは実にすばらしい制度だと思う。私のような奨学金がなければ困ってしまう学生にとって「月額3万円」を支給してもらうことはどれだけありがたかったかわからない。支給日が来るのが待ち遠しかったものだ。


しかし、これはあくまでも「貸与型」であって、利息なしでお金を借りているわけである。大学を卒業し、社会人になれば返済せねばならない。社会人になりたての頃は、年間返済額約15万円(10年で完済する)も結構きつかったが、それでも数年繰り上げて返済が終わったときは本当にほっとしたものだった。こうした形でお金が世代間でリレーされて延々と「奨学金制度」が続いているわけだ。


給付型奨学金というのは「給付型」という名前の通り、「貸与型」ではない、すなわち返済義務のない奨学金ということだ。しかし、そんなおかしな制度があるものだろうか? 「親の収入が低い学生で、成績優秀者を対象とする」という条件がついているらしい。だが、恵まれない学生に援助をする趣旨は理解できるが、成績優秀者が社会人になれば、もはや自立した成人であるので、返済するのが当たり前ではないか? 社会人になった途端に、「恵まれない」という条件は消滅するはずである。そういうきちんと返済能力がある人たちに税金を「給付型」で使うという発想は根本的に間違っている。


何のための「奨学金」なのか、本当にきちんと考えた政策なのだろうか? 子育て、教育関連に各党が注力するマニフェストを出すのはいいのだが、ちょっとこれは本末転倒、という感じだ。


太田忠の縦横無尽 2009.8.19

「奨学金がなぜ給付型なのか?」

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早くも紅葉シーズン

ようやく夏らしい気候になってきた。


東京はお盆に入るまでは、1日中曇りのどよーんとした日が毎日のように続き、台風による寒冷前線の刺激がもたらす豪雨や、夕方あるいは明け方に突然激しくにわか雨が襲ってきたりと、「本当に梅雨は明けたのか」という日が続いていたが、ようやく先週後半あたりから夏らしい夏になった。


昼間の外出は必ず帽子をかぶるようにしている。私は昔から猛烈な真夏の日差しにはめっぽう弱く、直射日光に30分でもあたっていると頭痛に襲われて体調がおかしくなるからである。昔はこういう症状をまさに「日射病」と言っていたが、最近はすっかり聞かなくなった。テレビの天気予報で「熱中症にはお気をつけ下さい」といわれても「一体何に熱中して病気になるんだか」という感じで私のような「日射病世代」にはなかなか馴染めない表現である。やはり言葉通り「陽射し」にやられる「日射病」か、あるいは照り返すアスファルトで炙られた熱風にやられる「熱風症」という表現のほうが適切なように思う。一体、何時から「日射病」→「熱中症」に変わったのか? そういえば、気圧を表す「ヘクトパスカル」も一体何時変わったんだろう。私の世代はもちろん「ミリバール」である。「ヘクトパスカル」は何だか可笑しくていまだに馴染めない。


さて、「早くも紅葉シーズン」とは我が家のことである。浴室のガラス窓越しに見える鉢植えのもみじの木の半分が2週間くらい前に紅葉してしまい、今や枯れて落葉しつつあるのである。こんなのは初めてである。毎年決まって12月1日頃に真っ赤に色づいてきれいな紅葉姿を見せるのだが、今年はまるで別人である。そういえば、中庭の夏椿の葉っぱも通常は濃い緑色をして今頃は元気いっぱいなはずなのだが、今年は少し赤茶けて冴えない色になっている。


気候がおかしくなっているのを植物たちは敏感に感じ取り、それを彼らなりにそのままダイレクトに表現しているのだ。


それにしても、毎年どんどんおかしくなっていく気候は気になるところだ。ゲリラ豪雨被害、土砂崩れ災害の規模が目に見えて大きくなっている。山間部であろうが都心部であろうが、「想像を絶する」水害がやってくれば人間などひとたまりもなく飲み込まれる姿を見せつけられることが多くなった。普段は幅50センチのほとんど水が流れていない用水路が何人もの人たちの命を奪ったのにはぞっとした。これから本格的な夕立と台風シーズン。本当に用心が必要だ。


太田忠の縦横無尽 2009.8.16

「早くも紅葉シーズン」

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資産運用とは「気づき」である

個人ベースにおける資産運用がますます重要になっていることを日増しに実感させられる社会情勢である。


個人における資産運用といっても、所詮は金融資産のことを指すので、「そんなのはお金持ちだけがやるものだ」「お金のない自分には関係がない」「とても運用など考える余裕などなく毎日生きていくのに手一杯だ」と思っている人たちがあまりにも多いようなのだが、それはあくまでも資産運用に対して真剣に考えていないだけである。


資産運用をやるかやらないか、というのは私の経験や私と同世代の人たち(40代半ば)を見ていると、それは「気づき」があったかなかったかの差に過ぎないだけに思えてくる。すなわち、社会人になって20年も経過すると、資産運用の重要さにいち早く気づいて実行し金融資産を殖やしている人と、やりたいのだがついついめんどくさいので後回しにしている人、今後悔している人、毎日の生活に追われれまだ全く気づいていない人の4つのタイプに分かれる。


なぜこんなことを述べたかと言えば、太田忠投資評価研究所でスタートした『投資講座』の基礎編である「投資基礎講座」に20代の人たちが入会してきているからである。これはちょっと意外だった。そして、もうひとつ意外だったのは50代前後の人たちも入会してきていることだ。現時点では20代の人たちと50代前後の人たちの2つのグループにはっきりと分かれている。


私の場合、ちょうど30歳になって初めて外資系企業に転職したときに資産運用の「気づき」を経験した。日系の準大手証券にいた頃、バブルの崩壊で毎年ボーナスが下がり、おまけに28歳で社員寮を追い出され(人がどんどん辞めていたので空室がいくつもあったのだが、会社の規定で28歳で追い出された)、安い賃貸マンションを借りても社宅費用が差し引かれると手取りがわずか10万円となってしまった。「これはまずい」と思いながらも、とにかく「30歳までに300万円を貯めよう!」という計画をあきらめず、なんとかギリギリ達成し、その300万円がタネ銭となってくれたことが私の資産運用の原点だったことは間違いない。転職してもまだ安月給だったが、資産運用をきちんと始めたのである。


まだ少ない収入と少ない金融資産であっても、将来に向けて戦略的に育てていかねば人生は拓けない。まさに「恒産なくして恒心なし」である。


20代の人たちが「投資基礎講座」に入会するのを見て、私は「自分より先を越された!」と思うのと同時に、「今気づくとはなんてすばらしい!」という二つの思いが入り混じる。


年率10%の運用力を身につければ、10年後には複利で2.6倍、20年後には6.7倍、30年後には17.4倍に成長するパワーがある。これは本当に大きなことなのだ。


今入会している20代の人が30年経過すると50代になり、もう一方の入会者の年代になる。50代前後の人たちが「これから取り組む」とすれば、正直すでにものすごくチャンスを逸したように思える。だが、よく考えてみると、まだこの先30年程度の人生があるわけであり、「正しい資産運用」を10年、20年単位でおこなえるだけの時間が残されている、そして、資産運用に取り組まなければ不安に満ちた老後生活しか送れないかもしれないのだ。


それを考えると、50代の人たちが入会してくるのはちゃんとした理由があり、20代の人たちとは真剣さが違う。


太田忠の縦横無尽 2009.8.12

「資産運用とは気づきである」

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口と鼻とではこんなにも違う内視鏡検査

人間ドックの話の続きである。


私にとって人間ドックの一番の収穫が「自分の血液型を知った」ことだと書いたが、その反対にイヤなことも出てきた。そう、内視鏡検査を毎年受けなければならなくなったのだ。


私が受ける内視鏡検査は胃である。40歳で初めて人間ドックを受けたときは、もちろん一般的なバリウム検査だった。ところが、問診の時間になって私のバリウムの写真を見ていた先生が突然暗い表情になり、眉間に皺を寄せている。


「うーん、これは再検査が必要だな」。今まで健康診断で何度もバリウムを飲んできたが、こんなことを言われるのは初めてだった。「いや、胃の数ヶ所に影が出てましてね、胃カメラを飲んで精密に調べないといけません」


「え、ひょっとしてガンですか?」。恐る恐るたずねてみた。「何とも言えませんが、胃の中にポリープがあるのは確かです。すぐに検査の予約をとりましょう」


ということで、その日は沈痛な心持で自宅に戻った。私の家系には「ガン」で亡くなった者はほとんどいない。「まさかとは思うが、さすが40歳にもなるとあちこちに支障が出てくるものだな」。とにかく、再検査の日まで心は晴れなかった。


そして、当日の朝。胃カメラ検査なのでもちろん前日の午後9時以降は何も口にしていないのだが、初めての検査を受けることと、その結果が「ひょっとして」という思いでちっとも空腹を感じなかった。


昔の胃カメラは相当大変だったらしいという話は知っていた。サイズが大きいため、まず飲み込むのに一苦労し、カメラのケーブルが太いためその圧迫感と嘔吐感とで苦しめられ、「もう二度と受けたくない」というのが大多数の人たちの偽らざる感想だったのだ。だが、改良の末、随分と良くなったとも聞いていた。


初めて間近で胃カメラの装置を見たとき、「え、これを本当に口の中に入れるのか?」とちょっと一瞬戸惑った。ちっとも小さくないではないか。だが、もはや時を止めることはできない。検査が始まった。


「はい、ちょっと圧迫感がきますよ」「はい、どんどん入っていきますよ」「しっかり口を開けたままにしてください」「はい、もっとどんどんはいります」と先生がいちいち説明しながらやるものだから、飲み込んだとてつもなく長い物をだんだん吐き出したくなり、嘔吐感を止めることができなくなった。「苦、苦しい」と話そうとするがしゃべれないのである。そして、周りで見守る女性の看護師が三人とも私の体をおさえようとするのだ。これでは暴れることもできない。「もう限界だ」と思った瞬間、胃の中に入れられていた空気が抜かれ(胃に空気を送られると膨張感が高まり、不快極まりない)、急に苦しみから解放され、ようやく平常心にもどった。ただし、最後にカメラが喉を通ろうとした時にまた「オエっ」と嘔吐感に襲われた。


とにかく、苦しい検査だったが、その場で直ちに診断が下され、胃カメラで撮影した写真を手渡された。「これは胃底線ポリープといって良性のポリープで、ガン化することはありません。胃の中も非常にきれいで、ピロリ菌はないですね。でも、毎年検査を受けてください」という言葉だった。ほっとしたよりも、疲れのほうが勝っていたため、あまりうれしそうな表情を作ることはできなかった。


それから毎年内視鏡検査を受けている。ただし、翌年からは口からではなく、鼻から入れる胃カメラでやっているのだが、これがとてつもなく楽チンである。こんなにも違うものなのか、というくらいの違いである。今年の検査も無事終了し、胃カメラで激写した記念写真をもらった。


もし、胃の内視鏡検査を受けられることがあった場合、私は鼻から入れる胃カメラを断然おすすめする。カメラのケーブルが細いことと、口から入れていないため嘔吐感に悩まされることがほとんどない。ただし、蓄膿症や鼻づまり体質の人には不向きなので、そういう人は口から入れてもらうしかない。


太田忠の縦横無尽 2009.8.8

「口と鼻とではこんなにも違う内視鏡検査」

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40歳にして自分の血液型を初めて知る

40歳から年に一度、人間ドックを必ず受診するようにしている。会社の規定で40歳からはほとんど自己負担なしに人間ドックを受けられるというありがたい制度のおかげである。今年も、6度目となる受診に出かけてきた。


人間ドックを受けるようになって、いろいろな発見があった。


一番の収穫が自分の血液型がA型Rh(+)であるということがわかったことだ。実は忘れもしない、小学2年生の時に血液型検査というのがあった。体育館に集合させられ、小型の注射器で一人一人の血液を少量抜き取り、検査するというものだったのだが、これが私にとって生涯忘れられないトラウマになろうとはその瞬間まで知る由もなかった。


今の血液検査は、小型の注射針を刺して(もちろんチクッとする)、血液を吸い取る側の容器が真空になっているため、自動的にゆっくりと血が抜かれる仕組みである。ところが、今から40年近くも昔の血液検査では、手動で注射器のピストンを吸い上げていくという原始的な方法しかなく、これを下手くそな人にやってもらうと飛び上がるほど痛い、というものだった。


そもそも私は血を見るのが苦手で、流血騒ぎの映画などはまず見ないのだが、子供の頃はそうしたものにものすごく過敏であり、理科の実験で「フナ」の解剖の時間、途中で気分が悪くなり保健室へ駆け込んだほどであった。


そして、とうとう私の順番がやってきた。私の前に並んで、すでに検査が終わった友達たちは大げさに「痛えー」とか言って脅かそうとしている。そして、私がいざ腕に注射針を刺され、女の看護師の人が血を抜き取ろうとした瞬間、目の前が真っ青になり、5秒くらいして真っ暗になり、気を失ってしまったのである。どうやら、ちゃんと静脈に注射針が入っておらず、そのまま吸い上げられたため、一種のショック状態になったのだ。気がついた時は、体育館の隅で青いスポンジマットの上に寝かされて、汗をびっしょりかいてうなされている自分がいた。


「太田君、もう一度やってみる?」と心配そうに見ていた隣のクラスの先生が言った。冗談じゃない、こんなに恐ろしいことは一生ごめんだ、と私は血液検査を拒否。その後、一度も自分の血液型を知ることがなく、30年以上も経過した。自分の血液型を知らないことが、自分の羞恥心の一部であり続けた。


40歳以前は、会社の健康診断といっても、血液検査がなかったために、昔の恐怖を味わうことなく済んできたが、人間ドックでは血液検査があり、血を抜き取られることをその当日になった初めて知った。「しまった!」と思ったのと同時に昔の恐怖が蘇ってきた。だが、仕方がない、覚悟を決めて受けるしかない。腹をくくった。


「血液検査で倒れたことがあります」と深刻な顔をしながら先手を打って、担当の看護師の人に言うと、「では、横になってください。安静状態でやりますから」という非常にありがたい言葉。これなら気絶しても、すでにそのまま横になっているから、小学2年生の時よりは恵まれているなと自分に言い聞かせながら横になった。そして、注射針を打たれて、血が抜けていく瞬間、もちろん極度に緊張したが、全く何ともなかったのである! 


ものすごく拍子抜けしたと同時に、30年以上にわたるトラウマは何だったのか、と思わずにはいられなかった。


そのような体験は、皆さんにはないですか?


太田忠の縦横無尽 2009.8.5

「40歳にして自分の血液型を初めて知る」

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投資実践コース 「モデルポートフォリオ」の7月のパフォーマンス

とうとう7月も終わってしまい、今年も残すところわずか5ヶ月となってしまった。時の経つのは早いものだ。


さて、先月のブログでもお知らせしたように、太田忠投資評価研究所では7月22日に個人投資家向け『投資講座』をスタートした。おかげさまで無事に立ち上がっており、皆様からのお申し込みをいただくと同時に、各方面からの問い合わせが増えてきている。


『投資講座』には2つのタイプがあり、「投資基礎講座」および「投資実践コース」の2つの講座をインターネット上にて開催しているが、投資に関する実践的なノウハウを身につけたい方のために開催している「投資実践コース」では、企業分析や投資実践講義に加えて、モデルポートフォリオ情報を提供している。


モデルポートフォリオは個人投資家の方が資産運用をおこなうにあたって、参考にしていただくことのできる「リスク管理」を徹底した絶対収益型の実践的ポートフォリオであり、会員の方々には株式・先物・現金等の比率や、株式投資の具体的銘柄ならびに売買戦略などの情報の提供をおこなっている。


投資講座の開設に先立ち2009年3月19日よりモデルポートフォリオの運用をスタートしたのだが、毎月のパフォーマンスを弊社のHP上の「What's New」 でもご紹介することにした。7月単月のパフォーマンスは+2.8%、累計のパフォーマンスは+15.1%となった。7月のキャッシュ比率はほぼ一貫して50%前後で推移したが、小型株市場の上昇力が途切れてきたため、組入れていた小型株は利益確定逆指値に次々とヒットし、それに入れ替わる形で1Qの顕著な業績回復が確認され、かつ出遅れている大型株のウエートが上昇した。最近はハイテク分野の頑張りが目立つ。


ちなみに3月から7月までの各月末におけるパフォーマンスは以下の通りである。

3月 単月-0.4%、累計-0.4%
4月 単月+3.6%、累計+3.2%
5月 単月+3.4%、累計+6.7%
6月 単月+4.9%、累計+12.0%
7月 単月+2.8%、累計+15.1%


スタートから4ヶ月半が経過したが、インターネット証券のさまざまな売買ツールを活用すれば柔軟な「リスク管理」をおこないつつ、株式投資による資産運用が非常に容易にできることを再認識している。投資信託を運用しているフルインベストメントスタイルのファンド・マネジャーが真似できない「優位な立場」に個人投資家は立っていることをどれほどの人々が本当の意味で理解しているのだろうか?


太田忠の縦横無尽 2009.8.1

「投資実践コース モデルポートフォリオの7月のパフォーマンス」

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3ヶ月連続で出演するIRセミナーを取り巻く背景とは

昨日、日本IR協議会・日本経済新聞社共催による「名古屋IRセミナー2009」の講演会に出かけてきた。企業側の視点、個人投資家の視点、機関投資家の視点という3つの角度から今求められるIR活動とは何なのかを追求するというのが趣旨である。お題も『激変する市場環境と有事の業績説明』。


企業側からはプロトコーポレーションの入川達三社長による「変わる経営トップの説明責任」、個人投資家側からはフィナンシャルプランナーである木村佳子さんによる「個人投資家が聞きたいIR」、そして機関投資家側からは私が「機関投資家が求める業績説明と戦略」と題して講演をおこなった後、パネルディスカッションに移った。


急激な不況の波が押し寄せたことによってIRを取り巻く企業側の環境が急速に悪化したことは確かなのだが、それ以上にアナリストや機関投資家といった証券業界・運用業界の環境が急変しているのが大きな問題となっている。とりわけ、中小型株の分野はリーマンショックをさかのぼること2年半前からマーケットが急落し、それがベンチマークに勝てない中小型株ファンドの続出を招き(中小型株市場にいまだに適切なベンチマークがないことが大いに関係している)、世界の株式市場の中で最もパフォーマンスが悪いリスクアセットに成り下がったために、運用資金の引き上げや運用体制の縮小が顕著になっている。パッシブ運用が過度に支持され、アクティブ運用受難の時代になれば、企業調査だって不必要になってくる。一方、証券会社側も合併や調査体制の縮小によってアナリストの数が相当減少している。


こうなると、今までのIR戦略が通用しなくなるのは容易におわかりになるだろう。とにかく1社でも継続カバーされる状況を死に物狂いにでも作り出す努力をする一方で、今後新旧交代が加速していくと予想されるアナリストやファンド・マネジャーにおいて経験値の少ない新たな担当者に対するベーシックな布教活動が重要になってくることは間違いない。


それにしても、今回の環境の中であらわになったのは「IRは業績の良い時も悪い時も一貫した姿勢が必要だ」と言っていた企業が次から次へとIR活動を後退させてしまったことである。業績悪化時こそIR力が試されるとは本当で、企業の弱点や本質部分が透けて見えてくるのだ。


不況から好況の局面で企業間格差は実は一番大きく開く。業績不振なのはどこでも同じ。株価が低迷している時だからこそ、投資家に中長期的に大きなパフォーマンスをもたらすチャンスと割り切って、歯を食いしばってでも頑張ってほしいというのが私からのメッセージである。


8月にはジャスダック証券取引所主催のIRセミナーがあり、ここでも講演をおこなう(詳細はこちらを参照 )。また、9月にも宝印刷主催のIRセミナーがあり、パネリストとして参加することになった。IRセミナーといっても、個人投資家向けのIRイベントではなく、IR担当者に対する啓蒙活動が3ヶ月連続で続くというのは非常に意義深いと思っている。なぜならば、IR活動の陰の極では、普通はこれだけ活発にIRセミナーが開催されることは過去の不況時には見たことがないからだ。それだけ、「IRに対する必要性」という認識はまだ廃れているわけではないということだ。


太田忠の縦横無尽 2009.7.29

「3ヶ月連続で出演するIRセミナーを取り巻く背景とは」

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『太田忠&スタジオ・マルルー』の音楽サイト

7月22日に本ブログにてご紹介しました太田忠投資評価研究所の「投資講座」に皆様から早速のお申し込みをいただき、お礼申し上げます。個人投資家の方々に真に役立つ情報提供をおこなっていきますので、どうぞご期待下さい。


さて、今日は「三大プロジェクト」の第二弾、『太田忠&スタジオ・マルルー』の音楽サイトが完成いたしましたので、ご紹介いたします。アドレスはこちらです。

http://www.studio-mauruuru.jp/


実は、このサイトが完成する前にも音楽サイトはありました。それは、私がホームページビルダーというHP作成のソフトを使って、たった1日で自分ひとりで作成したという代物で、シロウトの悲しさ、非常にチープなものでした(笑)。さすがにこちらから積極的に紹介するに至らず、ようやく本日、皆様の日の目を見るに至りました。やはりプロのデザイナーの方とコラボレーションしてやると自分が思っていたよりも格段に良いものができることを実感しました。安原さん、ありがとうございます。


トップページ、プロフィール、活動報告、スタジオ・マルルーについて、イベント情報、リンク、お問い合わせ、と7つのブロックから構成されており、「活動報告」では私がピアノトリオにて演奏した動画がYouTubeにてご覧いただけます。また、今後スタジオ・マルルーにて演奏されたミュージシャンたちの動画(私も含む!)もアーカイブとして残し、YouTubeにて全世界に発信する予定です。


私は25歳にしてようやく自分の稼ぎで電子ピアノを買って念願のピアノを習い始めました(子供の頃は、とてもそんなことができる家庭ではありませんでした)。4年間みっちりとクラシックピアノを習ったものの、仕事が忙しくてレッスン終了。そして12年間のブランクを経て41歳でピアノを再開。今度はジャズピアノに取り組み、音楽の本当の面白さに触発され、思い切って自宅にスタインウェイのセミコンまで置いて(25歳の時に、「いつか必ず!」という夢でした)、リビングルームをスタジオにしてしまったという暴挙(?)をHPにてご覧いただけます。


私はもともと音楽関係者ではありませんが、特にこの2年間は音楽関係の人たちとのネットワークが最も広がっており、毎日がきわめて刺激的であります。


8月30日(日)には『福田重男ソロピアノ&料理とワインの夕べ』という本格的なライブの企画も決定しております。福田重男さんは日本を代表するジャズピアニストで、普段はめったにソロピアノのライブはやられないようなのですが、今回は特別にお願いして実現いたしました。あっという間に予約が埋まり、座席はあとわずかを残すのみですが、もしご興味のある方は、サイト内の「お問い合わせフォーム」からご連絡下さい。


とりあえず、本ブログのサイドバーの右上に音楽サイトの「バナー」を貼ってみましたが、音楽関係の話題のときは、このバナーを登場させることにいたします。


それにしても、やろうと思えば何でもできてしまうものですね。もちろん短期間では何もできませんが。


太田忠の縦横無尽 2009.7.26

「太田忠&スタジオ・マルルーの音楽サイト」

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太田忠投資評価研究所の投資講座がスタートしました

太田忠投資評価研究所による個人投資家向けの『投資講座』が2009年7月22日よりスタートしましたのでお知らせいたします。


「貯蓄から投資へ」という世の中の流れが起こってからすでに何年も経過しておりますが、個人投資家の資産運用力はいまだに脆弱であり、2008年秋のリーマンショックで甚大なる影響を受けているのが現状です。


当研究所では資産運用における「リスク管理」の重要性を唱え、自分の頭で考え行動する自立した個人投資家を育成する目的のもと、株式投資をメインとした「投資基礎講座」ならびに「投資実践コース」の2つの投資講座をインターネット上にて提供いたします。


「投資基礎講座」はビギナーの方や投資の正しいアプローチを学びたい方のために、投資に関する基礎的内容を6ヶ月にわたり学びます。料金は税込みにて36,750円(入会金5,250円、会費31,500円)です。


「投資実践コース」は投資に関する実践的なノウハウを身につけたい方のために、企業分析、モデルポートフォリオ、投資実践講義などの情報を提供いたします。契約期間は1ヵ月で退会のお申し出がない限り自動更新されます。料金は税込みにて入会金21,000円、月会費15,750円です。


投資講座の詳細およびお申し込みについては、当研究所のHPをご覧下さい。

http://www.ohta-research.co.jp/


『投資講座』に関するお問い合わせを数多くいただきまして、ありがとうございます。ようやくスタートに漕ぎ着けることができました。皆様のご支援の賜物と感謝しております。よろしくお願いいたします。なお、投資講座のスタートは7月11日のブログで述べた「三大プロジェクト」の1つとなります。


太田忠の縦横無尽 2009.7.22

「太田忠投資評価研究所の投資講座がスタートしました」

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