西洋に与えた衝撃



モネ、ドガ、セザンヌ・・・
みんなHOKUSAIに学んだ。



上野・国立西洋美術館で開催
展示「北斎とジャポニスム」
観に行ってきました~!



今回も虎彦くんと一緒です。


予習をして美術館に行った方が楽しめる
自宅で調べものをしていると、
学校の教科書には載っていなかった
数々の伝説に衝撃が…!


いざ会場に足を運ぶ。
ワクワクが止まりません。





北斎とジャポニスム ― HOKUSAIが西洋に与えた衝撃


【会場】

国立西洋美術館



【会期】

2017/10/21(土) ~ 2018/1/28(日)



【開館時間】

午前9時30分~午後5時30分
(金、土曜日は午後8時)

※入館は閉館の30分前まで



【観覧料】

一般     1,600円
大学生    1,200円
高校生    800円
中学生以下  無料






学生時代に教科書で学び、
僕も実際に版画に挑戦した
経験があります。(懐かしい)

でも、"ジャポニスム"という現象や
天才浮世絵師・葛飾北斎について
詳しく知らなかったので
これは自分にとって良い機会だと。


そもそも「ジャポニスム」とは何か?


僕はずっと"ジャポニム"と
認識していましたよ←
(RHYMESTERさんの楽曲
 「B-BOYイズム」みたいな感じで)

ヨーロッパで見られた日本趣味…
つまり日本の物品、美術品に対する
関心を指す言葉でございます。
また、そのメインとなる場所は
フランスでした。

そして、フランス語読みである
"ジャポニスム"の方が海外では
一般的に使われているようです。



19世紀後半、
開国を機に西洋との交流が深まり、
日本から陶磁器や漆器、各種の調度品、
浮世絵などの美術工芸品が、
大量に西洋に伝わっていく。

 ↓

また、ヨーロッパ各地で開かれた
万国博覧会を通じて日本の文化が
欧米の人々の間で関心を呼び、
一種の日本ブームが到来する。

 ↓

この日本好みの風潮が、
服飾や日常的な生活様式に至るまで
ドンドン広がっていく。



なるほど~!
そして、葛飾北斎を切り口に
このジャポニスムという現象を読み解く
初めての大規模展覧会が本展なわけです。




北斎先生はどんな人?


◆代表作は《冨嶽三十六景》
《北斎漫画》の連作など著名な作品でも
100点を越えるが、一説には生涯に3万点もの
絵を残したと言われてる。


◆ペンネームの改号は約30回。

使用した号は「春朗」「群馬亭」「北斎」
「宗理」「可侯」「辰斎」「辰政(ときまさ)」
「百琳」「雷斗」「戴斗」「不染居」
「錦袋舎」「為一」「画狂人」「九々蜃」
「雷辰」「画狂老人」「天狗堂熱鉄」
「鏡裏庵梅年」「月痴老人」「卍」「是和斎」
「三浦屋八右衛門」「百姓八右衛門」
「土持仁三郎」「魚仏」「穿山甲」などと、
それらの組み合わせ。


◆そもそも"北斎"というペンネームは
世の中を小馬鹿にしたもので、
「アホくさい」「ヤボくさい」などの
ダジャレがモチーフになっている。

しばらくその名前を使うと、
売れていない弟子に与えてしまう。
ちなみに「北斎」のペンネームを
名乗った者は3人もいる。
(後世に大混乱を与えた)


◆「北斎」を名乗ってた時期は割と短い。
晩年に最も長く名乗ったのは「画狂人卍」、
さらに、最晩年の屋号は「画狂老人卍」

今の若者言葉で「まじ卍(まんじ)」
っていうのがあるけど「画狂老人卍」って
時代先取りし過ぎてる気がする。ウケる。


◆引っ越しは90回以上。

基本は貧乏でその日暮らし。
酒も煙草もギャンブルもしない。
描くこと以外には全く無頓着な性格で、
お湯を沸かすことすらしなかった。

居室には菓子の包み紙や
出前の器がそのまま放置され、
足の踏み場もない散らかりようだったという。
(家がどうしようもないほど汚れると他へ引っ越す)


◆1日に3回引っ越したこともある


◆アメリカの雑誌「ライフ」の企画
「この1000年で最も重要な功績を
 残した世界の人物100人」で、
日本人として唯一86位にランクインした。

「なんだ86位かよー」と思ったアナタ!
86位前後の面々を見るときっと驚きます。

78位 パブロ・ピカソ
85位 へレン・ケラー
86位 葛飾北斎
90位 ウォルト・ディズニー

いや、もう、ただただ凄い…!


◆向上心の塊のような生き様。

「己 六才より物の形状を写の癖ありて
 半百の此より数々画図を顕すといえども
 七十年前画く所は実に取るに足るものなし
 七十三才にして稍(やや)禽獣虫魚の
 骨格草木の出生を悟し得たり
 故に八十六才にしては益々進み
 九十才にして猶(なお)其(その)奥意を極め
 一百歳にして正に神妙ならんか
 百有十歳にしては一点一格にして
 生るがごとくならん
 願わくは長寿の君子
 予言の妄ならざるを見たまふべし」


分かりやすい表現に変えるとこうなる。


「私は6歳の頃から、
 ものの姿を絵に写してきた。
 50歳の頃からは随分沢山の絵や
 本を出したが、よく考えてみると、
 70歳までに描いたものには、
 ろくな絵はない。73歳になってどうやら、
 鳥や獣や、虫や魚の本当の形とか、
 草木の生きている姿とかが分かってきた。
 だから80歳になるとずっと進歩し、
 90歳になったらいっそう奥まで見極めることができ、
 100歳になれば思い通りに描けるだろう、
 110歳になればどんなものも生きているように
 描けるようになろう。どうぞ長生きされて、
 この私の言葉が嘘でないことを
 確かめて頂きたいものである」


しかし、弟子の証言によると
80歳を越えた頃に腕を組んだかと思うと
猫一匹上手く描けないと泣き喚いていたそう。


◆臨終の時の言葉も格好良い。

「天我をして五年後の命を保たしめば
 真正の画工となるを得べし」

これは「天があと5年寿命を下されたなら
私は本物の画家になることが出来るのに」
といった意味。死ぬ直前まで夢中になれる
ものがあるって本当に素敵だと思います。

余談ですが、ピカソは晩年
「ようやく子供のような絵が
 描けるようになった」と言っている。

深い。ふかい。フカイ!




チケットも無事にGet!

で、中に進むと見えてきたのが
記念フォトスポットでした。



綾切くんといえば
ぼっち行動のカリスマ的存在。
こういう場面では普通困るところ、
近くにいる人にガンガン声をかける←

「あ、写真ですか!いいですよ~」

「ありがとうございます」

「あの…もしかしてバレエやってました?」

「え、なんでわかったんですか!?」



A.ポーズ



(ありがとうございました)



会場では北斎の作品と西洋の画家による
北斎模写が並んで展示されているので
見比べることが出来ます。

あ~、ここ似てるなぁ!とか
そういうところに目をつけていたのか
みたいに間違い探し感覚で
専門知識とかないけど楽しかった。


<出典 British Museum

特に僕は下絵に惹かれました。
円形を組み合わせて出来ていたり、
黄金比率みたいな感じ?
なんだか不思議だな~って。



<出典 British Museum

ここまで徹底されていると、
「全て僕の計算通りさ」って台詞と共に
ドヤ顏決めてまうよね僕やったら。



あと『北斎漫画』十四編に登場するリスが
漫画「NARUTO」のサイが使用する
忍法・超獣偽画のソレで興奮しました。

めちゃくちゃ格好良いタッチで
栗鼠(りす)って―――ふぁあああ!?
あの瞬間の僕は傍から見るとヤバい
奴だった気がする。目がギラギラ。
格好良い!かっこいい!カッコイイ!

ってか展示と全然関係ないけど、
今こうして記事を書きながら
リスの好物って栗じゃなくて
どんぐりじゃない?なんて
ふと疑問に思い調べてみたところ
実は栗が大好物なんですね。

へぇー知らなかった。

さらに情報を求め調べると
「どんぐり」は漢字で「団栗」と
書くから関係はあるぜみたいな意見に加え、
某知恵袋の書き込みではド下ネタを
ぶち込んでくる強者もいたので学習した。




さらに展示の奥へと進むと
クロード・モネの作品
《陽を浴びるポプラ並木》が。


<出典 公式サイト

色のテイストが太陽で眩しい~!
って時みたいな、少し薄目っていうの?
見てるだけでポカポカになる
優しい陽の光を感じて僕は好きでした。


解説にはこうあります。


西洋では伝統的に、聖書や古代文学を扱う歴史画が最高位に据えられ、つづいて人物画、風景画、静物画が位置づけられた。この中で植物モティーフは低位の静物画に分類される。逆に日本美術では、多くの古典詩歌の伝統に則り、草木や花々が重要な画題をなした。そこに見られる自然に対する親しみは、西洋の人々の植物に対する見方にも影響を及ぼさずにはいなかった。

 西洋の静物画において、植物は花瓶に活けられて描かれる。やがては枯れゆく運命の花々には「死を忘れるな(メメント・モリ)」という宗教的なメッセージが託された。一方、日本美術の花鳥画では、花々は地に根を張って空を仰ぐ。北斎の描く花々にも、大きな自然の一片として植物をとらえる花鳥画の伝統が引き継がれている。そこに植物の真実の姿を感じとったゴッホやモネは、自ら野に咲く花に歩み寄り、その姿を画面いっぱいにクローズアップして描いた。

<第4章 北斎と植物 より>



メモを取りながら衝撃を受けました。

今までにもゴッホやモネの作品を
観てきたけれどそういった観点に立って
鑑賞したことがなかったからです。

自ら野に咲く花に歩み寄り
その姿を描く かぁ…。

なるほど…!

次のお仕事、舞台での役作りに
活かせるヒントを得た気がしました。
アイステージ観に来て下さい~!)



公式サイトではクロード・モネ以外にも
主な出展作家の作品を観ることが出来て
とっても楽しい。オススメです。
http://hokusai-japonisme.jp/highlights.html



展示の最後の方には…

葛飾北斎
《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》
(1830-33年)

あの教科書とかで見たことあるやつ。
波の絵ね。ビッグウェーブ。
もう凄い迫力だった。

生で見るべしあべし。

北斎が世界に与えた影響は大きい、
まさにこの波のようだなぁと。

…あ、今誰かが上手い事まとめたね?





ってなわけで
メチャクチャ楽しかった。


モネ、ドガ、セザンヌと
みんなHOUKUSAIから学んだように
僕もまた沢山のことを教えてもらいました。


ジャポニスム…素敵です!


僕も頑張ろうって思った。
起こせエンタメのビッグウエーブを。


…よし、それでは、またね~!





【虎彦くんと行く美術館ブログ】

岡本太郎記念館

ティツィアーノとヴェネツィア派展

ミュシャ展 2017

ブリューゲル「バベルの塔」展

アルチンボルド展

Point-Rhythm World-モネの小宇宙-

「怖い絵」展

オットー・ネーベル展

「北斎とジャポニスム」展

ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜


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