皆さん、こんにちは。春めいてきましたね。もうすぐ新学期。それぞれに気持ちを新たにしているんでしょうか。

 

さて、今回の院長ブログは、先日私が大学時代に所属していた徳島大学ボート部から、部誌への投稿依頼があり、それ用に書いたものがあるので、それを引用させていただきます。内容は、コロナになって趣味だった海外への旅行やスキューバダイビングが出来なくなったので、キャンピングカーを手に入れてから、国内旅行したものをまとめました。過去のブログで報告した内容ですがご容赦ください。また文面はボート部OB/OGや現役部員向けになることもご容赦ください。それでは。

 

 

     コロナ時代が私にもたらした嬉しい事
 

     S63年卒 藤崎臣弘 職業:矯正歯科治療専門医
 

徳大ボート部OB ・ OG の皆さま、お元気ですか? また、櫂の原稿依頼が来ました。 昨年はお断りしたので、今年はお引き受けしました。宜しくお願いします。
コロナが感染し始めたのは、 2019 年 12 月、中国武漢からで、瞬く間に世界へ拡散しました。日本でもダイヤモンド・プリンセス 号の騒動も生々しい記憶です。都市閉鎖や移動の制限、営業活動の自粛や停止 、これから生活はどうなるんじゃ、と不安になりました。感染による 死者や後遺症に苦しむ方も多くいましたが、何とか普通の生活がようやく 戻ってきています。コロナは社会に新たな変化をもたらしました。在宅勤務が意外に良い点もあったり、ズーム会議で離れていても会議はできました。多様なSNSの浸透には目を見張ります。ユーチューバーなる新たなビジネスも生まれたりしています。
私にとっての大きな変化は、趣味であった海外への旅行が渡航禁止などで行けなくなり、国内旅行へ切り替わった事です。国内観光旅行はほとんど行かなかったので、実際に行ってみると色んな発見がありました。今回はそれをテーマに原稿を書くこととしました。 お付き合いください。


移動時に密になることを避けるために、 キャンピングカーを購入することにしました。 注文して約 9 カ月後 、2021年4月に届きました。


トヨタのハイエースがベースで、 後方にキャビンがあるタイプです。室内で立って移動できるのが気にいって決めました。サイズも街中のコインパーキングに入るサイズで、キャンピングカーとしては、コンパクトサイズです。これで妻と日本全国を旅行してみよう、となったわけです。


最初の旅行先は山口県でした 。赤い鳥居の写真で有名な元乃隅神社へ行きました。

地元のスーパーや市場へ行って、新鮮な地元の魚介類を買って、キャンピングカーで食べたりしました。とらふぐの刺し身が所狭しと並んでいました。冷蔵庫や電子レンジも完備しており、保存も心配ありません。 その他にも日本酒 獺祭の工場・直売所で試飲や購入もしました。


また、修学旅行以来の秋芳洞にも行って、石灰岩が長い年月をかけて作り上げた芸術をじっくり見てきました。平日とはいえ、人がほとんどいなくてびっくりしました。 コロナで修学旅行がなくなっているのが原因だと思いました。ただ、観光に来ている私達にとっては、空いててラッキーでした。 ゆっくり マイペースで静かに観賞できました。


その他にも色々見物して、帰路には岩国市の錦帯橋を見てきました。錦帯橋の周辺にも素敵な公園や文化財が多くあり、思い出深かったです。 その後、宮島の厳島神社も観光してきました。行ったことが無かったので、船でいくんだ、とか感動していました。広島のお好み焼きも堪能しました。



次の旅行は、お隣の高知県めぐりをしました。鍋焼きラーメンが有名らしく、意外に美味しくいただきました。地方へ行くと、知らない料理の楽しみもありますね。高知と言えば、かつお、市場は魚であふれていまています。藁を焼いて、それをたたきで食べるのですが、本当に旨いですね。徳島のスーパーで売っている物とは別物です。出来立てを食べることの大事さを感じました。写真はありませんが、美術館や記念館、スイーツの美味しいお店なども回りました。今はスマホでそれでそれこそ簡単に情報が手に入り、クチコミなどを丹念に調べると、より味わい深い旅行ができます。本当に便利になったもんです。



次の旅行は、愛媛 宇和島からフェリーにキャンピングカーごと乗船して別府、阿蘇へ行きました。修学旅行でも行った地獄めぐりの温泉地も回りました。もう記憶は無いですが、硫黄のにおいが温泉地に来た事を実感させます。普通の温泉はもちろん、熱くて濡れた砂かけ温泉、関サバ、関アジも堪能しました。街の至る所から湯けむりが上がる光景は、温泉地に来た雰囲気を盛り上げます。



阿蘇へ向かう途中に湯布院にも寄って温泉につかりました。走行中に見えた雪を頂く由布岳は本当に美しかったです。その後、阿蘇山へ向かいました。阿蘇の外輪山は本当に大きくて美しいですね。自分でフラットな外輪山の上を車で運転すると、その形状もよくわかり、内側の凹んだ部分の街や、噴煙たなびく阿蘇山の風景も、自然が造形した景色を実際の目で見て感動します。中学生の時は、こんな景色に何も感じず、ほとんどバスの中で寝ていたんだろうなと思いました。


それから、宮崎県に入り高千穂峡へ行って観光してきました。
朝早く行って、誰もいない中で、静かに瀧が落ちている光景は美しく感動しますね。自分達で凄く早く起きて、他の観光客が来る前に観光できるのも、キャンピングカーならではの楽しみ方です。こういう場所へ行く道は、本当に道路が狭く、キャンピングカーでは対向車が来ない事を祈りながら運転する事も多々あります。結構スリリングです。その後はまた別府に戻り、フェリーで戻り高速道路をひた走り徳島へ戻ります。徳島道は片道1車線が多く、キャンピングカーは車体重量がありスピードがでないので、特に山の登りでは、後ろがイライラしているだろうなと思いながら、大名行列状態となります。ただ、バックミラーはリアルミラーではなくモニターなので、不思議に煽られている感じははありありません。これはいいですし、私の後ろについた不運は、もう諦めてねって開き直っています。


次の旅行先は、私がまだ人生で行ったことの無い富山県で、黒部・立山アルペンルートに行ってきました。着いて最初に食べた富山のブラックラーメンも美味しかったですね。まずは黒部峡谷のトロッコ列車を堪能しました。自然の中、風を感じながら、コトコトゆられて楽しかったですね。標高も高いので、結構寒くて薄着で行って震えました。



それから立山アルペンルートへケーブルカーやバスを乗り継いで行きました。5月でしたが、標高3000メートルなので白銀の世界、気温は0度でした。しかし天気は快晴、日差しが半端なく、歩いていると汗がでました。空気は澄みわたり、周囲360度が雪山の風景は一生忘れないと思いました。若者は、スノーボードを持参して、山に自力で登って真っ白な新雪の上にシュプールを描いていました。そりゃ気持ちいいだろうと思いました。でも大変すぎる。



よくガイドブックに載っている雪の壁の写真です。高さは15メートル。壁を触るともう氷です。でもこれが見えてくると感動しますね。


黒部ダムにも足をのばしました。行く途中のゲレンデでの休憩写真ですが、もう絶景で何も言えねぇって感じで、日本の屋根にいるんだなって感が凄かったです。多分もう二度と来ないだろうと思うと、写真を撮りまくりますね。



黒部ダムです。昭和38年完成。私の生まれた年です。そんな年によくもこんなでっかいダムが作れるもんだと思いました。写真ではわかりにくいですが、凄くでかい。やはり当時は事故で多くの犠牲者が出ており、その慰霊碑もありました。でもこれがあることで、下流の水害が防げることを使命感に、皆必死で取り組んだそうです。熱い思いがあったんだと勉強になりました。おいしい物は、ほたるいかでした。特に生の刺し身は絶品。のどぐろも有名で鮨で頂きましたが、富山湾の海の幸、やはり最高でした。



帰りに、合掌造りで有名な集落に寄って観光しました。記念館には、歴史資料や当時からの道具などもいっぱい残っており、館員の方からの説明等を聞いていると、雪深い冬の山間の集落を生きる知恵と工夫の結晶だということが良く分かります。今も実際に人が住んで生活をしながら文化財を保護しています。美しい日本の風景でした。



次の旅行は、三重県、伊勢志摩観光でした。伊勢神宮に行ったことことが無かったので、そこへ行きました。上社と下社の二つに分かれているんです。知りませんでした。敷地がまた広大なのに、隅々まで徹底的に清掃され、境内は気品に満ちあふれて、パワースポットかのような雰囲気が確かに感じられます。神々が住んでいると言われても納得してしまいます。建物も古いのに、威厳を感じるんですね。周囲の木々も何か普通とは違う、みたいな気持ちになります。お伊勢参りが古人のブームになったのも分かる気がしました。さすが観光地で、神社の参道にはお土産物屋さんが沢山ありました。ここに行ったのが、2022年7月で、そろそろ修学旅行が解禁になってきており、学生も団体客も大勢来ていました。赤福の本店にも行って、あん餅も食べました。つきたてで柔らかいですね。伊勢うどんも食べましたが、あれは私の口には合わなかったですね。太いのに、柔らかく、しかも塩が足りない。ちょっと残念でしたが、一度は食べておかないと、と思いました。



その後2016年に伊勢志摩サミットが行われた会場にも行きました。海と空と英虞湾に浮かぶ島々が素晴らしいバランスで、外国の要人をもてなすには最高の場所だと思いました。会議に使われたイスやテーブルが飾られていました。安倍晋三首相もここで議長として、オバマ大統領やメルケル首相などとも激論を交わしたんだと思います。懐かしい写真もいっぱいあって、安倍首相も笑顔で手を振っていました。しかしそのその2日後に、奈良県での応援演説中に射殺されるという信じがたい悲劇がおこりました。ご冥福をお祈りします。



その次の旅行は、和歌山県に行きました。ミカンの産地、梅の産地でもありますが、その他には南紀白浜アドベンチャーワールドがある、ぐらいの知識しかありませんでした。

まず、最初に行ったのは、ミカンで有名な有田郡の生石高原でススキが一面に生い茂っている場所でした。すごい風も強いのですが、本当に周囲ずっとススキ、圧巻でした。なんで木がなくてススキばかりなのか、不思議でした。それと、ミカン畑の多さにもびっくりしました。流石産地です。



その次には、棚田が綺麗で有名な有田川町のあらぎ島という場所に行きました。確かに日本らしい風景で、でも人の手で丹念に管理されていて、地元の人達もすごく頑張っているのがわかります。後世に伝え残したい風景でした。



それから本州最南端の潮岬や串本など、海岸の色んな奇岩・地形・景観を楽しめる場所を巡りました。長い年月をかけて、波が岩を削ったり、浸食してとても面白い形状になっていて自然の造形美を堪能しました。地元では、その景勝地に、弘法大師がどうこうしたとか、仏様が現れてどうこうした、などのあるある伝え話もそれぞれにあって面白かったです。



これも写真スポットです。ちょうど西に太陽が沈む時に、島の間の穴から光が見える、という場所です。1時間ぐらい前についていましたが、1年の内、この期間しか撮影できないので、多くの方がぞくぞくと集まってきました。今はインスタグラムなどで有名になって、調べればすぐにわかるんですね。やっぱり夕日って神々しいですね。



次の旅行は滋賀県でした。この写真は琵琶湖を一望できる琵琶湖バレイへ紅葉を見に行った時です。なんと画面の右下には、琵琶湖の上一面に発生した雲、雲海でした。綺麗に絨毯のようにフラットな雲海。こんな光景は見たことがありませんでした。もちろん紅葉も楽しめましたが、雲海が絶句ものでした。
近江牛の焼き肉のお店で食べた味も、忘れられません。



来週は隣の香川県へ行く予定を作成中です。いつも下調べを十分にしてスケジュールを決め、予約が必要な所は予約も完了させ万全な態勢で臨みます。でも実際に行っても、臨時休業のお店や施設もあると急遽予定変更となり苦労もしますが、それも忘れられない良い思い出になります。キャンピングカーで旅して、日本全国探せばおもしろい所はいっぱいあることを知りました。

この世の中、コロナもそうですが、ロシアのウクライナ侵攻が示すように、平安・平和はあっけなく崩れる。ロシア、中国、北朝鮮は日本の隣国でありながら、昨今軍備増強で軍事侵攻のリスクが高まっています。国内でも過去にはサリン事件、現在でも通り魔事件、理不尽な犯行も増えています。地震や豪雨、地球温暖化の影響も脅威です。少子高齢化や物価高、各種ハラスメント、格差社会等生きていく上で不安は尽きないと言えます。うつ病や自殺者も増加して、明るい未来が約束されてはいない、という現代社会。私が若い後輩部員に伝えたい事は、私も常に思っている事でもありますが、たとえどんなに苦しい厳しい状況におかれても、その状況の中で楽しもうと努力する、ということです。決して不運や不合理な状況に対して不貞腐れたりしてはいけません。少しでも楽しむことができ、成功や笑顔が生まれれば、苦しい中でも何かの希望が見えて来て、その希望に向かってコツコツと努力し続けて行くと、最後には自分の人生の使命が見えてくる、それをいつか見つけなさい、ということです。自分の人生の使命がわかった人は、迷わず信念をもって困難を突破していけます。これは最強です。私も旅行記では、いつも呑気に遊んでばかりいるように見えますが、スタッフを雇い、借金を重ねて診療所を運営し、悩み深い患者さんの期待を裏切る事は許されません。歯科団体の役職も担い、ストレスや苦労も人並みにはあります。でも私は矯正歯科治療を行う事が私の人生の使命であり、しかも矯正治療自体が大好きです。仕事も遊びも夢中になるのが私の理想です。それでは、皆様お元気にお過ごし下さい。