皆さん、こんにちは。GWも終わりましたが、感染は収束の兆しがみえません。徳島県も感染急拡大で気が抜けません。オリンピックはどうなるのか気になりますが、感染予防対策しながら頑張りましょう。
さて、今回の院長ブログは、治療終了のご報告です。11歳の女子で、上顎前突が主訴でした。
笑顔での上顎の前歯の突出は強い状態でした。
凸凹はほとんどありませんが、前歯の前方傾斜は強く認められます。
パノラマ写真です。全体的に歯根が短い傾向でした。短根の人は矯正治療による根吸収が起きやすいと言われています。
治療開始前にその事をお話しし、了承を頂きました。
横顔のレントゲンです。骨格には問題はありませんが、上顎だけではなく、下顎の前歯の前方傾斜も認められました。
治療方針は、上顎は前から4番目の第一小臼歯を左右抜歯、下顎は前から5番目の第二小臼歯を左右抜歯、計4本抜歯で、マルチブラケット法にて治療を開始となりました。上顎の後方移動のためJフックヘッドギアも上顎には夜間使用してもらうこととしました。
上顎の抜歯が終了して、ブラケットを接着しました。最初は1本おきに行います。
これが、Jフックヘッドギアです。宿泊研修や風邪の時等は使わなくていいですが、それ以外は毎日就寝時に使用です。これが治療を早く奇麗に仕上げるポイントとなります。この患者さんは凄く使ってくれました。
1か月後に下顎にブラケットを装着しました。上顎犬歯はもJフックの効果で結構後方へ移動していました。
治療開始から1年経過時点です。
犬歯は後ろに移動が終了し、前歯の後方移動を行っています。この時点でもJフックは継続しています。
下顎のスペースも徐々に無くなってきています。
治療開始から2年経過時点です。
全体的に大分スペースが無くなってきています。
その後11カ月、治療開始から2年11カ月で治療終了となりました。治療開始時と終了時の写真の比較です。
正面と横の写真です。上顎の前方傾斜の改善も明らかです。
もともと凸凹もないので、変化は感じませんが、抜歯スペースは奇麗に閉鎖されております。
これは治療後ですが、内外側的にも適切に配列できています。
正面の会写真です。唇の形態もバランスが良くなりました。笑顔での歯の見え方も別人のように奇麗になりました。
斜めと横顔です。別人のように奇麗になりました。唇も閉じやすく健康的です。
パノラマ写真です。上顎の前歯部には若干根吸収が認められましたが、咬合には全く問題はありません。
親知らずは高校生の終わりごろに抜歯の予定です。
上下の前歯が後方移動したのがわかります。バランスの良い口元になりました。
治療終了おめでとうございます。Jフックを最後まで良く頑張りました。お陰でとても奇麗に仕上がりましたよ。努力は報われた感じですね。ただ根の吸収は若干認められました。移動の代償ですが、1ミリも吸収しないで動かせる保障はありません。これはどうしようもありませんが、普通に何でもばりばり咬めるので、気にせずお食事してください。今後もリテーナーで管理をしていきましょう。お疲れ様でした。
それでは、5月元気にいきましょう。皆さまお元気で。
●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。
●今回の総費用:67万円(治療期間2年11カ月)
●治療における一般的なリスクについて
治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。
●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。