太田忠の縦横無尽 -92ページ目

3ヶ月連続で出演するIRセミナーを取り巻く背景とは

昨日、日本IR協議会・日本経済新聞社共催による「名古屋IRセミナー2009」の講演会に出かけてきた。企業側の視点、個人投資家の視点、機関投資家の視点という3つの角度から今求められるIR活動とは何なのかを追求するというのが趣旨である。お題も『激変する市場環境と有事の業績説明』。


企業側からはプロトコーポレーションの入川達三社長による「変わる経営トップの説明責任」、個人投資家側からはフィナンシャルプランナーである木村佳子さんによる「個人投資家が聞きたいIR」、そして機関投資家側からは私が「機関投資家が求める業績説明と戦略」と題して講演をおこなった後、パネルディスカッションに移った。


急激な不況の波が押し寄せたことによってIRを取り巻く企業側の環境が急速に悪化したことは確かなのだが、それ以上にアナリストや機関投資家といった証券業界・運用業界の環境が急変しているのが大きな問題となっている。とりわけ、中小型株の分野はリーマンショックをさかのぼること2年半前からマーケットが急落し、それがベンチマークに勝てない中小型株ファンドの続出を招き(中小型株市場にいまだに適切なベンチマークがないことが大いに関係している)、世界の株式市場の中で最もパフォーマンスが悪いリスクアセットに成り下がったために、運用資金の引き上げや運用体制の縮小が顕著になっている。パッシブ運用が過度に支持され、アクティブ運用受難の時代になれば、企業調査だって不必要になってくる。一方、証券会社側も合併や調査体制の縮小によってアナリストの数が相当減少している。


こうなると、今までのIR戦略が通用しなくなるのは容易におわかりになるだろう。とにかく1社でも継続カバーされる状況を死に物狂いにでも作り出す努力をする一方で、今後新旧交代が加速していくと予想されるアナリストやファンド・マネジャーにおいて経験値の少ない新たな担当者に対するベーシックな布教活動が重要になってくることは間違いない。


それにしても、今回の環境の中であらわになったのは「IRは業績の良い時も悪い時も一貫した姿勢が必要だ」と言っていた企業が次から次へとIR活動を後退させてしまったことである。業績悪化時こそIR力が試されるとは本当で、企業の弱点や本質部分が透けて見えてくるのだ。


不況から好況の局面で企業間格差は実は一番大きく開く。業績不振なのはどこでも同じ。株価が低迷している時だからこそ、投資家に中長期的に大きなパフォーマンスをもたらすチャンスと割り切って、歯を食いしばってでも頑張ってほしいというのが私からのメッセージである。


8月にはジャスダック証券取引所主催のIRセミナーがあり、ここでも講演をおこなう(詳細はこちらを参照 )。また、9月にも宝印刷主催のIRセミナーがあり、パネリストとして参加することになった。IRセミナーといっても、個人投資家向けのIRイベントではなく、IR担当者に対する啓蒙活動が3ヶ月連続で続くというのは非常に意義深いと思っている。なぜならば、IR活動の陰の極では、普通はこれだけ活発にIRセミナーが開催されることは過去の不況時には見たことがないからだ。それだけ、「IRに対する必要性」という認識はまだ廃れているわけではないということだ。


太田忠の縦横無尽 2009.7.29

「3ヶ月連続で出演するIRセミナーを取り巻く背景とは」

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『太田忠&スタジオ・マルルー』の音楽サイト

7月22日に本ブログにてご紹介しました太田忠投資評価研究所の「投資講座」に皆様から早速のお申し込みをいただき、お礼申し上げます。個人投資家の方々に真に役立つ情報提供をおこなっていきますので、どうぞご期待下さい。


さて、今日は「三大プロジェクト」の第二弾、『太田忠&スタジオ・マルルー』の音楽サイトが完成いたしましたので、ご紹介いたします。アドレスはこちらです。

http://www.studio-mauruuru.jp/


実は、このサイトが完成する前にも音楽サイトはありました。それは、私がホームページビルダーというHP作成のソフトを使って、たった1日で自分ひとりで作成したという代物で、シロウトの悲しさ、非常にチープなものでした(笑)。さすがにこちらから積極的に紹介するに至らず、ようやく本日、皆様の日の目を見るに至りました。やはりプロのデザイナーの方とコラボレーションしてやると自分が思っていたよりも格段に良いものができることを実感しました。安原さん、ありがとうございます。


トップページ、プロフィール、活動報告、スタジオ・マルルーについて、イベント情報、リンク、お問い合わせ、と7つのブロックから構成されており、「活動報告」では私がピアノトリオにて演奏した動画がYouTubeにてご覧いただけます。また、今後スタジオ・マルルーにて演奏されたミュージシャンたちの動画(私も含む!)もアーカイブとして残し、YouTubeにて全世界に発信する予定です。


私は25歳にしてようやく自分の稼ぎで電子ピアノを買って念願のピアノを習い始めました(子供の頃は、とてもそんなことができる家庭ではありませんでした)。4年間みっちりとクラシックピアノを習ったものの、仕事が忙しくてレッスン終了。そして12年間のブランクを経て41歳でピアノを再開。今度はジャズピアノに取り組み、音楽の本当の面白さに触発され、思い切って自宅にスタインウェイのセミコンまで置いて(25歳の時に、「いつか必ず!」という夢でした)、リビングルームをスタジオにしてしまったという暴挙(?)をHPにてご覧いただけます。


私はもともと音楽関係者ではありませんが、特にこの2年間は音楽関係の人たちとのネットワークが最も広がっており、毎日がきわめて刺激的であります。


8月30日(日)には『福田重男ソロピアノ&料理とワインの夕べ』という本格的なライブの企画も決定しております。福田重男さんは日本を代表するジャズピアニストで、普段はめったにソロピアノのライブはやられないようなのですが、今回は特別にお願いして実現いたしました。あっという間に予約が埋まり、座席はあとわずかを残すのみですが、もしご興味のある方は、サイト内の「お問い合わせフォーム」からご連絡下さい。


とりあえず、本ブログのサイドバーの右上に音楽サイトの「バナー」を貼ってみましたが、音楽関係の話題のときは、このバナーを登場させることにいたします。


それにしても、やろうと思えば何でもできてしまうものですね。もちろん短期間では何もできませんが。


太田忠の縦横無尽 2009.7.26

「太田忠&スタジオ・マルルーの音楽サイト」

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太田忠投資評価研究所の投資講座がスタートしました

太田忠投資評価研究所による個人投資家向けの『投資講座』が2009年7月22日よりスタートしましたのでお知らせいたします。


「貯蓄から投資へ」という世の中の流れが起こってからすでに何年も経過しておりますが、個人投資家の資産運用力はいまだに脆弱であり、2008年秋のリーマンショックで甚大なる影響を受けているのが現状です。


当研究所では資産運用における「リスク管理」の重要性を唱え、自分の頭で考え行動する自立した個人投資家を育成する目的のもと、株式投資をメインとした「投資基礎講座」ならびに「投資実践コース」の2つの投資講座をインターネット上にて提供いたします。


「投資基礎講座」はビギナーの方や投資の正しいアプローチを学びたい方のために、投資に関する基礎的内容を6ヶ月にわたり学びます。料金は税込みにて36,750円(入会金5,250円、会費31,500円)です。


「投資実践コース」は投資に関する実践的なノウハウを身につけたい方のために、企業分析、モデルポートフォリオ、投資実践講義などの情報を提供いたします。契約期間は1ヵ月で退会のお申し出がない限り自動更新されます。料金は税込みにて入会金21,000円、月会費15,750円です。


投資講座の詳細およびお申し込みについては、当研究所のHPをご覧下さい。

http://www.ohta-research.co.jp/


『投資講座』に関するお問い合わせを数多くいただきまして、ありがとうございます。ようやくスタートに漕ぎ着けることができました。皆様のご支援の賜物と感謝しております。よろしくお願いいたします。なお、投資講座のスタートは7月11日のブログで述べた「三大プロジェクト」の1つとなります。


太田忠の縦横無尽 2009.7.22

「太田忠投資評価研究所の投資講座がスタートしました」

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スポーツクラブの効用

スポーツクラブに行きだしてからかれこれ4年ほど経つ。


前々から体がかなり硬くなっているのが気にはなっていたのだが、40歳という年齢を過ぎてからは「これは何とかしなければ」という焦りに変わった。といっても、私はもともと自ら進んで運動するタイプでは全くなく、学校の体育の時間は苦痛でしかたがなかった。いかに楽をしながら1時間を過ごすか、ということばかりを考えていたのであった。


ちょうど社会人になった頃、日本中でジョギングブームが巻き起こり、中高年の人たちが無理をしすぎて「心臓発作で死亡」という記事が連日のように新聞を賑わせていたので、「運動は体に悪い」と会社の先輩たちに公言してはばからないほどであった。本気でそう思っていたのだ。


ただ、さすがの私も「仕事が忙しい」という口実だけで現状を放置するわけにはいかなくなった。ちょうどその頃、コナミスポーツのIRの人から「太田さん、一度うちのスポーツクラブを見学に来ませんか」と言われたので、青山にあるジムへ出かけた。まさに渡りに船だった。


体を鍛えるためのマシンはまばら、プールに人がほとんどいない、面白そうなスタジオプログラムがある、という私のスポーツクラブに対するイメージとは全く正反対となる3つの好条件が揃っていたので入会することにした。自分ひとりでトレーニングしても長続きはしないことは最初からわかっていたので、トレーナーの方をお願いすることにし、毎週日曜日に通い始めた。


あれから4年間が経過し、我ながらよく続いているものだと思っているが、週一度とはいえこれだけ継続しているとやはり効果は大きいようだ。


まず体が柔軟になった。スポーツクラブ以前は就寝前に体操をしていても、なかなか体が言うことをきかなかった。足を前に投げ出して前屈運動をしてみても、手が足に全く届かず30センチくらい離れているのである。脚の裏側全体にビーンと電気が走る感覚を覚え、思わず「いてててて」となる。こっちは真剣に取り組んでいるのに、それを見ていた妻が大笑いして「冗談でやっているのかと思った」と腹立たしいことを言っていたのも遠い過去のようだ。


今日のトレーニングメニューは、2kmのランニング、スミスマシンを用いた37kgのバーベルでのスクワット15回×3セット、同じ重さのバーベルでのデッドリフトを10回×2セット、45kgのベンチプレスを8回×3セット、足を上げたハードな腹筋を15回×2セット、バックエクステンションを15回×2セット、ラットプルダウンを35kgで15回×2セット。これをわずか40分という短時間でこなし、ストレッチをして終了。


正直かなりきつい。体育の時間、サボることばかり考えていた昔の私がトライしたら気絶するような密度の濃いメニューである。だいたい水曜日頃まであちこち体が痛い状況が続くのだが、体重は維持しながらも脂肪が筋肉にどんどん変化している。ぽっこりお腹とも無縁となった。生涯で最も運動しているのが実は今現在なのである。


それにしても、最近のスポーツクラブは不況の影響で人がどんどん減っているのがわかる。これから医療費が爆発的に増大していく世の中、病気になってからでは遅すぎる。スポーツ振興費という名目で、体力増進、健康維持などのスポーツに関わる費用を国がわずかでもよいからサポートするという制度があればなあ、と前々から思っている。意識的かつ継続的に運動に取り組むことで、病気や動けなくなるという潜在的悪状況から逃れることができる。国に迷惑をかける可能性もぐっと減るはずだ。


太田忠の縦横無尽 2009.7.19

「スポーツクラブの効用」

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小泉チルドレンの逆現象 ― 都議選に「風」が吹く

予想していたとはいえ、東京都議会選挙における民主党の圧勝はすさまじいものだった。文字通り、国民は現行の自民党体制に「NO」を突きつけ、民主党による政権交代を総選挙を先取りして意思表明した形だ。


私が最も驚いたのは、民主党は58人の候補を立てて、実に54人が当選した点である。当選確率93%となり、得票率では40.8%を確保。これは05年の郵政民営化解散総選挙で自民党が圧勝した東京比例区の得票率を超えてしまった。


05年の時は、小泉総理の強い信念が支持されて、比例代表で通常ならば当選などありえない名簿の下位に名前を連ねている無名の人たちが次々と当選し、杉村太蔵といった象徴的な小泉チルドレンたちを生み出した。


そして今回も当選確率93%という数字は、驚くべき現象を生み出している。議員の経験のない候補者が次々と自民党の大物議員を破ってしまったのだ。まさに「風」が吹いたのである。このような新人議員がどのような活躍を見せるのか未知数であるが、大いに期待したいものだ。新銀行や築地移転といった都民の金をムダ食いするだけの悪政に次々と異議を唱え、やってはいけないことをやらせない都議会をつくってもらいたい。「小泉チルドレン」的な時代の風が止むとともにその役割をほとんど見出せないような形にだけはなってほしくない。小泉チルドレンは8月の総選挙をもって「死語」になるだろう。


それにしても、都議会選の結果を受けての自民党の混乱ぶりは目を覆いたくなる。この3年間ロクでもない政治運営を続けてきた末路の姿であり、責任は取らねばならないであろう。というか、すでに責任も取れないくらい自民党は空中分解している。野党になった後、これまでの自民党の形はなくなってしまうのではないか。


「誰に投票しても変わらない」というのが国民の政治に対する古くからの十八番の文句だったが、5年前くらいからガラッと変わった気がする。「風」を起こし、その結果を厳しく問い、また「風」を起こす―。国民に対する国の政策運営力は劣化するばかりだが、それでも「行動するしかない」ことを国民はよく分かっているのだ。


「地方選挙の結果は、総選挙とは別物だ」と言った政治家がいたそうだが、これこそ笑い者の意見だろう。そういう無能なバカ者は即刻、政治の舞台から退場していただきたいと思う。



太田忠の縦横無尽 2009.7.15

「小泉チルドレンの逆現象 ― 都議選に風が吹く」

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三大プロジェクト進行中で大忙し

最近、やたらと忙しくなってきた。


三大プロジェクトと呼ぶべき、大きなプロジェクトが同時進行中であり、その対応に大わらわになっているためである。しかもどれもこれも間もなく形を伴って、具現化されるものばかりである。


いずれもが弊社および私個人にとって大きな意味を持つものであり、対外的にもジワジワといろいろなところで反響をよぶものにしたいと、内心ワクワクしている。


とりあえず、来週およびさ来週が作業の山場。気を引き締めて、最終的な仕上げにとりかかりたい。


プロジェクトの実現にあたっては、ブログでもご紹介していきます。では。


太田忠の縦横無尽 2009.7.11

「三大プロジェクト進行中で大忙し」

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実に分かりやすい相場展開

日経平均6日続落、全面安。


当然のことと言ったほうがよいと思うが、期待先行だけで買われていた大型株市場は曲がり角を迎え、9500円割れの水準にまで調整してきた。7000円から1万円までたった3ヶ月で一気に40%も上昇するのはさすがに出来過ぎだった。

米国マーケットは非常に冷静で、景気の先行きのみならず、財政の先行きまでも心配している。きわめて健全な状況にあると思うが、日本の場合はまだ財政の先行きまでマーケットは心配していないのが気になるところだ。


一方で、小型株市場は堅調に動いているのが対照的である。パフォーマンスの主役が大型株→小型株へと流れており、実に分かりやすい相場展開である。


小型株市場の動きは興味深い。通常ならば上昇相場の最後の局面でぶち上がる「業績に一貫性のない銘柄」や「ボロ株」から舞い上がるという変則パターンでスタートしたが、それがようやく時価総額の大きい「新興市場代表銘柄」に活気が出てくるという小型株相場の上昇初期特有の現象が出てきたため、要注目である(決して割安ではない銘柄が上昇するところに意義がある)。


この展開が発展して、くたくたに叩き売られていまだ眠ったままの「優良小型株」(業績堅調、株価急落、PE1ケタ、無借金等の好条件を満たす)へ波及してくれば、小型株市場が本格的な上昇局面に入ったことになると私は考えているが、果たしてどうだろうか。


それにしても、セルサイドアナリストがノーカバレッジのおいしそうな銘柄が非常に多いのに驚く。「時価総額が減少したのでアナリストにカバーしてもらえなくなりました」「アナリストが異動しました」「アナリストがリストラされました」など連日、取材先企業から同じような話を聞かされると、思わずワクワクしてしまう。


いやー、これはチャンスですぞ。



太田忠の縦横無尽 2009.7.8

「実に分かりやすい相場展開」

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7月4日に生まれて

トム・クルーズではなく、何を隠そう私のことである。


そう、今日7月4日は私の誕生日。映画のタイトルにもなっているが、今日はアメリカの独立記念日である。米国人に生まれていれば、非常に特別な日のはずだが、日本人である私にはあまり関係がない。毎年のごとくこの日は梅雨のちょうど半ばにあたり、カラッと晴れた日などついぞお目にかかったことはない。だが、今年は珍しく晴れた1日だった。


私が生まれたのは1964年である。実はこの年は日本にとってエポックメイキングな年であり、東京オリンピック開催、東海道新幹線開通、東京モノレール開業と日本がまさに高度成長期の真っ只中にあり、まだ貧しくともひたむきな姿勢で生きていた日本人が最も輝いていた時代である。ついでだが、東京の国立西洋美術館で「ミロのビーナス特別公開展」が開かれ6時間もの行列をして(!)人々が熱心に見学していたのも1964年である。


あれから45年が経過し、今の私がいる。小学生の頃には想像もしていなかった年齢に達してしまった。「みんなは2000年には何をしているのかな?」と当時小学3年生のときの担任の先生が授業中に言ったのを昨日のことのように覚えている。「2000年か。想像もできない未来だな。自分は36歳。何をしているのだろう」と子供心に自問自答したその2000年はあっと言う間にやってきてしまい、あれからすでに10年近く時間が経過しているなんて信じられないくらいだ。


45歳はどう考えても人生の折り返し地点を過ぎていると思う。だが、今のところ体力が落ちたとか、気力が落ちたとかいう身体上の不自由は感じておらず、ちょうど心と体のバランスが取れてきた感じである。バランスが取れていなかった若い頃の不快感というものがまったくない。


今の精神状態は大学生の頃と全く変わっていない。いや、高校生、中学生、いや小学生の頃の心のあり方からもあまり変化していないように思う。そうすると、70歳や80歳になっても心のあり方はあまり変わっていないのだろう。


子供の頃は50歳くらいの人たちを見ると、自分とあまりにもかけ離れた大人という感じであったが、彼らだって若い頃の心根はそのままだったんだな、ということがよく分かるようになった。そうすると、70歳、80歳になってもちっとも怖くない、という感じである。もちろん老いから誰しも逃れることができないが、健康にうまく年齢を重ねていけば本当に死ぬ直前の動けないとき以外は、普通に生活していくのだと思う。2年前に亡くなった我が家のドナちゃん(14歳10ヶ月のジャーマン・シェパード犬。人間でいうと85歳くらいの年齢にあたる)が当日の朝まで元気で暮らしていたように。


ちなみに冒頭で触れたトム・クルーズの誕生日は7月3日であり、米国においては私のほうが皆から賞賛されるべき(!)立場のはずであり、彼は「なぜ7月4日に生まれてこなかったのか」と人生で何度も悔やんだに違いない、と勝手に私は想像している。


太田忠の縦横無尽 2009.7.4

「7月4日に生まれて」

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往復ダブルで人身事故に遭遇

昨日、あまり愉快でない出来事に遭遇した。


夕方から丸の内で重要なミーティングがあったため、会社の最寄り駅から電車に乗ろうとすると、駅の入り口付近に人だかりができている。駅のすぐ前にあるバス停も長蛇の列。この光景を見た瞬間、これまでの経験から人身事故だとすぐにわかったので、即タクシーをつかまえようとしたのだが、同じ考えの人ばかりで、みんな道路に身を乗り出して手を挙げている。しかもタクシーが来たなと思っても、実車のタクシーだけが空しく通り過ぎるばかり。


とっさに独自の行動に出た。みんなが手を挙げている国道246号から少し脇に入ったところに実はタクシーの抜け道ともいうべき小さな通りがある。地元の人間しかあまり知らないところなのだが、他人より先に車を拾うべく、そちらの通りに入って100メートルくらい直進したところで空車のタクシーがやってきたためにすぐに飛び乗った。


「ここで臨時の交通ニュースです。午後2時頃発生した用賀駅での人身事故のため、東急田園都市線は現在ストップしております」。乗った瞬間にちょうどいいタイミングでラジオのニュースが流れてきた。やはり、人身事故だったのだ。だが、タクシーに乗ったからといって油断は出来ない。渋滞につかまってひょっとしたら遅れるかもしれないので、タクシーの中からすぐさま相手方にケータイで連絡をとり、事情を話した。


結局、拍子抜けしたように道はスイスイで、ミーティング時間の15分前に到着。3700円かかったのだが、財布にはあいにく小銭がなく、1万円札数枚と1000円札が3枚しかない。1万円札を差し出すと、運転手が「申し訳ないのですが、今おつりを切らしておりまして」と言われたので「じゃあ、こちらも1000円札3枚しかない」と返すと、「いや、結構です。3000円で大丈夫です。個人タクシーですから問題ありません」という意外な返事だった。数百円の電車賃で行けるところを700円まけてもらって3000円で15分前に着いたのは、果たして高いのか安いのか。ツイていたのか、ツイてなかったのか。


だが、話はこれで終わらなかった。ミーティングの帰りに半蔵門線に乗ったのだが、一駅進んだところで、電車が急にストップ。「えー、ただいま青葉台駅にて人身事故が発生いたしました。皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、今しばらくお待ち下さい」。


「うーん、何たること」。結局、約15分ほどして動き始めたのだが、前に電車がつかえているため、一駅ごとに時間調整しながらしか動かない。いつもより30分以上時間がよけいにかかってしまった。あいにくラッシュ時間にかかっていたため、想像を絶する混雑ぶりで、車内には殺気のようなものがみなぎり、不愉快の集団と化していた。


人身事故にはもちろん何度も遭遇しているが、1日に往復でダブルというのは初めての経験である。自殺した人に向かってとやかく言うことはあまりないが、それにしても世知辛い世の中を改めて思い知らされたようで、愉快ではない出来事だった。


太田忠の縦横無尽 2009.7.1

「往復ダブルで人身事故に遭遇」

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日本政府へのお願い・提言

日本政府へのお願い・提言


1.ウソをつくのはやめましょう

2.出来ないことはやめましょう

3.隠しごとはやめましょう

4.非常識なことはやめましょう

5.無駄づかいはやめましょう

6.根拠のない楽観主義はやめましょう

7.問題の先送りはやめましょう

8.国民を不幸にする政策はやめましょう

9.社会を支配・統制するなどという考えは捨てましょう

10.国家としての理念くらいは持ちましょう


太田忠の縦横無尽 2009.6.26

「日本政府へのお願い・提言」

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